そのキバで僕を噛んでくれ!   作:松田ゐふ

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パルクールできる設定を活かすのはここしかない!

「「ハハハハハ!!! マジか!! マジか爆豪!!アッハハハハハハハ!!!」」

 

「笑うな! クセついちまって洗っても直んねえんだ!!」

 

「ぶっっはははははは!!」

 

「おい笑うなぶっ殺すぞ!!」

 

「やってみろよ8:2坊やぁ!! アッハハハハハハ!!!」

 

 職場体験の一週間が終わり、また日常へと戻る。

 体育祭みたいに臨時休校なんてものはなく、職場体験終了とともに通常授業となる。

 

 ……どうも……ギャグ補正で登校できてるハルくんだよ。

 あれだけ搾られたら、普通は動けなくなるんだけど……ここはギャグ時空だからさ!

 

 だから、ガガンボみたいに干からびても次の瞬間には復活するのさ!

 

 教室を見渡すと、あちこちで職場体験の話で盛り上がってる。

 特に、爆豪くんはイメチェンまでしてとても楽しかったみたいだね。

 

「楽しんどらんわァ!!」

 

 ……怖、なんで心の声聞こえてんだよ。

 

「お茶子ちゃんはどうだったの?この一週間」

 

 女子たちも、盛り上がってるみたいだ。

 それにしても、密航者を捕まえたなんてすごいね。

 

「とても有意義だったよ」

 

 そして……麗日さん、きみは一体何があったの?

 

「目覚めたのねお茶子ちゃん」

 

「バトルヒーローのとこ行ったんだっけ」

 

「……すごいね」

 

 なんか色々あったみたいで、その変わりようは凄かった。

 

「ハルゥ!!!貴様ァァァ!!!」

 

 突然、峰田くんから声をかけられた。

 

「どうしたのかな?」

 

「どうしたもこうしたもねぇよ!!!お前リューキュウと、イチャイチャしてたみたいだなぁ!!!オイラが苦しんでた間によくもぉ!!!」

 

 あぁ……そいうことか、やっぱりというか当然というか……峰田くんは、僕が職場体験で起きた色々を知って、親の仇のように怒りをぶつけてくる。

 

「いやぁ大変だったんだよ?」

 

「黙れ!ちゃっかり告白もして!イケメンはいいよなぁ!!」

 

 ……そういえば、切奈とトガちゃんには誤解だと伝えたけど、リューキュウには伝えてないような……。

 マズくない?

 嫌な汗が止まらなくなる。

 

 上鳴くんがヒーロー殺しについて話してたけど、それもどうでもいいと思うくらいには焦ってる。

 

「……峰田くん……助けてくんない?」

 

「なんかよく分かんねぇけど……ザマァ」

 

「くそったれ……」

 

 僕は友人に見放されたらしい。

 とりあえず……ちゃんと誤解を解かなきゃ。

 職場体験中に貰った連絡先があるから、なんとかするしかない。

 ……ドロドロの修羅場が起きそうな気がするけど、気にしたら負けだ。頑張れハル!

 


 

「ハイ、私が来た」

 

 ネタ切れかな?

 僕も始まりの挨拶に困る時があるから、よくわかるよ……今度ネタの相談しましょう。

 

 リューキュウの件や、峰田くんの嫉妬など色々あったけど、授業は普通に始まる。

 オールマイトが、いつもと違うテンションでヌルッと始めた午後のヒーロー基礎学。

 工場地帯のようなフィールドが広がるここは、運動場γ。

 

 今日は職場体験が終わってすぐだから、遊びの要素を取り入れた授業をするみたい。

 

 ルールは簡単。この入り組んだ運動場のどこかで、オールマイトが救難信号を出す。

 それをランダムで決められた5人一組の中で誰が1番早く、オールマイトのところに行けるか競うみたい。

 

 早速、最初の組がスタートした。

 

「僕、瀬呂くんにポッ○ー一箱」

 

「安牌行くなよ……オイラ芦戸に、チ○ルチョコ3つ」

 

「切島くんはどうする?」

 

「そうだなぁ……俺も瀬呂かな……じゃ○りこ一箱」

 

「俺は尾白にヤンヤン○けボー」

 

「デクが最下位にカラ○ーチョ」

 

「参加するんだ!?」

 

 誰が一番になるか、お菓子を賭けて予想していたら、意外にも爆豪くんが参加してきた。

 

 レースの結果は一位瀬呂くん……最下位緑谷くん。

 

「……惜しかったなぁ」

 

 緑谷くん、入り組んだパイプや建物を器用に飛んで、一位に躍り出たのに、考え事したせいか滑って落ちたんだよね。

 体育祭の特訓でフルカウルを習得したけど、移動に少し難アリかな?

 

「緑谷くんドンマイ!」

 

「ハルくん……恥ずかしいところ見られちゃったね」

 

「まぁ仕方ないよ……それよりパルクールのやり方ってのを見せてあげる」

 

 そう言うと、僕はスタート地点に行く。

 僕の組は、麗日さん、耳郎さん、切島くん、常闇くん……正直な話このメンバーで僕が負けるビジョンが見えない。

 

『スタート』

 

 合図が出され、救難信号が発信される。

 

 ……あそこか。

 

 僕はスタート地点を飛び出し、ビルから落下する。

 周りは驚いてるけど、心配ご無用!

 バリアを展開して、足場を作り隣のビルに飛び移る。

 これこそ僕の独壇場だ。

 

 小中とずっと公園で練習してたから、得意なんだ!

 え?警察のお世話になってたって?……そりゃまぁそうだけど……だって仕方ないじゃん……家で練習できないもん。

 早朝で誰もいない時に、やってたんだから大目に見てよ。

 その後も順調に、ビルの上やパイプを飛んで跳ねて転がって、突き進んでいく。

 

「というわけで僕の勝ち!」

 

「流石、張理有少年だな!」

 

 やっぱり1番になるって気分がいいよ!

 

 この後も、授業は問題なく進み僕は戦利品のお菓子を持ってワクワクで更衣室で着替えていた。

 

「なぁハル……この穴、女子更衣室に繋がってね?」

 

 ……峰田くん、その話詳しくお願いしてもいいかな?

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