おっすオイラ峰田!
今、期末の実技試験を受けている途中だぜ!
いやぁ~オイラもついに、
さてと、オイラの話はまた後でもいいや、今は実技試験を合格しないとな!
「やってられるかよぉ!こんなクソ試験!!」
オイラはみっともなく叫んだ。
オイラはみっともなく逃げた。
だって考えてみろよ!ミッドナイトの“個性”が強すぎて話になんねぇよ!ハルだって少しは戦えてたけど、眠っちまった……どう考えてもクソだ!!
というのは、オイラの演技だ。いや、まぁ……本音ではあるんだけどよ。
それも作戦の内だ。
オイラ達の作戦は単純で、ミッドナイトをできるだけ遠くに引き離すことだ。
バス内で組み立てた草案は、ハルがあえて捕まる囮になることと、オイラのモギモギで動きを封じること。
そこに試験のクリア条件を組み込んで、作戦が決まった。
まず、ハルがミッドナイトと戦ってわざと眠らされる。
それを見たオイラがみっともなく、脱出口の真反対に逃げ、眠ったハルからミッドナイトを引き離す。
ミッドナイトが離れたら、予め用意していた小瓶を噛み砕いて、痛みで起き続けていたハルが後ろから奇襲をかける。
そして、ハルの登場に驚き隙ができたミッドナイトをモギモギで封じる。
あとはカフスをかけるなり、脱出するなりお好きなようにだ。
ちなみに、なんで一人で脱出しないかと言うとハル曰く、これが試験だからだ。寝たフリして一人で脱出するだけで、オイラたち2人が赤点回避できるかわからないから……らしい。
オイラは関心したよ。普段、オイラと猥談で盛り上がってる友達が、こんなにちゃんと考えてる奴だなんて思いもしなかった。
四六時中、ギザ歯とか八重歯のことしか考えてない、残念なイケメンだと思ってたことは、内緒にしよう。
今度、お詫びにグラビアでも渡そうかな?……アイツ彼女いたよな……えっぐいヤツ渡して修羅場にでもしてやろう。
「クソが……なんでこんな目に遭ってんだよ!ッ!?」
泣きごとを言いながら試験会場の奥まで走る、後ろから飛んでくるムチを受けて、吹っ飛ばされるけど進んでいく。
アイツだって、口ん中血だらけになる覚悟で試験に挑んでんだ!
オイラがここで諦めたら二度と友達なんて言えねぇよ!!
「フ○ックだ!!圧倒的フ○ック!!こんな理不尽試験なんてやってられるか!!……ふぎゃっ!?」
リカバリーガールのアナウンスで、クリアした組が出たのを知った。
焦りもあるけど、オイラは諦めねぇ!!
残り時間は10分を切った、それでも走り続ける。
「……やっぱりいい声で鳴くわね」
……やべぇマジでやべぇ女だぜ……ミッドナイト。
嗜虐心を煽って逃げてきたけど、色々やべぇよ……。
「まずっ!?」
眠り香が漂ってきて咄嗟に口と鼻を覆う。
「そう、鼻でも口でも一呼吸しちゃえばあなたは終わる……その状態で何ができるかしら?」
オイラは必死に逃げる。
こんな時にUSJのことを思い出す。
(峰田ちゃん、本当にヒーロー志望で雄英に来たの?)
……ヒーローになれりゃ、なんとなくモテると思ってたんだよ!
USJで怖い目にあって、それでわかったんだ。
ヒーローだからかっけぇんじゃねぇ!
相澤先生や緑谷やハルが頭を過る。
かっけぇからヒーローなんだって!
だからオイラもやるぜ!!
「もう時間もないけれど、息止めて頑張っちゃうつもりかしら?」
「違ぇんだよなあ」
やっとここまでこれた。
ミッドナイトの眠り香が、脱出口まで届かない位置にまで……。
「オイラたちが……アンタみたいなドスケべヒーローの
ここからはネタばらしの時間だぜ!
ハルが決めてくれるその瞬間まで、オイラに全部引きつけろ!!
「奥まで逃げたのも!ぶちまけた弱音も!
「全っっ部かっけぇ男になる為なんだよなあ!!」
《バリアブルスマッシュ・改》
オイラたちの後ろから突風が吹く。
姿は見えねぇけど、ハルだ……ハルが隙を作ったんだ!!
前方から飛んできた衝撃は、ミッドナイトの体勢を大きく崩し、周りを囲んでいた眠り香は吹き飛んだ。
「ほんと……かっけぇよなぁ……ハル!!」
《GRAPERUSH!》
モギモギを大量にばら撒き、ミッドナイトの足を地面にくっつける。
これで動きは封じた。
「ハル!ナイスアシストだぜ!!」
「峰田くんこそ……ナイスガッツだ!!」
オイラたちは、脱出口に向かって走り出した。
オイルプレイっていいよね……やったことないけど
どうもハルくんです!
いやぁ……峰田くんが真面目に頑張っちゃうから、作品の雰囲気がねぇ……いや、真面目なのはいい事なんだけどさ。
とにかく、実技試験クリアしたよ!
では問題です!僕は今何をしてるでしょーか!?
え?分からない?
君たちは僕のことわかってないみたいだねぇ……正解わぁ………………。
「アンタ何考えてんだい!!小瓶を噛み砕いて無理やり意識を保っただって!?馬鹿なのかい!!」
めぇぇっちゃ怒られてます。
自分でやったこととはいえ、怪我人なのに正座させられてます。
……リカバリーガールってこんなに怖いんだ。
「聞いてるのかい!」
「すみません!」
いや……バリアで喉に入らないよう調節はしてたんだけどね……。
やっぱりというか当然というか……怒らちゃった。
わかってるよ、そういうことじゃないって……でもどうしても自分を勘定に入れない時がある。
「いいかい!二度とこんなことするんじゃないよ!!わかったかい!!」
「はい、申し訳ございません」
こうして、僕らの期末試験は終了した。
数日後
「皆……土産話っひぐ……楽しみに……ぅぅ、してるっ……がら!」
あの元気な芦戸さんが泣いている。
理由は簡単、期末試験の実技で条件を達成できなかったからだ。
「ま、まだわかんないよ!どんでん返しあるかもだし!」
「緑谷くん……それは口にしちゃだめなやつだよ」
芦戸さんの他に、上鳴くん、切島くん、瀬呂くんが同様に負のオーラを撒き散らしている。
「試験で赤点取ったら林間合宿に行けずに補習地獄!そして俺らは実技クリアならず!これでまだわからんのなら、貴様らの偏差値は猿以下だ!!」
ほら、下手にフォローしたらそうなるよ。
こういう時はね。
「あれあれあれぇ?皆さんどうしたんですかぁ?元気ないですねぇ?」
あえて、いじってやる方が良かったりするんだ。
とりあえず、直近で
「ハル!テメェ!」
「暴力だなんていけませぇん……野蛮ですね」
よし、元気が出たみたいだ良かった!*1
「予鈴が鳴ったら席につけ」
そんなこんなで、HRが始まる。
僕たちは兵隊のように一瞬で席に着き、相澤先生の言葉を待つ。
「おはよう、今回の期末試験だが……」
相澤先生の言葉に、実技試験条件未達成の四人が反応する。
上鳴くんなんて、真っ白に燃え尽きてるもんね。
「残念ながら赤点が出た。したがって……」
「林間合宿は全員で行きます」
「どんでんがえしだあ!」
元気だね……先生も。
「筆記の方はゼロ。実技で切島・瀬呂・上鳴・芦戸・が赤点だ……ついでに張理有お前は指導だ」
「え?」
「先生!いいんですか!?俺たち試験クリアできなかったんですよ!?」
「落ち着け順を追って話す。今回の演習試験、気づいてる奴もいるが、我々敵側は生徒に勝ち筋を残しつつどう課題と向き合うかを見るように動いた。でなければ課題うんぬんの前に詰む奴ばかりだったろうからな」
「本気で叩き潰すと仰っていたのは……」
「もちろん追い込むためさ、そもそも林間合宿は強化合宿だ。赤点を取った奴こそここで力をつけてもらう必要がある」
「合理的虚偽ってやつさ」
「ゴーリテキキョギー!!」
良かったね合宿行けて……じゃないよ!?なんだよ指導って!?心当たりはあるけど!いや、心当たりしかないけど!!
「またしてやられた……しかし!二度も虚偽を重ねられると信頼に揺らぎが生じるかと!!」
「わぁ……水差す飯田くん」
「確かにな、省みるよ。ただ全部が嘘ってわけじゃない。赤点は赤点だ、おまえらには別途に補習時間を設けている。ぶっちゃけ学校に残っての補習よりキツイからな」
「「「「……」」」」
「それじゃ合宿のしおりを配るから後ろに回していけ」
先生……指導についてもう少し説明してくれません?マジでこのまま進めんの?ねぇってば!?
……HR後、職員室でしこたま怒られました……とさ。