そのキバで僕を噛んでくれ!   作:松田ゐふ

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決戦の幕開け

「もう逃げられんぞ敵連合……何故って!?」

 

 

 

「我々が来た!」

 

 バーの壁が勢いよく破壊され、オールマイトを筆頭に続々とヒーロー達が突入し、敵連合を無力化していく。

 

 シンリンカムイが、動きを封じ、おじいちゃんヒーローが遠距離持ちの意識を刈り取る。

 流れるような、連携で敵連合を追い詰めていく。

 

「オールマイト……!!あの会見後に、まさかタイミングを示し合わせて……!」

 

「木の人引っ張んなってば!押せよ!!」

 

「攻勢時ほど、守りが疎かになるものだ……」

 

 後ろの扉から声が聞こえる。

 

「ピザーラ神野店は、俺たちだけじゃない」

 

 エッジショットが“個性”を使い、扉の隙間から侵入する。

 扉の鍵を開けると、武装した警官が突入する。

 

「外は、あのエンデヴァーをはじめ、手練のヒーローと警察が包囲している」

 

「怖かったろうに……よく耐えた!ごめんな……もう大丈夫だ少年!」

 

「ありがとうございます!」

 

 オールマイトは僕に笑顔を向けて、安心させてくれる。

 

「せっかく、色々こねくり回したのに……何そっちから来てくれてんだよ……ラスボス……仕方がない……俺たちだけじゃない……そりゃこっちもだ……黒霧

 

「持って来れるだけ、持って来い!!!」

 

 死柄木は、おそらく脳無をこっちにワープさせるよう、黒霧に命令する。

 

「……」

 

「……すみません死柄木弔……所定の位置にあるハズの脳無が……ない……!!」

 

「やはり、君はまだまだ青二才だ死柄木!」

 

「あ?」

 

「敵連合よ……君らは舐めすぎた!少年の魂を、警察のたゆまぬ捜査を」

 

「そして我々の怒りを!!」

 

「ここで終わりだ死柄木弔!!」

 

 オールマイトの圧に、この場の全員が震える。

 

「オールマイト……これが、ステインの求めた……ヒーロー……」

 

「終わりだと……?ふざけるな……始まったばかりだ」

 

 オールマイトの言葉に、死柄木が歯ぎしりし口を開く。

 

「正義だの……平和だの……あやふやなもんで、フタされたこの掃き溜めをぶっ壊す……その為にオールマイト(フタ)を取り除く」

 

 死柄木は雄英襲撃の時と違い、目に信念が宿っている。

 

「仲間も集まり始めた……ふざけるな……ここからなんだよ…………黒ぎっ……」

 

「うっ……」

 

「……え……!?キァアアやだぁもお!!見えなかったわ!何!?殺したの!?」

 

 死柄木の命令を聞き、動こうとする黒霧が急に倒れる。

 オカマの敵が叫び声を上げる。

 

()を少々いじり気絶させた、死にはしない……忍法千枚通し!この男は最も厄介……眠っててもらう」

 

 エッジショットの“個性”で黒霧を封じ込めた。これで敵連合は逃走手段を失った。

 

「さっき言ったろ、おとなしくしといた方が身のためだって……引石 健磁迫 圧紘伊口 秀一分倍河原 仁……少ない情報と時間の中、おまわりさんが夜なべして、素性を突き止めたそうだ……わかるかね?」

 

「もう逃げ場ァねぇってことよ……なァ死柄木、聞きてえんだが……おまえさんのボスはどこにいる?」

 

「…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」

 

 おじいちゃんヒーローの言葉で、死柄木はさっきまでの威勢が静まり黙る。

 

「ふざけるなこんな……こんなァ……」

 

「こんな……あっけなく……ふざけるな……失せろ…………消えろ……」

 

()はどこにいる死柄木!!」

 

「お前が!!嫌いだ!!」

 

 死柄木の叫びに呼応して、空間から泥が溢れる。

 泥の中から、無数の脳無が現れる。

 

「脳無!?何も無いところから……!あの黒い液体は何だ!」

 

「エッジショット!黒霧は……」

 

「気絶している!こいつの仕業ではないぞ!」

 

「どんどん出てくるぞ!!」

 

 急に現れた脳無にヒーロー達は動揺する。

 

「シンリンカムイ絶対に離すんじゃないぞ!!」

 

「お゙!!?」

 

 突然、僕の口から汚ったない泥みたいなのが、溢れはじめる。

 臭いし、まずいし、なにこれ?

 

「張理有少年!!No!」

 

 泥は僕を包み込み、どこかへ飲み込まれていくような感覚がする。

 

「っ……マジか!?……飲み込まれっ……」

 

 ごめんなさいオールマイト……多分これ、どっかに飛ぶ感じのやつです。

 

 僕は泥に飲み込まれた。

 


 

「おっうぇ……最っ悪!!」

 

 僕は口に残った泥を吐き出す。

 ……やっぱり空間転移の“個性”だったか。

 

「悪いね……張理有くん」

 

「……うわっ!?」

 

 何この人、なかなかにハイセンスな、ファッションしてるね。

 何を食べたら、頭全体を工業地帯みたいなマスクで覆うなんてファッション、思いつくんだろう。

 

「げええ」

 

 後ろから、泥水が跳ねる音がする。

 多分、敵連合だろう。

 

「また失敗したね弔。でも決してめげてはいけないよ、またやり直せばいい。こうして仲間も取り返した、この子もね……君が“大切なコマ”だと考え判断したからだ。いくらでもやり直せ、そのために僕がいるんだよ」

 

「全ては君のためにある」

 

 ……まずい、さっきの泥ワープで気を取られてたけど、このハイセンスなおじ様……ドス黒い悪だ。

 母さんの実家の奴らと、比べ物にならないくらいドス黒い。……正直、腹の底から嫌なものが込み上げて来そうだ。

 

「やはり……来てるな……」

 

 マスクの敵が呟いた。

 次の瞬間、僕らの上空にオールマイトがいた。

 

「全てを返してもらうぞ!オール・フォー・ワン!!」

 

「また僕を殺すかオールマイト」

 

 2人が激突した。

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