さて!三者面談も終わり、僕は無事に雄英に通い続けることができました!
「じゃあ行ってくるね」
「えぇ切奈ちゃんにもよろしく言っといてね」
「うん」
「忘れ物はないか?」
「大きい荷物は先に寮に送ったし、手荷物もちゃんと確認したから大丈夫だよ!」
「ふん……うるさいのがいなくなって、清々するわ……頑張んなさい」
「うん、頑張るね」
「うえぇん、もう行っちゃうのぉ!もっと一緒にいたいよぉ!」
「ネオン姉さん……お酒は程々にね」
「……多分、色々言われるかもだけどアタシ達は味方だからさ……頑張んな」
「ありがとうエネ姉さん」
玄関先で、家族に見送られ僕の新生活が始まる。
「じゃあ、行ってきます!」
「「「「「行ってらっしゃい!」」」」」
「僕、参上!」
「「「「「ハルぅ!!」」」」」
朝、僕らはこれから暮らすことになる、【ハイツアライアンス】の前で集合していた。
……良かった全員いるね!
「皆、元気してた?」
「元気してたじゃねーよ!連絡寄越せよ!!」
「オイラ、お前のことが心配で心配で……夜しか眠れなかったんだぞ!」
「健康的でいいじゃん」
「良くねぇよ!無事だって連絡しろぉ!!」
「仕方ないじゃん……メッセージじゃややこしくなりそうだったから、今日まで秘密にしたんだよね」
「本当に心配したんだからな!」
「ハハッ!ごめんね!この通り僕は無事だよ!」
皆、僕のこと心配してくれて嬉しいな!
しばらく、僕を中心にワイワイしていたけど、相澤先生が僕らの前に立つと、一瞬で静かになる。
……なんだろう……この感じいいよね。
元に戻ったんだって思えて……安心する。
「とりあえず1年A組、無事にまた集まれて何よりだ」
「無事に集まれたのは先生もよ。会見を見た時はいなくなってしまうかと思って悲しかったの」
「うん」
「……俺もびっくりさ……まぁ……色々あんだろうよ」
色々……ね。
そういえば……なんで敵連合は、僕がトガちゃんと付き合ってることを、知ってたんだろ?
……まぁいいや!
「さて……!これから寮について軽く説明するが、その前に一つ。当面は合宿で取る予定だった、“仮免”取得に向けて動いていく」
「そういやあったなそんな話!」
「色々ありすぎて頭から抜けてたわ……」
“仮免”……僕らがヒーロー活動するために必要な免許のことだ。
敵襲撃や神野での一件で、忘れている人もいるみたいだ。
「大事な話だ、いいか」
相澤先生は一度、僕らを見て言葉を発する。
「あの日、神野で雄英生を見たと……匿名でうちに連絡があった」
「「「「「ッ!?」」」」」
……え、マジで。
皆、驚いた顔……なんというか、本当に行ったのかって感じの顔してる。
……視線も、心なしか切島くんや緑谷くんに向いてる気がする。
「……匿名からのタレコミだったから、信憑性に欠けると思ったが……その様子だとお前らは何か知ってるワケだ……色々棚上げした上で言わせて貰うよ」
「オールマイトの引退がなきゃ俺は、張理有・耳郎・葉隠以外全員除籍処分にしてる」
クラスに衝撃が走る。
「彼の引退によってしばらくは混乱が続く……敵連合の出方が読めない以上、今雄英から人を追い出すわけにはいかないんだ。……これ以上、この話を深堀するつもりはないが、俺たちの信頼を裏切るようなことはするな」
皆の顔が曇る。
特に、緑谷くん、切島くん、轟くん、飯田くん、八百万さんは血の気が引いてる。
「正規の手続きを踏み、正規の活躍をして、信頼を取り戻してくれるとありがたい」
相澤先生はそれ以上、この件について何も言わず、寮に入っていく。
「以上!さっ!中に入るぞ元気に行こう!」
(((((いや待って行けないです……)))))
……無理だよ。
「……」
仕方ないなぁ……こういう時は僕の出番だね!
「上鳴くん……こっち来て」
「え?なに?なんかやだ!」
僕は上鳴くんを茂みに連れていき、放電させる。
……数秒後
「うぇ~い」
「ぷぇ」*1
「バフォッ」
アホになった上鳴くんと僕が、茂みから登場し耳郎さんを笑わせる。
「何?急にハル何を?」
「うぇうぇがうぇ~い!」
「ぷぇぷぇぷぇ~い!」
「だめ……ウチ……この2人ツボッフォ!!」
僕らがアホになって、暗くなった空気を明るくする。
茶番ってこういう時こそ必要だと思うんだよね!
「1棟1クラス、右が女子棟左が男子棟と分かれてる。ただし一階は共同スペースだ、食事や風呂・洗濯などはここで」
「広キレー!!そふぁああ!!!」
「中庭もあんじゃん」
「豪邸やないかい」
……すっげぇ……いや、新築だから綺麗だとは思ってたけど……これは予想外だ。
こんな所で共同生活かぁ……閃いた!
あ、ちょっと待って!?通報しないで!?
「聞き間違いかな……?風呂と洗濯が共同スペース?夢か?」
「男女別だ。お前いい加減にしとけよ?」
「はい」
ほら、先に
「部屋は二階から、1フロアに男女各4部屋の5階建て」
相澤先生は、共同スペースの説明が終わると、僕たちを連れてエレベーターで二階に上がり、個人部屋の説明をしてくれる。
「一人一部屋、エアコントイレ冷蔵庫にクローゼット付きの贅沢空間だ」
……なるほどね……プライベートもしっかりしてると……本当に至れり尽くせりだねぇ。
「我が家のクローゼットと同じくらいの広さですわね」
「豪邸やないかい」
「部屋割りはこちらで決めた通り、各自事前に送ってもらった荷物が部屋に入っているから、とりあえず今日は部屋作ってろ。明日また今後の動きを説明する。以上解散!」
「「「「「ハイ!先生!」」」」」
……っというわけで部屋作りはじめますか!
僕の部屋は轟くんの隣だ。
「よーし!頑張るぞ!」
相澤先生に、部屋作りで“個性”使用の許可もらったし、チャチャッと終わらせて皆の手伝いでもしようかな!
「……暇だ」
数時間後、僕は誰よりも先に部屋作りを終えた。
なんか悩むことなくスムーズに進んで、すぐに終わったんだよね。
……皆の手伝いでもしようと思ったけど、ある程度の配置は終わってたみたいで、あんまりすることがなかった。
「……シフォンケーキが食べたい」
完成した部屋を見渡していると、不意にシフォンケーキが食べたくなった。声に出したらもっと欲しくなってきた。
「なんだろう……何故か急にこう、抗えない欲求みたいな感じで訴えかけてくる」
全くもって理由は分からないけど、シフォンケーキが食べたい。
……本当になんでか分からないけど、材料も調理器具も揃ってる。
「……」
僕には見当つかないけど、シフォンケーキが食べたいから、皆にもご馳走するつもりで作ろうかな!
僕はエプロンをつけて、シフォンケーキ作りを始めた。
「共同生活ってワクワクすんな!」
「つかれたー」
「共同生活……これも協調性や規律を育む為の訓練……!」
「キバるな委員長」
「コーラ持ってきたけど飲む人いる?」
「お!ハル、ナイス!」
日は沈み、あっという間に夜になった。
皆も部屋作りを終えて、1階の共同スペースで雑談している。
「男子部屋できたー?」
女子たちも、部屋作りが終わったみたいだ。
……本当に今日から一緒にここで暮らすんだ、なんかドキドキするね!
……一つだけ我儘言ってもいいかな?
切奈と一緒の寮に住みたかった!欲を言えばトガちゃんも一緒に!!
まぁ……クラスも学年も違うから無理なんだけどね!
「うん、今くつろぎ中」
「あのね!今、話しててね!提案なんだけど!」
「お部屋披露大会しませんか?」
……