女子達の提案から、急遽始まったお部屋披露大会!
トップバッターは緑谷くんだ!
「わああダメダメ!ちょっと待ー!!!」
「オールマイトだらけだ!オタク部屋だ!!」
「憧れなんで……恥ずかしい……」
オールマイト、オールマイト、オールマイト……どこを見てもオールマイトグッズが飾られた、オタク部屋だ。
なんというか、緑谷くんらしい部屋だね!
「やべぇ何か始まりやがった……!」
「でもちょっと楽しいぞコレ……」
「フン、下らん」
常闇くんは、ノってきた僕らを一瞥し、自室の扉にもたれかかっている。
……あ、芦戸さんと葉隠さんに力負けした。
「黒!!怖!!」
常闇くんの部屋は、黒!って感じの部屋だ。
全体的に黒い部屋のあちこちに、武器やアイテムが飾られている。
「このキーホルダー、中学ん時に買ってたわぁ」
「男子ってこういうのが好きなんね」
「カッコイイ……」
「出ていけ!!」
常闇くんは、僕らを追い出した。
「次は僕だね☆」
続いて青山くんの部屋は、なんというか目が痛いね!
部屋中が光ってて、落ち着かない。
「まぶしい!!」
「ノンノンまぶしいじゃなくてま・ば・ゆ・い!」
「思ってた通りだ」
「想定の範疇を出ない」
女子って結構ズバズバ言うよね。ほら、青山くん固まっちゃったよ。
「あと二階の人は……」
「入れよ……すげぇの見せてやんよ」
……あ、無視した。
可哀想だから僕だけ入ってあげようかな。
「……峰田くん、僕が来たよ!」
「やっぱハルだぜ!」
峰田くんの部屋は、かなり普通の部屋だった。
可もなく不可もなくって感じだけど……強いて言うなら、部屋にグラビアのポスターが飾ってあるくらいかな。
「このモデルさん……スタイル凄ない?」
皆が他の部屋を見ている間、僕らは雑誌を広げてグラビアについて語っていた。
「お!わかるか!このモデル最近デビューしたばっかだけど、ヤベーよな!」
「うん、ボンキュッボン!のセクシーダイナマイト!って感じだよね」
「すげぇよな……気になって年齢調べたら、俺らの2個上だったぜ」
「皆も、雄英を卒業するくらいには、このくらいになってるのかな?」
「さぁな……でも」
「「夢があるよな!」」
僕らはしばらく、グラビア談議に花を咲かせていた。
緑谷くんから連絡があり、僕らも皆と合流するために部屋を出た。
「男子だけが言われっ放しってのはぁ変だよなァ?」
皆と合流した僕らは、女子から辛口評価を受けた男子の顔が釈然としていないのを見て、あることを提案する。
「“大会”っつったよな?なら当然!女子の部屋も見て決めるべきじゃねえのか?」
「そうだね!僕ら男子が言われっぱなしってのも不公平でしょ!」
「誰がクラス一のインテリアセンスか、全員で決めるべきなんじゃねえのか!!?
僕らの主張は、他の男子たちの声を取り込み、民意の皮を被る。
「いいじゃん」
「え!?」
「えっとじゃあ部屋王を決めるってことで!!」
こうして、男女含めた大会が開催された。
やったね!峰田くん!
「この階は爆豪くんと切島くんと障子くん……だね」
「爆豪くんは?」
「「くだらねぇ先に寝る」ってよ俺も眠い」
……っというわけで、さっさと男子の部屋の紹介を終わらせて、女子に移ろうか!
「じゃあ切島部屋!!ガンガン行こうぜ!!」
「どーでもいいけど多分女子にはわかんねぇぞ」
「この男らしさは!!」
……うん。
男らしいというか、暑苦しい部屋だね!
サンドバックとかダンベルとか、トレーニング器具が置かれ、壁には熱い言葉が貼ってある。
「……うん」
「彼氏にやってほしくない部屋ランキング2位くらいにありそう」
「アツイね!アツクルシイ!」
「ホラな」
“おっと……心は硝子だぞ”……って言葉はここで使うのが正解かな?
“硬化”の切島くんでも、言葉の刃は防げなかったみたいだ。
切島くんを慰めつつ、次は障子くんの部屋を見る。
「特に面白いものはないぞ」
「面白いものどころか!!」
なんということでしょう。
布団と机くらいしかありません!
「ミニマリストだったのか」
「まぁ幼い頃からあまり物欲がなかったからな」
「こういうのに限ってドスケベなんだぜ」
「やめなよ」
障子くんの部屋について話していると、5階についた。
「さて一階上がって5F男子!」
「瀬呂からだ!」
「まじで全員やんのか……?」
「おお!!!」
「エイジアン!!」
「ステキー」
「瀬呂こういうのこだわる奴だったんだ」
「へっへっへギャップ男の瀬呂くんだよ!」
ギャップの男、瀬呂範太!
これまで、辛口が多かった女子が素直に賞賛している。
「次いこ次!」
「轟さんですわね」
瀬呂くんが流れを作ったからか、轟くんのハードルが上がった気がする。
……それよりも、女子が若干ソワソワしてるのが気になるけど……やっぱり轟くんの部屋が気になるのかな?
「さっさと済ましてくれねみぃ」
轟くんが扉を開けると……
「和室だ!!」
「造りが違くね!?」
わけがわからないよ。
マジでどうやったの?
「実家が日本家屋だからよ、フローリングは落ち着かねぇ」
「理由はどうでもいいわ!当日即リフォームってどうやったんだお前!」
「…………頑張った……」
「なんだよこいつ!!」
「大物になりそ」
「流石、轟くんだよね……予想の斜め上を突き抜けたよ」
「じゃあ最後!ハルの部屋だね!」
さぁ!僕の番が回ってきました!
「普通だよ、普通」
「ホントか?」
「オイラ何が来ても驚かねぇぜ」
「いかがわしいものとか、ありそうで怖いな」
「僕をなんだと思ってんだよ」
部屋も見てないのに、ボロカスに言われながら自室の扉を開ける。
「……」
「……」
「……」
「思ってたより普通だ」
最悪だぁ!!
一番嫌な展開だ。せめてボロクソに言ってくれよ!!
僕の部屋は、白と黒でまとめてモノトーン調を、意識して作った。
個人的に100点をあげるくらいには、いい部屋になったと思う。
オシャレな部屋だけど、リューキュウの限定ポスターや、実家から持ってきたサメ映画が収納された棚など、僕らしさも出した、いい部屋だと思うんだけどな。
「いや……部屋しての完成度は高いんだよ」
「うん、瀬呂くんといい勝負してるよ」
「でも……」
「なんていうか……」
「「予想を下回ったよね」」
「……ぐっふ」
「ハルが吐血した!!」
だってこんなのってないじゃん……直前で轟くんがインパクト残したせいで、僕の部屋が霞んじゃった!
「……このリューキュウのポスター、サイン入ってなかったよね?」
「お?緑谷くんわかるかい!このサインはね、去年リューキュウに書いてもらったんだよね!」
流石ヒーローオタク!目の付け所が違うよね!
やっぱ緑谷くんだよね!
「……まぁオシャレだと思うけど……なんかいい匂いしない?」
「え?……ホントだ」
「あ!そうだった!部屋作りが早く終わったから、シフォンケーキ焼いてたんだった!……ホイップがあったらもっと美味しいんだけど……食べる?」
「「模範的意外な一面かよ!!」」
「あんまぁい!フワッフワ!」
「瀬呂のギャップを軽く凌駕した」
……やっぱこれなんすよね!*1
まぁ……必然って感じですかね!*2
「……隙を生じぬ二段構え……うまっ」
「……ちくしょー油断した、こいつはこういう奴だった……うまっ」
「いつも美味しいとこ持ってくよな……うまっ」
「落としてから上げるとか……うまっ」
勝ったなガハハ!*3
女子は当然として、男子からも僕のシフォンケーキは絶賛された。
僕は上機嫌でお部屋披露大会を終えた。
「えー皆さん、投票はお済みでしょうか!?自分への投票はなしですよ!?」
時は流れて、結果発表の時間だ。
え?女子の部屋を紹介しろ?
僕は紳士だからさ……女子の部屋を公開するのは、ちょっとダメだと思うんだよね。
どうしても見たいなら、本屋に行くかサブスクに登録したらいいと思うよ。
そこに全部あるからさ!*4
「それでは!爆豪と梅雨ちゃんを除いた……第一回部屋王暫定1位の発表です!!」
「投票数……驚異の15票!!圧倒的首位独走、単独首位を叩き出したのその部屋は!!」
「轟焦凍!!」
「やっぱり僕だよねエェェェェェ!!?」
完全に僕が1位の流れだったのに、轟くんが選ばれてて驚いたよね!
シフォンケーキは勝ち確じゃないの!?
「ちなみに、投票理由は『ケーキは美味しかったけど、調子乗ってたから』です」
「部屋関係ないじゃん!!」
「ほら、調子乗るからバチが当たったんだよ」
「目に見えて調子に乗ってたからな」
「是非もないヨネ!」
皆から死体蹴りされて、僕のライフはゼロになった。
……皆、今朝言われたことで暗くなってたけど……元気戻ったみたいだね。
……良かった!
お部屋披露大会が終わり、僕は元気になった皆を見て安心すると、明日に備えて眠るのだった。