そのキバで僕を噛んでくれ!   作:松田ゐふ

63 / 93
部屋作りナンバーワンはこの僕だ!!

 女子達の提案から、急遽始まったお部屋披露大会!

 

 トップバッターは緑谷くんだ!

 

「わああダメダメ!ちょっと待ー!!!」

 

「オールマイトだらけだ!オタク部屋だ!!」

 

「憧れなんで……恥ずかしい……」

 

 オールマイト、オールマイト、オールマイト……どこを見てもオールマイトグッズが飾られた、オタク部屋だ。

 

 なんというか、緑谷くんらしい部屋だね!

 

「やべぇ何か始まりやがった……!」

 

「でもちょっと楽しいぞコレ……」

 

「フン、下らん」

 

 常闇くんは、ノってきた僕らを一瞥し、自室の扉にもたれかかっている。

 

 ……あ、芦戸さんと葉隠さんに力負けした。

 

「黒!!怖!!」

 

 常闇くんの部屋は、黒!って感じの部屋だ。

 全体的に黒い部屋のあちこちに、武器やアイテムが飾られている。

 

「このキーホルダー、中学ん時に買ってたわぁ」

 

「男子ってこういうのが好きなんね」

 

「カッコイイ……」

 

「出ていけ!!」

 

 常闇くんは、僕らを追い出した。

 

「次は僕だね☆」

 

 続いて青山くんの部屋は、なんというか目が痛いね!

 部屋中が光ってて、落ち着かない。

 

「まぶしい!!」

 

「ノンノンまぶしいじゃなくてま・ば・ゆ・い!

 

「思ってた通りだ」

 

「想定の範疇を出ない」

 

 女子って結構ズバズバ言うよね。ほら、青山くん固まっちゃったよ。

 

「あと二階の人は……」

 

「入れよ……すげぇの見せてやんよ」

 

 ……あ、無視した。

 

 可哀想だから僕だけ入ってあげようかな。

 

「……峰田くん、僕が来たよ!」

 

「やっぱハルだぜ!」

 

 峰田くんの部屋は、かなり普通の部屋だった。

 可もなく不可もなくって感じだけど……強いて言うなら、部屋にグラビアのポスターが飾ってあるくらいかな。

 

「このモデルさん……スタイル凄ない?」

 

 皆が他の部屋を見ている間、僕らは雑誌を広げてグラビアについて語っていた。

 

「お!わかるか!このモデル最近デビューしたばっかだけど、ヤベーよな!」

 

「うん、ボンキュッボン!セクシーダイナマイト!って感じだよね」

 

「すげぇよな……気になって年齢調べたら、俺らの2個上だったぜ」

 

「皆も、雄英を卒業するくらいには、このくらいになってるのかな?」

 

「さぁな……でも」

 

「「夢があるよな!」」

 

 僕らはしばらく、グラビア談議に花を咲かせていた。

 緑谷くんから連絡があり、僕らも皆と合流するために部屋を出た。

 


 

「男子だけが言われっ放しってのはぁ変だよなァ?」

 

 皆と合流した僕らは、女子から辛口評価を受けた男子の顔が釈然としていないのを見て、あることを提案する。

 

「“大会”っつったよな?なら当然!女子の部屋も見て決めるべきじゃねえのか?」

 

「そうだね!僕ら男子が言われっぱなしってのも不公平でしょ!」

 

「誰がクラス一のインテリアセンスか、全員で決めるべきなんじゃねえのか!!?

 

 僕らの主張は、他の男子たちの声を取り込み、民意の皮を被る。

 

「いいじゃん」

 

「え!?」

 

「えっとじゃあ部屋王を決めるってことで!!」

 

 こうして、男女含めた大会が開催された。

 やったね!峰田くん!

 

「この階は爆豪くんと切島くんと障子くん……だね」

 

「爆豪くんは?」

 

「「くだらねぇ先に寝る」ってよ俺も眠い」

 

 ……っというわけで、さっさと男子の部屋の紹介を終わらせて、女子に移ろうか!

 

「じゃあ切島部屋!!ガンガン行こうぜ!!」

 

「どーでもいいけど多分女子にはわかんねぇぞ」

 

「この男らしさは!!」

 

 ……うん。

 男らしいというか、暑苦しい部屋だね!

 サンドバックとかダンベルとか、トレーニング器具が置かれ、壁には熱い言葉が貼ってある。

 

「……うん」

 

「彼氏にやってほしくない部屋ランキング2位くらいにありそう」

 

「アツイね!アツクルシイ!」

 

「ホラな」

 

 “おっと……心は硝子だぞ”……って言葉はここで使うのが正解かな?

 “硬化”の切島くんでも、言葉の刃は防げなかったみたいだ。

 切島くんを慰めつつ、次は障子くんの部屋を見る。

 

「特に面白いものはないぞ」

 

「面白いものどころか!!」

 

 なんということでしょう。

 布団と机くらいしかありません!

 

「ミニマリストだったのか」

 

「まぁ幼い頃からあまり物欲がなかったからな」

 

「こういうのに限ってドスケベなんだぜ」

 

「やめなよ」

 

 障子くんの部屋について話していると、5階についた。

 

「さて一階上がって5F男子!」 

 

「瀬呂からだ!」

 

「まじで全員やんのか……?」

 

「おお!!!」

 

「エイジアン!!」

 

「ステキー」

 

「瀬呂こういうのこだわる奴だったんだ」

 

「へっへっへギャップ男の瀬呂くんだよ!」

 

 ギャップの男、瀬呂範太!

 これまで、辛口が多かった女子が素直に賞賛している。

 

「次いこ次!」

 

「轟さんですわね」

 

 瀬呂くんが流れを作ったからか、轟くんのハードルが上がった気がする。

 ……それよりも、女子が若干ソワソワしてるのが気になるけど……やっぱり轟くんの部屋が気になるのかな?

 

「さっさと済ましてくれねみぃ」

 

 轟くんが扉を開けると……

 

「和室だ!!」

 

「造りが違くね!?」

 

 わけがわからないよ。

 マジでどうやったの?

 

「実家が日本家屋だからよ、フローリングは落ち着かねぇ」

 

「理由はどうでもいいわ!当日即リフォームってどうやったんだお前!」

 

「…………頑張った……」

 

「なんだよこいつ!!」

 

「大物になりそ」

 

「流石、轟くんだよね……予想の斜め上を突き抜けたよ」

 

「じゃあ最後!ハルの部屋だね!」

 

さぁ!僕の番が回ってきました!

 

「普通だよ、普通」

 

「ホントか?」

 

「オイラ何が来ても驚かねぇぜ」

 

「いかがわしいものとか、ありそうで怖いな」

 

「僕をなんだと思ってんだよ」

 

 部屋も見てないのに、ボロカスに言われながら自室の扉を開ける。

 

「……」

 

「……」

 

「……」

 

「思ってたより普通だ」

 

最悪だぁ!!

 

 一番嫌な展開だ。せめてボロクソに言ってくれよ!!

 

 僕の部屋は、白と黒でまとめてモノトーン調を、意識して作った。

 個人的に100点をあげるくらいには、いい部屋になったと思う。

 オシャレな部屋だけど、リューキュウの限定ポスターや、実家から持ってきたサメ映画が収納された棚など、僕らしさも出した、いい部屋だと思うんだけどな。

 

「いや……部屋しての完成度は高いんだよ」

 

「うん、瀬呂くんといい勝負してるよ」

 

「でも……」

 

「なんていうか……」

 

「「予想を下回ったよね」」

 

「……ぐっふ」

 

「ハルが吐血した!!」

 

 だってこんなのってないじゃん……直前で轟くんがインパクト残したせいで、僕の部屋が霞んじゃった!

 

「……このリューキュウのポスター、サイン入ってなかったよね?」

 

「お?緑谷くんわかるかい!このサインはね、去年リューキュウに書いてもらったんだよね!」

 

 流石ヒーローオタク!目の付け所が違うよね!

 やっぱ緑谷くんだよね!

 

「……まぁオシャレだと思うけど……なんかいい匂いしない?」

 

「え?……ホントだ」

 

「あ!そうだった!部屋作りが早く終わったから、シフォンケーキ焼いてたんだった!……ホイップがあったらもっと美味しいんだけど……食べる?」

 

「「模範的意外な一面かよ!!」」

 

「あんまぁい!フワッフワ!」

 

「瀬呂のギャップを軽く凌駕した」

 

 ……やっぱこれなんすよね!*1

 まぁ……必然って感じですかね!*2

 

「……隙を生じぬ二段構え……うまっ」

 

「……ちくしょー油断した、こいつはこういう奴だった……うまっ」

 

「いつも美味しいとこ持ってくよな……うまっ」

 

「落としてから上げるとか……うまっ」

 

 勝ったなガハハ!*3

 

 女子は当然として、男子からも僕のシフォンケーキは絶賛された。

 僕は上機嫌でお部屋披露大会を終えた。

 


 

「えー皆さん、投票はお済みでしょうか!?自分への投票はなしですよ!?」

 

 時は流れて、結果発表の時間だ。

 

 え?女子の部屋を紹介しろ?

 僕は紳士だからさ……女子の部屋を公開するのは、ちょっとダメだと思うんだよね。

 どうしても見たいなら、本屋に行くかサブスクに登録したらいいと思うよ。

 

そこに全部あるからさ!*4

 

「それでは!爆豪と梅雨ちゃんを除いた……第一回部屋王暫定1位の発表です!!」

 

「投票数……驚異の15票!!圧倒的首位独走、単独首位を叩き出したのその部屋は!!」

 

 

 

 

 

「轟焦凍!!」

 

「やっぱり僕だよねエェェェェェ!!?

 

 完全に僕が1位の流れだったのに、轟くんが選ばれてて驚いたよね!

 シフォンケーキは勝ち確じゃないの!?

 

「ちなみに、投票理由は『ケーキは美味しかったけど、調子乗ってたから』です」

 

「部屋関係ないじゃん!!」

 

「ほら、調子乗るからバチが当たったんだよ」

 

「目に見えて調子に乗ってたからな」

 

「是非もないヨネ!」

 

 皆から死体蹴りされて、僕のライフはゼロになった。

 

 ……皆、今朝言われたことで暗くなってたけど……元気戻ったみたいだね。

 

 ……良かった!

 

 お部屋披露大会が終わり、僕は元気になった皆を見て安心すると、明日に備えて眠るのだった。

*1
調子に乗ってます。

*2
おそろしく調子に乗ってます。

*3
とてつもなく調子に乗ってます。

*4
まだ調子に乗ってます。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。