そのキバで僕を噛んでくれ!   作:松田ゐふ

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二人で仲良く喧嘩しな

 やっほー!お風呂上がりで、魅力が爆上げなハルくんです!!

 

 お風呂上がりってなんでこう、カッコよくなったって感じるんだろうね……まぁ、僕は元からカッコイイけど!

 

「お、返信きた」

 

「誰から?」

 

「姉さんたち」

 

「オイラに紹介してくれ!」

 

「ヤダよ」

 

「ちょっとくらいいいだろ!」

 

「家族と友達が付き合ってるって、結構気まずいよ……それに姉さんたちには、もっとちゃんとした人と付き合って欲しいしね」

 

「……お前、シスコンだよな」

 

「否定はしないよ……」

 

 勝手におやつ食べられたり、お菓子作れとウザ絡みされたり、リモコン争奪戦で殴られたり、ピアス開けられたり、女物の服でファッションショーさせられたり、喧嘩してボッコボコにされたり、友達との遊びよりパシリを優先させられたり……当時高校生の姉たちに、刻まれたトラウマはあるけれど、大切な家族と思ってるよ。

 

 ……それはそうと、当時小学生の僕にしていい仕打ちではないでしょうよ。

 

 トラウマを思い出し、ちょっとだけ気分が下がっていると……

 

「おい」

 

「ッ!?」

 

「後で表出ろ……てめェの“個性”の話だ

 

 ……聞こえちゃった。

 


 

 ……皆さんおはようございま~す。*1

 さっき不穏な会話が聞こえたので、念の為にオーラで索敵してたら、緑谷くんと爆豪くんが寮を出ていったので追いかけてます。

 

 それにしても、緑谷くんの“個性”の話……わざわざ寮から離れてすることかな?

 

 とりあえず、相澤先生に見つかると指導確実だから、戻るように言わないとね。

 

 お、いたいた。

 

 

「……グラウンド・β」

 

「初めての戦闘訓練でてめぇと戦って、負けた場所だ」

 

 ……やべ、なんか話始まって僕が出る隙がなくなった。

 

「ずっと気色悪かったんだよ……無個性で出来損ないのハズのてめェが、どういうわけだか雄英合格して、どういうわけだか個性発現してよォ」

 

 ……どういうことだ?緑谷くんが無個性……そんなはずないだろ?

 ……でも、個性把握テストの時も……爆豪くんは緑谷くんのこと無個性とか言ってたね。

 あの時は、悪口かなって思ってたけど……本当のことだったの?

 

「わけんかんねぇ奴が、わけわかんねェ事吐き捨てて、自分一人納得した面して、どんどんどんどん登って来やがる」

 

 ……爆豪くん。

 

()()()の時から……いや……()()()()()()が街にやって来た時から……どんどんどんどん……しまいにゃ仮免てめェは受かって、俺は落ちた……なんだこりゃあ?なあ?」

 

「それは実力ってよりも……」

 

「黙って聞いてろクソカスが!!」

 

「ご、ごめん」

 

「うわっ!?」

 

「「ッ!?」」

 

 あ、やべ……声でちゃった。

 

「……変態野郎……つけてやがったのか?」

 

「ハルくん……」

 

「ごめんね……君らが寮出ていくの見ちゃったからさ」

 

「……まぁいいわ……おめェに聞きてぇことがある。……敵連合のボスは、人の“個性”をパクッて使えんだろ」

 

「うん……ラグドールが“個性”が使えないこと、神野で見せた複数“個性”の使用から見て、間違いないと思うよ」

 

「……そうかよ……これでハッキリしたな……デクお前の“個性”……」

 

「オールマイトから貰ったんだろ、その“個性(ちから)”」

 

 ……マジで言ってるの。

 いや、確かにオールマイトとAFOには面識があったし、オールマイトは妙に緑谷くんのこと気にしてたけど……。

 

「前に言ったよな……“人から授かった”って……オールマイトと会って、てめェが変わって、オールマイトは力を失った……てめェだけが違う受け取り方をした」

 

 ……僕には皆目見当がつかないけど、二人の間で色々あったみたいだ。

 ……っというか、こんな大事な話してるのに僕がいていいのかな?

 

「オールマイトは答えちゃくんなかった、だからてめェに聞く」

 

「……」

 

「否定しねェってこたァ……そういうことだなクソが……」

 

「聞いて……どうするの……?」

 

「……」

 

「てめェも俺も……オールマイトに憧れた、なァ……そうなんだよ。ずっと石ころだと思ってた奴がさァ、知らん間に憧れた人間に認められて……だからよ」

 

「戦えや……ここで今」

 

「何で!?」

 

 ……なるほどね。

 爆豪くんの気持ちはなんとなく、わかったよ。

 

「えぇ!?待ってよ、何でそうなるの!?いや……マズいって、ここにいる事自体、ダメなんだし……!せめて……戦うっても自主練とかで、トッ……トレーニング室借りてやるべきだよ……!今じゃなきゃダメな理由もないでしょ」

 

「本気でやると止められんだろーが」

 

「てめェの何が、オールマイトにそこまでさせたのか、確かめさせろ」

 

「てめェの憧れの方が、正しいってンなら……じゃ!俺の憧れは間違ってたのかよ」

 

「……かっちゃん……」

 

「変態野郎……止めんなよ」

 

「……止めないよ、思いっきりやんなよ」

 

《バリアドーム》

 

「……これで音は響かない……先生が発見するまで、しばらくかかるんじゃないかな?」

 

「ケッ……余計な気ィ回しやがって」

 

「ハルくん!?」

 

 緑谷くんはなんでって顔してるけど……ここで爆豪くんを止めれば、後々ヤバいところで爆発するかもしれない。

 なら、ここで発散できるものは出し切ってもらおう。

 僕には、君たち二人の因縁がどんなに複雑なのかわからないけど、一緒に怒られるくらいはしてあげる。

 

「怪我したくなきゃ構えろ、蹴りメインに移行したんだってな」

 

「待ってって!!こんなのダメだ」

 

 緑谷くんの静止も聞かず、爆豪くんは爆破で接近する。

 

「かっちゃん!!!」

 

BOOOOM!

 

「った……!!」

 

 緑谷くんは、爆豪くんの動きを読もうとして、攻撃をくらう。

 フルカウルを使って、直撃を避けたみたいだけど、範囲の広い爆破を交わしきれなかったみたいだ。

 

「深読みするよなてめェはァ……来いや!!

 

「マジでか……!!かっちゃん」

 

 僕はバリアの外に出て、おそらく来るであろう人物を待つことにした。

*1
深夜1時

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