『セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんはすみやかに屋外に避難してください』
前回のあらすじ!!
幼い頃に出会ったあの子こと、渡我被身子と再会した僕たち。
再会を喜ぶも、切奈と一触即発な雰囲気になり間に挟まれた僕はとても怖かった。……でも素敵な歯に囲まれたのは、なかなかいい気分で良かったよ!
……ゔうん。
キャッツファイトが始まるかと思ったその時、突如警報がなり、食堂はパニックになった!
どうなる第9話!誰か僕を助けてくれ!
……さてと皆が前話を読み返す必要がないようにあらすじ風に前回のおさらいをしたわけだけど、どうしようかこの状況を……
「ハルくん……そんなに私の胸を触りたかったんですか?」
「ハル、今すぐ顔をこっちに向けて……じゃないと怒るよ」
「無茶言わないでよ今顔をそっちに向けたら、首が180度曲げることになるよ」
「できるでしょ」
「遠回しに死ねって言ってる?」
「可哀想なハルくん……私の胸を貸してあげますね」
「うわっぷ!?」
さて今僕たちがどうなっているかわかる人いるかな?
順を追って説明するとね、警報が鳴って食堂は一瞬でパニックになった。
先輩も後輩も関係無く、避難するために我先にと食堂を出ようとしたせいで、机や椅子がひっくり返り人の流れに飲み込まれてもみくちゃにされたりと、あちこちで問題が起きた。
僕たちもそれに巻き込まれちゃってね。警報を聞いて立ち上がった切奈が、名前も分からない生徒にぶつかられて僕の方に倒れたんだ。
そしてドミノ倒しみたいに切奈が僕にぶつかり、トガちゃんの胸に顔面ダイブしたわけだ。
分かりやすく図で表すと
おっぱい(切奈)僕(頭)おっぱい(トガちゃん)
こんな感じわかったかな?
そう今僕は……男たちの夢を叶えていると言っても過言じゃない!
前にもおっぱい、後ろにもおっぱい……おっぱいサンドの出来上がりだ。
……待てよこの場合、具材はなんだ僕か?
なんてくだらない事で悩んでいるとトガちゃんが顔を近づけてきた。
「ふふ、どうですか?私の胸……気持ちいいですか?」
耳元でそんなこと言わないで欲しい……興奮するから。
「ハル……このまま耳噛んであげよっか?」
切奈もトガちゃんに張り合って大胆になってるね……誠にありがとうございます。
さてとこのままだと、ハルくんのハルくんがハッスルしちゃうから何とかしたいんだけどね、ぶつかった拍子に切奈の足と僕の足がへんな絡まり方したみたいで動けないんだ。
おまけに人が密集してるから足も解けない、完全に詰みだね。
あぁ……無視してたけどそろそろ限界かな?
トガちゃんの匂いが鼻腔をくすぐって頭がチカチカしてきた。
「……ハルくんそんなに私のこと吸っていい匂いなんですか?」
「へ?うん」
「そういえば、いい香りがする人とは遺伝子から相性がいいって、聞いたことがあります」
ビキッ
「切奈ァ!足を動かして関節キメないで!!」
「私を吸え!今すぐに!」
「痛い痛い痛い!!吸うから!吸うから!足を元の位置に戻してぇ!!」
「じゃあはい」
スンスン
「いい匂いです……大変興奮します」
おかしいなぁ……僕一応歯フェチのはずなんだけど、匂いフェチまで持ってたんだね……属性過多だろ。
本当にどうしようもないな。
え?関節キメられたらバリアは発動しないのかって?
何言ってるの発動しないに決まってるじゃん、当たり前でしょ。
そもそも密着してる状態でどうやってバリア展開するのさ。体を掴まれてダメな方向に曲げられてる状況を、バリアでどう切り抜けられるか1度考えて欲しい、僕は思いつかなかった。
「大丈ー夫!!!」
そろそろ理性が限界を迎えて、2人とニャンニャンしそうになって矢先、飯田が大声で状況を説明して事態を収束させた。
ありがとう飯田くん、今朝の投票でギザ歯ってだけで切島くんを選んでごめんよ、君が委員長にふさわしいよ。
「やっと動ける」
「残念です」
「あんなに鼻の下伸ばして……ハルのバカ」
「ごめんよ」
「昼休み終わるし帰るよ……トガ先輩も2年の教室に戻ってくださいね」
「むぅ……ハルくん」
数分後、飯田くんのおかげで僕たちは自由を手にした。
もうすぐ授業が始まるから教室に戻ろうとしたら、トガちゃんが袖を掴んできた。
「ん?なに「また会いましょね」……へ」
振り返ろうと頭を動かすと、頬に柔らかい感触を感じる。
「次は唇がいいです……じゃあね」
「……」
「……」
「……」
「……切奈」
「しらない!」
「でここに来たわけさね」
「スビバゼン」
前が見えねェ。
トガちゃんに嫉妬した切奈に、気持ちのいい一撃をもらい僕は保健室に来ていた。
「……リカバリーガール治してもらうついでにひとついいですか?」
「なんだい?」
「好きな子が2人いて、どっちかに決められない奴ってどう思います?」
「優柔不断としか言いようがないね」
「ですよね」
「……でもその好きって気持ちが本当なら、ちゃんと考えるんだよ」
「へ?」
「別に好きな子を1人に絞る必要はないよ。アンタはまだ若い学生さ、結婚していなければ誰かと付き合ってもいない……なら好きな子が沢山いても悪いことじゃないさね」
「でも……」
「アンタは優しいんだね、だから2人に傷ついて欲しくないんだろ?」
「ええ、2人とも好きで大事だから……悩んでるんです……2人が傷つかない方法を探してるんです」
「大きな声で、こういうこと言っちゃいけないんだろうけどね……恋人は法によって定められたものじゃないのさ、だから彼女が2人いても当人が納得するなら問題はないと思うよ。それに世の中には内縁の妻って関係もある……」
「内縁の妻……」
「だからって考えるのをやめたら駄目だよ。しっかり悩んでちゃんと自分で答えを出しな」
「……はい!」
「じゃ治すよ……チユ~!」
「ありがとうございます」
「言っとくけど、痴情のもつれで刺されても治さないからね」
「そうならないよう、いっぱい悩んで答えを出します」
「頑張りな……」
今恋してる人、初恋の人……僕はどっちも好きだ。
最低なことを言ってる自覚はある……でもこの気持ちに嘘をつきたくない。
「頑張れ、張理有ハル!」
とりあえずは、2人の仲を改善しよう。
具体的な案は思い浮かばないけど、なんとかなるさ!
だってこの好きは嘘じゃないから。