ほむらが仲間になってからパトロールは大分楽になった。苦戦することがほとんどなくなり、グリーフシードも順調に集まるようになった。
マミさんからお茶会に誘われる頻度が増えたりほむらがそれについてきたりすることもあった。2人の仲は前より良くなったがまだ少しギスギスすることもある。それでも着実に仲良くなっているのは嬉しい。
今日も今日とて普段通り学校に来ていた。俺たちと一緒に通うようになったのでマミさんも一緒だ。3人共俺との距離が近いので毎日皆に囲まれている。もう慣れてしまったのであまり困っていない。むしろ皆のことは好きなので嬉しいくらいだ。
昼休み、珍しく仁美から呼ばれた。何でも俺と話したいことがあるそうだ。まどかたちは俺だけが呼ばれたことが少し不服だったようだが何とか機嫌を直してもらった。
「それで話ってなに?」
教室でお互い向かい合うように座り、面と向かって問いかける。
「実は最近上条君と、その……上手く行ってないというか…。」
言おうとしていることを何となく察した。恐らくヴァイオリンに集中しすぎて仁美に割く時間が減っているのだろう。
「もしかしてヴァイオリン関係、とか?」
「そうなんです。上条君のことですからそちらに時間を費やすのは分かります。でも、もう少し私のことも気にかけて欲しいというか…。」
何とも年頃の女の子らしい悩みだ。恭介の奴もこんなに可愛い彼女がいるのに構ってあげないなんて勿体ない。
「そういうことは俺じゃなくて本人に言った方がいいよ。」
「……言いにくいんです。こういうことを言うのが恥ずかしいというか、言ったら嫌われるかもしれなくて怖いというか…。」
「なら尚更言った方がいいね。思ってるだけじゃなくて言葉にしないと伝わらないよ。」
「……。」
「それにそんなことで嫌いになるほど恭介は器の小さい奴じゃないし、多分大丈夫だよ。」
「……そうですね。ありがとうございます、さやかさん。おかげで勇気が出ました。」
「どういたしまして。」
吹っ切れたようで何よりだ。こういう他人の恋愛にアドバイスするのは初めてなので緊張したが何とかなった。
「ところで、さやかさんはどうなんですか?」
「どう、ってなにが?」
俺は別に恋愛的な意味で好きな人はいないのだが。
「……その様子だとまだ気付いてないみたいですね…。」
仁美の視線が少し呆れたようなものに変わった。気付いてないも何も心当たりがない。
…もしかして俺のことを好きな人がいるってこと?
「さやかさんのそういう所は私嫌いです。」
仁美にそう言われちょっぴり傷ついた。
あの後誰のことを言っているのか聞こうとしたが「さやかさんのすぐ近くにいる人です。」と言われはぐらかされてしまった。
誰のことか分からないまままどかたちと合流し、一緒に昼ご飯を食べた。
放課後のパトロールの時もそのことを考えていた。いくら考えても誰なのか分からず、そのまま家に帰ってきてしまった。
近くにいる人といえばまどか、マミさん、ほむらくらいだ。3人の内誰かが俺のことを好きなのかとも考えたが、皆俺なんかより好きな人がいるだろう。第一友達にそういう感情を抱くような人じゃない、と思い至りじゃあ誰なのか見当もつかずただ困惑するばかりだ。
もし仮に、万が一、ありえないけど、3人の内誰かが俺のことを好きだとしたら、俺は喜んで受け入れる。
一応身体は女だが中身は腐っても男だ。恋愛対象として見ることは全然できる。むしろ男と付き合う方が無理だ。
結局俺を好きな人が誰なのかは分からなかったが、誰だろうとその気持ちを受け入れる覚悟はしておこう。そう思った。
…これが仁美の勘違いだったらすごい恥ずかしいな。俺はそれ以上深く考えるのはやめた。何せ1日中考えてばかりだったので頭を使いすぎた。
酷使した頭を休めるためにも俺はベッドに向かい眠るのだった。
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