つくづく思う、俺は恵まれてると。
あんな突拍子もないカミングアウトを受け入れてくれて、こんな俺のことを受け入れてくれて。
この大切な友達を俺は絶対守ってみせる、そう心に誓った。
次の日、学校で仁美に聞いた所によると工場に居た人達に怪我はなく、無事に家に帰れたらしい。
だが、仁美を含め全員記憶がないらしくなぜ自分達があの場所に居たのか分からなかったとのことだ。
「何か物騒な事件に巻き込まれてたみたいだけど、無事で良かった。」
「すみません、心配をかけて…。」
ちなみにニュースにもなっていたが集団自殺未遂ということになっていた。
魔女の仕業だということは俺達以外は知る由もない。
今日も今日とてパトロールをしていたら、早速魔女の反応があった。
反応があった場所へ行ってみるとそこは俺がお世話になったこともある病院だった。
ここに入院していた頃が少し懐かしい。そんなことを思いつつ、結界の中へ入って行った。
使い魔を倒しつつ奥へ進んで行くと思ったよりあっさりと魔女がいるであろう空間の手前まで来てしまった。
ほむらが加わったおかげもあるが、それにしても拍子抜けだ。
「何か思ったより使い魔弱かったね。」
「油断しないことね。ここの魔女は今までの魔女とは違うわ。」
ほむらがそう忠告してきたので俺も思わず気を引き締める。
「ここの魔女は少しダメージを与えても脱皮してケロッとした様子でこちらを襲ってくるわ。」
成る程、つまり……
「その前に倒せば良いってことね、了解!」
「それにしても暁美さん、良くそんなこと知ってるわね。」
確かに。それは俺も思った。
「似たような魔女と戦ったことがあるだけよ。早く行きましょう。」
何だかはぐらかされた気もするが、今は魔女を倒すことに集中しようと気持ちを切り替えた。
結界の奥地に鎮座していたのはやけに可愛いらしいぬいぐるみというか人形というかそんな姿の魔女だった。
だが見た目に惑わされないぞ。
先手必勝、まずは俺が攻撃を仕掛ける。2刀の剣で連撃を叩き込む。
続いてマミさんが銃撃を撃ち込んでいく。空中に打ち上げられた魔女をリボンで拘束し、砲台を生成して容赦無く相手へ発射する。
「ティロ・フィナーレ!」
弾が魔女を撃ち抜く。やった、と思ったが何か嫌な予感がした。
俺の予感は的中し倒したはずの魔女の口から巨大な芋虫の様な本体がマミさん目掛け襲いかかる。
慌てて俺はマミさんの方へ駆け出す。間に合え、間に合え、間に合え!
間一髪の所でマミさんを突き飛ばす。
危なかった…。ほむらに忠告されてなかったら間に合わなかった…。
「大丈夫ですか?」
マミさんの方を見てみると少し怯えていた。死んでしまうかもしれなかったんだから当たり前だ。
「ごめんなさい、また助けられて…。」
「良いんだですよこれくらい。後は俺達に任せて下さい。」
そう言って魔女へと向き直る。獲物を仕留め損なったのかご立腹の様子だ。
こちらに向かってきた……と思ったらいきなり魔女の体が爆破した。
「全く手のかかる先輩ね…。」
そんなことを言っているがほむらが固有魔法を使ってマミさんを助けようとしたのを俺は見逃さなかった。
魔女は俺からほむらへとターゲットを変える。
ほむらへ突進し口を開き丸呑みしようとしたが空振り。もう1度丸呑みにしようとし空振り。また空振り。またまた空振り。
ほむらの固有魔法って何なんだろ?いつの間にか攻撃してたり相手の攻撃避けたりしてるし。
……時間でも消し飛ばしてるのかな。
そんなことを思っていると追いかけっこもそろそろ終わったようで、魔女が体内から爆破されていく。脱皮して逃れようとするも最終的に逃げられなくなりそのまま爆破されてしまった。
結界も崩壊し残ったのはグリーフシードだけ。どうやら決着はついたようだ。