魔法少女になってからも普段の生活はあまり変わることが無く時間が過ぎていった。
その間にも色々変化があった。
1つ目の変化はなんと仁美が恭介に告白したのだ。小学校の卒業式の日に勇気を出して告白したらしい。
恭介からの返事はオーケー。晴れて2人は付き合うことになった。
2人が付き合ってからは俺とまどかは空気を読んで登下校の時は2人っきりになれるよう別々に行くようになった。
仁美からは感謝され、頑張って下さいと背中を押された。頑張るも何も俺は別に好きな人いないんだけど…。
2つ目はマミさんとの仲が進展したことだ。とあるパトロールの日にマミさんを庇った時に偶然マミさんの本心を聞けた。
ひとりぼっちで寂しかったこと、俺が仲間になってくれて嬉しかったこと、その所為で俺を失いそうになってしまった自分は先輩失格だということ。俺はマミさんにマミさんは俺の憧れの先輩なことや死んだりしないし勝手にいなくならないことを伝えた。
するとマミさんは表情を輝かせて喜んでいた。それからというもの、マミさんとの距離が縮まった気がした。何回か家に誘ってもらい、美味しい紅茶やケーキをご馳走になったりもした。
そんなこんなでもう中学2年生だ。相変わらず普通の学生と魔法少女とを行ったり来たりの生活をしている。
ある日の朝、いつも通り早乙女先生が破局した話をしていた。その日は目玉焼きの焼き加減の話をしていたのだが、俺としては断然半熟派だ。先生はどうやらそんな小さいことをとやかく言う大人にならないようにと言いたかったらしいが。
「それから、今日は皆に転校生を紹介します。」
多分、教室にいる全員が逆だろと心の中で突っ込んだだろう。先生が名前を呼ぶと転校生は教室に入って来た。
黒くてサラサラした髪、透き通る様な紫がかった瞳。その人の第一印象は綺麗な人という印象だった。
「それじゃ自己紹介いってみよー。」
「暁美ほむらです。よろしくお願いします。」
暁美ほむらというらしい。
……暁美ほむら?
ここで俺は思い出した。この転校生は俺のほとんど無いような原作知識にある重要人物だったのだ。
何というか、物語が始まった感じがした。
休み時間にはほむらの周りには人だかりができていて、質問攻めにあっていた。
「転校生なだけあって人気あるねー。」
「うん、そうだね…。」
まどかも気になるようだ。自己紹介の時にガン飛ばされてたもんね。そう思っているとほむらがこちらに近づいてきた。
「鹿目さん、あなたがこのクラスの保健委員よね。保健室に連れて行ってもらえるかしら。」
そう言うとまどかと一緒に行ってしまった。
心配なので後をコソコソとつけることにした。少し遠いので何を言っているのか聞こえない。まどかを置き去りにして行ってしまったがとりあえず追いかける。しばらく進むと急に立ち止まった。
「そろそろ出てきたらどう?居るのは分かっているわ。」
どうやら俺の完璧な尾行はバレバレだったようだ。観念して出て行く。
「……美樹さやか、一体何の用?」
突き刺すような視線でこちらを問い質してくる。中学生とは思えない貫禄で内心結構恐怖している。
「えっと、ちょっと気になって…。」
「……。」
視線が痛い。こういう空気を打開するにはフレンドリーに行こう。
「良かったらさ、俺と友達にならない?来たばっかりで困ってることもあるだろうし…。」
「お断りするわ。」
俺の決意もやむなくキッパリと断られた。
「私は1人で十分よ。あなたになんか頼らずとも…。」
よく見ると何か悩みを抱えているような、苦しんでいるけど打ち明けられないような顔をしていた。
そんな顔を見て放って置ける訳がなかった。目の前で苦しんでいる人がいるなら余計なお世話だとしても手を伸ばす。それが俺のモットーだから。
「何か辛いこととかあったら言ってよ。いつでも力になるよ。」
「その必要はないと言ったのだけれど。」
「それでも俺が助けたいから助けるの。」
「あなたには関係ないわ。」
「あるよ。だって同じクラスじゃん。」
「……。」
ここまで来ても引き下がらない俺を見て、ようやく諦めてくれたようだ。
「全く、美樹さやか、あなたは何処まで愚かなの?」
「愚かでも俺は目の前の困ってる人は見捨てられないからさ。」
ほむらと喋っているともうすぐ授業が始まる時間になっていた。
「それじゃ、お大事に―。」
俺はそう言って教室に戻って行った。
暁美ほむら
この時間軸の美樹さやかは私が知っている美樹さやかとは違うようだ。助けなんて要らないと言ってもこちらに手を差し伸べてきて。向こう見ずで、困ってる人を見捨てられない性格で、相変わらず魔法少女としては致命的だ。
彼女に頼らずとも私は戦う。まどかを救う、そのたった1つの目的のために。今度こそ終わりにしてみせる。
いよいよ原作突入しました。ここからどうなることやら。