ほむらの説得をした後、俺はほむらの家にお邪魔していた。
「ごめんなさい、さっきは取り乱してしまって。」
「全然大丈夫だよ。」
銃を向けられた時は困惑したし恐怖もしたけど、それ以上に辛そうなほむらのことが放っておけなかったし。上手く行ったので結果オーライだ。
「しつこいようだけど俺に手伝えることがあったら何でも言ってね。」
「じゃあ、早速お願いがあるのだけど、巴マミに私を仲間に入れるよう言ってもらえないかしら。」
「え、それだけ?」
もうちょっと俺のこと頼ってくれてもいいのに。
「私にとっては重要なことよ。あなたのことは彼女も信用していそうだし私が言うより信用してもらえるはずよ。」
確かにほむらはキュゥべえのことを攻撃していたしマミさんからは警戒されていそうだ。それにほむらの目はいたって真剣で俺には分からないがコレが本当に重要なことは分かる。
ほむらの頼みを快く承諾し、早速マミさんの元へ向かうのだった。
巴マミ
鹿目さんを家に招いた私は彼女に魔法少女の説明をしていた。彼女にもキュゥべえが見えているということは魔法少女の才能があるということ。
でも、彼女を危険な魔女との戦いに巻き込むのは憚られた。美樹さんはどうしても叶えたい願いがあったから仕方ないとは言え、鹿目さんには特にそう言った物はないらしい。そんな人を無理矢理巻き込んではいけない。
「最後にもう1度言っておくけれど、魔女との戦いは命懸けよ。魔法少女になるのはあまりおすすめしないわ。」
魔法少女についての説明をあらかた終えた私は念の為注意をしておく。
「でも、私さやかちゃんやマミさんの役に立ちたいんです。危険なのは分かってるけど、こんな私でも誰かの役に立てるなら…。」
「美樹さんからあなたの話は聞いてるわ。思いやりがあって優しい子だって。だからそんな風に自分を卑下することはないわ。」
「そう、ですか…?」
「美樹さんが言ったんだもの、間違いないわ。そんなに素敵なあなたなら魔法少女にならなくたってきっと誰かの役に立てるわ。」
鹿目さんの話を美樹さんから聞いた時は少し嫉妬した。彼女に大切に思ってもらえているのが羨ましくて。
けど、実際に会ってみて、彼女の言っていたことが分かった気がする。どこか彼女に似ていて人の為なら自分を犠牲にしてしまいそうだ。
彼女は魔法少女にならなくても人の役に立てる。ならば彼女が契約しないようにするのが先輩の役目だ。
「今日はありがとうございました。」
「気をつけて帰ってね。」
鹿目さんを見送ると、ふと美樹さんのことが頭を過ぎる。
そういえば彼女は暁美さんのことを追いかけて行ったのだった。キュゥべえから聞いた話ではなぜか自分のことを攻撃してきたらしい。
美樹さんに限って負けることはないと思うけれど万が一もある。今からでも急いで追いかけた方が良さそうだ。
そう思っている間に当の本人が帰ってきた。
「すみません、マミさん。まどかのこと任せちゃって。」
「美樹さん!」
彼女が無事に帰ってきたことへの喜びと安堵が湧いてきて、すぐさま彼女へ駆け寄る。
「大丈夫?変なことされてない?」
「大丈夫ですよ、心配性だなぁ。」
そう言って笑っているが内心気が気ではなかった。もし美樹さんを失うことがあれば私は耐えられない。そうなれば暁美さんが同じ魔法少女だろうと容赦無く始末してしまうことも想像に難くなかった。
「話してみたら全然良い子でしたよ。良かったらマミさんとも仲良くなりたいって。」
正直そんな提案をされてもすぐには飲み込めない。相手の素性も分からないしこちらに友好的かも怪しい。
でも美樹さんの様子を見る限りは悪い人ではなさそうで…。
……信じても、良いのかしら?
「……取り敢えず明日話して決めてみることにするわ。」
美樹さんが騙されている可能性もなくはない。その場合は私がしっかり見極めなければ。
美樹さやか
一先ずマミさんはほむらのことを検討しておいてくれるようで一安心だ。仲間が増えるのは俺も嬉しい。
「さやかちゃんが魔法少女なんて知らなかったよ。」
「ごめんね、秘密にしてて。」
今はまどかと一緒に登校している。話しているのは昨日のこと、というか魔法少女についてだ。
「思えば怪我が急に治ったなんて不思議だもんね。あの時は嬉しくて気づかなかったけど。魔法少女になって無理してない?」
「大丈夫だよ。俺強いし、マミさんも頼れるし、何より無理してまどかを悲しませたくないからね。」
まどかが悲しむ顔はもう見たくない。まどかだけじゃない。俺の周りの人には出来るだけ笑顔でいてほしい。俺はその為に戦っているのだから。
しばらく歩いていると途中でほむらと合流した。昨日のこともありまどかは少し怯えているようだ。
「ほむら、おはよう。」
「お、おはよう、ほむらちゃん。」
「……おはよう、2人共。」
本当はほむらも悪い奴じゃないんだけどな。出来ればこの2人にも仲良くなって欲しい。
「そんなに怖がらないで。ほむらも悪い人じゃないからさ。」
「う、うん。」
気がつくとほむらは俺のすぐ隣にいた。反対側にまどかがいるので少し歩きにくい。
「ほむら、もうちょっと離れてもらえると助かるな。」
「…。」
無視してきた。それどころか腕を絡ませてきた。より一層歩きにくくなる。それを見たまどかも対抗心を燃やし同じことをしてくる。2人共がっちりホールドしてきて歩きにくいことこの上ない。
友達ってこんな距離感だっけ?
さやか→まどか達 友達
まどか達→さやか 私のさやか