一方その頃、ミカたちは…。
ユズ「…ひとまずこれで全部…かな…」
ミカ「…はぁ…つ、疲れた…」
アリス「立てますか?姫」
ミカ「うん、ありがとね。アリスちゃん」
ミメシスたちをなんとか撃破した三人は、聖歌隊室へとやってきた。
ユズ「まだ来るかもしれないし…ここで体勢を立て直そう…」
ミカ「…オルガンに楽譜」
アリス「姫?」
ミカは部屋の中にあったオルガンを撫でる。すると、ふと近くにあった蓄音機が目に留まる。
ミカ「………」
蓄音機を動かそうとするが、何も起こらない。
ミカ「…そりゃそうだよね。多分、ずっと使われてなかっただろうし」
優しく、慈愛を込めた笑みを浮かべながら…ミカはアリスに訊ねる。
ミカ「…ねぇ、アリスちゃん。こんな私でも、ハッピーエンドは来ると思う?」
アリス「…ハッピーエンドは誰にだって訪れます。そう信じる限り、必ず!」
ミカ「…そっか。…そうだね。信じるって、大事だもんね」
頭の中に、今までの記憶が蘇っていく。
アリウスと和解が出来ればいいなと考えて行動したこと。セイアちゃんの全部わかったような物言いが気に入らなくて、結果ナギちゃんも含めて傷つけてしまったこと。そして─
ミカ「…モモイ。…いや、アリウススクワッド。きっとみんな、幸せになりたいんだと思う。叶わない夢でも、それでも望んでる。…幸せってきっと、そういうものだから」
だからね、スクワッド─
─あなた達の為に、祈るね。
その時、聖歌隊室を優しい音が包み込む。
ユズ「…この音は…?」
ミカ「…あはは、故障してたんじゃなかったの?」
アリス「…すごく、心が落ち着くような…そんな音色です」
ミカ「うん。これは…慈愛を求める歌。誰かのための…祝福」
ベアトリーチェの元へ向かうミメシスたちの前に、ミカが立ち塞がる。もちろん、アリスとユズも一緒だ。
アリス「ここは通しません!あなたたちは私たちが倒します!」
ミカ「…そうだね、この先は部外者は立ち入り禁止なの。私たちと一緒に…歌おう?」
これは、慈愛を求める歌。
Kyrie eleison─
ミドリ「…この歌は…」
ベアトリーチェ「なりません!私の領地で慈愛を語る歌を響かせるなど!生徒は呪いを謳わねばなりません!お互いを騙し傷つけ合う地獄の中で、私たちに搾取される存在であるべきなのです!」
その歌を耳にしてベアトリーチェは激情のままにそう叫んだ。
“黙れ。私の大切な生徒に話しかけるな”
その言葉に、末恐ろしいまでの威圧感を放ちながら先生はベアトリーチェに返した。
ベアトリーチェ「何を…!」
“私はあなたを絶対許さない”
サオリ「…そうだな。私も先生と同意見だ」
ミドリ「お姉ちゃん。…うん、私もだよ」
サオリは優しく笑みながらミドリの頭を軽く撫でると、ベアトリーチェを鋭く睨みつける。
サオリ「お前はモモイたちにとってのバグだ。早急にデバッグしてやる…!」
ミサキ「………」
ベアトリーチェ「く…!何も知らない者共が…この私に、よくも…!そんな口をォォォーーー!!!」
サオリからの言葉を受けて、怒りを顕にしたベアトリーチェはまたも姿を異形の者に変える。