アズサ「…ミドリ...寝てるのか?」
ミドリ「.........アズサ...さん...?」
降りしきる雨の中、アズサとミドリを数刻の沈黙が包む。それを最初に破ったのは、ミドリだった。
ミドリ「...アズサさん。お姉ちゃんは...」
アズサ「...ごめん、ミドリ。私は...あなたのお姉さんを殺そうとした」
ミドリ「...!」
ミドリはアズサの方に向き直り、アズサの話を聞いていた。
アズサ「...モモイたちを止めないと、多くの犠牲者が出る。だから...」
ミドリ「...いいんです。アズサさん」
アズサ「...ミドリ?」
その言葉に、アズサは驚きミドリの顔を見つめる。
そこにあったのは、何かを決意したかのような目だった。
ミドリ「...アズサさん。もう大丈夫です。お姉ちゃんに会いに行くなら、私も連れて行ってください。私は、お姉ちゃんに人殺しになってほしくない...!」
アズサ「.........」
その言葉を聞いて、アズサは静かに頷いた。
アズサ「...ユスティナ聖徒会も消えてない。アツコもモモイも、きっとまだ生きてる。決着をつけに行こう」
ミドリ「...はい...!」
悲壮な覚悟を、二人は決めるのだった。
少し時は遡り、廃校舎。
モモイ「大丈夫!?姫!!」
ヘイロー破壊爆弾は、確かにモモイとアツコにダメージを与えたが、致命傷ではない。
とはいえ、アツコはしばらく動けないだろう。
モモイ「...ッ!」
怪我をしたアツコの姿を見て、またしても存在しないはずの記憶が蘇る。
『...私がいなくなったら、アツコたちを...みんなを、守ってあげてくれ』
先程の声とは違う、幼い少女の声。その声が脳内に響くとともに、モモイの中にふつふつと怒りの感情が湧き上がる。
モモイ「...許さない」
何故自分がこんなに怒っているのか、モモイ自身にもわからなかったが、それでもモモイは自分の感情のままに言葉を吐いた。
モモイ「アズサ…!絶対に、許さないよ...!」
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一方その頃、ミレニアムでは─
ハレ「サオリと連絡が取れた場所...ミレニアムじゃないみたいだね」
アリス「ユウカはそう言ってました...」
アリスとユズはユウカからの伝言を受け、サオリのスマホを逆探知して二人の現在地を探ろうとしていた。待ってくれと言われて待っていられるほど、二人はお利口さんではないのだ。
ハレ「...出たよ。...トリニティ...?」
ユズ「と、トリニティ!?なんで!?」
予想外とも呼べる結果にどよめきの声が上がる。大事件の渦中、その中に飛び込んで行ったと同義なのだから驚くのも無理はないだろう。
アリス「…わかりました!アリス、トリニティへ向かいます!」
マキ「待って!今はまずいよ!危険すぎる!」
駆け出そうとしたアリスをマキや他の生徒たちが抑えつけて止める。
アリス「離してください!アリスはサオリたちを助けに...!」
マキ「それがダメなんだって!」
チヒロ「...なんで二人はトリニティに行ったの...?」
コタマ「そこまでは...」
理由はわからないが二人がトリニティへ向かったことは事実。しかし現状のトリニティへ向かうのは危険だと判断したヴェリタスの面々は、今は待機するしかないとアリスとユズに言って聞かせるのだった。
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その大事件の渦中のトリニティ。巡航ミサイルによって破壊された古聖堂。モモイたちアリウススクワッドは、ミメシスの補充にやってきていた。
モモイ「.........」
ヒヨリ「り、リーダー...だ、大丈夫でしょうか...」
ミサキ「...さぁね」
先程の襲撃から、モモイはずっと仏頂面だ。二人はそんなモモイの様子を、心配がっていた。
リーダーとはいえ、モモイは一年生だ。自分たちの精神的支柱であるところは大きいが、モモイが精神的に未熟な面もあることは否めない。そんな彼女の力になる為には─
ミサキとヒヨリがそう考えていると、ヒヨリの目に何かの影が映る。
ヒヨリ「こ、古聖堂に...誰かいます?」
モモイ「...本当だ」
ミサキ「...どうする?先手を打つ?」
古聖堂の柱の影に誰かがいる。それに気づいた三人は、攻撃を仕掛けようとする。
しかしその影は、その前に柱の影から姿を現した。
「まさか、主犯格がお前たちだったとはな」
ヒヨリ「あ、あぁ...!!」
ミサキ「...」
モモイ「...?」
サオリ「...これ以上、好きにはさせない」