東方楽酔録 ~ Perfect Sake Bliss.~   作:地軸

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幕間1 博麗の巫女と、蔵の残桜酒

酒呑蔵のカウンターで、俺はいつものようにボサボサの髪を掻きながら、朝のコーヒー……じゃなくて、軽い果実酒を啜っていた。妖々夢の異変が解決して数日。白玉楼のあの熱い夜の余韻がまだ体に残ってるけど、幻想郷は平和そのものだ。蔵の扉が開く音がして、視線を上げると、そこに博麗霊夢ちゃんが立っていた。

「ねえ、楽。あんたの酒、ちょっと分けなさいよ。異変片付いたけど、なんか疲れが取れないのよね」

霊夢ちゃんはいつもの紅白の巫女服で、ツンツンした態度だけど、目が少し疲れてる。俺は笑って、

「おう、霊夢ちゃん。いつでも歓迎だぜ。座って座って」

とカウンターを指す。彼女はため息をつきながら座り、肘をつく。宴会の余波みたいなもんか。異変解決後の疲労回復に、俺の能力はぴったりだ。

俺の気分が自然に上がって、能力が発動する。カウンター奥の棚から、春の残桜に合うピンク色の果実酒が湧き出る。肴は桜の葉で包んだ軽いおにぎりみたいなの。霊夢ちゃんはグラスを見て少し眉をひそめるけど、すぐにグラスを取る。俺の能力が、なんだか飲む気分を盛り上げるのかな。

「ふん、便利だけど怪しい能力ね。どうやって酒が出るのよ? あんた、外来人だって聞いたけど」

彼女がグラスを傾けながら聞く。俺は肩をすくめて、

「さあな、俺もよくわかんねえよ。ただ、楽しく飲みたいと思ったら、自然に湧くんだ」

って適当に返す。霊夢ちゃんは「ふーん」と疑わしげだけど、二杯目を飲む。頰が少し赤らんで、普段のクールな表情が柔らかくなる。

酒が進むと、会話が弾む。異変の後日談だ。

「あの桜の異変、幽々子様が絡んでたなんてね。結局、春が遅れただけだったけど、面倒だったわ」

俺は相槌を打ちながら、能力で追加の肴を湧かせる。霊夢ちゃんの目が少しトローンとして、

「この酒、なんか飲むのが楽しくなるわね……もう一杯だけ」

と呟く。ハプニングが起きる。彼女がカウンターに寄りかかって、俺の肩に頭を預けてくる。柔らかい髪の感触と、甘い息遣いが耳元で。俺の心臓がドキッとするけど、能力のせいだよな。罪悪感が少し湧くけど、楽しく飲めてるはずだ。

さらに酒を飲みながら、霊夢ちゃんがポツポツと話す。

「魔理沙がまた何か企んでるみたい。あいつと飲むの? あんたも巻き込まれないでよ」

俺は笑って、

「魔理沙ちゃんか。面白そうだな」

って返す。内心、次は魔女組の飲み会かな、ってワクワクする。霊夢ちゃんはグラスを回しながら、

「最近、なんか強い妖怪の気配感じるわ。気をつけなさいよ」

って。なんだろうな、あの気配。俺は

「へえ、どんな感じの気配? 酒で楽しく解決できねえかな」

って軽く返すけど、霊夢ちゃんは「ばかね、そんな甘いもんじゃないわよ」とツンとする。会話が深まって、幻想郷の日常や異変の裏話がポロポロ出てくる。霊夢ちゃんの神社管理の大変さとか、俺の外来人としての不思議な能力の謎とか。酒のせいで、普段言わない本音が混じって、なんだか距離が近くなった気がする。

夕方近くまで飲んで、霊夢ちゃんの酔いが少し醒める。

「ふう、悪くないわね。あんたの能力、疲れが取れるわね」

って、彼女が立ち上がる。俺は

「いつでも来いよ」

って送る。霊夢ちゃんは「じゃあね」と軽く手を振って、飛んで神社へ帰っていく。俺は飛べねえ人間だから、蔵で片付けを済ませる。カウンターを拭きながら、今日の出来事を振り返る。霊夢ちゃんとの酒宴、悪くねえな。

日常的に、こんな風に幻想郷の住人が訪れるのが俺の生活だ

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