東方楽酔録 ~ Perfect Sake Bliss.~   作:地軸

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幕間3半霊の通い妻

俺、酒飲楽の店「酒呑蔵」は、魔法の森の入口にひっそりとある。

いつものように、二度寝三度寝を楽しんでいる俺。

昨夜の宴の余韻で、頭が少し重い。

能力のおかげでアルコール中毒や肝臓疾患は防げるけど、二日酔いは消せないんだよな。

これもお酒の醍醐味だから、仕方ない。

白玉楼のあの夜、幽々子様と妖夢のことが頭をよぎる。

そんな時、店の扉が静かに開く音がした。

俺は布団の中で目を細めて見る。

そこに立っていたのは、魂魄妖夢。

白玉楼の剣士の少女、純粋で真っ直ぐな彼女。

でも、あの宴以来、彼女の態度は変わった。

今では週に2回くらい、買い出しのついでに店に寄ってくれる。

「旦那様、おはようございます。

まだお休みでしたか……失礼しました。」

妖夢の声は穏やかで、少し照れた感じ。

彼女はいつも通り、剣を携え、白い衣装が清々しい。

買い物の籠をカウンターに置き、俺の布団の近くに座る。

「昨夜も遅くまで宴だったんですね。

少しお世話します。」

俺は慌てて起き上がろうとするけど、妖夢の手が優しく肩を押さえる。

「いいんですよ、旦那様。

私がやりますから。」

彼女はそう言って、店内の片付けを始める。

カウンターを拭き、散らかった酒瓶を整理し、能力で湧いた肴の残りを片付ける。

俺の寝癖のついた髪を軽く直し、温かいお茶を淹れてくれる。

純粋だった妖夢が、こんなに献身的に変わったのは、あの宴の影響だ。

能力の暴走で、彼女の心を巻き込んでしまった罪悪感が、胸に刺さる。

でも、彼女の笑顔を見ると、拒めないんだよな。

「妖夢、いつもありがとう。

買い出しのついでに、わざわざ……。」

俺が言うと、妖夢は頰を赤らめて首を振る。

「いえいえ、旦那様のためです。

白玉楼の主様も、たまに楽さんのことを気にかけておられますよ。

それに、私も……ここに来るのが楽しみなんです。」

彼女の言葉に、俺は苦笑い。

週に2回、こんな風に世話をしてくれる。

買い物の野菜や食材を分けてもらい、時には簡単な昼食まで作ってくれる。

純粋さが崩れた分、彼女の献身は深くなった。

伏線のように、将来の忠誠が心配になるけど、今はただ感謝だ。

一通り世話が終わると、妖夢は立ち上がる。

「それでは、失礼します。

また来ますね、旦那様。」

帰り際、彼女はいつものように俺に近づき、そっと抱擁してくる。

その動作はまだ初々しく、頰を赤らめながら目を伏せて、恥ずかしげに体を寄せてくる。

短い抱擁だけど、彼女の温かさと微かな震えが伝わってきて、俺の胸を締めつける。

あの宴の記憶がよみがえるようで、妖夢の照れが愛おしい。

俺は照れくさくて、軽く背中を叩くだけ。

妖夢は微笑んで、体を離し、店を出ていく。

扉が閉まる音が、静かな店に響く。

俺はため息をつき、布団から起き上がる。

能力がまた暴走しそうだけど……まあ、楽しく飲めりゃいいさ。

妖夢の献身が、幻想郷の日常を少し温かくする。

でも、この関係がどうなるか、誰にもわからないな。

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