東方楽酔録 ~ Perfect Sake Bliss.~   作:地軸

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感想もらえたの第2章突入!!


妖々夢編
~白玉楼の酒に濡れる朝の艶桜~


白玉楼、幽々子の私室。

朝の薄い光が障子を透かし、桜の香りだけが静かに漂う。

豪華な屏風の陰に散らばる空の酒瓶が、昨夜の宴会の深さを物語っていた。

布団の中で、俺、酒飲楽は目を覚ました。

頭がガンガンする。まるで脳みそが昨夜の酒にまだ浸かっているみたいだ。

春雪異変が解決し、白玉楼で開かれた祝宴は、あまりにも深かった。

隣で柔らかな寝息が聞こえる。

布団をそっとめくると、そこにいるのは西行寺幽々子さん。

白玉楼の主、死を操る亡霊姫。

彼女も服を着ていない。

布団が胸元まで滑り落ち、朝の光に透ける白い肌が、まるで冥界の桜のように儚く美しい。

瞬間、背筋が凍った。

……俺、終わった。

レミリアさんですら、あれは「吸血鬼の気まぐれ」で済んだ奇跡だった。

でも幽々子さんは違う。

死そのものを司る、幻想郷でも最上位の存在だ。

こんな相手に手を出した人間が、どういう末路を辿るか……考えるだけで膝が震える。

魂ごと消されても、誰も文句は言えない。

俺の命なんて、彼女の指先一つで消し飛ぶ。

冷や汗が止まらない。逃げたい。でも、ここは白玉楼。逃げ場なんてない。

それでも、視線が離せない。

恐怖と、別の感情が胸の中でせめぎ合う。

幽々子さんの寝顔はあまりに無防備で、亡霊とは思えないほど穏やかだ。

長い睫毛、薄く開いた唇、冷たいのに柔らかそうな肌。

俺の心臓は、死の恐怖とは別の理由で激しく鳴り始めた。

幽々子さんが小さく身じろぎし、紫の瞳がゆっくり開く。

「ふふ……楽さん、おはよう。いいお酒だったわね」

俺は布団を握りしめ、掠れた声で呟いた。

「……幽々子さん。俺……本当に、申し訳ありません。

昨夜は俺が……俺が調子に乗ってしまって。

どうか、どうかお慈悲を……」

言葉が震える。土下座したいのに、布団一枚でそれもできない。

幽々子さんは扇を取り、口元を隠してくすくす笑う。

「あら、楽さんったら。そんなに怯えなくてもいいじゃない。

楽しかったのだから、それでいいわよね?」

彼女は布団の中で身を寄せ、俺の胸に枝垂れかかってくる。

亡霊の冷たい肌が密着し、ゾクゾクするような感覚が全身を走る。

桜の香りが鼻をくすぐり、彼女の髪が俺の首筋を撫でる。

「幽々子さん、冷てえ……! いや、こんなの、俺なんかが触れていいはずが……」

「ふふ、冷たい? でも、楽さんの心はとっても温かいわよ。

こうやってると、なんだか生きてるみたい」

彼女は扇をパタパタ動かし、俺の肩に頭を預ける。

俺は震える手で彼女の背に触れ、冷たい感触にビクッとしつつ、

その柔らかさに理性が溶けそうになる。

幽々子さんの指が俺の胸をなぞり、

彼女の唇が俺の耳元に近づく。

吐息が冷たく、ゾクゾクする。

「ねえ、楽さん。昨日の続き、してみる?

桜が咲く朝には、こんな時間が似合うわ」

彼女の小悪魔的な笑みに、俺の心臓が爆発しそうになる。

幽々子さんの手が俺の頬に触れ、冷たい指先がゆっくり滑る。

俺は彼女の腰に手を添え、冷たい肌に震えながら、

彼女の紫の瞳を見つめる。

もう少しで、もっと深い触れ合いに進みそうな瞬間――

「幽々子様! 朝ごはんですよ! いつまで寝てるんですか!」

障子の外から、魂魄妖夢の声が響いた。

俺は反射的に布団を引っ張り、

「やべえ、妖夢ちゃん! 幽々子さん、離れて!」

幽々子さんは名残惜しそうに笑い、

「あら、妖夢ったらせっかちね。

もう少し楽さんと楽しみたいのに」

障子が勢いよく開く。

そこに立っていた妖夢は、朝ごはんの盆を抱えたまま、完全に固まっていた。

次の瞬間――

「ひっ……!?」

小さな悲鳴が漏れる。

妖夢の顔が、耳まで真っ赤に染まる。

盆を抱えた両手がガタガタ震え、おにぎりが一つ、畳にポロリと落ちた。

「や、やだ……! こ、これって……!

幽々子様が……楽さんが……裸で……!?」

声が裏返り、完全にパニック。

いつも凛とした瞳がうるうるして、視線が泳ぎまくる。

「ち、違……! 見ちゃ……見ちゃいました……!

わ、私、こんなの見ちゃダメなやつです……!

だ、ダメなのに……!」

両手で目を覆うが、指の隙間からチラチラ覗いてしまう。

完全に処女丸出しの動揺だ。

幽々子さんは扇で口元を隠し、くすくす笑いながら

わざと布団を少しずらして妖夢に見せつけるようにする。

「ふふ、妖夢ったら。朝からそんなに恥ずかしがらないで。

楽さんのおかげで、素敵な夜だったのよ」

「幽々子様ぁぁぁ!!

そ、そんなこと言わないでくださいぃぃ!!」

妖夢の悲鳴が白玉楼に響き渡る。

盆がガタンと傾き、味噌汁が波打つ。

「だ、ダメです! ダメダメダメ!

幽々子様は……幽々子様は私の大切なご主人様なんですからぁぁ!

こんな……こんなはしたない姿、見せちゃダメですぅぅ!!」

声が震え、目が潤み、完全に理性崩壊。

お堅い剣士の少女が、今にも泣き崩れそうなくらい恥ずかしがっている。

「だ、ダメなのに……!

私、幽々子様のこと、ずっとお守りしてきたのに……!

こんな……こんなの見たら、もう顔向けできないですぅぅ!!」

両手で顔を覆い、蹲る。

肩が小刻みに震え、耳まで真っ赤だ。

「うぅ……頭おかしくなる……!

幽々子様の寝顔が……楽さんの腕の中で……!

やだやだやだやだぁぁ!!」

完全に取り乱している。

普段の凛とした剣士の姿はどこにもなく、

ただの純情な少女が羞恥に悶えているだけだった。

俺は布団の中で縮こまり、必死に弁解する。

「妖夢ちゃん、違う! 俺が全部悪い!

幽々子さんを汚したのは俺です!

どうか幽々子さんだけは……!」

「汚したって言わないでぇぇ!!

もうやだぁぁ!! 頭おかしくなるぅぅ!!」

妖夢は泣きそうな顔で叫び、

盆を置くと、顔を真っ赤にしたまま逃げ出した。

障子がバタンと閉まり、

廊下の向こうで「うわぁぁん!」という妖夢の本気の泣き声が響く。

幽々子さんは扇で口元を隠し、

俺の胸にまた寄り添いながら、くすくす笑う。

「ふふ、妖夢ったら可愛い反応ね。

でも、楽さん……

まだ朝は終わってないわよ?」

俺は完全に放心していた。

……俺、本当に生きて帰れるのか?

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