いい感じの美容院を書きたかったのです。
最終回の奈落家小説の序章?

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第1話

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■まえがき

 

いつも読んでいただき、ありがとうございます。

 

※ 奈落家のいつもの設定確認

 

・設定は戦国時代なのになぜか現代の要素が入る。

(今回は市街地の美容院。美容師さんが神楽の女友達)

 

・奈落家の服装は、原作通り。

 

・奈落さんと分身たち皆、生存していて

人見蔭刀に仕えて奈落と一緒に

人見城に一緒に住んでいる設定です。

 

・いつもは、季節は特に記載が無ければ

投稿された日と同じなんですが、

今回は真夏です。

 

ストーリーのジャンル:ほのぼの

 

では、このまま下へスクロールして本編どうぞ。

 

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神楽は人見城下の街の並木道を

予約した美容院へと向かって歩いていた。

季節は真夏。

木々のセミも嫌らしく

ジリジリ、ミーンミーンと鳴いており、

かなりの酷暑。

地面は高熱のアスファルトのため、

普段は裸足の神楽もさすがにわらじを履いている。

並木道の木陰の少しの涼しさに救われつつ

懐から出した小さく蝶があしらわれた手ぬぐいで汗を拭きつつ、

扇であおぎながら進む。

 

羽飾りを使って空を飛んで向かうこともできたが、

空を行くと地上より紫外線が強すぎるため

歩きなのだった。

 

私用で奈落の車を借りる訳にもいかないし、

蔭刀や奈落の後ろ盾があるとは言え、

一応無免許だし。

 

神楽は急いでいた。

美容院に行くには予約時間を早すぎても遅すぎても

美容師さんに気を遣わせてしまう。

ちょうど良く自宅の城を出ようとしたが

なんだかんだで用を済ましているうちに

少し遅れたのだった。あるある。

 

だが、あまり急ぎ過ぎも良くない。

頭に汗をかいたり、髪が乱れて美容院で施術を受けるのに

美容師さんに申し訳がないからだ。

 

しかし、ここであきらめてキャンセルするのも

さらに申し訳ないし、

予約のタイミングは髪の伸び具合を見て

ベストなタイミングで予約をしているため、

延期してこれ以上遅すぎてもいけないのだった。

 

なんとか美容院にたどり着き、

再度、店前で汗をよく拭き、髪の乱れを

コンパクトミラーで見つつ直し店に入る。

 

優しく笑顔で迎えてくれる女性の美容師。

実は神楽の友達である。

名は「お千(せん)」と言う。

彼女の友人がテレビディレクターをしており、

お千が読書好きということもあり、

有名な作家の特集で

熱心な読者の一人として

テレビに出演していたのだった。

それを神楽はたまたま視聴し、店のことも知り、

何度か行ってみて話し、仲良くなったのだった。

 

荷物の扇と、財布とスマホ、

コンパクトミラーなどの入ったポーチを預け、

席へ案内される。

来店を本当に喜んでいるのか

笑顔を絶やさないお千。

 

この店はお千一人で経営しており、

予約ゆえ神楽しか客はおらず

店内は清潔で人のいない美術館のように静かでスタイリッシュ。

床が薄い水色の基調で氷の宮殿のように幻想的。

白と黄色の小さいライトたちも可愛く情緒がある。

オシャレで朗らかな洋楽がかすかに尊く流れていた。

 

お千の服装はシックな感じで、スリムな黒いパンツに

胸に細かくフリルの意匠がほどこされた半そでの白いシャツ、

黒くコンパクトな、ヒールのかなり低いパンプス。

髪の毛は暗めの茶髪のショートヘア。

スッとしたでも可愛い顔立ちをしている。

神楽よりは年上のおねえさんだった。

 

「どうなさいますか?」と敬語を崩さず

親しき仲にも礼儀あるお千。

 

だが一方でリクエストを訊かれたものの、

マンガ犬夜叉のキャラクターデザインを変えると

原作者の高橋留美子先生に怒られるため、

さすがの自由な神楽もいつも通りを維持する感じでと伝える。

 

個人的な注文はできないが、

美容院は美容師さんとコミュニケーションをしながら

上手くオーダーを伝えるのが難しいため、

その点、神楽は楽で良かったといつも思っている。

 

施術が始まる。

切り方は細い銀のハサミの動きからして

令和モダンでとても上手である。

最近の話から始まり、日常のことを楽しくトークする。

時にはアドバイスももらえるのでありがたい。

ついでに言うと技術がかなり高度なのに

価格が安めなのもありがたい。

 

話の合間、お千はスピリチュアルな感覚が優れているので

ついでに占ってもらう。

今までの何回か占ってもらっていたが、わりと当たる。

 

少しの間、お千が目を閉じ、

二人の間にしばし沈黙が流れた後、

 

「自由への想いを捨てないで。

心に留めて。

それがあなたを幸福へといざなうわ」

 

真剣な眼差しで鏡越しに神楽を見つめ、

お千が言う。

 

「ごめんなさい。マジになっちゃったw」

 

「大丈夫だって。ありがとよ」

神楽が気遣い、顔をほころばせ

お礼を言う。

 

その後も和気あいあいとしたトークがまた続き、

髪を洗ってもらって

再度整えてもらう。

 

美容院の鏡は品質が良いのか、

いつもよりしっかりと

現実の容姿を映し出す。

それでも神楽は美しく映っていた。

 

姉の神無の鏡もここまで

クリアに見えるものなのだろうか…。

 

そして

荷物を受け取り、

会計へ。

元々優しいお値段だが、

さらにスタンプカードのスタンプが

徐々に貯まって行くのもうれしい。

アナログなのも"今時"新鮮でほっこりとする。

 

お千に別れのあいさつをして店を出る。

彼女の最後の笑顔もとてもやわらかかった。

 

それから神楽は美容院前の自販機で

ペットボトルの冷たいミネラルウォーターを買った。

施術中に訊いたところ、

これも店の売上になるらしい。

次回、訪れたら「買ったぜ」と

恩着せがましくなりすぎないよう伝えようと思った。

 

夏のひまわりのような日の光に煌めく

ペットボトルの水は美しく、

神楽の体に静かに染み渡って行った。

 

おわり

 

■あとがき

神楽の女友達美容師「お千(せん)」の名前は、

占いをするので千里眼の千、

単に占いの占(せん)から取っています。

 

最後まで読んでいただき、

ありがとうございました。

ほんとに終わりです。


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