オレンジアカデミーのモブ生徒になったので影を薄くしていきます   作:モカチップ

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第12話

 ……カントー旅行最っ高でした。

 ジニア先生の引率だったが許す限り自由に行動させてくれた。

 

 少なくともタマムシシティとクチバシティには行けましたからね! ええ! 想像とは少し違ったが感動の連続! 

 

 ポケモンリーグの大本営があるカントー地方。他の地方と比べ一回りレベルの高いトレーナー達が跋扈する。言われているだけありそこら中に強そうなトレーナーがいた。

 

 カントー地方ポケモンは勿論、カントーへ挑戦しに来たトレーナーのポケモンを見てるだけで幸せになれるぐらいよ! 

 

 逐一断りを入れて写真を撮らせてもらったぐらい多種に渡るポケモンが勢揃い。……逆に写真を取られたりしましたけどね。

 

 理由はデカヌチャン。どうやらパルデア地方しか生息が確認されてない模様。パルデアのトレーナーがいないからか初めは新種のポケモンと騒がれてしまった。

 

 特に女性から人気を集めていてサラッとタマムシシティのジムトレーナーまで紛れていた時は驚きましたよ。

 

 ピンク武器属性は女性のハートを奪うには強烈すぎたってことでしょう。白衣の天使ことイエッサンはもちろん、どの地方でも大人気のイーブイも女性人気は高かった。

 

 しかしパルデアって知名度はそこまでないみたいで挙げられるものはオレンジアカデミーと配信者のナンジャモぐらいだった。

 

 ポケモンリーグも他の地方と比べ歴が浅いのもあり実力的には下位に位置するみたい。最強のリーグを挙げるとすればセキエイリーグとガラルリーグのツートップ……シンオウリーグを含めたスリートップ? かもしれない。

 

 思い出補正込みなので異論は認める! 

 

 話は戻りジムトレーナーと流れで仲良くなれたので勢いのままジムチャレンジをお願いしたのだ。これでもパルデアのジムを踏破した。カントーでどれほど戦えるのか試してみたかったのら。

 

 ……無理でしたけどねえ。

 理由は単純でした。セキエイリーグのトレーナーじゃないからでーす! 

 

 カントー地方はバトルの古戦場。挑戦前にどの地方でもリーグ登録をしなきゃいけないらしい。パルデアにはまだ導入されてない制度でぽかをやらかしただけだった。

 

 これにはジニア先生も苦笑い。その顔は知ってたみたいですねえ……教えてくれてもいいのにぃ! 

 

 ジムチャレンジも予約が必要で再来週まで予定がミッチリらしい。他のジムも似た様な状況です、と。パネェなカントー地方! 

 

 比例してかジョウト地方のジムなら受けられるかもしれないんだってさ。ジョウト地方はリーグが存在せず、代わりにセキエイリーグへの挑戦権を得られる。

 

 ポケモントレーナーよりも観光客が多いことで知られているのだと。コガネシティならヤマブキシティのリニアでひとっ飛びだけど定期券が必要だから無理。買うにしても一週間もいないので無駄になってしまう。

 

 ……どの道ジムチャレンジはできないってこと。残念だがポケモントレーナーとバトルができたから良しとします。

 

 正直に申します。強かったです!! 数戦やりましたが最後のトレーナーに負けました。まさかデカヌチャンが負けるとは……! 相性の問題もあったけど…隙がなかった。

 

 これがカントーのトレーナー……。イエッサンやイーブイならしゅんころされてたな。それぐらいに強かった。同時に興奮しすぎて倒れそうになったり…ね? 

 

 リザードンってお前……! カッコよすぎだろうぅ!! トレーナーと息ぴったりだしデカハンマーをドラゴンクローで弾いてたし! めっちゃ火花散ってましたからね! 

 

 デカヌチャン自身には効果はないけどデカハンマーには有効と教えられました。初見のはずなのに観察眼がやばたにえんです。

 

 デカハンマーのちょっとした隙をばくれつパンチでぶっ飛ばされ、起き上がる頃にはフレアドライブがぶっ刺さり戦闘不能。

 

 ……完全敗北に近い負け方! 

 悔しくもあるが……楽しかった!! 

 

 ネモちゃに近い気がした。一方的に蹂躙する。相手に何もさせない戦い方。…それがポケモンバトル。

 

 完全物理型のリザードンとかロマン過ぎ!! 

 パワーとスピードがエグかった……AS個体値Vあるんじゃなかろうか? 

 

 いや……経験、か。なにもかも遥か高みにいただけの話。…やっぱ楽しいわ。

 

 最後の技はなんだろう。…はらだいことか? 

 

 あの気品からのはらだいこはもはや芸に近い。気になるけど……ジニア先生がそのトレーナーをジッと見ていたことが気がかりだったな。

 

 そのトレーナーも軽く挨拶を交わしたら逃げるように去って行っちゃったしね。…世界は広い。俺なんてまだまだひよっこだと思い知らされた。

 

 ……パルデアに帰ったら本格的に育成をしよう。その為にタマムシデパートでわざマシンとかアイテムをたらふく買ったのです!! 

 

 手持ちも増やしたい。できればカントーで捕まえたかったりする。ジニア先生に相談するしかない。……休んでる暇はない! やるぞー! 

 

 時間は一瞬でテーブルシティの空港。

 帰ってこれました! …疲れた。田舎から上京した学生並にヤマブキシティではしゃぎまくったと思う。

 

 手持ちは増えませんでしたねえ。

 それでもみんな一回り強くなった。

 

 これからも成長していきたい。

 心にそう決めた……所までは良かったんですよねえ。

 

 キタカミの件忘れてましたわ。

 

 アオイちゃんからの罵倒に怯える日常と化してしまうのか、とガチビビりしていたがどうやら違う模様。

 

 ……アオイちゃんがキタカミの里から戻ってきて直ぐに休学してしまったとか。

 

 自宅に戻ってしまったらしい、です。

 これには生徒、教師共々大慌て。

 

 ?????? 

 

 現にネモちゃ、ペパー、ボタちゃんが自室に一斉突撃をカマしてきましたもん。一瞬殺されるかと思ったもん。

 

 キタカミの里で何があったか根掘り葉掘り聞かれ正直に答えたらおっかなびっくりな顔をしましたよ? え? そのまま校長室まで連行されました。

 

 改めてクラベル校長にも話をしたら納得したような顔をし、大きなため息を吐きました。真面目にわけわからんのやが? 

 

 ネモちゃも分かってないみたいやしねえ。ペパーとボタちゃんがマジかお前みたいな顔してやがりますけど……。

 

 簡潔に申しますとアオイちゃんに会ってくれと言われました。え、嫌だよ罵倒されたくねえもん……とは言ってられないらしい。

 

 なに言われても受け止める他ない。

 俺を捌け口にすればスッキリできるかもしれないし、もしかしたら知らぬ間にアオイちゃんに何かあったかもしれない。

 

 即実行でなう。

 

 アオイちゃんの家はネモちゃが案内してくれた。道中話したけどネモちゃは何も分からないってさ。

 

 自宅まで案内してくれると今度本気のバトルしてねーと念を押してオレンジアカデミーへ戻って行ったよ。ありがとー。

 

 ……覚悟を決めろ。

 軽く深呼吸。気合いを入れるため頬を叩く。

 インターホンを押した。

 

 ────────────

 

「話は聞いているわ。今日は来てくれてありがとう。いきなりごめんなさい」

 

 大丈夫です。……アオイさんは? 

 

「部屋に籠っちゃって…座って。今お茶持ってくるわね」

 

 ありがとうございます。失礼します。

 椅子に座り部屋を眺める。

 

 すんごい豪華。

 ネモちゃは使用人がいたりと規格外なのもあるけどアオイちゃんのご自宅もお金持ちレベルでございます。

 

 アオイちゃんのお母さん…心配そうにしていたな。

 そりゃ娘が急に休学して部屋に籠るなんて大事件が起こったんだ。気が気でないだろう。

 

「チュリ…」

 

 お母さんの手持ちであろうホシガリスも元気がなさそうだ。ちょっと触りたいなと思ったが時と場合を考えよう。

 

「お待たせ。……君のことはアオイから良く聞いてたの」

 

 そうなんですか。

 ……因みにどういったことを言っていたかお聞かせ頂いても? 

 

「んー…と、そうね。私からは言えないかしら」

 

 ンンンんっ! 

 苦笑いをしてることから結構なことを言われてる可能性ががが! 

 

 知りたければ本人から聞きなさいってことでしょ? ……怖くて聞けないよ。…もう関係ぶっ壊れてるみたいなものだし勢いに任せて聞いてもいい? そんな度胸ありませーん! 

 

 流れからアオイちゃんの昔話を聞かせてもらった。

 小さい頃は大人しく控えめな性格だったんだ。意外といいますか…あんだけアクティブだしそう遠くない未来エリアゼロを散歩感覚で行き来するから破天荒気質かと……失礼、混合しました。

 

 オレンジアカデミーに入ってから明るくなったのか。そりゃパルデア組や良い教師達に恵まれたから……何故笑うんです? 

 

 特におかしなことはしてないと思うんすけど…。

 長話をしていると窓から夕日が差し込んでいた。

 

 話はここで打ち止めですね。

 アオイさんに会っても大丈夫ですか? 

 

「もちろん」

 

 ありがとうございます。

 

「アオイのこと……お願いね」

 

 はい、わかりました。

 椅子を立ち、頭を下げアオイちゃんの自室に繋がる階段を上る。

 

 流石にドア無しじゃなかった。

 ノックをする。返事は、ないと。

 

 ……ドアノブを握る。鍵は…かかってない。

 うし! 尻込みするな! 

 

「入るよ」

 

 ガチャ…と音を立てドアを開ける。部屋は暗…ぐふっ!? 

 奇襲の如くタックルをされるが勢いはなく弱々しい。

 

 モヤシの俺でもなんとか受け止められた。

 正体は分かってる。アオイちゃんしかいないからさ。

 

 下ろされた髪にポケモンがプリントされたパジャマ姿は一部のファンは血反吐はきながら昇天するでしょう。確殺入れてくるレベル。

 

 ただ…ただ……さ。

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいお願い許してください見捨てないで…」

 

 黒く濁った瞳に泣き腫らした顔はもう……なに…何があったの!? 

 え? は? ……ちょっと…!? 

 

 おけ…おk…! 落ち着こう! 

 大丈夫だよだ大丈夫だだ……大丈夫じゃないダロォ!? 

 

 許すし! お願いも聞くし! 見捨てないからさ!! 

 

 なんとかなだめつつ落ち着かせた時にはお天道様は消えその代わりに月がこんにちはしてたのは言うまでもなかった。

 

 なんでこうなった? 

 みんなは何も言ってくれなかった……教えてくれイエッサン! 

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