オレンジアカデミーのモブ生徒になったので影を薄くしていきます   作:モカチップ

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第16話

はい! やってきました! 

 …………キタカミの里!再放送です!

 

 アオイちゃんもいなけりゃスグリくんもゼイユもいない。…林間学校に選ばれたメンバーもブライア先生も……ジニア先生……は…。

 

「ここがキタカミの里ですかあ!」

 

 いますねえ! 

 遊園地に来た子供みたいにはしゃいでらっしゃいます。……そうカントー地方は無理だったけどキタカミの里は許されたのだ! 

 

 理由は至極簡単でジニア先生が行きたかったから……ね? 簡単でしょう? …俺のせいでカントー地方でとおせんぼうくらっちゃったからね。

 

 個人で行くつもりだったらしいです。

 今回はジニア先生の助手として馳せ参じさせて頂いたのです! 

 

 はぁ…ほんとジニア先生好き。

 この人にならついて行ってもいいと思えてしまうますよもう! 

 

 しかし…しかしだ。

 気のせいかもしれないが…なんかスイリョクタウンが騒がしい気がするのですが…。

 

 …賑わっている? 

 ……ああ、オーガポンの…あれ、でもアオイちゃんに聞いた話だと…オーガポンはまだ…。

 

 あの悪役トリオこと、ともっこは討伐したらしいのでそこじゃないとは思われるんですが……。

 

「なにかあったみたいですね」

 

 おう…ジニア先生の真面目モード。

 住民達の表情から結構深刻かもしれない。

 

 ジニア先生とスイリョクタウンへ。

 住民の中心には管理人がおりこちらに気づいたようだ。

 

「貴方はあの時の生徒さんではありませんか」

 

 管理人さんこんちはっす。

 なにやら大変そうですが何かあったんですか? 

 

「……実はとこしえの森に恐ろしい怪物が潜んでいると住民が言っておりまして」

 

 隣で目撃者がオラは見たんだ! 大きなクマを…! 嘘じゃないんだべ! と声を張上げていた。…癖強です。

 

 とこしえの…森? って言えばガチグマが生息しているところ。…ん???? 

 

 そいや…ガチグマに関しては一切聞いてなかったな。……ガチグマといえばシンオウを代表するカメラマンであるサザレさんが──

 

 辺りを見渡す。…ふわふわかカチカチか分からない目隠れガーディさんと…先祖からの相棒であるブイズの進化形の一つであるリーフィアた……カメラを持った女性……はいない。

 

 ……うん、サザレさんいないねぇ…! 

 林間学校の時にも見かけた覚えもないしさ。

 

 もし見かけてたらヒスイのガーディを撫でまくっているはず。アオイちゃんに聞いときゃ良かったなぁ。…後悔先に立たず……! 

 

「恐ろしい怪物、ですか」

 

 顎に手を当て考え込むジニア先生。

 真剣な表情から只事ではないと察しているんだろう。…マジでその通りですわ。

 

 ただのガチグマだけでも化け物級なのに……。

 ガチグマの中でもまた異質な存在である…サザレさん命名だったかな? の赫月ガチグマ。

 

 腕力で殴ってきそうな暴力の化身みたいな見た目をしているが……進化元のヒメグマより物理は劣っていたりします。

 

 ヒメグマが怪力過ぎるだけなんやけど…その代わりに特殊攻撃がアホほど強くなっていて特性の心眼によりゴーストタイプ相手にもタイプ一致のノーマル技をぶち当てることができる。

 

 ゲームでは連続で使えないとかデメリットがデメリットしていない高火力技のデカハンマーと同じ効果を持つ専用技ブラッドムーンがあると原種ガチグマより優遇されていたりする。…種族値もちょびっと高い。

 

 …リアルの場合はちょっと長めのリキャストが入るだけで時間を稼げば半永久的に撃ちまくることができるんです。

 

 半減でもタイプ一致はキツイ。…小細工も通用しない。……正直デカヌチャンでも戦いたくない。それほど赫月ガチグマは危険。

 

 凶暴そうな見た目とは裏腹にとても賢く用心深い性格をしていて、サザレさんがフラッシュ炊いて刺激しなきゃ穏便に済んだだろう。

 

 ただ…目撃者が酷い興奮状態になっていることから……刺激してしまったかもしれない。

 

 パニックになったら何をやらかすかなんて分かったもんじゃないからなぁ。…特に人間はさ。

 

 見ただけでギャーギャー騒ぐなって言いたいけど……地元に凶暴なポケモンが現れたら気が気ではないか。…外見だけならトップクラスで怖いだろうしね。

 

 ガチグマ自体はずっと昔からいて穏やかに過ごしているだけなのになあ。

 

 ……よし! こうなったら俺が見てきますよ! 

 

「いいんですか? しかし…」

 

 大丈夫ですよ。こう見えてバトルは強い方ですからね。

 

「そうですねえ。ぼくも気になりますし行ってみましょうかあ」

 

 ジニア先生がいりゃ百人力だ!! 

 んじゃ善は急げということ……ジニア先生? 

 

「その前にご飯を食べましょう。実はお腹ペコペコなんですよお」

 

 だらしくなくお腹をさするジニア先生。

 ……確かに! バスに揺られて食べる暇もなかったやんね。

 

 腹が減っては戦ができぬと言うし…。

 

「でしたらわたしが用意させていただきますよ」

 

 マジっすか! あざます! 

 ジニア先生と共に管理人さんに案内されご馳走してもらう。

 

 パルデアじゃ見ない山の幸を使った和風料理はとても美味くて……柄にもなく泣いてしまったよ。…やっぱ美味いよなぁ……。

 

 食後は軽い運動をしつつみんなの育成に励む。カントーで爆買いしたわざマシンを覚えさせつつ野生のポケモンと軽い戦闘…なんてしてねぇよ!! 

 

 飛びかかってモフり倒したわ!! 

 ポチエナにロコン…あ、野生のね? いやーもふもふのもっふですよ! 

 

 …背筋に悪寒を感じて振り向いたりしましたが笑顔のロコンしか映りませんでしたOK! 

 

 ヘイガニとじゃんけんもしたよ! もちろんパーを出した出来レース! …グーを出してもハサミで両断されそうですけどねえ…ま、パーでも挟まれましたよ。

 

 痛い…というよりは…気持ちよかった。…うん! なんかヘイガニがドン引いてたけど怪我はしてないし大丈夫だろ。…血は流れたけどかすり傷ですわ! 

 

 ニョロゾと軽いスイミングに…果樹園でカジッチュとかくれんぼ。…ガチで見つからんかったなぁ。…落胆しているとガジッチュが足元まで擦り寄ってくれてさ…。

 

 優しいね。なんて思いながらそっと両手ですくい上げたら…周りにカジッチュが沢山いて包囲されてた。……俺に死ねというのかね? 

 

 当然の如く尊死してジニア先生に起こされたよ。…話を聞くと気絶した俺の上に覆い尽くさんほどのカジッチュがいたんだとか…写真、撮りたかったな。

 

 …特訓? は終わって夕暮れ。いよいよ赫月のガチクマさんとご対面と行く訳ですが…。ゲームのマップ通りでさ。

 

 俺っさ…飛べるポケモンいないんだよね。

 ジニア先生も持ってないの…だけど飛び越えられるポケモンは持っていた。

 

 ウインディ!! …うわっ! うわっ…!! 

 すんげえもふもふ…! しっかりとブラッシングもされててツヤもある! 

 

 全身で抱き締めても軽くはみ出るくらいに巨体! …平均よりかなり大きな個体だ。…そゆことでジニア先生のウインディに乗せてもらったんです! 

 

 超絶イケメンジニア先生とウインディで二人乗りとか……ほがらかな顔でしっかり掴まっててくださねえ、とか惚れるよ? 男でも褒めるよ? …うっ……一瞬変な空気を感じた。

 

 野生のロコンをモフってた時と同じ…気がする。…は、ははは…だ、大丈夫さー! 

 

 でんせつポケモンだけあり神速であっという間に赫月ガチグマの住処であるとこしえの森に到着。……うわぁ…おどろおどろしい雰囲気だ。入口付近でも薄暗く奥は夜と変わらな…。

 

 ……テントの残骸…? これってサザレさんの…ジニア先生…? 

 

「動かないで……ウインディ」

 

 奥に進もうとする俺の前に腕を出し制止。

 ウインディはジニア先生の言葉に頷き警戒する。

 

 ……ガチの顔をしてる。ふざける…ことはできないよな。…デカヌチャン……警戒してくれ。

 

 デカヌチャンを繰り出す。デカヌチャンはデカハンマーを握りしめ森の奥を見据える。

 

「ワギァァァァァア!!!!」

 

「ッ! …これは…」

 

 森からの叫び。ポケモン達が森から逃げ出していく。森が悲鳴を上げていく……。

 

 !? ……何かがこちらに飛んでくる!? 

 っと……! 咄嗟に受け止めたけど…これは…。

 

「大丈夫ですか!? ……ポケモン?」

 

 そう。…受け止めたのはポケモンだ。…傷だらけで気絶しているが…このポケモンはこうもりポケモンのゴルバット…。

 

 原作では登場しないポケモン、だけどここは現実…として…なんでここにゴルバットが…。

 

「うわぁぁぁ!!?」

 

 今度は男の叫び声。…どうなってんのかな!? …ジニア先生!! 

 

「急ぎましょう。…油断はしないでください」

 

 わかってますよ。…ああ、もう! どうしてこんなことになってんかねえ!! 

 

 ゴルバットを抱えジニア先生ととこしえの森に入っていった。

 

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