憑依拒否   作:茶ゴス

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第13話「随分と都合のいい事」

 ここは次元航空艦アースラ内にある病室。僕が天使との戦いで倒れた後に運び込まれた部屋。

 

 僕が倒れてから半日が経過したらしい。管理局の人に治療してもらったと聞いた時は何か改造でもされたかと不安に思ったが、みんながそんなことは無かったと教えてくれて安心した。

 どうやらルドガーさんがある人に頼んだらしくて、僕自身が変なことをしたり特殊なことをしても不思議に思わないようになったらしい。これで普段からパンダの格好をしていても怪しまれなくなるね。

 

 僕の傷はジュードさんが治癒功で治してくれたらしく、もう既に全快に近い状態だった。それでも失った分の血は戻っていないので、それを補充するためにご飯を食べているんだけど…

 

 

「優君が無事で良かったよぉぉぉ」

 

 

 僕が起きてからずっとなのはちゃんがこんな調子で抱きついてきて離れてくれない。正直食べにくいね。

 いや、確かに大怪我しちゃったけどさ。もう治ったことだし大袈裟じゃないかな?

 

 ユーノ君も苦笑いしてるだけだし。

 管理局の人も呆れてるよ。

 

 

 プレシアさんとかは特に目立った怪我もなく、今はこの艦の護送室にいるらしい。未遂で終わったけど次元震とやらを発生させかけたとかで捕まったんだって。

 よくわからなかったけど、管理局の人を倒してしまったのもあって捕まったと聞いて納得した。

 

 アリシア・テスタロッサはもう既に目を覚ましているらしくプレシアさん達と同じ部屋にいるらしい。

 家族水入らずで積もる話もあるんだろうなぁ。

 ユーノ君曰く中から女の子の説教する声と落ち込む女の人の声が聞こえているらしいけど…

 

 

 パンを口の中に放り込みながら考える。

 

 あの戦いの中であったことは大まかに分けて3つ。一つは水天日光天照八野鎮石を使ったこと

 もう一つは天使が現れたこと。最後は金色の王様と話せたこと。

 

 あの金色の王様と話してから僕には変化が起こった。

 パンダ師匠のコスチューム以外も出せるようになったのだ。具体的には紫色の剣だとかルドガーさんの時計だとか。後斧とかもかな。

 

 なのはちゃんたちが見てるからまだ確認できてないけれど、王様の話では神様が勝手に王様の宝物庫に入れたものらしくて、それだけなら全部貸してくれるらしい。

 

 その道具は簡単に言えばルドガーさん達が持ってるものと同じ物らしくて、これからは骸殻の力なども使えるのだとか。

 

 

 新しく修行が出来るな。とスタンさんに言われた時は少し肩を落とした。

 

 どんどん人間離れした力を身に付けていってるね。

 まあ、王様に僕は人間だって断言してもらったから平気なんだけど…

 

 王様は話を終えるとまた奥底に消えていった。

 今度は僕が来るのを待ってるのだとか…早くそっち側にも行きたいなぁ。あの騎士の格好をした男の人は怖そうだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 目覚めてから1日が経った。流血によって失った血液も戻り、今では暇を持て余しています。

 はやく帰りたいんだけど、この艦は現在次元震が起こりかけたせいで安定していない次元が正常になるまで動かせないらしいのだ。

 

 数日で収まるだろうとは言われたけど、両親になんて説明しようかな。

 勝手に何日か家にいなくなるのは前にもしたけど、その時はすっごく怒られたなぁ。最終的にはバケモンのデータ消されちゃったけど。

 さらば、僕のデンチュウ。お前のことは忘れないよ。

 そしてこんにちは新たなデンチュウ。これからよろしくね。

 

 布団に潜り込んでいるなのはちゃんを押しのけつつそんなことを考えている僕。

 まあ、あの時は正直に山ごもりをしていたと言ったので今回もそんな事を言って誤魔化そう。魔法なんて信じないと思うだろうし。

 ベッドから降りてからぐっすりと眠っているなのはちゃんに布団をかけて部屋の外へ向かう。

 その際になのはちゃんに服を掴まれたから、服を脱いでそのまま外へ歩いて行く。なのはちゃんはそのまま服を抱え込んで丸くなった。

 何か掴まないと眠れないのかな?

 

 

 

 部屋の外へ出るとクロノ君と鉢会う。なんだかお疲れの様子。管理局は秘密結社ではなくブラック企業なのかな。

 

 事情を聞くと時の庭園内で過去にあったプレシアさんの事故の証拠を見つけたらしく、それの裏付けをするために情報を集めているらしい。

 そんな事を僕に言ってもいいのかな?と聞いてみたところ。これでお前も当事者だな。と肩を掴まれて連れてかれる。

 

 ええぃ、罠だったか!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 なんだか大きな画面やキーボードがある部屋に連れて行かれた。そこで死屍累々な光景が目に飛び込む。何でも証拠集めを艦長が命令したらしく、殆ど休憩も無しに調べていたらしい。

 皆さんお疲れ様です。ブラック企業に就職したのが運の尽きだったんだね。そう人事のように思っている僕をクロノ君がある機械の前に座らせる。

 

 何でも、情報はパスワードが無ければ一般公開レベルのものしか見れないらしく、僕が弄っても問題無いとのこと。そのレベルの情報から怪しい物を拾っておいてくれと言われた。

 普通小学生に機械触らせるかな…まあ、キーボードならわかるけどいいんだけどさ…って、日本語じゃないじゃん。

 

 クロノ君にそう言うとどこからか分厚い本が…それって翻訳書ですか?

 クロノ君はニッコリと微笑み事故があった日にちを僕に言って少し離れた所で機械をいじっている女の人の方へ行ってしまった。

 

 仕方ない。まあ、やってみますか。

 

 クロノ君から受け取った翻訳書に目を通す。

 見た感じドイツ語と英語に文章の構成は似ているようだ。

 

 取り敢えず10分程度で本の内容と言葉を覚えた僕はキーボードを触って事故の日にちと事故と入力する。

 

 出てくるのは大魔導師プレシア・テスタロッサが追放された事などだった。

 なるほどね、何かしらの実験中の不祥事で事故を起こし追放されたと。

 

 今思ったけど、一般公開レベルで得られる情報ってあるのかな…

 

 

 取り敢えず、その実験について調べるために近くで倒れている管理局の人に実験の概要について聞く。

 一瞬言うのを躊躇ったみたいだけど、クロノ君に調べておけと言われたと告げると普通に教えてくれた。

 何でもフェイトちゃんを作った際の実験だったらしい。

 

 なるほど、クローン実験か。

 取り敢えずその方面から調べていこうかな。

 

 

 ええっと、実験の参加者は…プレシアさん以外に数人の局員か…名前閲覧っと。え?パスワードを入力する?

 

 

 

 

 ……わかんないし、ロックを解除しようか。

 幸いにもコードを作るソフトらしいものはあるみたいだ。

 

 ここをこうして、こうやって。この場合はこう動いてね。

 

 

 数分かけて作ったコードを作動させる。

 

 よし、ロック解除。ええっと、取り敢えず一番の責任者から調べようかな。

 J・トレジャー…これって偽名?

 

 まあいいや。取り敢えずこの人の現在は…

 

 ふんふん。何か実験してるみたいだね。何々?新たな医療機械の作成?

 

 

 概要はっと…上級IDの提示?ええぃロック解除だ!!

 

 

 ふむふむ。カプセル型の生体調整機械。

 内容は…へぇ、魔力ってこんな風に変換出来るんだ。ってちょっと待てよ…これじゃあ魔力波数の影響で上手く作用しないんじゃ。

 

 波数のコピーを入力してそれにあわした魔力培養水槽を作るのか…えらく非効率なものだね。変なもの開発してるんだ。

 報告書はっと。え?専門ID?

 解除解除。

 

 

 あれ?この変換式、全然変換してないじゃん。少し怪しいな。順を追って確認しようかな。

 

 最初に魔力体の参照

 次に魔力体のコピー

 次に魔力要素の抽出

 何か意味のないコード書いてる…

 次に器の作成と

 再度意味のないコード

 最後に器への魔力体の貼付け。

 

 

 これ医療じゃなくて普通にクローン作ってるなぁ…何かコードを長くすることで隠してるっぽいけどさ。

 

 報告書の提出先は…ほうほう。管理局のユーラン少将ね。

 取り敢えずこの情報を印刷してっと。倒れてる局員さんの手に持たせて…

 プログラム作成。閲覧履歴の書き換えと出力履歴の書き換え後に自動消去。

 ついでに解除コードも削除するようにしてっと。これで後はクロノ君に報告して…

 

 

「全然いいのないよ!クロノ君!」

 

「そうか、まあ仕方ないか。すまなかったな、部屋に帰ってもいいぞ」

 

 

 

 よし、任務完了。これってスパイっぽくてかっこいいね。またしようかな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 後日、この報告書と実験内容への指摘を持たされた局員は研究者への道へと引きずり込まれるのはまた別の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 それから2日が経過して僕となのはちゃんは家に帰してもらった。

 案の定母にデータを消されて暫くゲーム機は没収された。解せない。

 

 まあ、その日はゆっくりと身体を休むために早めに寝たんだけど、夢の中でクレスさんによる時空剣技の修行が…

 

 少し疲れた状態で起きた僕をなのはちゃんが襲撃。

 その時にフェイトちゃん達が裁判を受けるって事とその前に一度会えると聞いた。

 取り敢えずお腹の上から降りて下さい。

 

 母さんに妙な視線を送られつつ学校へ登校。何でわざわざ僕の家に来たのかな?学校への通り道じゃないだろうし…

 

 それから色々と教えてもらう。子供は5人欲しいこと。料理をいっぱい練習していること。家事も出来るようになったと言っていた。あとついでにユーノ君はこちらに残ること。

 なんか大半のことが関係ない事だったような気もするけど、気にしなくていいかな。寧ろ最後のほうが重要だと思うけど…

 

 まあ、これでユーノ君から継続して魔法を教えてもらうことが出来るとわかってホッとしたよ。また何時あんな天使が来るかわかんないからね。

 

 あとなのはちゃん。腕掴まないで。歩きにくいから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 それから数日後。海辺の公園にてクロノ君達と別れる前の挨拶をした。

 

 今はアルフさんの膝に乗ってなのはちゃんとフェイトちゃんの別れを見守る。

 何故か僕の膝にはアリシアちゃんが乗ってきたけどアルフさん重くない?

 

 アルフさんはにかっと笑って全然さ!と言っていた。なんかかっこいい人だね。

 

 僕達の隣にはハンカチで涙を拭いているプレシアさんの姿が。何でもアリシアちゃんに相当怒られたらしく、またフェイトちゃんの素晴らしさにやっと気づいたとプレシアさん本人が熱弁していた。

 元気そうでなによりです。

 

 視線をなのはちゃん達に戻すとなにやらお互いのリボンを交換している様子。少しアリシアちゃんが羨ましそうに見ていたから、僕の持っているカードをあげた。

 ごめんね、さっき買ったカードで。なんかやる気もないのに衝動買いしちゃって。キラキラ光ってるし喜んでくれるかな。

 

 アリシアちゃんは物凄く喜んでくれた。なんかそこまで喜ばれると逆に心が痛むというかなんというか。

 

 もし今度会えたらもっといいものをあげよう。そう僕が心に決めていると、なのはちゃんたちがこちらに近付いてきた。

 

 

 

 さて、もうお別れの挨拶は終わりかな。と思っていると最後にフェイトちゃんが僕に話があるとのこと。

 

 

 

「あ、あの…」

 

「どうしたの?」

 

 

 

 しかし、いつまでたってもフェイトちゃんは話し出さない。

 何故かそんなフェイトちゃんを微笑まし気に見てくるなのはちゃんとアルフさん。プレシアさんは僕を睨んだり、頭を抱えたりしていた。

 

 

 

「そ、その。絶対に戻ってくるから、その時は貴方の隣にいてもいいですか!!」

 

 

 隣にいる?ええっと、どういう意味だろ…

 皆さんヘルプ

 

 僕の内心の声と共に始まる脳内会議。結論は…なるほどフェイトちゃんは僕と一緒に戦いたいんだね。

 

 

「勿論!一緒に頑張ろうね!」

 

 

 次の瞬間、なのはも!との声が背後から聞こえた。なのはちゃんはもう一緒に戦ったのに、変な事言うね。

 

 ってあれ?フェイトちゃんが顔真っ赤にさせて倒れちゃった。大丈夫?

 

 

 あとプレシアさん。何で雷バチバチさせているんですか…




怪我なんて無かった。

治癒功最強説


J・トレジャー
ヒント:◯条

なお、もう出ない模様





因みに脳内会議の様子


『一緒に戦いたいって事じゃないのか?(カイウス)』

『一緒に鍛錬したいんだと思うよ!(クレス)』

『ま、まああれだよね(ルカ)』

『最近の子って以外に大胆だよね(ジュード)』

『一緒に寝たいって事じゃないのか?(スタン)』

『きっとそうだよ、父さん!(カイル)』

『いや、確かに意味合いとしちゃ、あってはいるがよ(ユーリ)』

『結婚しようって言ってんじゃねえの?(リッド)』

『いやいや、学校で隣に座りたいってことだと思うぞ(ルーク)』

『一緒に暮らしたいんじゃないのか?(ロイド)』

『一体どういう意味なんだ(ヴェイグ)』

『共に街を守ろうと言ってるね(アスベル)』

『あの天使みたいな連中を一緒に倒そうって事だよきっと!(シング)』

『お前ら…(セネル)』

『なんか凄いカオスだ(ルドガー)』

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