憑依拒否   作:茶ゴス

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空白期第1期
公認試練


 息を吐いて肩の力を抜いて集中する。眼前に佇むのは2本の木刀を持った士郎さん。対する僕は1本の木刀を片手に持って対峙している。

 

 事の発端はなのはちゃんだ。突然僕の家にやってきたなのはちゃんは付いてきてほしいと言うと、ウキウキした状態で僕を翠屋まで連れて行った。

 そして店に入って一言。

 

 

「私達、結婚します」

 

 

 うん。何言ってるのかさっぱりだ。

 店の中にいるお客さんや士郎さん達固まっちゃってるよ。

 

 

 それにしてもなのはちゃんとの結婚かぁ。どうなるんだろ…

 庭で遊んでる茶髪、金髪、紫髪の子供達。金髪の子供は3人もいる。

 大きな家の縁側でその様子を見ている僕。そんな僕によりかかるのは大人になったなのはちゃん。腕を掴んで幸せそうに笑っている。

 反対の手をギュッと握られる。そっちを見ると顔を赤くして俯いているフェイトちゃんがいた。

 

 

 ん?

 

 

 

 

 子供に混じって遊んでいるのはアリシアちゃん。

 僕達の近くで白いテーブルと椅子に座って本を読みつつこちらをちらちらと見るのはすずかちゃん。

 すずかちゃんの正面で子供にほっこりしつつ紅茶を飲んでるのはアリサちゃん。

 

 

 おかしいな、僕なのはちゃんとの結婚生活を考えたはずなんだけど…

 

 

 うーん。やっぱりダメだね。僕自身が経験したわけじゃないからいまいち想像付かないや。

 

 だからなのはちゃん?もう少し考えてみようよ。勢いでそういうことを決めると後々後悔するよ?

 

 

「ずっと隣にいたらダメなの?」

 

 

 いや、何でそこで一緒に戦うかどうかを聞くの?

 別にずっと一緒に戦うくらい僕は構わないけど…

 

 

「……翠屋、臨時休業だ」

 

 

 え?どういうことですか?士郎さん。

 

 

 

 

 とまあ、こんな感じで士郎さんは翠屋を休みにして僕を道場に連れてきました。

 高町家の皆様とすずかちゃんのお姉さんの忍さんがその様子を見学しています。あと、ユーノ君もなのはちゃんの足元に座って見てた。

 

 敢えて言うけどさ、どうしてこうなったの……

 

 

 士郎さんはすっごく真剣にこっちを見ている。

 まあ、やるからには僕も真剣に応えないといけないよね。

 

 木刀を持つ手に力を入れて士郎さんを見る。

 

 そんな僕達の間に立って試合の合図を出したのは恭也さんだった。

 

 

 恭也さんが腕をおろすと同時に士郎さんは急速で距離を詰めてきた。人間の動き超越しちゃってるんじゃないの?ってくらいの速さで僕に接近してきて木刀を振り下ろしてくる士郎さん。

 まあ、特に問題もなく士郎さんの木刀を紙一重でかわす。そして反対の手の木刀がこちらに迫ってきた。それを無手の方で捌いて木刀の柄の部分で士郎さんの胸を突く。

 

 流石に近すぎるとこちらの技も効果ないからね。

 

 って、士郎さん凄いな…さっきの捌いた方の手、少しじんじんしてるや。

 それに柄での攻撃も後ろに跳ぶことでダメージ減らしてるし…

 

 

「やっぱり見えるんだね。」

 

 

 どういうこと?確かに速いとは思うけど、普通に対処できる程度だよ?

 

 そうだよね?なのはちゃん

 

 

「かっこいいの優君!!あとなのはには全然見えてないよ!!」

 

 

 なるほど。士郎さんあなた化け物ですか。普通人が見えない速度で木刀振れませんよ。

 

 って、何でそんな殺気を篭った目でこちらを見てくるのですか?いや、何か怖い雰囲気出さないで下さい。

 

 

「君には奥義を受けてもらうとしよう」

 

「なっ!?父さん正気か!?」

 

 

 何?何が始まるっていうの?

 なんだかすっごい不安なんだけど…大丈夫かな。

 

 

「行かせて貰うよ!!」

 

 

 速っ!?

 目で追い切れない!?

 

 

「御神流正統奥義・鳴神!!」

 

「す、粋護陣!!」

 

 

 あ、そんなに痛くないや。速さには驚いたし粋護陣のお陰なんだろうけど、全然平気だ。

 よし、今度はこっちの番

 

 

「よく耐えたね…合かk」

 

「虎牙破斬!!」

 

 

 何か言ってた気がしたけど気にしなくていいよね。

 って、普通に防がれると思ったけどモロに入った。チャンス!!

 

 

「飛燕連脚!!」

 

 

 2発の蹴り、最後に突き。面白いように命中する。

 流石にまだいけるよね?

 

 

「猛虎連撃破!!」

 

 

 虎牙破斬を4回打ち込む。

 よし、トドメだ!

 

 

「負ける、ものかぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

 2発の踏み込み切りに闘気を纏った切り上げ。

 

 アルベイン流最終奥義、冥空斬翔剣。やっぱり奥義には奥義で応えないといけないよね。

 

 

 って、少しやり過ぎちゃったかな…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

「いたたた、僕も年か…引退するべきなのだろうか」

 

 

 手当された士郎さんは少し遠い目をしてそう呟く。一体何を引退するのだろうか、いまいちわかんないや。

 

 

「凄いな優。あの父さんの鳴神を耐えるなんてさ。」

 

「本当にびっくりしたわよ。」

 

 

 いや、それほどでもないよ恭也さん忍さん。多分粋護陣無かったら痛かっただろうし。

 って美由希さん?どうして僕を抱き上げるの?なのはちゃんすっごい睨んでるけど。

 

 

「まあ、何にしろ合格だ。なのはとの結婚を認めるよ」

 

 

 え?どういうこと?結婚を認めるって…

 

 なのはちゃん嬉しそうにしてるんじゃなくて説明して欲しいんだけど。

 

 

「あ、あの…僕なのはちゃんと結婚するんですか?」

 

 

 って、今度はすっごいショック受けた顔してる。

 なんだか反応が大袈裟で面白いかも…

 

 あ、ユーノ君が握りつぶされてる…

 

 ごめんユーノ君。後でお菓子あげるから今はなのはちゃんの相手をしていて。

 

 

「うちのなのはじゃあ不服なのかい?」

 

 

 士郎さん睨まないで下さい。すごく怖いです。

 あと桃子さんが凄い怖い顔であなたを睨んでますよ…

 

 ま、まあ答えておこうか。

 

 

「いや、不服と言うよりも普通にまだ早急すぎると思うんです。なのはちゃんだって成長していく過程で他の人を好きになるかもしれないし、今の一時の感情で結婚を決めるのは良くないと思いますし。」

 

「絶対ないの。優君以外になのはが結婚したいとおもう人なんていないの!!」

 

「ふむ、そういうことか。だけど、それは当人同士の問題だね。ならじっくり話し合うことにするといい。僕は優君なら安心してなのはを預けられるよ」

 

「きょ、恐縮です」

 

 

 何故か親公認になってしまった。あとなのはちゃん、嬉しいのはわかったけど離れたほうがいいよ。ちょっと汗かいちゃったし汚いよ?

 

 

「ねえ恭也、私達はいつ結婚しようか」

 

「取り敢えずなのはが社会人になるまではダメだな」

 

 

 そこのお二人もどうにかしてください。どんどん収集がつかなくなってるから…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

「優君は私の事好き?」

 

「う、うん。そりゃあ好きだけど…」

 

 

 少し苦手かな…主にいつ砲撃がとんでくるのかわからないのが…

 

 まあ、なのはちゃんが嬉しそうだしいいか。

 

 

「じゃあじゃあ、アリサちゃんやすずかちゃん。フェイトちゃんやはやてちゃんも好き?」

 

「ま、まあ。みんないい子だし、きらいじゃないよ…ってはやてって誰?」

 

「気にしなくていいの!じゃあ最初はフェイトちゃん。と行きたいところだけど、帰ってくるのは12月だから今の間にアリサちゃんを落とすの!!」

 

 

 落とすって、何処から?アリサちゃん普通の子だから死んじゃうよ?

 流石にそんな事はさせれないからね?なのはちゃん。

 

 

「目指せ!大家族!!」

 

 

 もう着いてけないです。はい。




しばしの間は空白期。さて、優君は一体どうなってしまうのか。

今ここに高町なのはによるハーレム作戦が決行された。

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