鍔迫り合い。力で押しきったらカウンターが来ると予測し力を緩める。その瞬間に横薙ぎでの攻撃がとんできたので、くるりと宙返りをして距離を取る。
「……今ので十四合か。流石というべきだな」
「スペック的に同格なんだからある程度は抵抗できるよ。まあ、剣技ではまだまだ及ばないけれど」
「それでもだ。その年でそこまでの立ち回りが出来るならばいずれはこの境地をも超えるだろう」
これで十五合目、腕が痺れるくらいの衝撃に身をすり減らすような緊張感。これが、円卓の騎士の実力…
素直に凄いと思う。
これで三人目だけど全員が鍛えぬかれた剣技を披露してくれている…
ちらりと僕達を見る人へ視線を向ける。聖剣を地面に刺し柄に両手を乗せて椅子に座っている男性…いや、女性は見定めるように僕を見ている。
玉藻さんとの死闘は途中で気絶してしまったため結末は覚えていない。
僕は気がつけば見覚えのある草原に寝そべっていた。この世界は騎士の世界。円卓の騎士とその主君、アーサー王の世界。
そこで僕は力量を見極められている。なんでも
試練内容は剣の三十合の打ち合い。その間に相手を倒しても構わないとの事…
既にガウェインさんとモードレッドさんとは打ち合いが終わっている。二人共倒すとは行かなかったものの、なんとか三十合を捌くことが出来た。
まあ、最期はそれぞれの剣の真名開放が飛んできたので、心してかからなければならなかったんだけどね。
今打ち合っているランスロットさんもとんでもない。隙を見て打ち込んでも、力尽くで打ち込んでも捌かれる。
彼は手に持っている
円卓の騎士最強を謳うだけあって、その胆力は相当なものだ。
振り下ろしを横に打つことで捌く。これで十六合目、
剣を水平に構え、刺突を放つ。下からすくい上げられるように打たれた。これで十七合目。
そのまま、横薙ぎでの斬撃を無理矢理
衝撃で回転しつつ頭部へと一閃。
しかし、正面から剣で止められてしまった。
「…これで十九合目」
「見事な腕前だ。既に結果は出ているようなものだが…三十合、最期まで耐えてみよ!」
剣気と共にランスロットさんが突っ込んでくる刺突を柄で躱し、自分を軸に回転して突く。
ランスロットさんは跳び上がりこれを回避。そのまま体重を乗せた一撃を振り下ろしてくる。
これを待っていた。思いっきり切り上げて剣を弾く。吹きとばせはしなかったものの、空中で完全に無防備な状態に出来た。
今、修業の成果を見せる時!
人体には様々な急所が存在する。どれもが致命傷、もしくは戦闘不能に陥るほどの物で、多くのものが人体の中心に沿って点在する。
この技は危険だからと皆に言われた技、下手をしたら相手を殺してしまう技。だけど、ランスロットさんに挑むならばこれくらいしないといけない。
「
散沙雨と秋沙雨を昇華させた技。心臓部などの急所への連続刺突。回数は10。一息の間に打ち込むそれを防ぐのは体勢が崩れていなくても困難で、空中で崩されたランスロットさんならば不可能に近い。
しかし、防がれた。
はは、本当に人間か疑いたくなるよ。あれだけの剣速についてきただけでなく、あの体勢から剣で防いだなんて。
本気の斬り合いならいずれ負けてたかもしれないや。
「…一つばかり多く打ち合ってしまったな。」
「うん。やっぱりすごいや。」
「私自身防げたのは奇跡に近かった。あの技、使い所を誤るなよ?」
「わかってるよ。ランスロットさんにはあれくらいじゃないと敵わないと感じたから使ったけど、普段ならまず使わないよ」
「それならばいい」
ランスロットさんはくるりと反転して騎士たちの方へ歩いて行った。後残っているのはアーサー王唯一人。この人達の期待を裏切らないために全力で相手しないと
「…ランスロット卿ですら三十合で勝負がつかないとはな…貴殿の実力は十分に達していると言っても過言ではない。だからこそ、最期にこれを防いでみせよ」
アーサー王さんは立ち上がり聖剣を引き抜いた。あれがアーサー王伝説でも有名な剣、エクスカリバー…いや、
僕の持ってる
どうやら、最期は三十合の打ち合いじゃなく、
僕は魔力をありったけ
「行くぞ。エクスーー」
「行くよ。カリーー」
全力の一撃を解き放った。
「ーーカリバー!!!!」
「ーーバーン!!!!」
これで夢想編の分類分けの話は終了です。
次回の現実編第8話が終わってから第9話が始まります