憑依拒否   作:茶ゴス

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第12話前編「夜の終わり」

「なのはちゃんとフェイトちゃんもゴメンな。うちの子達が色々迷惑かけてもうて」

 

 

 闇の書の管制人格、リインフォースとユニゾンしたはやては暴走するナハトヴァールを横目になのは達に話しかける。

 今から行うのは最終決戦。これまで続いた闇の書の因果と向き合う戦いであり、勝つためには仲間内で争っている暇はない。

 

 仮面の男達も同様に既にその正体を晒し、自分たちの目的を告げた後、クロノへとデバイス、デュランダルを託していた。

 更には、プレシアも合流し、ここに管理局側における戦力が全て揃った。

 

 ナハトに相対するのは計13、いや14人。

 

 主を囲うように立つ4人の騎士、ヴィータ、シグナム、シャマル、ザフィーラ

 その中央で佇むはやて、リインフォース

 更にその横に立ちデバイスを構えているのはなのはとフェイト

 フェイトの隣で拳を握るアルフにただ無言で闇の書が消えた空間を見つめるプレシア

 なのはの横でナハトヴァールの動きを注視しているのはユーノ

 少し上空でデュランダルを構え、ナハトヴァールを睨むのはクロノ

 

 そして、その集団から少し離れた場所にナイフを持って佇むパンダ師匠とどういうわけか空中に浮きながら両足を開き、右手を前に出し、左手は背中のカトラスの柄を握った格好で止まっているアビスレッド

 

 

 今、決戦は始まる…

 

 

 

 

 ◇

 

「光、収まった?」

 

「うん、まだ海に黒いのがあるけど」

 

 

 管理局により、戦場から避難させられた一般人、アリサとすずかは海に蠢く怪物、ナハトヴァールを見ながら呟く。

 彼女達は少ない情報を元に今起こっていることを理解しようとしていた。

 

 

「一体、なんなの。なのはとフェイトが戦っているのはわかった。けれど、相手に黒いアイツがいた…」

 

「どうして藤崎君が……」

 

 

 しかし、いくら考えても彼女達には理解できずに、アリサはとうとう頭を掻きながらじたんだをふみ出した

 

 

「ああもう!!なんなのよ!!折角のクリスマス・イブによくわかんないことに巻き込まれて!!夢なら覚めなさいよぉ!!」

 

「あ、アリサちゃん…」

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 彼らの作戦は簡単なものだった。

 魔法でナハトヴァールを削った後、転送魔法で軌道上のアースラの目の前に移動させ、アルカンシェルによる砲撃で消し飛ばす。

 

 理論上は不可能な数値ではない。だがしかし、その作戦には問題がある。果たしてあの状態のナハトヴァールを削りきれるかがわからないのだ。

 防衛プログラムのバリアは物理と魔力の複合四層式。それを破ってから本体へ魔力を叩き込むのだが、防衛プログラムには高速治癒能力を持っている。

 だからこそ、必要なのは治癒能力を超える火力。それを持っている者はなのは、その次にフェイトとプレシア。そしてはやてだった。

 

 

 シャマルにより怪我を治療された全員は、声を上げるナハトへと視線を向けた。

 

 

 最初に動いたのはユーノとアルフそしてザフィーラ。それぞれの魔法を完成させてナハトヴァールを取り囲む触手へと放つ。

 

 

「チェーンバインド!!」

 

「ストラグルバインド!!」

 

「縛れ!!鋼の軛!!」

 

 

 3人の魔法は触手を切り裂き、なぎ払う。

 

 次に動くのはヴィータとなのは。デバイスを構え魔力を集中させる。

 

 

「ちゃんと合わせろよ、高町なのは!!」

 

「ヴィータちゃんもね!!」

 

 

 ヴィータはデバイスを構え、高々に宣言した。

 

 

「鉄槌の騎士、ヴィータと!(くろがね)の伯爵、グラーフアイゼン!!」

 

 

 カートリッジをロードし、通常のハンマーフォームから巨大なハンマーのギガンとフォームへと姿を変え振り上げた。

 

 

「轟天爆砕!ギガントシュラーク!!」

 

 

 ナハトヴァールへと振り下ろされた一撃はバリアの一層と激突しヒビを入れる。しかし、そのまま破壊までは至らずなかったが、ヴィータが間髪をいれずにもう一度振り下ろすことによりバリアを破壊することに成功した。

 それを確認したなのははデバイスを構え宣言する。

 

 

「高町なのはとレイジングハート・エクセリオン。行きます!!」

 

 

 カートリッジをロードし、魔力を溜めレイジングハートをナハトヴァールへと構える。

 

 

「エクセリオンバスター!!!」

 

 

 ナハトヴァールから砲撃を止めようとなのはへと触手が迫ってくるが、レイジングハートから放たれた魔力の伴流に弾き飛ばされる。

 

 そして、砲撃は放たれた。

 

 

「ブレイク、シュート!!!」

 

 

 ピンク色の砲撃はバリアにあたり、一瞬均衡したが、直ぐにヒビが入り砕け散った。

 

 

 

 残りのバリアは二層。

 

 次に動き出したのはシグナムとフェイト。丁度ナハトヴァールを挟むようになのは達と対局の位置に移動していたシグナムはデバイスを構え宣言する。

 

 

「剣の騎士、シグナムが魂。炎の魔剣、レヴァンティン。刃と連結刃に続くもう一つの姿」

 

 

 鞘を柄に突き刺し、カートリッジをロードする。

 レヴァンティンに刺さった鞘の形は変わり、弓のような姿、ボーゲンフォームとなった。

 

 

「駆けよ隼!!」

 

 

 魔力により生成された矢を引き、射ち放った。

 放った一撃。シュツルムファルケンはバリアにあたり、ヒビを入れる。

 

 

「思ったよりも固いようだな、ならば砕けるまで穿つのみ!!レヴァンティン!!」

 

 

 カートリッジをロードし矢を生成。そして、二発目のシュツルムファルケンをシグナムは放った。

 既にヒビの入ったバリアは壊れ、残りのバリアは一層となった。

 

 

「フェイト・テスタロッサ、バルディッシュ・ザンバー。行きます!!」

 

 

 ザンバーフォームのバルディッシュのカートリッジをロードし、一回転しながら振るう。

 それにより発生した魔力の伴流は再生した触手達を切り裂いた。

 

 そして、空へとバルディッシュを構えたフェイトは高めた魔力を放出させた。

 

 

「打ち抜け!!雷刃!!」

 

 

 巨大化したバルディッシュの魔力刃を振り下ろす一撃、ジェットザンバーはバリアに接触し、破壊し、そのままナハトヴァールの腕を切り裂いた。

 

 ナハトヴァールが苦痛の悲鳴を上げ、周囲へと砲撃を放とうと魔力を高める。

 

 

「私を忘れてもらっては困るわね!!サンダーレイジ!!」

 

 

 しかし、その魔力を込めた場所をプレシアに撃ちぬかれ、攻撃を中断させられる。

 それでもナハトヴァールは魔力を溜め、攻撃を放とうとする。

 

 

「俺達もいるぞ!!吹き飛びな!!紅蓮襲撃!!」

 

「………」

 

 

 しかし、炎を纏ったアビスレッドが本体へとダメージを与え、パンダ師匠がナイフで再生する触手を片っ端から切り裂いていく。

 

 そして、シャマルの指示により、はやてが魔力を高め、詠唱し魔法を形成する。

 

 

「彼方より来たれ、彼方より来たれ、やどりぎの枝。銀月の槍となりて、撃ち貫け」

 

 

 空中に展開された魔法陣より巨大な槍が顔をだす。

 はやては手に持った杖を振るい槍を放った。

 

 

「石化の槍、ミストルティン!!」

 

 

 6つの小さな槍に1つの大きな槍。計7本の槍はナハトヴァールを貫き、石化させていく。

 しかし、石になった場所から崩れ、直ぐに再生されてしまった。

 

 それでも、攻撃の手を休めない。クロノは自身の持つデバイスへと視線を向けたあと魔力を高め魔法を発動させる。

 

 

「悠久なる凍土 凍てつく棺のうちにて 永遠の眠りを与えよ 凍てつけ!」

 

 

 ナハトヴァールの足元の海面ごとクロノの魔法、エターナルコフィンにより凍らされていく。

 そして、ナハトヴァールの身体も氷で包み、その動きを止めた。

 

 

 それを見計らい、なのは、フェイト、はやての3人は魔力を高めた。

 

 

「行くよ!フェイトちゃん、はやてちゃん!」

 

「「うん!」」

 

 

 なのはは周囲の魔力を集める。

 彼女の最大威力の魔法、収束砲撃魔法。

 

 フェイトは自身の魔力を限界まで高める。

 彼女の最大威力の魔法、近接砲撃魔法。

 

 はやては自身の魔力により形成された魔法陣の上に立つ。

 彼女の最大威力の魔法、直射型砲撃魔法。

 

 

「全力全開!!スターライト…」

 

「雷光一閃!!プラズマザンバー…」

 

「…ごめんな、おやすみな……響け終焉の笛、ラグナロク!」

 

 

 極限まで高められた砲撃を3人は撃ち放った。

 

 

「「「ブレイカァァァァ−−!!!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 3人の砲撃はナハトヴァールの本体を大きく削った。

 しかし、それでもなお、核を露出させることは出来なかった。

 

 

「うそ…」

 

「もう、魔力が…」

 

「はあ…はあ…」

 

 

 全てを掛けた一撃を耐えられてしまった。まだ諦めてはいないと言えど、既にその一撃を超える攻撃を3人は行う事は出来ない程に消耗してしまった。

 

 

「そんな…」

 

「もう、打つ手はないのか…」

 

「クソ!!!!」

 

「クッ!」

 

 

 他の者達もまた、全力での戦闘により消耗していた。

 

 

「…全く、規格外の怪物にも程があるわ」

 

「……エイミィ、プランの変更を…」

 

 

 絶望が場を包む中、彼女達の前に希望が立ちふさがる。

 

 

「…来た」

 

「………」

 

 

 彼は現れた。

 

 

『クロノ君!!巨大な魔力反応!!』

 

 

 その場にいる全員が一点を見つめる。

 そこは闇の書と鎧の影が消えた空間。

 

 

 

 

 

 そこに、一人の少年が立っていた。

 鏡を連れた彼はただナハトヴァールを見つめていた。

 

 

 

「全くさ、ホント主人公みたいな登場の仕方だねぇ!!優!!」

 

「魔力が、回復していく…」

 

 

 

 今、全ての役者は揃った。




戦闘描写って難しい。
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