憑依拒否   作:茶ゴス

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なんという更新の遅さ。申し訳ないです。

隠れて違う作品を更新しているとこっちの作品が疎かになっちゃいます。完結させるつもりですので、暖かく見守っていて下さい


第3話「見本?」

 機動六課に所属してから一週間が経とうとしていた。

 魔力の方は皆を現界させる分は差し引いても普通に戦う程度には回復してきてる。

 水天日光を使えばいつでも魔力を全開にできるけど、何故か魔力の修行ということで使うのはダメって言われている。

 

 まあ、そんなこんなで王様に報告したり、機動六課の整備士さんのお手伝いしたりして過ごしている。

 

 だけど、今日はなのはちゃんとフェイトちゃんから頼みがあると言われ、機動六課のはやてちゃんがいる部屋に連れてこられた。

 

 

「え?教導を手伝ってほしい?」

 

「そう。あの子達もある程度はマシになってきたけど、若干伸び悩んでいる子もいるみたいなんだよね。だからここらで優君みたいな人を目標にしてくれないかなぁって思って教導の手伝いをして欲しいんだ」

 

「優の力はとんでもないからこそ慢心を持たないでくれると思うんだ。だから手伝ってくれるかな?」

 

「というわけで、頼むで優君」

 

「別に構わないんだけどさ。具体的にはどうしたらいいの?」

 

「そうだね。今あの子達も受けてるプログラムを受けてもらった後、あの子達と軽く模擬戦してあげてくれないかな」

 

「わかったよなのはちゃん」

 

「ありがとう優。私は他に仕事あるから見に行けないけど、頑張ってね」

 

「フェイトちゃんも頑張るんだよ」

 

 

 というわけで、僕は急遽新人たち、エリオ君達の教導を手伝うこととなった。

 

 

 

 

 移動した場所は前になのはちゃん達と模擬戦した場所。確か機動六課の特別な訓練施設だそうで。色々な地形での戦闘を行える場所だった。

 

 今ここに居るのはなのはちゃんにメカニックのシャーリーさん。エリオ君とキャロちゃんにスバルちゃんとティアナちゃん。

 まずは今日することをなのはちゃんが説明する。

 

 最初に僕が何回か訓練の手本を見せるみたい。

 やり方は逐次変えてほしいとの事だ。

 

 

 訓練内容は自律行動型の魔導機械の捕獲か破壊。数は一回の訓練で20個、制限時間は15分。

 

 

「じゃあ、みんな。参考になるかはわからないけど、強い人とか上手い人の動きを見るのも訓練になるからしっかり見学するんだよ?」

 

「「「「はい!!!」」」」

 

 

 えっと、取り敢えず僕は訓練所の中心まで移動する。行く前になのはちゃんに渡された記録端末を首から下げておいた。

 エリオ君達はなのはちゃんが飛ばしているサーチャーのモニター越しに見るんだって。

 

 

 

『準備ができ次第教えて下さい。魔導機械を召喚します』

 

 

 さて、確認だ。

 僕に与えられている時間は30分。その間に出来れば沢山の戦い方をしてほしいと言われている。

 

 

「いけます」

 

『わかりました。5秒後に訓練範囲内の中に魔導機械を点在させますので、好きなタイミングで開始してください』

 

 

 最初は捕獲から始めようか。魔力量に心配は無い。

 息を吐き、探知結界を展開する。

 

 訓練施設内での動いている存在の確認。

 

 

 

 何かが出現した。数は20個。全てを補足完了。

 直ぐ様バインドで縛り上げる。

 

 

「終わりました」

 

『え?』

 

 

 魔力はそんなに減ってないから他にも色々出来るかな。

 

 

『優君、ちょっとやり過ぎだよ』

 

「そうかな?まあもうこのやり方はしないよ」

 

 

 バインドと探知結界を消す。これで魔導機械を補足できていない状況になった。

 

 10秒待つ。今の間に魔導機械は動いて逃げるだろう。鬼ごっこみたいなものだと考えれば少し童心に帰れるなぁ……

 

 

「さて……」

 

 

 木刀を投影し、ビルを駆け上がる。

 上から見下ろしたほうが補足出来やすい。見敵必殺。わかりやすい戦い方だ。

 

 風を切る音が聞こえる。何かが移動しているみたいだ。まあ、音の方向はわかるけど距離はわからない。

 

 ビルの壁を蹴り、音が聞こえた方向へ向かう。空中をラウンドシールドという足場を蹴って移動する。

 廃墟ビルの隙間、3体発見。

 

 ラウンドシールドを蹴り、急降下。

 地面に着地すると同時に魔導機械に肉薄し、木刀を突き刺す。

 

 あちゃ、破壊できたけど折れちゃった。魔力で強化していたはずなんだけど……まさかこの前言っていた魔力無効化なのかな。

 

 まあ、投影すればいくらでもできるからいっか。

 

 

 木刀を両手に投影。直線およそ200m先に2体を目視。地面を蹴って一気に距離を詰める。

 

 反撃に魔力弾が飛んで来るのを紙一重でかわし、木刀を突き刺す。

 直ぐ様突き刺した木刀を破棄し、新たな木刀を投影しつつ反対の手に持った木刀でもう一体を破壊する。

 

 次のターゲットは……上空に違和感。

 見上げると1体の魔導機械がいる。木刀を投擲し、破壊した。

 

 

 付近にはもういないかな。

 

 再度ビルを駆け上がり今度は屋上に到着する。

 

 弓を投影し、木刀を矢に変形させ構える。

 

 

 魔導機械8体を補足、及び射線が通っている。

 キリキリと音を立てながら引き、矢を放った。

 直ぐ様投影し補填。発射。補填。発射。

 

 8体の撃破を確認。残りは6体。外にはいない。恐らくはビルの中かな。

 

 探知結界……いや、使わないでおこう。

 

 

 ここは……自分の信じるままに放つ。

 

 矢を投影……

 今回は特別製。一射だけの矢。

 

 ただの矢では意味が無い。力を秘めた矢。魔力を消費し、投影する。

 それは因果を逆転させる力を秘めた槍。狙った獲物を何処までも追い続ける宝具。

 

 

 英雄、クーフーリンさんの持つ槍、ゲイ・ボルグ……矢に変形……火のルーンを刻み……

 

 放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 訓練を開始してからもうすぐで30分が経過する。

 見せたやり方は12通り。これで最後になるだろう。

 

 宝具の投影でだいぶ魔力を消費したけど、まだ余裕はある。

 

 時間が足りないから探知結界を展開する。

 魔導器界の場所の補足を完了。

 

 

 手のひらに魔力弾を精製。数は一つ。でもただの魔力弾ではない。魔力を無効化にされるのに対応するために何層にも魔力をコーティングしたもの。層の数は余分に見て30層。

 

 放つ。

 

 障害物を無視し、魔導機械を破壊する。探知結界で確認しながら魔力弾を操り破壊していく。

 

 

 ものの30秒。魔力弾を放ってから20体の魔導機械を破壊した時間。

 

 

 

『お疲れ様優君。これで終わりだよ』

 

「こんな感じでよかったかな?」

 

『ちょっとやり過ぎかもしれないけど、色々な戦い方を見るって目的は達成されたから上々だよ』

 

 

 訓練施設の風景が元に戻っていく。

 

 取り敢えずなのはちゃん達のいる場所に向かう。

 

 

 着くと、何故か暗い顔をしている4人の姿が……一体何があったのだろうか。

 

 

「ほらほら、みんな落ち込まない。流石に優君の真似をしろとは言わないけど、色々と参考になる事はあったでしょ?」

 

「確かにそうですが。あの練度、正直自信無くします」

 

 

 ああ、なるほど。この訓練よくやっているから初めてやる僕が何回もクリアするのはちょっと複雑なのかな。悪い事しちゃったかなぁ……

 

 

「あ、あの」

 

「ん?どうしたの?ティアナちゃん」

 

「最後の多重弾核射撃魔法、コツとか教えてもらえますか?」

 

 

 えっと、最後のってことはあの何層もの魔力で包んだ魔力弾のことか。

 

 

「うーん。ティアナちゃんは少しは使える?」

 

「はい。一応使えますけど、まだまだ未熟で……」

 

「見せてくれないかな?」

 

「わかりました」

 

 

 ティアナちゃんが銃型のデバイスを構えて魔力弾を生成する。そして魔力の層で包もうとしているんだけど、結構時間かかってるね。

 

 

「……できました」

 

 

 包めた層は一層。これじゃあ一気に多くの魔導機械を破壊することは出来ないね。

 

 

「そうだね。そのまま保っていてね」

 

「はい」

 

「肩の力を抜いて。魔力を少し力任せに込めちゃってるよ」

 

「………」

 

「魔力で包む場合は、弾の周りに貼り付けていくんじゃなく、一度魔力を弾の周りに散らせてから圧縮してごらん。慣れたら周囲の魔力も取り込んで層を作れるから」

 

「………」

 

 

 お、2層目が形成されだした。中々筋が良いね、この子。

 

 魔法に大切なのはイメージ。この多重弾核射撃魔法って言うのもイメージが大切だ。僕の場合、魔力で包むというよりは包んでいる魔力を濃くするってイメージで行っている。

 

 

 

「で、出来た……」

 

 

 お、2層目が形成されてる。これって凄いんじゃないかな。

 

 

「出来ました!」

 

「良かったね。じゃあ取り敢えずそれは危ないから消しちゃおうね」

 

「はい!」

 

 

 ちゃんと消せるんだ。魔法を任意で消すって案外難しかったりするのに、何だかんだ言ってはやてちゃんが見つけてきた子っていうのは伊達じゃないんだね。

 

 

「良かったね、ティアナ。他の皆も優君に聞きたいこととかあれば今のうちに聞いといてね。10分後に訓練を再開します」

 

 

 なのはちゃんがそう告げると、残りの3人が一斉に近寄ってきた。


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