ドライバー ~ 運転手 異世界で道を創る ~ 作:アンクルソー
フ~!・・・・なんとか宿屋についた!
「なんとかなったにゃぁ・・・ハアハア」
「あいつらなんなんだ?ミル!」
「おいつらは、ここスクル拠点のゴロつきにゃ!Cランクパーティーの女1人男7人組の8人パーティーにゃんだが・・・・」
ミルが言葉を濁す。
「なんか、前からしつこかった感じだけど・・・言いたくなければ言わなくてもいいけどさ、ちょい気になったから」
「いや・・・・ソーにも迷惑かけたから、話すにゃ!」
どうやらこんな話・・・
リーダーのスレイは、唯一自分の女をパーティーに入れてるんだけど、その女からミルが目を付けられてるらしい。
ことの発端は、合同依頼に参加したこと。
ミルもいろんな奴によく口説かれるらしく、その中の一人に合同依頼に参加してたスレイの“黒剣パーティー”がいたらしい。
会うたびに、近づいてくるもんだから、一度きっぱり断ったんだとか。
そしたら部下を使って嫌がらせが多くなって、そのこと聞いた女のほうからも嫌がらせが来てるらしい。
居るんだね、どこにでもそういうの。
「あいつら強いの?」
「単体ではそんな強くないはずにゃ、リーダーのスレイはC+だけど、他はDかEにゃ」
「あいつらの嫌なとこは、闇派閥まがいの“組織”を組んでるところにゃ」
「ソーも聞いたと思うけど、パーティーは原則9人までしか冒険者ギルドでは組めないにゃ、しかも戦闘職は6人まで、あとは支援か、雑用が普通にゃ・・・」
10人PTはクランとして国に管理される・・・・だったか?
「それをあいつらは逆手にとって、一つの屋敷に4,50人の団体で住んでるにゃ、けどパーティーとしては別々で登録してるにゃ」
つまりこういうこと?
冒険者パーティーの上限9人を活用して、盗賊団)の様な集まりをしつつ国に管理されない組織をなしているってこと?
「そうにゃ!50人規模だと、もう傭兵ギルドの傭兵団じゃなきゃおかしいにゃ」
「やつら、多勢をいいことに、けっこうこのスクルでもやりたい放題で、街の嫌われ者にゃ」
あれ・・・これ世直し対象の案件? リース女神?俺そんな強くないよ?
「まあ、気にすること無いにゃ!もうしばらくしたら、帝都に戻るから、そうしたらあいつらともおさらばにゃ!w」
目はいうほど笑ってないな・・・何か心配事でもあるんだろうか・・・・?
「よし!気を取り直して晩飯でも食うか!!」
「そうにゃ!はやく晩飯にゃ!走ったから、お腹へったにゃぁああー」
・・・・・・
キャンプ用食材でもってきた牛丼の素と、中華丼の素を温め、ご飯を炊いてその上にかけただけの晩飯だが、ミルも大満足だったようだ。
もちろんミルは牛丼、俺が中華丼だが、俺の分も半分近く食われてしまった(笑)
この細い体のどこに入っているのだろう?
やっぱ胸のあたり?(笑)
その晩は、ベッドにミル、ソファーに俺が寝た!一緒に寝ようと誘われたが、この世界のモラル的にどうなのかまだ理解してない俺は、後ろ髪をひかれながらも、やんわりお断りした。
寝酒でも飲もうとワインをコップに注ぎ、ベットに入った瞬間寝たミルを背中に窓の外をみた。
ん?
何だあれ!
怪しい人影がこちらの2階の部屋を建物の陰から伺っている。
夜にローブとか、怪しいにこの上ない。
多分、奴らだろうな!例の盗賊団w
大丈夫か?・・・・俺のこれからの異世界生活w
次の日の朝、早朝に目を覚まし、朝飯も食わないでクルマをみにミルと出かけた。
門は夜明けとともに開く。
「ミル!この辺だったよな?」
「そうにゃ、あの太い木からすぐにゃ!」
クルマを見つけ、覆っていた木々をどかしてるところで、ミルが声をかけた!
「ソー!木々をどけたら、このクルマってやつに乗ってスグ逃げろにゃ!!」
なんでだよ!何があった!
「囲まれているにゃ!おそらく14,5人くらいにゃ。なんかスキルを使って、気配を消してたにゃ・・・ウチも気づかなかったにゃ」
「どうすんだよ!一人で戦うのか!?」
「決着をつけてやるにゃ!もう逃げるのは嫌にゃ!」
「お前には迷惑をかけたから、金は返さなくていいにゃ!飯もうまかったしにゃw」
「おい!フラグ的発言やめろ!殺されたらどうすんだよ!お前も逃げよう!一緒にクルマで!!」
「大丈夫にゃ!ウチが死んでも、遺産はスクルと帝都の孤児院で分けられるよう、契約済みにゃ!」
・・・・おまえそこまで周到なの。
・・・・そうか、もう覚悟してるって感じか!
俺の方が覚悟無いな。
「じゃあ、クルマのれ!強制だ!おれも一緒に戦う!」
「戦うって、乗り物だろう?このクルマって!!」
「おいおい!昨日、ジャイアントボアすっ飛ばしたの見ただろ?」
「あっ・・・・」
クルマはこんなことに使うんじゃないけどさ!
向かってくるなら容赦しないよね!!
男たちが顔をだした!スレイって奴もいる。
「おいおい、なんだこりゃ。鉄とガラスの箱みたいなのに乗って、俺たちから隠れたつもりか?ミル」
「ばーか!お前らなんて隠れるほど怖くは無いにゃーーー!!!」
「だまって、俺のパーティーにはいりゃ、かわいがってもやるし、良い身分になれるぞ?」
「どのみち、スクルで俺に歯向かう冒険者は、やってけねーんだからいうこと聞いたらどうだ?」
「べー!!!だ」
「くそ!出てきやがれ!!こら!」
「俺がかわいがった後に、もう買い手ついてんだよ!テメーはな!」
へ?買い手?それって人身売買?
「そんなことだと思ったにゃ!!」
いや、知ってたの?
ミルも?
「豹人族の女は高く売れるにゃ・・・・」
「なんでよ!!」
「それは・・・・こいつらに勝ったら教えるにゃん 」
「なんだそれ!w」
「おいテメーら、こんなのぶっ壊しちまえ!男は良いけど、ミルは殺すなよ!」
「おい!大ハンマー持ち!この鉄の塊を壊せ!」
やば!さすがにあんなので殴ったらやばくない?
けどジャイアントボアも大丈夫だったし・・・。
南無さん!!!
ぐっと身構える。
「せーの!!!!」
ドガーーーーーーーーーん!!!
「ぎゃーーーーーーー!!!」
ハンマー持った大男が吹っ飛んで血だらけになっている。
あれ?今こっちから攻撃した?
「なんだ!!!!?どうなってる!!!」
「おい攻撃魔法出せ!ライトニングだ!!」
「了解!!(詠唱〇×▽◇)ライトニング!!
ズドーーーーーーン!!!」
「グギャ!!ぐああああああああああああああーーーーーーーーーーー」
ビリビリビリビリビリビリ!!!
「おい・・・・これ、攻撃反射か?物理も魔法も?」
「ふっふっふっーーーー・・・・まだやるかね?君たち!!」
焦ったーっw・・・でもここは、少し脅すか!!
エンジンスタート!!!
ブロロロン!!!
「え?・・・鉄の塊が動き出したぞ!!逃げろ!!!!」
「まてーいい!!!車にかなうわけにだろ!!」
けど、跳ね飛ばさずに、ノロノロ運転でっと・・・・・
「来るなー!!!逃げろー!!!」
「にゃっはっはーーーーっ!面白い!無様にゃ~あいつら!逃げ回ってるゃ!!!」
このまま追いかけよう!!!!
それから半時ほどして、やつらは、自分らの拠点のある北門まで外壁際をはしっている。
その後ろを俺はクルマで“ノロノロ”運転。
滑稽な姿だ!!!
「けど、門番とかに見られるにゃ?大丈夫なのかにゃ?ソー!」
大丈夫!!もう隠すのやめた!
だって見てみろよ!外壁の上!
「え?な・・・・何て人だかりにゃ」
「もう手遅れだしw このクルマは、おれの動く魔道具で通すよ!w」
「今日、クルマの次元収納から魔物素材も直接出さないとだしねw」
「助けて―!!!!」
スレイたちをさんざん疲れさせ、北門に到着した。
やつらは身分証提示もそこそこに、慌てて街中へと入った。
「止まれ――――!」
門番に制止される!!!
いったん降りるか!ミル! うん!
クルマを門外に止め、ミルと門番に説明する。
「おまえミルじゃないか!!いつも孤児院に寄付ありがとうな!・・・・こっちのお前は初めてだな!!」
「なんだ?この鉄みたいもので出来た・・・・荷馬車みたいなの!」
衛兵からすると、あまりにも珍しいだろうな。
「あ~、これなんですけど魔道具でして、馬なしで走るんすよ。自分魔動技師なんです」
「魔道具かーーーー、そいつはスゲーな・・・・魔道車ってとこか?!」
魔道車良いね!もらい!
「街中であまりスピード出すなよ!!出ないとはおもうけどな!w」
「そうなんですよ!自動で走りますけど、やっぱり荷馬車より遅くて・・・・」
「にゃ!ソー嘘つきにゃ!w」
「さー早速行こう!w ミル!乗れ!」
「いいけど、どこに行くにゃ?」
「奴らのアジトw」
「え?まさかーーーー!」
「そのまさかだよ!w」
ミルに道案内を頼み、制限速度15kmくらいで外壁路ずたいにクルマを進めた!
周りからはジロジロ見られ、すれ違ったばあさんなんか、腰を抜かしてへたり込んでた。
途中子供達に行く手を阻まれたが、ミルにどかしてもらい、敷地500坪、建物200坪くらいあると思われる3階建ての屋敷の前についた。
門は閉められていたが、庭には2,30名の“輩”が武器をもって待っていた。
街の人たちも門前で大勢クルマを囲んでいる。
窓を半分空けて危ないぞー!と告げたが聞いてもらえない!
するとミルが・・・
「ソー!やばいぞ!もうけっこうな事件になってるから、このあと衛兵がくるはずにゃ?」
「そうか!じゃ早いとこ終わらすことにしよう!」
屋敷の門前で、エンジンを空ぶかししてみた。
「ブローン!ブロロローン!!」
すると、クルマ周りの街の人が一斉に退いた。