ドライバー ~ 運転手 異世界で道を創る ~ 作:アンクルソー
もうどのくらい走っただろうか・・・・。
低速走行だが、平均5~60kmは出ていたはずだ。
車のデジタル時計に目をやると・・・おっ!
12:49、かれこれ5~6時間は走っている。
スクルまで残り距離・・・・270km。到着予定時間・・・・17:58。
よし!少し休憩しよう。
焚火がしたかったので、草の生えてない場所を探す。
おっ!あれは?
大きなバオバブみたいな木の周り半径50mくらい、草が生えてない部分がある。
あそこにしよう!
俺は車を木陰近くまで寄せ、停止。
DAYキャンの準備を始めた。
車のサイドオーニングを伸ばし、焚火台、テーブル、いす、調理台、簡易流し台、すべてセットした。
飯を炊きたかった。
残りの水も2ℓのペットボトルが3本だ。
水魔法が使えるなら残量気にせずいられるけどな。
よし!焚火も着火剤に魔法で
「ファイア!!!」
「・・・・・」
「じゃ、プチファイアーーー!」
「恥っ・・・・・出ないじゃん。火!w」
まあいいや・・・・
「ライター使用!!w」
よし!水の節約のため、米研ぎもソコソコに飯盒にぶち込んだ!
2合も炊いちゃった!飯盒MAXだ!
食べきれなければ、おにぎりにぎろう!
保冷バッグの中の豚肉は、ほとんど解凍していたが、それを細切れにし、フライパンであぶり、塩コショウ、野菜炒め用のパックセットをすべて追加し、更に焼いていく。
最後の味付けは自家製特性タレ(醤油・みりん・酒・塩・砂糖・ショウガ・ニンニク・鶏ガラ・配合比は秘伝)を入れて仕上げる。
よし!米を確認だ!飯盒の音を確かめる!
再度よし!
蓋を開ける!
いい感じだぁ!!
大盛りの飯をプラどんぶりに移し、大量に作った肉野菜炒めの半分を上に乗せた!
完璧!あ・・・・!卵!卵!
生たまごを取り出し、肉野菜炒めの上に乗せた。ビジュアル最高!!
よし!!
「いただきまーーーーー・・・・(ドーン!!)・・・・・す?」
なんだ!?
何の音?車から音がした。
何?
敵襲か?
『おい!』
ん!!・・・・声がする!
車の上に‥‥人?獣人?猫耳だよ!!
『おい!聞いてるのか?おまえ!』
「おまえ??‥‥って俺?」
『おまえだよ!おまえ!昼寝してたら、ガチャガチャ煩くしよって!』
「はい、すいません・・・てかクルマから降りやがれ!!!」
『あー?クルマ?なんだそれ、この鉄の塊か?』
「そうだよ!俺のクルマだぞ!屋根に乗るな!」
『よっと!シュタッっ・・・・おい!あんまり威張るなよ!』
いや、威張ってるのは・・・・そちらでは?
「まったく、ヘコんだらどうすんだよ・・・。」
近づいて確認するが、ヘコみは何一つなかった・・・・。
あれ?おかしいな。
さっきの音なら、めっちゃヘコんでるははずだけど・・・・。
・・・・っておい!
何食ってんだ!俺の昼飯だぞ!!
『ケチるな!金なら払うから!腹減ってんだよ!ウチの睡眠邪魔したんだから、これくらいいいだろ!』
・・・・啞然とした。
けど、よく見たらかなり・・・・いい女だな。
・・・・・けど、獣人?
ケモミミだけど、手は人間の手と変わらない。
違うのは耳としっぽだけだな。
『うまぁー!お前飯作るのウマいにゃぁ!!じゃなくて、うまいなぁ!大した奴だ!ほらよ!特別だぞ!シュッ!!』
「おおっと・・・・パシ!なんだこれ・・・・銀貨?というか今ニャァって言った?」
「おお!異世界硬貨初見だ!w」
『街の食堂なら1食、銅貨5枚くらいだからなぁ、銀貨なら何食分だ?』
「1食500円として銅貨1枚100円‥‥おい!自分で銀貨の単位わからずか!?」
『フー‥‥一気に食ったニャー。この白い粒粒は初めて食べたけど旨かったにゃ!』
「そりゃよかった(さっきはニャー訂正してたのに、ヤメた?w)‥‥で‥‥ちょっと聞いていいか?」
『何にゃ、ウチは昼寝で忙しいから、また木に登るにゃ!』
「まあまあ、そう言わず、食後のデザートとかどうだ?」
『デザート!?甘いものか?』
「そうそう!甘いもの!あと、コーヒーもあるぞ?」
『コーヒー?コーヒーってあの苦いやつかにゃ?』
「あるんだ!この世界にコーヒー!!」
『甘いものもあるなら、銀貨もう一枚やるにゃよ!』
「いや金は要らない・‥‥いや貰うか?‥‥あと条件がある。」
『なんにゃ!?まさか交尾か?今は発情期じゃないから‥‥あまりしたくないにゃ~。』
交尾!!!?
って?あ、あれだよな?
そんな簡単に許すの?
『さっきからエロい目でウチのことみてるからにゃぁ~!お見通しにゃ!』
「いやー!いい女だからつい‥‥。」
「って、そんな話じゃなくてさぁ‥‥俺もこの辺りの人間じゃないから、ちょっと色々聞きたくてさ。」
『なんにゃ、そんなことか?(いい女って言われて嬉しいけどw)・・・・なら早く甘いものを出せ!なんでも答えてやるにゃ。』
(しかし語尾のにゃぁ~戸惑うなぁ)
けど、今は情報命だ、数少ない食料が減るのも仕方ない。
俺は、これまたキャンプで余った冷凍大判焼きを出した。
出した途端興味津々だったが、ステイ!!スキレットで焼くことを勧めた。
焼けるのを待ちながら、俺は質問をしてみた。
「銅貨5枚が1食分なら、宿とかってあるよね?一泊どのくらいだ?」
『そうだにゃー、まあ場所や、造りにも違いがあるけど、この先のスクルの街なら、上宿で一泊大銅貨4枚~6枚、時期にもよるにゃ。』
『あと、一番安い宿で大銅貨2枚くらいだにゃ。』
『けどギルドの相部屋なら一泊大銅貨1枚で泊まれるにゃ。月払いなら銀貨2枚!
もちろん組合員だけだけどにゃ、ところでまだかにゃーー甘いの?』
「おう!ちょっとまってろ~‥‥良い頃合いだ!熱いから気をつけろよ!猫舌だろ?」
『誰が猫にゃ!ウチはれっきとした”豹人族”にゃ!』
『猫と一緒にするにゃ!おみゃー!』
「わかった!わかった!」
何だよ!おみゃー!って。まぁ調子狂うけど、話しやすいやつではあるな!
「そうか、あ、自己紹介だ!俺はソーってんだ!よろしくな!」
『あちっ!』
猫舌やんけ!!!
『ウチはミルだにゃ、お母さんがつけてくれたにゃ!』
『お母さんはもういないけど、歳は17にゃ!』
17歳で交尾とか、普通に初対面の男と会話するフレーズじゃないだろ!
・・・異世界が早熟過ぎるのか?
「おれのフルネームはシシバソー、18歳の魔動技師らしい。」
『魔動技師?初めて聞いたにゃ、この国の職業にそんなのあったかにゃ?』
『たしかに、この焚火の周りの鉄とか、あの大きな塊とか見たことないにゃ!
この飯の器も軽いわりにしっかりしてるしにゃぁ・・・』
『ウチは冒険者にゃ。』
『職業はグランドシーフ、最近シーフからランクアップになったにゃ。ランクはC+、10歳から冒険者登録してるにゃ。』
『今は‥‥訳あってここ等へんで活動してるにゃ。』
『ソー、おみゃー、なんかすごいやつなのか?』
『さっきの飯といい、このモチモチふわふわの甘いやつ!特に中身が甘いけどめちゃくちゃ旨いにゃ!』
まぁ、すごいといえば凄いかなぁ‥‥。
(48歳の地球の知識と、あっちの物も持ち込んでるし‥‥特にコレなぁ→RV)
しかし・・・異世界定番「冒険者ギルド」かぁ・・・なんか凄いなぁ。
でも、できれば冒険者は避けたい!
もともと車オタクな運転手だし、平和な日本出身だしね。
「なぁ、冒険者ギルドがあるってことはその他もあるのか?商業ギルドとか!?」
『あーーー、あるにはあるけどスクルの街にはあったかにゃぁ?他にも薬剤ギルド、傭兵ギルド、輸送ギルドもあるけど、スクルには無いはずにゃ!』
輸送ギルドキターーーーー!おれの天職じゃん!
ゆくゆくは輸送ギルドに登録するのもありかもじゃね!?
てか、リース神が俺を連れてきた目的って輸送ギルドじゃねえか?
「そうかぁ!ちなみに‥‥。」
「貴族とか‥‥いるのか?」
『居るぞ!スクルにも居る!』
『スクルの街、一帯の領主が貴族にゃ!』
『名前は・・・えーっと。』
『名前はぁ・・・忘れたにゃスクルに似た名前にゃ。』
『ウチはスクルの街のギルドにも登録してるけど、ホームはそのもっと先の帝都がホームにゃ!』
帝都!この国帝政なの?
しかし‥‥いるのかやっぱり!貴族!
‥‥厄介な未来しか見えないな!俺にとっては!
「ミルは何をするためにこの辺に居たんだ?」
昼なのに寝てたみたいだけど‥‥。
『ウチは夜のほうが能力が上がるから、夜になったら走って帰ろうと思ってたんだにゃ。』
『だから昼間は寝てエネルギーを貯めてたのにゃ!』
「ミルは、ここから走ってスクルの街まで行くとすると、どれくらいかかる?」
『休み休みで、2日半くらいかにゃ?』
そうかぁ‥‥そうかぁ~‥‥。
よし!決めた!ミルを同乗させて、まだまだこの世界の情報をゲットしたほうが得策だな!
‥‥
『しかし旨かったニャー、腹も膨れたから、昼寝に戻るにゃ!ソー!ありがとにゃ!』
「いや、ミル!俺もスクルの街を目指してたんだ!一緒に行かないか?このクルマで!」
『え?確かに車輪は着いてるけど・・・・こんな重そうな塊、走るのかにゃ?』
「大丈夫だ!多分ミルが走るより早く街につくぞ!?」
『ほんとかにゃー?ソーはどこからここまで来たのにゃ?』
「スクワド平原だ!」
『ここもスクワド平原にゃぞ?』
「‥‥ごめんタキ沼ってところ!」
『タキ沼?ソーはリザードマンには見えないけどにゃ?』
「リザードマン?」
『タキ沼を何日前に出たにゃ!?』
「今朝だ!」
『嘘つくにゃ!おみゃー!怒』
「本当だよ!ここまでタキ沼から5時間くらいだ!300kmくらい走って。」
『本当か?それが本当なら凄いけど、今から出ると、門が閉まる時間だにゃ!門が閉まるのは日暮れ!夕方6時位にゃ!』
そうか、現在は・・・・車のACCを着ける。
”現在時刻13:45 到着予定時刻18:40
ギリギリ間に合わんかぁ‥‥。
「よし!じゃあぁ、今日はここに泊まって、明日の朝一で出発しよう!」
「昼にはスクルにつくだろう!そういうことでいいか?ミル!」
『それが本当なら2日も早く着くにゃ!』
『そうと決まれば、昼寝は中止で、夜寝るにゃ!』
『ウチは、今から狩りをしてくるから、晩飯を提供するにゃよ!』
『楽しみに待ってるにゃ!今晩は、お返しと言っちゃなんだが、豪華にしてやるにゃ!』
「お‥‥おう!‥‥楽しみにしてるよ!いってらっしゃい!」
『行ってくるにゃ!火の番は任せるにゃ!』
おいおい、獲物って・・・・捌くのかよ、ここで!?
大丈夫かな俺、見てて失神しないといいけど。