ドライバー ~ 運転手 異世界で道を創る ~ 作:アンクルソー
「さあ!!ウチは、洗浄魔法をかけて、片面の肉を焙ったら半生で食うにゃけど・・・・ソーはどうするにゃ?」
あーーーー、洗浄魔法ってあるよねー!
この世界では大事そうだ・・・・。
俺も洗浄魔法取得できるかなぁ・・・・。
・・・・
「ミル!その肉の旨いところを切り取って、俺に調理させてくれないか?」
「ん?やっぱりソー、調理スキル持ってるのかにゃ!!」
「昼の飯も、旨かったからにゃ~!」
「じゃあ、頼むにゃ!」
「あの白い粒粒も一緒に食べたいにゃ!」
「米か~・・・・コメは時間かかるから、パンにはさんで食べてくれ!」
「パンかぁ、黒パン硬くて、スープが無いと食べられ無いにゃよなぁ・・・。」
「俺には秘伝のたれがあるのさ!!出汁の素にも、ステーキソースにもなるタレがな!!」
「あとはこのニンニクスライスだ!」
先に少し油で焦がし、肉のいい部位を焙る!!
・・・・いい匂いだ!
あとは買ってあるバケットを適当に切り分けて、横に切れ目を入れて網の上で軽く焼くる。
焼いたバケットの切れ目に軽くバターを塗り、そこにリーフレタスとパックのキャベ千を敷いておく。
裏面を焼いたら、秘伝ダレを肉に塗る!!
おーーーーめっちゃいい匂い。
「なんにゃーーー!この匂いは!」
「昼の飯よりうまそうなにおいにゃ!!」
そうだろうともミル君!
これをバケットに挟みやすくナイフとはさみでカットする。
で、熱々をはさんで食べる!!!!
「ハフハフ!少し熱いにゃ!フーフー!!」
「パンも柔らかくてカリッとしてて、旨いにゃぁーーーーー!!❤」
だろう!!だろう!!
うーん・・・キャンプ飯の醍醐味とはこのことだな!
依然食べた、猪鍋より臭くないぞ?
おそらく、ミルの血抜きがうまいんだろうな!
「あ・・・・そうだ!」
俺の好きな1.8リットル紙パックの赤ワインがあったな!
「・・・・ちょっと待て!!!」
「ん?なんにゃ?」
「これ飲んでみろ!!飛ぶぞ!!」
プラカップに赤ワインをいれミルに渡す!
「ん?酒・・・・葡萄酒かにゃ?」
「葡萄酒知ってるけど、初めて飲むにゃ~・・・・なんか良い匂いもするにゃ!!!」
ゴクゴク!!!!
(ヒーーーーーーイッキ飲み?)
「ぷはー!うみゃいなー!!この酒!ソー!お代わり!!」
「しかも肉に合うにゃ~!最高だにゃ~!」
・・・・
「ヒック(酔っ払い)・・・・腹いっぱい食べたにゃ~!酒もうまかったにゃ~!」
2人で1.8リットル空けちゃったからね?
しかも・・・君、そのうち8割飲んでるからね?
「なんか眠くなってきたにゃ~」
(・・・・おいおい!火の前で寝るな!!!)
(しかも!めっちゃ無防備な姿だね❤)
(・・・・いやいや!まだ異世界転移2日目でスケベフラグか!)
(ソー!交尾はしないぞぉ~・・・・むにゃむにゃ・・・・)
ドキッ❤(汗・・・・・寝言かよ。)
俺は、残り少ない赤ワインをカップに注ぎ、揺れる火に新しい薪をくべながら、この長い一日を振り返っていた。
・・・・
・・・・・
酒を飲み終えて、ミルをテントの中まで抱きかかえた。
軽いなぁ。(思いのほかミルが軽いのに驚いた。)
車内のマットレスをテントの中に敷き、毛布を掛けて寝かせた。
俺だけ車で寝るわけにはいかないので、ターフ下の火のそばで、ブルーシートと段ボールを敷いた上に、寝袋で寝ることにした。
クルマで確認した時刻は夜9時を廻っていた。
しかし、よくあのジャイアントボア?に遭遇して生きてたな?
冒険者と騎士団、総勢100人の混成チームでも死人が出たんだろ?
(創造した絵ズラが教科書の石器時代によくある「マンモス退治」だった。)
俺が今生きているのは、奇跡なんじゃないだろうか?
いや、ミルのおかげもあるかもしれないな?
何故、奴は俺を狙わずに車に向かったのか。
なぜミルは俺に動くな!と叫んだのか?
明日、もろもろ検証するとして、今日は寝よう。
俺も少し酒が回っている。
程よい気分で風が気持ちいい。
あー、女神に色々聞きたいことがあるなぁ・・・街に行ったら教会を訪ねよう。
そう思いながら、俺はいつの間にか眠りについてしまった。
・・・・
・・・・・・
『ソーさん・・・・』
『ソーさん起きてください!!』
『ん?誰?』
『私です!リーバイエス守護女神リースです!』
『大変でしたね!?ジャイアントボアが精霊樹に近づくとは思いませんでした』
『リース様?・・・・精霊樹?この大きな木の名前ですか?』
『そうです。魔物は普通、精霊樹には近づきません。光魔法の精気のようなものが常に発せられていますからね。』
『魔物が精霊樹に近づくと、具合が悪くなったりするので、あまり近寄らないのです。』
「そうなんですね?よっぽど腹が減ってたのかなぁ・・・・。まぁ、危うく死ぬところでしたけど。」
『そうですね!あまり世間を知らない幼体なので、空腹のあまり、ソーさんの料理に釣られてしまったようです。』
「幼体?あれで子供なんですか?全長5m近くありましたよ?」
『はい、街や街道付近に現れるジャイアントボアは、殆どが巣立ったばかりの幼体です。成体は全長30m超えますよ?』
30m・・・・・・シロナガスクジラか!?
『はい・・・・クジラのような生き物はこの世界にもおりますし、海の生物は比較的大きな輪物が多いですね!機会があれば、この世界の海にも訪れてみてください。』
「あ、そうだ、女神リース様質問をしても?」
『ええ何なりと!』
「幼体とはいえあの巨体、自分の車の5倍は体積がありそうな魔獣がぶつかったら、普通あのクルマは大破しますけど・・・・どうやら逆に跳ね飛ばした気がしました。あれはどういった理由でしょうか?」
『はい、それに関してはドライブスキルを説明しましょう。』
「はい!ぜひお願いします」
『まずドライブスキルはヒト単体では何の役にも立ちません。いわゆる特殊スキルで、この世界であなただけが持つものです。』
『特別な効果は大きくは3つあります。』
『運ぶ力(次元収納ですね)』
『壊れない力(物理・魔法の絶対防御:レベルによりますが・・・・)』
『進化し変化する力(トランスファー)です。』
『ドライブスキルによってリンクしているソーさんの乗り物は、運転手であるソーさん自身のレベルと、スキル自体の成長に応じて3つの能力も変化します。』
『簡単に言うと、運ぶ力は闇属性、物理・魔法防御は光属性、トランスファーは6属性の混成で、錬金術が作用していて、各属性の良い部分を組み合わせて作られているものですね。』
ん?絶対防御というスキルは自分のステータスになかったはずだけど・・・・。
(ミルが結界魔法って言ってたな)
『はい、絶対防御も結界魔法も、ほぼ同じですが、それらは守護女神の加護に付随するものです。また絶対防御の作用、それら状態を簡単に説明すると・・・・動く堅牢な城ですかね?』
城?・・・・・(汗)
『その城であるこのクルマは、城主の貴方しか操作(正確には始動)できないようにしてあります。』
あれ?守護女神の加護なんてステータスにありませんでしたよ?
『では、ソーさん自身のステータスを開いてみてください。』
ステータスオープン
ソー シシバ 18歳
レベル 8
職業 魔動技師
称号 守護女神の加護
HP 75
MP 90
魔法適性 火・風・土・水・闇・光
スキル 生活魔法Lv2 調理Lv1 幸運Lv2
レアスキル ドライブLv2 次元収納Lv2 創造魔法Lv1
℮x: 魔道車(神獣憑依)
え?色々おかしい!!!
レベルもいつの間にか8だし、幸運スキルなんて持ってたんだ?俺!!
「レアスキルの魔法創造って何ですか?」
(なんかやばそうですけど・・・・。)
『あなたはこの世界では、魔王にも勇者にもなれる存在です。』
はい?(汗)
『・・・・よからぬ者は、あなたを利用しようと近づいてくるでしょう。だから、一般には次のように秘匿されています一度、ステータスを閉じて再度開けてみてください。』
ステータスクローズ
・・・・・
ステータスオープン
ソー シシバ 18歳
レベル 8
職業 魔動技師
称号 なし
HP 75
MP 90
魔法適性 風・土・闇
スキル 生活魔法Lv2 調理Lv1 収納Lv3
レアスキル ー
℮x: 魔道車(神獣憑依)
!!!!
全然違うんですけど?
『レアスキルは数十万人から数百万人に一人、1つだけ得られる物です。それをあなたは3つ持っている・・・・。おかしいですよね?フフ』
(フフ・・・・ってw)
『レアスキルは、この世界に貢献し信仰の厚い、心の清らかな者の子孫などがその対象としてまれに発現します。』
『ですから、ステータスボードを偽装する必要があった・・・・という事です。』
『しかも、あなたは通常一般の者が保持する0~3の魔法適性を6属性すべて持っています。』
『それを補正する、言い換えれば隠れ蓑にするのも必要でした。今後、徐々に開示し、ステータス上は、全属性適性者としてのあなたを助けることになります。』
確かに6属性が3属性に変わっています。
『そうです。ファイヤや、ウォーターなどの魔法であれば、生活魔法の修練成果で使用可能です。光魔法は特別な修練でしか得られませんが、あなたの職業は魔動技師。今後、魔獣を専門に駆除する魔動機を製造してもおかしくはありません。』
(いやいや・・・・そんなの作れませんて。)
『闇魔法は収納スキル持ちの方であれば必ずと言っていいほど備わっています。ので、消すことを諦めました。あなたの次元収納は闇魔法と空間魔法の複合ですけどね。』
そうですよ!Lv2であの収納量・・・・将来的にはどうなるのか・・・・。
『それは私にもわかりません(ニコッ)』
(ニコッじゃなくて!!・・・・・・ああ~おそらく”神獣憑依(モモ)”のせいだなw)
『・・・・あくまでこのステータスは守護女神の加護によるものですので、わたくしと話しているとき以外は、あなたも改ざん後のステータスを見れません。ですので、その旨話を合わせてくださいね?』
(え?偽装ステータスが見れないの?逆じゃない?)
『・・・・それから、その魔道車は同乗拒否も積載拒否もできますので、必ず許可を出してください。』
『これは魔道車自体のセキュリティが確保されることと同意です。』
『錬金術もスキルですので、ご自身のレベルが上がれば発現します!』
『魔法創造は・・・・まだ教えるには早いと思います!(ニコッ)』
・・・・・(汗)
『ではソーさん、時間です。今後様々な場面でお逢いするでしょう。明日も、安全運転でおねがいします。』
「あ・・・・あと一点だけお願いします!質問良いですか?」
『はい。何でしょう?』
「あの・・・・ミルのことなんですけど・・・・。」
「ミルは・・・・リース様が会わせてくれたのですか? 」
『・・・・・』
『・・・・・それはお答えできません。判断は貴方自身で行うことが良いと思いますよ?少し考えればわかりますよね?では、ソーさんまた!』
『あ、ありがとうございました!』
・・・・・
・・・・
そうだよ、この世界で初めて会話した人が、こんな“可愛い猫耳”なんて恵まれすぎてるし・・・・。
飯だって旨い旨いって食べてくれて、晩飯まで狩りに行ってくれた。
初対面のこの俺に、気さくに心を開いてくれている。
別に・・・・ミルを不思議がる必要も無いよな?
ちょっと色々ありすぎて、疑り深くなっているな。
まあいい、明日の朝は、飛び切り旨い朝飯を作ってやろう!
寝る!お休み!
俺は、自分自身のビビり加減に少し自己嫌悪しながらも・・・・。
再び深い眠りについた。