ドライバー ~ 運転手 異世界で道を創る ~   作:アンクルソー

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【7話】スクルの街

「なんじゃ!これーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

 

朝6時ころ、夜明けとともに周りを見渡すと、大型魔獣がゴロゴロ倒れていた。

1・2・3・・・・・20体くらいはいるだろうか?

でかい蛇、鹿っぽいやつ、狼みたいなの、ジャイアントボアの半分くらいのイノシシ・・・・などなど。

中には人型魔獣もチラホラ・・・・これ、みんな絶対防御で自爆したの?

 

「なんにゃ~、うるさいにゃ~、ソー・・・・・うわぁああああああああああああ!」

「どうしたにゃソー!この大量の魔獣は!!」

「おれも今起きたら・・・・こうなってた・・・・。」

「ウチ・・・・何で気配察知できなかったんだろう・・・・普段なら絶対気づくのに」

 

・・・・・・

 

これってまさに朝飯前か・・・・。合計で魔獣24体の内訳以下の通りを整理収納した。

それらは絶命して数時間程度しか経過していない。すなわちミル曰く『死にたて。フレッシュ』だそうだ。

 

人型・・・オーク☓6、ハイオーク☓1

蛇型・・・シャドウスネーク☓1、レッドバイパー☓1

狼型・・・シルバーウルフ☓6

鹿型・・・レッドディアー☓2、ビッグホーンディアー☓1

猪型・・・シルバーボア☓3、ビッグシルバーボア☓3

の合計24体、すべて食用可・・・・とのこと。

 

食用可ではあるが、魔石のほうが貴重で、それら含めても素材買取り合計がいくらになるのか・・・・ミルもわからないらしい。

魔石の値段は、魔獣の保持する魔力量に比例して高値がつく。

高濃度の魔素を含む魔石であれば、その分資源として高く売れるそうだ。

魔獣素材の解体処理が上手ければ・・・・。

 

魔石 > その他素材 > 討伐報酬 ・・・・・とこんな感じ

 

いやー、テールゲートを開け、収納しながら考えていたのは3つ。

1) これ収納してもギルド買い取ってくれるのかなぁ・・・てか、ジャイアントボアとかも無理じゃないかな?

2) 俺は、気持ち的に軽く引いているが、ミルは顔赤くして興奮してるいの・・・・どうしてだろうか?たぶん自動で討伐したことが、珍しいからかな?

3) 俺自身のステータスが心配だけどな。偽装ステータス・・・・ギルドで聞いてみようか・・・・。

 

まぁ買取り無理でも・・・食べられるらしいし、楽しみにしよう。

朝飯を作りながら、ふとこの先の生活に一抹の不安を覚えたが、俺にはこのクルマ(モモ)がある。何とかなるだろ!と開き直っていた。

 

「水浴びしてくる!」と言って出かけたミルが15分ほどで帰ってきた。

早いね!烏の行水か?きれいな川でも近くにあるのだろうか?

 

「ミルどこまで行っていたの?」

「近くに水の湧く小さな池があるにゃ」

「今の時間は小動物が多いけど、安全だから大丈夫にゃ!」

「クリーンをかけてもいいにゃが、何となく水浴びしたかったにゃ!」

(興奮冷ましてきたのね?)

 

あ~そういえば、しばらく温泉入ってねーなー、俺も。

「ミル、この世界にさぁ・・・・」

「ん?この世界?何を言っているにゃ?ソー!」

ヤバッ・・・・まだ異世界の人間って、告ってなかったわ。

「いや間違い、この国にさ~・・・温泉ってあるの?」

「温泉?って何にゃ?」

(だめか・・・・) 

「風呂ってあるの?」

「風呂って、あの、お湯に入るやつかにゃ?」

「貴族とか金持ちの家にはあるらしいにゃけど・・・・」

「あと、北の山脈と大森林にはお湯が出る池がたくさんあるって聞いたことがあるにゃ!!」

キタっ!!多分温泉だな!山脈だから!!そこを旅の目的地にしよう!!

「だけど、ウチはあんまり好きじゃにゃいにゃぁ・・・・熱いのは苦手にゃ・・・・」

なるほど!

 

・・・・・・

 

「さて、朝飯も気に入ってくれようだけど、質問していいか?」

「いいにゃ、旨い飯の代わりになんでも聞くといいにゃ」

「ミルは魔法使えるんだろう?何ができるの?」

「ソー、あんまり人のスキルを探るのは、やめたほうがいいにゃ!」

「・・・・けど、特別に飯のお礼に教えてやるにゃけど!」

 

すいません、以後気を付けます。

「ウチの魔法スキルは探索と俊敏にゃ!」

ミルは自分のステータスを見せてくれた

 

  ミル       16歳

  レベル      42

  職業       グランドシーフ

  称号       なし

  所属       イエス冒険者ギルド

  ランク      C+

  HP       490

  MP       295

  魔法適性     風・水・闇

  スキル      生活魔法Lv4 俊敏Lv5 探索Lv8

  レアスキル    なし

 

 

すげー!!!!レベル42かよ、16歳だろ!!??

 

「ウチは孤児院で育ったにゃ!だから早く自立したくて」

「赤ん坊の時に母親に預けられたらしいにゃけど・・・・」

「その時に『ミル』って名前のカードと一緒に預かったらしいにゃから、名前はたぶん母親からつけられたらしい 『豹人族 ミル 神のご加護を』ってにゃ」

 

ミルは10歳からギルドの下働きとして、予備隊で働き始め、12歳から正式にギルド登録したそうだ。本当に早熟だこの世界。

 

「13歳の時に成人の儀で俊敏スキルを授かって、スピード特化の戦闘になったのにゃけど・・・・」

「ある時、探索スキルに目覚めて戦士からシーフになったにゃ・・・・」

「そのあとは探索ばっかりレベルが上がって、レベル40から、グランドシーフになっていたにゃ」

「以前は4人組のパーティーに居たのにゃけど・・・・訳あって今はみんなバラバラに活動しているにゃ」

「ソーも見せるにゃ!レベルも高いはずにゃ!!」

(え?まずくないか?)

「ちょっと待ってね!!先に確認しよう!!」

 

<ステータスープン>

#実際、ソーに見えている数値#

  ソー シシバ   18歳

  レベル      11

  職業       魔動技師

  称号       守護女神の加護

  HP       110

  MP       125

  魔法適性     火・風・土・水・闇・光

  スキル      生活魔法Lv2 調理Lv2 幸運Lv3

  レアスキル    ドライブLv2、次元収納Lv3 創造魔法Lv1

  ℮x:       魔道車(神獣憑依)

 

(ヤバーい!レベルも上がっているけど、次元収納と幸運も上がっている)

どんな風に改ざんされるかわからんぞ・・・・。

おそるおそる・・・・俺は開示した。

開示ボタン・・・ポチ。

 

「おおー!!」

「ん?オカシイにゃ~・・・・」

 

#ミルに見えている数値#

  ソー シシバ   18歳

  レベル      11

  職業       魔動技師

  称号       なし

  HP       110

  MP       125

  魔法適性     風・土・闇

  スキル      生活魔法Lv2 調理Lv2 収納Lv3

  レアスキル    なし

  ℮x:       魔道車

  

「収納Lv3・・・・?」

「収納レベル3で、あんなにたくさん収納できるにゃ?」

ダラダラ・・・・(女神様!変な隠ぺいヤメてw)

「あ・・・・あぁ~。おれのクルマに付いてるからかな~次元収納」

「次元収納!!!!!?????」

「次元収納って、あのレアルキルにゃ?商業ギルドの本部マスターが持ってるって言う・・・・あの亜空間につながってて、建物も入る収納かにゃ?」

 

まずーーーーーーーーーーーーーーい!!!

「うんうん、おれの師匠がね!!この車につけてくれたのよ!!」

「凄い師匠だにゃぁー!!」

よし!!このまま誤魔化そう!!

やっぱり、早めに教会で改ざん後のスキルも見られるように、女神さまに頼もう。

 

そんなこんなで、ミルを乗せて、スクルの街を目指し出発した。

まあ、乗せる時も乗車許可を出さずにいたから、ヒト騒動あったけどね。

 

・・・・・・

 

乗り心地とスピードの賛辞を隣で浴びながら、走ること約4時間弱。俺たちはスクルの街付近に昼過ぎには着いた。

着いたといっても街の手前2kmほどのところ。

街に入る前に、腹ごなしをしてから入ろうと思ったのと、あんまり多くの人にこの車を見せて大丈夫かどうか、ミルに車の中で相談したところ・・・・。

「貴族に没収されないようにした方が良いにゃ!」

という事で、得策ではないことを理解したため、森に隠すことにしたのだ。

 

昼食で満腹になったミルも手伝ってくれている。

「こんな感じでいいか?」バサバサ!草と木々を覆いかぶせている。

「だいぶ良いにゃ!これなら見つからないにゃ!!」

「しかし・・・・この魔道車ってやつ面白いにゃぁ・・・・止まった瞬間魔力放出がスン・・・・って無くなったにゃ。」

 

「えっ?」(魔力放出しているの?このクルマ。)

 

まあ、誰かに見つかっても動かせないし、傷つけられないだろうけどね。

クルマの中で問題になったのは俺のカッコだ、着ている物、身に着けている物が限りなく怪しいとのこと。

だから、ダウンやベルト、腕時計など様々なものは全て俺自身の収納におさめた。

(ついでに食料や水もね)

 

自らかなりの軽装(カーゴパンツとトレーナー)となり、町の門番検査まで徒歩で向かうことにした。

街に入る際、ミルが保証人になってくれた。

俺が街で罪を犯し、逃亡するとミルが牢屋に入れられるらしい。

 

とても重い保証人だ。本当にミルには感謝しかない。

保証金も収めてくれた金貨2枚とのことで、成人男性の一般職1か月分の給料だそうだ。

 

「これで大丈夫にゃ!」

 

「あとは商業ギルドか、冒険者ギルドに登録してギルドカードをもらったら、再度門詰め所にいくにゃ。そうするとウチの保証人が外れて、お金が返金されることになるにゃ!」

 

「おう!」

(結構この世界の行政システムもキチンとしているんだなぁ)

「もう商業ギルドか冒険者ギルド、どっちに入るか決めたかにゃ?」

「両方入ることは出来るの?」

「両方入ることは出来るにゃけど、登録料も年会費も倍かかるにゃ!あとギルド登録は3つまでしかでき無いにゃ!」

 

ギルド登録には、それぞれ特性があるらしい。以下こんな感じ

 

***********************

≪冒険者ギルド≫

 

組織分布:主要都市と小都市

登録者数:多い

会  費:ランク別A~F(C+ランクで年間4金貨4万チェーン)

概  要:冒険者が主であるが、冒険者予備ランクもある。10名以上の組織は作れな

     い。大きな組織にしたい場合は、傭兵ギルドにも組織登録し、国も管理下に

     加わる。

運  営:(魔国を除く)3か国を跨いで独自運営

登  録:10歳で予備隊登録

     12歳(未成人)から正式登録可

関連組織:傭兵ギルド:討伐隊などを一緒に組むことがある。

     傭兵ギルドは各国(この世界には3つの国がある)の資本が入っている

 

************************

≪商業ギルド≫

 

組織分布:主要都市

登録者数:少ない

会  費:ランク別(A~E)Aランクは10金貨10万チェーンって聞いた

     ・・とのこと。

概  要:商人や仲買人、大店、小売りなど。パーティーではなく互助組織は各都市

     にある。

運  営:同上

登  録:13歳(成人)から登録可(それ以下は全て見習いにて登録者が管理)

関連組織:輸送ギルド:もともとは商業ギルドが輸送も行っていたが、輸送を一手に

     担う商会が多数発足したため、ギルドとして独立した。国の資本は入って

     おらず、各国のギルドに小ギルドが存在している。

 

この国の成人は13歳で、成人すると教会で信託をうけられる。

信託を受けると、何らかのスキルを必ず得られる。最低限『生活魔法』が得られるらしい。

「ギルドはお互い『持ちつ持たれつ』にゃので、仲が悪いわけでは無いにゃ」

「けど一般的には平民の為の冒険者ギルド、貴族・富裕層の為の商業ギルド、みたいな見方をされるにゃ!」

「それはどうして?」

「冒険者ギルドは、一般的に街や都市からの依頼を受けるけど、田舎の小さな村や、個人からの依頼も受け付けるにゃ。街の掃除の手伝いや、荷物の配達、いわゆる雑用にゃね。寒村では自警団的な役割も担うにゃ」

(なるほど、少し万事屋みたいなところもあるのかな?)

 

「対して商業ギルドは、個人の依頼を受け付ける場合、そのほとんどが貴族か、富裕層だけにゃ!」

「商業ギルドはあくまで商人の互助組織で、不動産の取引とかもやっているにゃ」

「一般に、普通の仕事持ちからは依頼を受けにゃいにゃ、ただし、登録している商業者とは、依頼ではなく取引なら応じるので、大丈夫にゃ!」

「まぁ、依頼料も高いし、取引手数料も高いけどにゃ!」

なるほど、やはり金儲けだから、仕方ないか!手数料ってどこも高いよね?

 

「じゃぁ、どっちに登録したいかなぁ・・・ちなみに保管してある魔獣なんかは、どっちに卸したらいい?」

「あ~、基本はどっちに所属しているか?にゃんだけど・・・・」

「まぁ。登録前にあんな素材をたくさん持っているソーがオカシイ・・・・にゃけどw」

「おすすめは冒険者ギルドにゃけど、今後ソーが何をしたいかにもよるにゃぁ・・・・」

「ソーは今後どうするにゃ?何がやりたいにゃ?」

うーん・・・・。

「俺かぁ・・・俺は旅がしたいんだよなぁ・・・あと温泉入りたい」

「素材を使って魔道具を作って売るとかは、商業ギルドの範疇だけど、そのあたりは大丈夫かにゃ?」

 

「そうか!おれの職業魔動技師だったわ」

「ちょっと・・・・2~3日考えるわ。とりあえず、教会行って、お布施するかな!?」

「金あるのかにゃ?」

「・・・・無かったです。すいません。貸してください」

「しょうがにゃいにゃ~・・・まあ、宿も同じところの予定だし、ギルドの登録までは付き合うにゃ・・・・そのかわり・・・・」

 

「飯だろう? 」

「その通りにゃぁ!よく解っているにゃ❤」

「そのために調理場付いた宿に変更するにゃぁ!」

さすが高給取り。

 

俺は、服屋で1金貨(1万チェーン)をミルに借り、一般的な冒険者の服を購入し、支払いを済ませて店で着替えた。

その後、さらに1金貨を借り、教会に向かった。

教会前で別れた俺たちは、『ちょっと用事がある!』と云って去ったミルのうしろ姿を見送った後、教会の扉を開けた。

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