ドライバー ~ 運転手 異世界で道を創る ~   作:アンクルソー

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【8話】教会にて

生まれて初めて、教会に入った。

天井の高い広いドーム型の空間に圧倒された。

 

広さは、小学校の体育館ほどは、あっただろうか。

壁は白く塗られ、壁画が描かれている。まるで中世ヨーロッパのような作りである。

日本でよく見るキリスト協会などは、どれもコンパクトで、椅子が並べられている。

奥に教壇と、その後ろにイエスが描かれている・・・といった感じだが、中でお祈りしている人は地べたにひれ伏している。

 

この教会は、キリスト教会というよりモスクを連想させる。

俺は、地べたに跪いて祈った。

リース女神の話を聞かねばならないからだ!

 

「リース女神よ、顕現されたまえ・・・・・」

・・・・・・

「ソーさん、いらっしゃいw」

 

でた!!!!

「・・・・・」

「すいません・・・・」

「良いです、ソーさんに私を敬えとは言いませんのでw」

「今回教会に来られたのは、スキル表示の件ですか?」

「あ、はい、それと、あと一つありまして・・・」

「なんでしょう」

 

「以前この世界に移動した際、リース様から世直し・・・的な、人々の救済とか、言われたのですが、具体的にどうすればよいかと思いまして・・・・」

「ソーさん、あなたはまだ、神の使途ではありませんので、具体的にこちらからお願いすることはありません。自由に過ごしていただければよいのです」

 

?・・・・まだ?

 

「でも、救済ですよね?」

「はい、具体的に依頼せずとも、あなたの行動はこの世界を助けることになるのです」

え?なにそれ・・・・(笑)

 

「まず、あなたの魂です。あなたには、この世界で邪なことは出来ないことに成っています」

出来ないことに成ってる????

 

「あなたの魂の一部を神獣様との契約に使ったためです。ですので、あなた固有の善悪が、あなたの魂の中ではっきりと区別されています。これは、あなたの居た日本の時間と区別するためのものです」

 

あ・・・・それって、価値観的な・・・・あれかな?

 

「そうです。この世界であなたに非道なことはできません。その考えさえ微塵も持てないはずです。もともとの素養もありましたが、そう思わせる『わだかまり』がこの世界に無いからです」

「今更ですが、その素養があったからこそ・・・・この世界に導きましたしねw」

 

w・・・・じゃないよw

 

回想・・・・確かに、高度に発達した文明や技術によって人間社会の在り方自体がおかしくなってたからなぁ・・・・あの世界。

 

「どの世にも、邪な考えを持つものはおります。そのせいで、この世界もひずみが大きくなり、権力を持てば持つだけ、邪になる者も居るのです」

「可能であれば、ソーさんには、それらを正す楔となってもらうのが願いです。ただ、強引に暴力に訴えるのではなく・・・・です」

 

「もともと、この世界に落とされた、あらゆる命であれば、それらすべてを等しく愛さねばならないのが創造神様なのです」

「しかも管理者であり、その世界の守護者であるわたくしは、どうしてもそれらすべてに直接手出しすることは許されません」

 

「わたくしは、まだわたくし自身の使途を持ちません。使途になりえる人材を見つけるにはものすごく時間がかかるのです。この世界で可能性があるとすれば、ソーさん、あなたですけどねw」

 

神の使途は、ちょっとなぁ・・・・人から崇められるのは苦手だし・・・・。

 

 

「そうですよね?あなたはそういう方です。だからわたくしの加護も授けられたのですけど・・・・ですので、ご心配なさらず!」

 

「商業ギルドも、冒険者ギルドも、わたくしの恩寵は与えてありますので、どちらに入られても、両方入られてもきっと大丈夫だと思いますよ?」

「そうか・・・・そうですよね?変に損得考えなくても、リース様のいう通り、大きく構えてみますw」

「はい!この世界の人々を、よろしくお願いします!運転が好きなのに、運転手を続けられなかった・・・・」

「あの世界はソーさんにはつまらないと思います。ステータスも補正しておきました。スキルは増えているかもしれませんが、あまり気になさらないでくださいw」

 

え?スキル増えるの?????

 

「ええw、今後も増えると思いますので、取り扱いには十分な配慮をお願いします」

 

「あ・・・・はい」

 

「では!あなたの今後が良い旅であらんことを!」

「あ、ありがとうございました!!」

 

・・・・・

 

「・・・・ぉぃ!ぉい!」

「おい!」

 

ん?

 

「お前大丈夫か!?なんか・・・・光ってたぞ!カラダ!」

え?・・・・。

「成人の議でもないのに、光るなんて・・・・それも白じゃなくていろんな色が混じってたぞ?」

「兄ちゃん、使途様じゃないだろうな?教会の人間がいなくて良かったなぁ~!

居れば、否応なく連れてかれるとこだぞ?」

 

まじか!!教会怖い・・・・。

 

「何にせよ、何ともなさそうでよかったよ!スキルでも授かっているかもしれないから後で見ておくといい!」

「ありがとうございます!あなたは?」

「俺は西通りの道具屋でマキシってんだ、兄ちゃん名前は?ソーか!今度うちになんか買いに来てくれ!サービスするからよ!!」

 

小柄でがっしりした体格のおじさんがニコニコしながら話しかけてくれた。

 

「あ、とお布施とか人いないとできないですか?」

 

「あぁ、それなら大丈夫だ!あの光がさしてるとこに水たまりがある!あそこに大銅貨1枚投げときゃいいよ!それがお布施だ!」

「わかりました!ありがとうございます」

めっちゃ親切な人や!

なんか、下町のおっちゃん!って感じだな。こういう人に、この世界が支えられてるなら、教会も街も、ギルドも案外良い方向を向いているのかもしれないな!

今度なんか買いに行こう!

水たまりにコイン・・・・ローマだねw

 

教会を後にした俺は、ミルと待ち合わせた中央公園広場の噴水前というところに来た。

この場所は、ほんと地球の公園みたいで面白い。

噴水というより、池に立った円錐形の建物の最上部から水が湧き出てる・・・といった感じ。

聞けば、もともとここは井戸で、リース神のおかげで、水圧と水量が変わり、いまのような公園なったとの事。

『なんびとも、水の恵みを持ち帰れるように!とか・・・やるね女神!!』

 

・・・・・・

 

「ミル!用事済んだの?」

「済んだにゃ!孤児院行ってたにゃ!イエスの孤児院と、ここの孤児院に寄付してたにゃ!」

まじか!!さすがミルさん!さらっとそんなことも出来るなんて素敵!!!

 

「ところで、教会どうだったにゃ?ギルドの件も決まったにゃ?」

「ああ!!両方登録するよ!!」

「そうかにゃ!じゃぁ早速今から登録しに行くにゃ?冒険者ギルドは夜9時までやってるにゃ!」

「商業ギルドは6時で終わりだからもうすぐ終わるけどにゃ」

「うん!今から冒険者ギルド登録に行って、明日商業ギルド登録に行くよ!!お願いできる?」

「任せろにゃ!素材も収めるのかにゃ?」

「うん!そうしよう!」・・・と暗くなりかけたシクルの街中を冒険者ギルドに向かって歩き出したとき・・・・。

あーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!

(思いだしてしまった汗)

なんにゃ!!突然!!

しくった・・・・

収納してるのクルマだった・・・・・・ダラダラ(汗)

ひっくり返るミル(ドテーーーン)

 

気を取り直して、歩くこと十数分。

冒険者登録をしに、シクル冒険者ギルドに到着したのであった。

 

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