そもそも前回までのカイカの動きは、ゲーム本編では語られないストーリーの裏側の出来事という扱いなので。
今回から合流するカタチですね。
ゲームの聖典と謳われる『G.Bible』を手に入れるため、『廃墟』と呼ばれる立ち入り禁止区域に足を踏み入れたゲーム開発部と先生。
そこで彼女たちは、謎の少女との出会いを果たす。
モモイはその少女にアリスと名付け、ゲーム開発部の四人目の部員にしようと画策する。
翌日、無事にアリスの学生証を作成(偽造)してもらい、今度はアリスのための銃を用立てするために、モモイとミドリはアリスを連れてエンジニア部に向かったのだが…
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「マトモな銃が!!ない!!!」
早速頭を抱えていた。
いや、どれもこれも高性能な武器ばかりなのは間違い無い。
…余計な機能が付いていなければ、と言う但し書きが付くが。
Bluetooth機能やら、決済機能やら、大凡銃として使う上でどう考えても不要なオプションが搭載されているのだ。
…自爆機能に至っては、最早誰が使うんだよ、と言う話である。
そんな頭の良いバカたちが作った妙ちくりんな武器を漁っていたモモイ達であったが、ふと、ミドリは机の上に置かれていた
「…刀?」
それは、銃社会であるキヴォトスにおいて、異質と呼ぶべき代物であった。
否、彼女が異質だと感じた理由はそれだけでは無い。
「なんか…、普通?」
そう、その刀は
無骨、と言えば多少は聞こえが良いかもしれないが、先程までの作品を思えば変形機構が施されていたり、何かしらが内蔵されていそうなものである。
だが、目の前のソレからはそんな雰囲気を感じない。素人目から見ても良く鍛え上げられている事が分かるが、逆に言えばそれだけなのだ。
「おっと、なんでも持って行って構わないとは言ったが、それだけは駄目だ。大切な預かり物だからね」
「ウタハ先輩」
そんなことを考えているとウタハが割り込んできた。
「これは…?」
「見ての通り、刀だよ。特別な機能は一切搭載されていない、只管に頑丈さに特化させた逸品さ」
「なんというか…、皆さんらしくないですね」
ミドリは自身が感じた違和感が正しかった事を知り、直接疑問をぶつけた。
その言葉に対しウタハは目を伏せ、こう告げた。
「…命に関わる事だからね」
「えっ…」
「いや、忘れてくれ」
ミドリが振り返った時には、ウタハはいつも通りの笑みを浮かべていた。
だが、確かに一瞬。イラストレーターとしての観察眼は、その表情に隠された深い後悔の感情を見逃さなかった。
「…これを使っている人は、どんな人なんですか?」
「フフッ、すぐに会えるさ」
その言葉は、現実となる。
アリスが『光の剣:スーパーノヴァ』の誤作動により、天井に穴を開けてしまう。
直後、
「何事だ」
人の形をした龍が、彼女達を睥睨した。
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驚いた。
外で例の銃の試し打ちをしていたら轟音と共に光条が天を貫いたのだから。
私は翼を広げて屋根に飛び乗り、穴の中を覗き込んだ。
そこに居たのはゲーム開発部の双子、才羽モモイと才羽ミドリ。そして、
「わあっ!ドラゴンです!アリスはドラゴンとエンカウントしました!」
…誰だ?
いや本当に誰だ?あんな生徒、ミレニアムに居たか?
一先ず室内に飛び降り、彼女達に事情を尋ねる事にした。
(少女説明中)
大体の事情は理解した。
あの
私は件の少女、天童アリスを観察する。
(人間…では無いな。非常に精巧に作られているが、中身は機械。とは言え、在り方としてはオートマタでは無くロボット市民達に近いようだ。だが…)
…これ以上は、今考える事では無いな。
「…で、ウタハ先輩はどうするつもりですか?
「私としては、譲っても構わないと思っているよ」
「正気ですか?」
「ああ」
「どちらにせよ、この子以外には使えないだろうからね。ヒビキ、アリスが持ち運びやすいように肩組と取っ手の部分を作ってあげてくれ」
「分かった。…前向きに考えると、実践データを取れるようになったのはありがたいかも」
まあ確かに、埃を被らせるよりは余程有意義かもしれない。
(そもそも、所詮は部外者である私が口を挟むような事でも無いからな)
そう考え、成り行きを見守る事にする。
…どうやら廃棄品のドローンやロボットを相手に戦わせるつもりのようだ。
アリスはスーパーノヴァを持ち上げたが、飽く迄持ち上げただけ。実践運用に耐え得るレベルで扱えるかどうかは未知数だ。
これはそのためのテストと言う訳だ。まあ、当然だな。
「アリス知ってます!これは『聖剣を護るドラゴンの試練』です!」
…ん?
「これ、私も戦う流れか?」
完全に傍観者の気分だったのだが。
「ウタハ先輩」
「…巻き込むつもりは、なかったんだ」
まあ、それは別に構わないのだが。
「…無傷で立ち回れる程、まだあの銃に慣れて無いのですが」
「そこは心配ないよ。以前君が使っていた刀が既に研ぎ直してある。それを使うといい」
それならば大丈夫か。
それにしても、こんな事になるとは。
とは言え、これでも私は守護龍と呼ばれる身。ある意味相応しいと言えるのかもしれない。
ならば私は、彼女達を阻む、超えるべき壁として立ち塞がろう。
やるからには、手は抜かない
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モモイ達は順調に敵を倒していた。
元より相性抜群の双子のコンビネーション。そこに超火力克つ範囲攻撃のアリスが加わり、さらに盤石なものとなっていた。
即席とは思えない程の連携は、ロボット達を次々とスクラップへと変えていった。
だが、
「良く来た。勇者共」
声が、響き渡る。
「ここからが、本当の試練だ」
思わず、足が竦む。
「我が名は竜胆カイカ。守護龍の
そこに居たのは、絶対的な強者。
「さあ、超えて魅せよ」
こんなんラスボスやんけ。
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カイカもスーパーノヴァを使おうと思えば実戦レベルで使えます。
使う意味が無いだけです。