守護龍はシアワセを望む   作:五行天元

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前回、『翼か尻尾を伸ばせばミドリの狙撃を防げたんじゃね?』と思った人は手を挙げなさい。

はい。実際その通りです。
カイカの翼と尻尾は本人の肉体と違って並のキヴォトス人以上の強度を有しています。

ただし、自分以外の誰かを護る時にのみ、盾として用いられます。だから使わなかった。
本体が被弾するよりダメージ大きいからね


倒したら仲間になるタイプのボス

「素晴らしい」

 

戦闘を終えたゲーム開発部の元へ、ウタハが歩み寄る。

 

「三人とも、いい戦い振りだった」

「!、ということは…」

「ああ。アリス、その『光の剣』は改めて、君の物だ」

「わぁ、わぁっ…!」

「やった!やったよ、私たち!」

「ふぅ、良かった。いやホントに良かった…」

 

大喜びの三人。

然もありなん。彼女達にとって初めての圧倒的格上との戦い。そしてそんな相手に条件付きとは言え勝利したのだ。

喜びも一入と言った所であろう。

 

「それと…、悪かったね、カイカ。本来無関係な君を巻き込んでしまって」

「いえ、お気に為さらず。私としても楽しかったですよ」

 

そう言ってカイカは、モモイ達に近寄る。それに気付きビクビクする三人。

 

「そんな怯えなくとも。取って食う訳でも有るまいし」

「いや…、報復でもされるのかと」

「する訳無いだろ、そんな事」

 

事実カイカは、大した奴等だ、と言う賞賛の感情しか抱いていない。故に、

 

「勝者には、報酬が必要だと思ってな」

 

カイカは懐から紙箱を取り出し、アリスに手渡す。

 

「アリスは『ドラゴンの贈り物』を獲得した!」

「これ、開けていいんですか?」

「どうぞ」

パカッ。

 

「わあ!ドーナツだ!おいしそう!」

「きっと食べたらステータスがアップするに違いありません!」

「いや、さすがにそれはないと思う」

「喜んでくれたようで何よりだ」

 

とは言え、これだけでは報酬として弱いとカイカは考えていた。

何故なら、カイカは負けるつもりなど毛頭無かったからだ。だからこそ、自身が有する最も価値がある物を差し出す事にした。

 

「後はそうだな…。私は今後暫くはミレニアムに滞在している。その間であれば何度でも力を貸してやろう」

 

この日、ゲーム開発部は世界をも滅ぼす力を手に入れた。

 

「また後で、部室に遊びに行かせてもらっても良いか?」

「もちろん!大歓迎だよ!」

 

そうして、ゲーム開発部の三人は帰って行き、その場にはカイカとウタハの二人が残された。

 

「さて…」

それを見計らったように、ウタハが話を切り出す。

 

「カイカ、君はどう思った?」

 

何が、とは言わずとも伝わっている。

アリスの事だ。

 

「恐らくウタハ先輩も同じ考えに至っていると思いますが」

「一応、ね。直接戦った君の口から聞きたいのさ」

「そうですね…」

 

そこでカイカは一呼吸置き、告げる。

 

「戦闘用に生み出された存在、でしょうね」

「やはり、か…」

 

「最低でも1トン以上と推定される握力、発射時にもブレない安定した体感バランス、強度や出力はもちろん、肌全体に傷すら見当たらない綺麗な肉体…いや、機体」

「まあ、それだけなら私も似たような物ですがね。…つまりは最初から厳しい環境での活動を想定し、ナノマシンによって『自己修復』する事を前提として作られた体…。しかし、解せませんね」

 

カイカはもう一歩踏み込んだ考えを有していた。

 

「…?。何がだい?」

「何故、()()()()()()()()()()()()()

「!言われてみれば…」

 

そこが疑問だった。何せ、そのせいで明らかに余計なリソースが費やされている。

戦闘行為を想定したある種、合理的と言える性能をしていながら、容姿や感情と言った「人間らしさ」を演出するための()()()()な要素を組み込むのは、余りにも不自然だった。

 

「正直、碌な理由が思い浮かびませんが」

 

誰がアリスを生み出したのか、カイカには知る由も無い。だが、

 

()()()()()()

 

顔も知らない相手に怒りを覚える程度には、カイカはアリスの事を気に入っていた。

 

「…あーそうだ。カイカ、()()の使用感はどうだった?」

 

カイカの纏う雰囲気を見かねて、ウタハが話を変える。カイカとしてもこれ以上鬱っぽい話を続けたかった訳では無いので、それに迷わず乗った。

 

「そうですね…。未だ実戦で使用した訳では無いので明言は出来ませんが、少なくとも『使える』とは思います」

「えぇ、マジかい?作った側の私が言うのもおかしな話だが、よく()()を使えるね?」

「いえ、言いたい事は分かりますよ。頼んだ側の私が言うのも可笑しな話ですが、レールガン以上の色物ですからね、()()

 

「……」

「……」

「「ハハハッ…」」

 

最早笑うしか無かった。

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「あっ、そうでした。これ、皆様で御召し上がり下さい」

 

つ(バスケットに入ったサンドイッチ詰め合わせ)

 

「相変わらず物理法則に真っ向から喧嘩を売っているね、君は」

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改めて、カイカはゲーム開発部の元へと訪れていた、のだが、

 

「…随分と暢気にしているな?」

「私は、気を緩めるには早いって言ったんですけど…」

 

そこでは、モモイとアリスがドーナツを頬張りながらゲームをしていた。

 

「未だ廃部の危機を完全に乗り越えた訳では無いのだがなぁ…」

「そうなんですよ…。なんでも資格審査ってのがあるらしくて、それでアリスちゃんが正式に部員として認められなきゃいけないのに…」

「ああ、それは然して心配する必要は無いと思うぞ。ユウカ先輩の事だから、それ()認めて貰えるだろうよ。本当に大変なのはその後だろうな」

「えっ、それってどういう…」

「直に分かるさ。さて…」

 

そう言うと、カイカは勢い良く、

 

ロッカーを開けた。

 

「今日は」

「うひゃぁぁあ!!」

「なんで?!なんで開けたのぉ!?」

 

部室は、ちょっとした混乱に見舞われた。




()()
エンジニア部がカイカのため()()に作り上げたヤバい銃。
とりあえず、真面な人類が使用する事は想定されていない。と言うか真面じゃない人間でもこんな狂った銃使おうとは思わん。

だが、一番イカレているのはこんなのを一日で完成させたエンジニア部である。

武器種:SMG / HG
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