【カオ転三次】ガイア連合ツーリングクラブ   作:山親父

10 / 11
日常のツーリング回です


みんなでツーリングをしてみよう

 晴れて良かった

 

「良い天気だね~♪」

 

 LLENNネキが御機嫌だ。

 

「うん、天気予報通りだね」

 本日は快晴、絶好のツーリング日和だ。

 

「晴れ女の面目躍如! 【雨乞い】の方が得意なんだけどw」

 笑ってるのは黄色い〝スーパーカブ90デラックス〟に乗る〝お天気ネキ〟だ。*1

 本名、天野(あまの) 陽菜(ひな)。アニメ〝天気の子〟のキャラに似ているんだって?

 レベル20の高校1年生で、免許取り立てだ。

 

「どうしよう、ボクだけ浮いてる? エミールを変化させようかな?」

 多分ジョークだと思う。キノネキ笑ってるし……

「止めてよキノ、変化しても意味ないじゃないか! 偽装が必要なら反対しないけどさ」

 エミール君が愚痴をこぼし、皆も思わず笑った。

 シキガミのエミール君はホンダのC95、カブが大半だから目立つかもだけど、わざわざ変化させてもね?

 多分、周りを和ませようとしての事だろう。キノネキって気遣いの人だし、お天気ネキも緊張してたしね?

 本気だったらテレパシーで内緒話をしてた筈だし、浮いてるのはキノネキ一人じゃないもの。

 

「男が俺一人とは思わなかった……」

 250ニキが一人だけ、距離を置いている。

 この人、DREAM CB72 SUPER SPORTのオーナーなんだけど、キノネキの食いつきが凄かった。

 キノネキ曰く、1960年に発売開始されたバイクで、この個体は1964年製。CBシリーズ最初期のモデルだって?

 舐めまわす様に見て回って、許可を貰って跨って……

「子供かっ!」

 ってツッコミが入る程に、はしゃいでいた。

 

「付喪神に成ってるから、欲しいスキルがあったらスキルカードを持っておいでよ」

 流石は3代に渡って大切に引き継がれて来た古いバイクだ。

 キノネキのオススメは【炎熱耐性】、マッカに余裕があるなら【炎熱吸収】らしい、エンジンの過熱を気にする必要が無くなるって。

 私と礼子のカブにもスキルを組み込もうかな? マッカを稼がねば! 

 

 オーナーの250ニキは一言も喋れないで圧倒されていた。

 私達やLLENNネキは友人として馴染んでるけど、一般黒札の250ニキとしては、強者過ぎて固まってたらしい。

 お天気ネキは緊張で済んだのに、250ニキは硬直してた。

 彼は強者の気配に敏感なのかも知れない。

 

 だからキノネキはお道化て見せたんだろう。250ニキも気分がほぐれて馴染めた様だ。

 自分のバイクを褒められたら、気分が良いよね?

 

 聞けば彼のレベルは18。参加者の中で一番レベルが低かった。

 私と言えば、先日30に上がった所。

 今回のツーリングは、気分転換を兼ねたお祝い半分の企画だった。

 

 

 ウインドシールドの役目は風よけでは無い*2

 

 スクリーン、風防とも呼ばれるソレを私達、カブ主は頂いてしまった。

 贈り主は、当然の如くキノネキである。

 スキル付きの装備を贈れる、お金持ちは他に居ない。

 

「250ニキも要る?」

 キノネキが聞いてたけど、250ニキは迷った結果辞退した。

「止めて置こう。CBには似合わないと思う」

 ってね?

 確かにクラシックな丸目のバイクに大型のウインドシールドは似合わない気がする。

「君達だと、風よけとしては意味が無いと思う。こいつの役割は別にある」

 確かに熱や冷気には耐性があるし、耐性が無くても覚醒者なら風くらいは平気だろう。じゃあ何で?

 

「これ、虫よけなんだよね」

 

 走行中にぶつかって来る虫の被害が無くなる!? もっと早く欲しかった!

 

「簡単に言うと、虫を弾く結界を発生させるんだ」

 キノネキのヘルメットや飛行帽にも同じ術式が刻まれてるんだとか。

 

「虫ってウザイでしょ? 下手すると口の中に入って来るし……」

 

 思い出させないで欲しい。

 カブや衣服を汚すだけでも嫌なのに、運が悪いと口や目に……

 忘れろ! 忘れるんだ私!

 

「もっと早く教えてよ~!!」

 LLENNネキが不満の声を挙げる。私も同感だ。

「どんな事でも、一度は経験しないとね?」

 キノネキはアッサリ言い放つ。

「そういった不満が、改良の糸口さ。イヤなら自分で動かなきゃ」

「どういう事?」

「これは嫌だから、どうにかしよう。ここが不便だから改良しよう。そうやって技術は進歩してきたって事さ」

「ふーん?」

 LLENNネキが呟いている。

「ボクとしては君達が自ら動くのを待ってたってとこ」

 んむ、確かに……これは私達が悪いな。

 

 キノネキとて意地悪で教えなかった訳では無いと思う。

 不満があるなら、自分で工夫しなきゃね。

 今回の虫よけだってキノネキの工夫、技術者に相談して造り出した品なんだ。

 そもそも、虫が嫌ならキノネキに相談して、なにか方法は無いのか聞かなくちゃダメだったんだ。

 

 なんでも先輩が教えてくれると思ってちゃダメなんだな。疑問に思ったなら先輩や専門家に確認しないと……

「受け身で待つだけじゃダメなのかもね」

 

「む~? 確かにそうかも?」

 LLENNネキも納得なのかな?

 

 この手の術式はデータベースに登録してあり、パテントを払えば誰でも知る事も使う事も出来る。

 努力次第では自作も出来る様になるんだって。私は興味ないけど……

 不便を感じたら、先輩や技術者に相談する。既に解決策があるかも知れないし、解決策が無くても技術者へ、こんな需要があると教える事になる。

 思いがけず進展する研究もあるかも知れない。

 報連相は大事ってキノネキの口癖、趣味の事でもヤッタ方が良い様だ。

 

「ワタシは経験して無いんですけど、良いのかな?」

 おさげを揺らして〝お天気ネキ〟が首を傾げている。

「タイミングの問題だしね~? 良いんじゃない?」

 おい、キノネキ!?

「お天気ネキだけ、仲間外れも良くないし」

 ……仕方が無いか。

「でも、バイク乗りアルアルだから、覚えておきなよ?」

 ツーリング先でバイク乗りが知り合って、苦労話で盛り上がるってのも、良くある事なのだとか。

 

 私には関係ないかな? コミュ症ナメンナ!

 私が旅先でバイク乗りと親しく語らう? そんな可能性は無い!(断言)

 なにしろ、身内の掲示板ですら積極的に話せてないからな!

 

 

 私の知らない所で増えた参加者

 

「来てくれてありがとーねー♪」

 LLENNネキが笑顔で語りかけてる。

 増えた参加者は三人。お天気ネキと250ニキ、そしてキノネキだ。

 

 ぶっちゃけキノネキは保護者枠である。

 なにしろ、知らない人が増えたと知って私が挙動不審になったからね……

 

 自分の身は護れると思うけど、他人の事までは自信がない。

 LLENNネキに次いで、高レベルなのが私らしいし、万が一に戦闘になったら? 仲間を切り捨てる気は無いけど……

 その気が無くても、切り捨てざるを得ないケースだってある。

 悲観的過ぎ? 自己責任? そう簡単に割り切れるなら苦労は無い。

 

 そんな私を見かねてキノネキが参加してくれた。

 キノネキなら、どんな悪魔が来ても倒せるだろう。

 と言うか、キノネキが苦戦する悪魔が出るなら、それは国家レベルの問題だ。

 しかもガイア連合のお膝元、山梨県に出現する?

 修羅勢が複数出るレベルの大問題だと思う。

 

 そんな訳で、一気に気が楽になった……

 キノネキへの借りが着々と増えている。

 

 それにしても奇襲だった。

 LLENNネキと話はしてたけどさ。

「ツーリング仲間を増やしたいねー。出来ればカブ主!」

 私も同意はした。

 その日の内に掲示板で参加者を募るとは思わないじゃん!*3

 

 反対はしなかったけど、内心ガクブルな修羅卵が私だ。

 一応は超人に至ったんだけどな……

 悪魔より知らない人と話す事の方が怖い。そんなチキンが超人扱いってのは申し訳ない。

 これでも少しずつ改善はしてるんだ……礼子頼りだけど。

 

 

 これでも距離は100㎞あるんだけど……

 

 主に国道139号線を使って、約2時間、距離は100㎞前後。

 初心者もいるのに、ソコソコ長い距離を走る事になる。

 

「小まめに休憩しないとだね?」

 

 お天気ネキに無理させちゃダメだよね。

 

「えっ!? こんなの散歩…「黙れ!」…はい」

 距離ガバの言葉は無視する。

 一日で400㎞走って、旅じゃないなんて感覚は普通じゃないのだ!*4

 

 キノネキの距離感は無視する。ヤツに主導権を渡しちゃダメだ!

 

 基本的には頼りになるキノネキだが、ツーリングに関しては、任せられない。

 ソロで走る人だから、普段は問題無いんだろうけど……

 

 私達を心配して着いてきてくれたのは有難いんだけどね?

 他人と感覚が違い過ぎる。

 今回は保護者よろしく、最後尾を走って貰う。

 絶対にね。先頭だけは任せちゃダメだ!

 マスツーなんだ、協調性大事!

 エミール君によーくお願いしとこう(決意)。

 

「んじゃ、千鳥で行こうか」

「キノネキ、千鳥って?」

 LLENNネキが質問してる。私も知らない、なんだそれ?

「二列でジグザグに互い違いで走る方法」

 

 へぇ~、どんな意味があるんだろう?

 

「縦一列で走行するよりも短く纏まる。つまり信号ではぐれてしまう可能性が減るし、周囲の様子を把握しやすいんだ」

 そうなんだ?

「先頭はcubネキが良いかも? 次に礼子ちゃん、LLENNネキ、お天気ネキ、250ニキ、ボクは最後尾を走る事にする」

「私が先頭?」

 ちょっとビックリ?

「先頭と最後尾はベテランが走った方が良いからね。この中だと、ボクか250ニキが一番の経験者だろうけど、排気量的に後方の方が良いと思う。2ストが居たら排気量に関係なく最後方だけど」

 ああ、一番排気量が大きいのは250ニキか、キノネキの経験は言わずもがな。

 2ストロークのバイクは後ろにエンジンオイル吐き出すからなぁ……今回参加したバイクは4ストロークだけだから関係ないけど。

 

「ボク以外だと、土地勘はcubネキが一番でしょ?」

 キノネキと250ニキ、この二人を除けば、一番の経験者は私?

 それに排気量も一番小さい。私が先頭なら後続車がパワー不足で置いてかれる心配は無いんだ……

 信号関係は運も絡むから、はぐれない様に注意しないと。

 後続が追い付くまで、停車する事も考えないとだね。

「わかった」

 そう言う事なら、仕方が無い。迷子にならように気を付けよう。

 一本道だし、暫くは心配いらないかな?

 

 と言う訳で二列になって走り出す。

 時刻は午前9時、ノンビリ走っても、お昼前に到着する予定だ。

 

 

 オカルトだろうと便利アイテムは使い倒す

 

 40km程走ったし、そろそろ休憩だろう。丁度良い場所があるしね。

『〝まかいの牧場〟で休憩するね』*5

 通信の呪符で連絡する。

 持っている者同士でテレパシーが使える便利アイテム。盗聴の心配も殆ど無いし、通信距離も離れ過ぎなければ大丈夫。

 礼子製で1㎞離れても使えた。効果時間は半日程、今回のツーリングには十分な長さだ。

 

 配った時にショックを受けている人がいたけど……

 

「礼子ちゃん、覚えた呪符って何種類目? 簡単なモノを中心に二桁……そっかぁ」

 

 キノネキがガックリしていた。キノネキが覚えた呪符の種類は5年以上かけて片手で数えられるとか……

 なんも言えねぇ。

 

 それは兎も角、インカムよりも便利で確実な手段で連絡を取り合いながら、50分程走った。

 トイレ休憩も必要だし、初心者もいる。

 

 無理する必要はないんだ、ノンビリ走れば良いよね?

 半分以上がトイレ休憩は不要なんだけど。

 私と礼子、LLENNネキと当然キノネキ。排泄不要な超人たち、自分で言ってて違和感があるな?

 一応ギリギリレベル30を越え、【食没】を覚えた、【魂魄精錬法】も頑張って覚えた。

 これで私もボン、キュ、ボンな美女に! って思ってたんだけど……

「小熊には私の腕の中に納まるサイズで居て欲しいなぁ?」

 礼子の甘え顔に負けちゃった。

 まあいい、礼子にモテてるなら満足だし? 男なんて要らないし?*6

 

 ゆっくり目、時速50㎞半ばをキープして走って来たつもりだ。

 バイクのメーターなんて誤差もあるし、目安でしかない。

 酷いメーターに当たると、実際の速度よりも10キロ以上誤差が出る事もある。

 なんでも、その手のメーターをハッピーメーターと呼ぶとか?

 知らなければ、自分のバイクが高性能だと思って、幸せに浸れるのかも? 私は嫌だけど。

 

 ウインカーを出して減速、左折して駐車場に止める。

「ふう」

 ヘルメットを脱ぐとホッとする。

 全員が無事集まって、バイクから降りて、体を伸ばす。

 

「コーヒーでも飲もうよ」

 喫茶店で一休みする事をキノネキが提案してくれた。

 御トイレを借りたい人も居そうだし、丁度良いかな?

 

 ソフトクリームが美味しかった。キノネキ御馳走様です♪

 キノネキが一番の年長さんだから、率先してご馳走してくれた。そうは見えないけど(ぼそり)。

 ホント面倒見が良い人だ。

 

 思い思いに休憩して、再出発。

 景色を楽しみながらの、のんびりツーリング再開だ。

 

 

 慣れて来たみたいだし、順番を変えてみる

 

「んじゃ、こっからはあたし達が先頭だ♪」

 LLENNネキが先頭で二番手がお天気ネキ、私と礼子が続いて、キノネキ達は変わらず最後尾。

 国道を走るだけだし、迷う心配も少ない。馴れて来たみたいだし、先頭の光景を楽しませても良いだろう。

 カブで走ってるとヤエーが少ない気がするね? 普段は夕方以降を走る事が多くて、バイク乗りとすれ違わないからなぁ……

 こうやって昼間走ってると実感する。

 

 スーパーカブって働くバイクだから、趣味で走ってるのか、お仕事中なのか分かり難いからショウガナイ。

 まあ、私のカブと違ってカラフルなカブだからLLENNネキたちが先頭ならヤエーも増えるかもね?

 一応説明すると、ヤエーってのは〝ご安全に〟って意味のバイク乗りの挨拶だ。

 

 流石にお仕事でピンクや黄色のカブに乗る人は少ないよね?

 私が先頭の時よりヤエーが増えた。

 見るからに小柄な女の子が乗ってる所為もあるのかも?

 先頭が私だったし、私だけがスルーされていた可能性もあるのか? 考えすぎかな?

 

『精進湖の展望台に寄って行こう』

 景色以外は何にも無いけど、道沿いだし寄りやすい。

『りょうかーい♪』

 私の提案にLLENNネキが賛同してくれた。

 国道139号線から、左折して国道358号線へ。甲府盆地へ入るまでは延々と山道だし、休める所では休んだ方が良い。

 イヤまあ、超人やら達人レベルの覚醒者が、この程度で疲れるかって言うと、そんな事は無いんだけど……

 走り続ける事が目的じゃ無いんだし、時折停車して景色を楽しむくらいはするよね? 

 

 それなりに車通りはあるけど、渋滞までは起こっていない。

 現地には予定通りに到着できそうだ。

 

『あのコミュ症なcubネキが、友人とはいえ引率している……』

 ちょっとキノネキ? 感動する様な事!?

 礼子もウンウン頷くな!

 

 展望台でアドベンチャーバイクに乗ったお兄さん達、二人に話しかけられた。

 キャンプ道具が満載で、これから本栖湖でキャンプをするらしい。

 リフレッシュ休暇。

 普段は甲府市で働く会社員で、私達に話しかけて来たのは、珍しいバイク二台に興味を惹かれたのと、趣味でカブに乗ってる女の子が珍しかったからとか……

 

 私はキョドって上手く話せなかった。

 隣で皆が話してるのに頷いてただけだ。

 

「知らない人相手ではマダマダかぁ……」

 キノネキうるさいよ!

「小熊は私が助けるから気にしなくても良いのよ?」

 礼子が甘えさせてくれる。このままじゃダメに……なっても良いや♪

 後ろから抱き着かれて、ご機嫌なのだ。チョロいな私w

 

 

 キノネキが先頭……距離は短いし大丈夫だよね?

 

『次のコンビニに入ろう』

 キノネキの指示に従って、コンビニに停車する。

「トイレが必要なら済ませておいて。ついでに飲み物くらいは購入すること! マナーだからね?」

「わかりました、お茶とガムでも買って置きます」

 お天気ネキが御トイレを借りるみたいだ。大丈夫だと思うけど、用心の為にって事らしい。

 じゃあ、私達も飲み物を買ってこよう。

 

 それぞれ買い物を済ませてから、集合する。

 

「此処からはボクが先頭を走ろう」

 

「えっ? キノネキが!?」

 思わず驚いて声を上げた。

「心配ない。此処から現地までノンストップだしね」

 街中を走るし、細かく県道を乗り継ぐ必要もある。旅馴れてて道にも詳しいキノネキが先導するなら迷う事も無さそうだ。

 多少、道が混んでても一時間程度で到着するんだし、距離も短い、大丈夫だよね?

 

「最後尾は250ニキにお願いするね」

「承知した」

 

 キノネキに続いて私達主従、LLENNネキ、お天気ネキ、250ニキと並んで走る。

 

 キノネキは安全運転を心がけるし、信号だって余裕をもって止まる。

 運転に不安は無い。ただ距離ガバが心配なだけだ。キノネキの感覚だと3時間くらいは休憩なしで走るだろう。

 そして言うんだ『小まめに休憩を挟んで見たよ』って……*7

 

 

 無事に到着、そして観光

 

 目的地〝笛吹川フルーツ公園〟に到着したのは12時チョット前だった。

 途中で長めの休憩もしたし、大体予定通り。

 

 ヘルメットはヘルメットバックで持ち歩く。

 バイクにもチェーンロックを掛けて置こう。

 人が多い所には悪人も一定数混ざると思え。

 エミール君も居るし、大半が付喪神なバイクだから盗難しようとしたら、盗人は不幸になるだろうが、隙は見せない方が良い。

 人目が無ければ拡張ボックスに収納するんだけど。

 

「先ずはお昼ご飯だよね♪」

 LLENNネキの意見に全員が賛同し、レストランへ向かう。

 日曜のお昼だけあって、チョット混んでたけど許容範囲。

 それぞれ好きなメニューを頼む。

 

 常識的な範囲での大食いを楽しんだ。

 節約生活を心がけて来た*8私がこんな贅沢を出来るなんて……感動である。

 まあ、折角のステーキだけど、チョット物足りない……比較対象がモンハン肉だからかも? 私の舌も贅沢を覚えてしまった様だ。

 

 果樹園を散歩して、くだもの館を覗き、カフェにも寄って〝プレミアムソフトクリーム〟や〝ももグルト〟を食べる。

 キノネキの言う、素朴な甘さって感覚がわかる気がする。私達覚醒者だと霊的食材の方が美味しく感じるんだけど、それは仕方が無い。

 高級フルーツを食べて、素朴と感じる……やっぱり舌が贅沢になってるね。思わず苦笑する。

 去年までの私ならフルーツの缶詰一つ買うのにも、悩みまくっていたんだけど。

 お金があるって素晴らしい!

 

 楽しい時間は過ぎ去るのが早い。

 遅くなる前に解散かな?

 

「じゃあ、現地解散で良いかな?」

 

「あたしはcubネキと一緒の方向だけどねー」

 確かにLLENNネキとは、もうちょっと一緒に走れるね。

 

「んじゃあ、二人はボクが送ろう」

 キノネキがついてくらしい。

「万が一があったら嫌だからさ」

 心配し過ぎだとは思うけど、用心に越した事は無いってさ。悪魔は兎も角、メシアン対策は必要なのか……

 

 常在戦場。

 

 キノネキは常に備えているのかも知れない。

 無理はしていない。

 自然体で敵襲に備える。

 

 このノホホンとした大食いの友人は、高レベルの修羅勢なんだと改めて思い知らされた。

 

 でも、襲われるのが当たり前って嫌だな……

 そうだよ、悪魔以外でもメシアンに襲われる可能性があるんじゃ無いか! すっかり忘れてた!?

 油断しすぎだぞ、私!

 

「今後はキノネキと一緒のツーリングは止めた方が良いと思う」

「なんでぇ!?」

 なんかビックリしてるけどさぁ。

「キノネキってメシア教過激派に公然と敵対してるし、一緒に行動してたら不必要に目立つ気がする」

 はっ、確かに! って顔になるLLENNネキ達。

「チャント警戒してたし、認識も誤魔化してたんだよ!」

 キノネキだって無策では無いか……それでも、今度からキノネキのマスツーはご遠慮頂こう。

 少なくとも、当分の間はダメだね。

 

 余程の長距離を走るなら、キノネキが一緒だと心強いけど、暫くは近郊を走るだろうし……

 キノネキが居れば襲われても返り討ちだろうけど、襲われる事を前提にツーリングをしたくない!

 

「今後もステルスしたいので……」

 

 メシア教に私達の存在がバレるまでは、キノネキとは距離を取った方が安全だと思う。

 お天気ネキと250ニキには特に気を付けて貰わないとだね。

 

「そんなぁ、ツーリング仲間が出来たと思ったのにぃ……」

 私の言葉に衝撃を受けたのか、私達に生orzを披露するキノネキなのである。

 

 私達主従とLLENNネキのチームでなら、偶に付き合うので許して欲しい。

 

 キノネキの今後の活躍をお祈り申し上げます。

*1
セツニキの弟子で神社系産まれの俺ら、儀式魔法として雨乞いが出来るらしい

*2
普通は風よけです

*3
想定が甘い

*4
旅って言うなら往復1000㎞くらい走るでしょ?(バカのセリフ)

*5
国道139号沿線の牧場。まかいのはオーナの姓で、馬飼野と書くそうです

*6
本気

*7
負の信頼

*8
節約せざるを得なかっただけ




オチが弱い気がする?
キノをオチに使い過ぎてる気もする?

キノが芸人過ぎるから仕方無いな!(開き直り
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。