「………」
「秋織?」
「………」
「秋織!」
「…!雲璃…どうした?」
「元気無いよ?大丈夫?」
「……元気無いよ。ちょっと疲れた。」
秋織と雲璃は座り合いながら話していた。
「やっぱり獣化した事があんまり良く無かったの?」
「うん。」
秋織は静かにそう言った。雲璃は驚きつつも、納得する。
自分が自分で無くなったかのような感覚に陥ったからだ。秋織は珍しく落ち込んでいた。
「…むん!」
「!?」
秋織は雲璃に投げ飛ばされ、湖に落下した。水飛沫を上げながら秋織は出て水を吐く。
「秋織らしくない!いつもみたいに元気出して!」
「雲璃…」
「私…親が死んで悲しかった時も、ずっと秋織に支えられてたよ!秋織だって辛い筈なのにずっと元気に振る舞ってたから…!」
「だから私………あっ…」
雲璃はハッとなって赤面する。
「……雲璃…」
「……ありがとな」
秋織は静かに呟いた。
「…よっしゃ!こうなったら、どんな敵が来たって!俺たちがぶっ飛ばしてやろうじゃねぇか!」
秋織は湖から這い上がって雲璃の前に近づく。
「俺とお前から、どんな相手にだって勝てる筈だ。だろ!?」
自信に溢れた顔をした秋織。
雲璃も思わず笑顔になった。
「秋織…」
「雲璃。ありがとな。」
二人は自然と抱きついた。
………その様子を静かに眺めていた秋作達。
「いいの、お兄ちゃんでしょ?」
「良いんだよ別に。」
秋作と素裳が話す。
「…大切な人に慰めて元気になったら嬉しいからな。」
「…え?秋作だったら私に慰められたら嬉しいの?」
「……そ、そうだな…」
秋作は赤面して目を逸らした。素裳は無理やり目線を合わせようとするが、秋作はそのまま逃げて行った。
そうしてそのまま二人の様子を遠くから眺めていた秋織と雲璃。
不思議そうに見ていた二人。
「何してるんだ?」
「さあ…?」
……………………
その頃、彦卿は空を見上げていた。
「…珍しいね彦卿。君が悩んでいるなんて。」
「将軍!」
景元将軍が彦卿に話しかけた。
「正直、悩みはあります。このまま戦いが終わるのかどうか…」
「君らしくないな。」
彦卿はそのままベンチに座る。風が鳴く音が聞こえてくる。
彦卿は剣を抜いた。
「僕の力じゃ、秋織や雲璃の力になれません。将軍!僕の事を鍛えてくれませんか!」
「…彦卿…分かった。」
「だが、私だけに頼ってはならない。時には一人で考える事も大事だ。」
「…将軍。」
すると、将軍が箱の中から二刀の剣を出した。
「将軍、これは?」
「私の友人が以前使っていた飛剣だ。役に立てるかもしれない。」
彦卿は静かにその二刀の剣を受け取る。
「ありがとう将軍。僕、自分にできる事をやってみるよ!」
そうして彦卿はその場から離れて行った。
景元は静かにその背中を眺めていた。
「…眩しいな。」
……
その頃、空には神々しい光が迫っていた。
それは滅びの予兆の始まりだった。
ちょっと短めになっちった…