【本編完結】羅浮に吹く旋風   作:サツキタロオ

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もうすぐ終わり。


episode.14:嵐の前の静けさ

「………」

「秋織?」

「………」

「秋織!」

「…!雲璃…どうした?」

「元気無いよ?大丈夫?」

「……元気無いよ。ちょっと疲れた。」

秋織と雲璃は座り合いながら話していた。

「やっぱり獣化した事があんまり良く無かったの?」

「うん。」

秋織は静かにそう言った。雲璃は驚きつつも、納得する。

自分が自分で無くなったかのような感覚に陥ったからだ。秋織は珍しく落ち込んでいた。

「…むん!」

「!?」

秋織は雲璃に投げ飛ばされ、湖に落下した。水飛沫を上げながら秋織は出て水を吐く。

「秋織らしくない!いつもみたいに元気出して!」

「雲璃…」

「私…親が死んで悲しかった時も、ずっと秋織に支えられてたよ!秋織だって辛い筈なのにずっと元気に振る舞ってたから…!」

「だから私………あっ…」

雲璃はハッとなって赤面する。

「……雲璃…」

「……ありがとな

秋織は静かに呟いた。

「…よっしゃ!こうなったら、どんな敵が来たって!俺たちがぶっ飛ばしてやろうじゃねぇか!」

秋織は湖から這い上がって雲璃の前に近づく。

「俺とお前から、どんな相手にだって勝てる筈だ。だろ!?」

自信に溢れた顔をした秋織。

雲璃も思わず笑顔になった。

「秋織…」

「雲璃。ありがとな。」

二人は自然と抱きついた。

 

 

………その様子を静かに眺めていた秋作達。

「いいの、お兄ちゃんでしょ?」

「良いんだよ別に。」

秋作と素裳が話す。

「…大切な人に慰めて元気になったら嬉しいからな。」

「…え?秋作だったら私に慰められたら嬉しいの?」

「……そ、そうだな…」

秋作は赤面して目を逸らした。素裳は無理やり目線を合わせようとするが、秋作はそのまま逃げて行った。

そうしてそのまま二人の様子を遠くから眺めていた秋織と雲璃。

不思議そうに見ていた二人。

「何してるんだ?」

「さあ…?」

 

 

……………………

 

その頃、彦卿は空を見上げていた。

「…珍しいね彦卿。君が悩んでいるなんて。」

「将軍!」

景元将軍が彦卿に話しかけた。

「正直、悩みはあります。このまま戦いが終わるのかどうか…」

「君らしくないな。」

彦卿はそのままベンチに座る。風が鳴く音が聞こえてくる。

彦卿は剣を抜いた。

「僕の力じゃ、秋織や雲璃の力になれません。将軍!僕の事を鍛えてくれませんか!」

「…彦卿…分かった。」

「だが、私だけに頼ってはならない。時には一人で考える事も大事だ。」

「…将軍。」

すると、将軍が箱の中から二刀の剣を出した。

「将軍、これは?」

「私の友人が以前使っていた飛剣だ。役に立てるかもしれない。」

彦卿は静かにその二刀の剣を受け取る。

「ありがとう将軍。僕、自分にできる事をやってみるよ!」

 

そうして彦卿はその場から離れて行った。

景元は静かにその背中を眺めていた。

「…眩しいな。」

 

……

 

 

その頃、空には神々しい光が迫っていた。

それは滅びの予兆の始まりだった。




ちょっと短めになっちった…
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