ベル君のエロ本を書くのは間違っているだろうか? 作:リーグロード
今やオラリオで話題をさらうルーキー、ベル・クラネル。実は彼のことを話題になる前から私は知っていた。
というのも、私は転生者で、前世でこの世界『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』を見ていたからだ。
まあ、言うまでもなく、神様から転生特典を授かってこの世界にやってきた私ですが、ダンジョンに潜ったものの、命のやり取りに怯えて心が折れてしまったタイプの人間なんです。
その転生特典とは、静寂のアルフィアに匹敵する才能を持つ、いわゆる才能マンな人間になれるというチートなんです。
剣も槍も魔法も、人並み以上に容易く出来るとはいえ、前世はただの一般オタクな私では宝の持ち腐れでしかなく、上層のゴブリンですら、出会った当初は悲鳴を上げてへっぴり腰ながらも、才能のごり押しで勝つことしか出来ませんでした。
そうして、冒険者になることを早々に諦めた私は、前世とまったく同じ、オタ活に励むことにしました。
私、これでも前世ではそこそこ有名なサークルで絵を描いてまして、有名な作品の薄い本とかも販売してました。
ここまで話せば、次に私が何をするつもりかもう分かりますよね?
そう、この世界の主人公ベル君を竿役にしたエロ本を描いて販売します!
才能のごり押しで倒したモンスターの魔石を売ったお金を全て漫画の材料費に充てて作成したその本のタイトルは『夜の兎は狩られる運命』で、無許可のまま歓楽街の片隅でひっそり売っています。
現在は、ギルド受付嬢のエイナさん、剣姫アイズ、サポーターのリリ、酒場店員のリュー、それぞれのバージョンがあります。
実在の人物をモデルに描いたため、歓楽街の客層に受け入れられるか不安でしたが、高クオリティな漫画が功を奏したのか、用意した4種類、合計400冊の本は二晩で完売しました。
客層は男性7割、女性3割で、娼婦のお姉さん方も逆レみたく襲われるベル君に魅了され、興奮して購入してくれました。
「え~、私が必死こいてダンジョンでゴブリン倒すよりもお金稼げちゃったよ……」
こうして、私の手元にはダンジョンでモンスターを倒すよりも多くのお金が転がり込んできた。
前世と違い、文明の利器がまったく存在しないこの世界でも、アルフィアの才能という特典によるごり押しで活用した結果、これからの生活への不安も消え、私は浮かれていた。
そう、この世界に著作権はなくとも、ベル君のエロ本を描き販売した以上、その関係者に目をつけられる可能性をすっかり忘れていた愚かな私は、将来、想像もつかないほどの罪で裁かれることになろうとは夢にも思わなかった。