ベル君のエロ本を書くのは間違っているだろうか?   作:リーグロード

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酒場の黒猫の場合

 

 如何に今を品行方正に過ごしていたとしても、過去は変えられない。

 かつて、裏社会で名を馳せた黒猫の異名を持つ自身の名を勝手に語る偽物が現れたことも、同僚から聞いて知っている。

 

 だが、例えその偽物を百億歩譲って許せたとしても、これだけは決して許せはしない!!!

 

「ニャんで、ニャんで少年のお尻を私は堪能出来てないのに、こんな本が売られているニャ~!!!」

 

 そう叫ぶクロエの手には、恥ずかしそうにお尻を撫でられながら、ぎゅ~っとクロエとハグしているベルの絵が描かれた表紙の本があった。

 

「あ~、また新しい冒険者君のエッチな本が売られたんだ。リューはともかく、アーニャの本が売られた事には驚いたね」

「む~、私の本は全然描いてくれないのに、なんでアーニャとクロエの本が先に描かれているの!!」

 

 騒ぐクロエの元にルノアとぷりぷりと怒るシルが集まる。

 前回のアーニャ本では、みんなしてこの恋する猫人は誰だ?と本人と描かれた本の中のアーニャを比べて割りとガチで困惑したり、潔癖エルフが「何故私はあんな恥ずかしい衣装を着せられたというのに、アーニャは普通に……」とブツクサ文句を垂れていた。

 

「それで、今度はどういう内容なわけ?」

「ニャ!ルノアはドスケベだニャ!同僚の恥ずかしい本を興味津々に読もうなんて、もうエッチ~!!」

「前にアーニャの本が売られた時、いの一番に読もうと騒いだのはアンタじゃんか!?」

「そうそう、だからみんなで読もっか」

「あっ!?」

 

 ルノアに突っ込まれたクロエの隙を見逃さず、シルがこっそりとクロエの手から本をひょいと奪い取り、テーブルに広げて中身を確認する。

 

『う~、もう飲めまへぇんよ~、クロエひゃ~ん///』

 

「「アウト!!」」

「ミャーが飲ました訳じゃないにゃ!?」

 

 クロエの手によって、ベロッベロに酔っ払わせたベルの姿がそこには描かれていた。

 ちなみに、クロエの服装は酒場の店員のものではなく、黒を主張とした普段着のそれで、完全にオフの日だと分かる。

 そんなアルハラをかまして酔わせたベルを、手慣れた手つきで立ち上がらせて店を出る。

 

『んぅ~。クロエひゃん、お尻くすぐったい///』

『それは少年のお尻が良すぎるのが悪い。よってお姉さんに撫でまわされるのは間違っていない!』

 

「うわ~、酔わせた上にセクハラとか、リューが見たら制裁もんだよ、これ……」

「私も、酔わせてお持ち帰りはいけないと思いま~す」

「だから、ミャーはまだしていないニャ!」

「いや、まだって言ってる時点でアウトだろ」

 

 アルハラにセクハラと、正義の眷族が見れば助走をつけて殴りかかってきそうな内容に、ルノアとシルはすっかり引いてしまっている。もっとも、これは先日店に乱暴に押しかけてきた女の妄想本だとわかっているので、あくまで身内ノリの一環だ。

 とはいえ、勝手な第三者の妄想でいじられるのが面白くないクロエは、話題を逸らそうと次のページへとめくった。どれだけからかわれて文句を言っても、本の中身に興味がないわけではなく、三人揃って本を覗き込む。

 

『ほ~ら、宿に着きましたニャ~』

『んにゅ~──……』

 

 まるで野生を忘れた家兎のように、クロエにされるがまま服を脱がされ、パンツ一丁の姿にされてしまう。

 そんな状態にされてもまだ状況を理解出来ていないのか、ベルは酔って赤くなったトロ顔のまま、両手をふらふらとさせて子供のようにクロエを求める。

 

『クロエひゃ~ん……』

『むふ~!ほれほれ、こっちだ少年』

 

 自分を求めて両腕を伸ばしてくるベルの姿に気を良くしたクロエは、ベッドに座ったままで両手を広げて少年を待ち構える。

 だが、酔っ払ってフラフラになっているベルは、その腕の中に飛び込むのではなく、勢い余って倒れるようにクロエのお胸にダイブする。

 

「あ~、これ私が彼女にリクエストした妄想なのに、なんでクロエが使っちゃうんですか!?」

「ミャーに文句言うニャ、シル。でもまあ、こんな可愛い少年になら、お胸にダイブされても悪くないニャ!」

「あんた……マジでそれやったら、シルとリューが黙ってないだろうから、絶対やめとけよ」

 

 自分の妄想を勝手に使われたシルは、頬をぷくっと膨らませて抗議する。クロエからすれば完全なとばっちりだが、このシチュエーションはかなりのごちそうさまイベントなので特に不満はない。むしろ、機会があればされてもいいと思っていそうな発言をすると、ルノアが念のため釘を刺した。

 

『むふふ、少年のプリチーな尻は柔らかくて形もいいけど、体の方も冒険者らしくがっちりして、抱き着きやすいニャ……』

『ふわぁ~、そんなにモミモミしないでくださぁい~……』

 

「「2アウト!!」」

「だから、ミャーはしていないニャ!!」

 

 もうセクハラ親父の顔してベルに抱き着きながら、パンツに手を突っ込んでベルのお尻を堪能するクロエの姿は、誰がどう見てもアウトだった。

 ルノアとシルが叫び、クロエは猛抗議する。ただし、二対一であるクロエに勝ち目はなく、話題を逸らすしか方法はなかった。

 

「仮にミャーがアウトだったとしても、少年は美人な猫人のお姉さんにセクハラされて喜んでいるニャ!」

 

 そう、妄想の中のベルは嫌がるどころか、むしろ嬉しそうに顔を弛緩させ、クロエにされるがままになっていた。

 まあ、彼女が描くものは全て純愛ものであるから、当然のことなのだが……。

 

『もう、そんなに僕で遊ばないでください。僕だって男──なんですからね』

『フミャ?』

 

 赤くトロ顔だった表情は薄れており、パンツにテントを張ったベルがベッドに座るクロエを強引に押し倒す。冒険者故に酒のアルコールを解毒する速度が早く、酔いが醒め始めていたのだろう。

 立場が逆転して状況が理解できていないクロエは、今度はベルにされるがまま服を脱がされていき、お尻の代わりに胸を揉みしだかれる。 

 

「もう、これも私がリクエストしたワイルドな一面を見せるベルさんのシーンじゃない。クロエばっかりズルいよ~!」

「おミャー、どんだけリクエスト出したんだニャ?」

「確か、ミア母ちゃんが怒鳴るまで、延々と語ってた記憶があるね」

 

 またしても、自分の妄想を勝手に使われた事に文句を垂れるシルに、クロエはあの日やって来た彼女にどれだけ無茶ぶりを言ったのか、呆れ気味に聞いた。

 あの時のシルの語り続ける様子を思い出しながら、ルノアも思わず呆れ気味に呟いた。  

 

『ま……待つニャ、少年!おミャーのデカイのブチ込まれたら、流石のミャーも──』

『待ちません。散々僕を玩具にしたんだし、お仕置き……受けてくれますね♪』

『フニャ~~~!!?』

 

「うっわ、冒険者君って意外とSの顔も出来るんだ?」

「ふふ、普段の優しいベルさんも素敵ですけれど、ちょっと強引で野性味のあるベルさんもいいですね!」

「うにゃにゃ……、ま……まあ、尻尾握って無理矢理迫ってくる少年もアリかニャ?」

 

 現実では絶対に見せないような顔でクロエの尻尾を掴み、有無を言わせず迫るベルに、新しい発見をしたとばかりに三人は頬を赤らめて感想を口にした。

 そうして始まるのは蹂躙劇、兎は草食ではなく肉食だったのかと勘違いしてしまうくらい、ベルはクロエをドロドロになるまでヤりまくりの発情しまくりで堕とす。

 

『ニャー♡ニャー♡』

 

 甘ったるい発情期の猫のような声を上げるクロエのシーンを見て、ルノアは顔を真っ赤にしながら疑問を投げかけた。

 

「うっわ、アーニャの時もそうだったけど、獣人ってこうなっちゃうと、言葉忘れちゃうわけ?」

「ち……違うニャ!……多分、実際にこうなったことなんてないし、ミャーはよく知らないけれども!」

「ん~、別に獣人じゃなくても、男の人に本気でヤられたら、女なんてこういうもんだよ♪」

「「うわ~、生々しい」」

 

 いい笑顔なのが余計にリアルさを増すシルの回答に、クロエとルノアはドン引きだ。

 そうしてベルの本気になったS○Xに、三人は喋る事も忘れて読み進めていき、最後にはベルの真っ白い液体で汚れたクロエにキスしながら、互いに抱きしめ合って寝るという形で終わった。

 

「これは、ますます私の本も作ってもらわなくちゃ!」

「ええ~。いいの?だってこれ、他の人も買って見ちゃうんだよ?」

「そうニャ!ミャーの裸が薄汚い野郎のおっさん共の目に~……」

 

 自分の身体を抱きしめて、妄想本とはいえ変態共の目に晒されることに、クロエは嫌な顔で抗議する。

 だが、シルは気にした風もなく言い切る。

 

「まあ、そうかもしれないけど、これでベルさんの外堀をちょっとでも埋められるなら、安いものじゃない?」

「「シル……恐ろしい子!」」

 

 悪魔的な策士の顔を見せたシルに、クロエとルノアは白眼になって震え上がった。

 その日以降、シルがベルにお酒を勧める頻度が増えたことに気づいたクロエとルノアは、再び彼女の策士ぶりに戦慄するのだった。

 




あとちょっとで評価9が赤バーに!!!みんなの高評価をオラに分けてくれぇ!!!

次回以降は、派閥大戦を終えてすぐ辺りの時系列として書きます。
一応、作者はアニメ勢で、小説は買ったのはいいけれど、執筆活動に忙しすぎて、読まずに積んでしまっているタイプなので、間違ってたりしたらすみません。
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