ベル君のエロ本を書くのは間違っているだろうか?   作:リーグロード

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ついに念願の評価9が赤バーになりました。長年小説を書いてきてようやくこの領域に立てたことに感謝!!!
しかも、もうちょっとで400にも届きそうで、やる気が湧き上がってくる。


ヘディン死す

 

 オラリオ全土を巻き込んだフレイヤの派閥とオラリオの派閥連合による戦争遊戯。様々な思惑と、イレギュラー(自業自得)による原作乖離の後始末への翻弄に、私は疲れていた。

 怒り狂うアレンへの囮役や、自作したアイテムでの援助など、体力とお金が物凄い消費されてしまった。

 

 身バレ防止のためにアンドロメダの透明化の魔道具で顔は隠していたものの、ロキや一部の目ざとい神、それにフィンのような頭の切れる連中には、私がどこのファミリアに所属しているか見抜かれてしまったかもしれない。

 

 そんな不安を抱えながら、執筆活動にやる気も起きない私の元に、一人の女性が訪ねてきた。

 

「こんにちは、同人作家さん」

「あなたは、女神の黄金(ヴァナ・マルデル)!?どうしてここに?」

「あの戦争遊戯で、あんたがどのファミリアなのかは調べは着いたもの。勿論、ホームのこの場所もね」

「あちゃ~、やっぱり……」

 

 あの戦争遊戯って神様が出なきゃ参加できないもんね。それでバレちゃったって訳ね。あれ、嫌がる主神にお金とお酒を貢ぐことで何とか参加したからな。

 具体的には、「い~や~だ~!なんでフレイヤなんて面倒で危ない女と戦わなくちゃならないのよ。そんなにこの間の魅了が怖かったの?嫌だったの?でもでも、あの女と争ってもいいことなんてないし、いい子だからここは穏便に流して見守りましょう」なんて、女神とは思えない、デパートの玩具売り場で駄々を捏ねる子供のような主神様を説得するのに苦労したものだ。

 

「それで、どうして急に私に会いに来たの?これまでの面倒事の清算でもしに来たってわけ?」

 

 

 今はかなり余裕を見せていますが、実際は逃げ足しか取り柄のない私の隠れ家ともいえるホームの場所を、あのフレイヤの眷属が突き止めてやって来たのだから、内心は冷や汗ダラダラです。

 なんなら、バレないようにチラチラとアレンが何処かで私を殺す為にスタンバってないか確かめたりもしてます。

 

「安心なさい。あんたを調べたのは満たす煤者達(アンドフリームニル)である私たちだけの独断だから、他の団員はここの場所も、あなたが何処のファミリアに所属しているのかも知らないわ」

「……?では、あなたは何が目的で私に会いに?」

「それはあなたに一つ依頼をしたくてね」

 

 依頼?あの女神の黄金(ヴァナ・マルデル)が私に依頼とは、一体どんな厄介なものを持ち込むつもりかと身構えていたら、それは実に私向けの依頼だった。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

「グハァッ!!!!」

「ヘディ──ン!!もう止めてやってくれ、ヘイズ。これ以上はヘディンがもたない。というか、もうヘディンのライフはゼロだよぉ!!」

「っ黙れ、このアホが……」

 

 血反吐を吐き倒れるライバルであるヘディンに駆け寄るヘグニ。

 そんなヘグニを押しのけて、何度も立ち上がり、その度に倒されるヘディンであったが、その瞳は死んではいなかった。

 だが、今回ばかりは相手が悪過ぎた。

 

「あら、まだ立てるのね。ならさっきのところをもう一回」

 

 立ち上がったヘディンの前に、嗜虐的な笑みを浮かべながら、ヘイズは手に持った書物に書かれてあることを口に出して朗読する。

 

『この愚兎が、どこまで私の心をかき乱せば気が済むのだ。いいだろう、そこまで私を困らせたいというのであれば、その身をもって償ってもらおうか』

 

「グボッ!!!」

「ヘーディーン!!!」

 

 一体何が起こっているのか。それは少し時を遡るが、事の始まりは戦争遊戯での裏切り行為に対する落とし前からだった。団員たちに一発ずつ殴られ、二発目を狙われたところで反撃し、乱闘騒ぎに発展したが、その詳細はここでは省こう。

 最後の一人、ヘディンに魔法を叩き込まれて怒り心頭のヘイズの番になった時、彼女は一つの条件を出した。それが先ほどの朗読だ。

 曰く、レベル差があり回復職である自分が殴っても罰にならない。ならば、自分なりのやり方で落とし前をつけさせてもらう、と。

 そして、ヘイズが取り出したのは一冊の本だった。

 

 いくら団員同士の仲が悪くても、長年共に過ごしてきた間柄だ。相手が何を嫌がるか、ヘイズはよく知っていた。

 少し前にロキファミリアの凶狼(ヴァナルガンド)とベル・クラネルが薔薇を咲かせる本が売られ、満たす煤者達(アンドフリームニル)内でもちょっとした人気を博した。それを使えると踏んだのだ。

 

 そうして、その本の作者の元に直接出向き、自身の妄想(願望)もちょっぴり詰め込んで出来上がったのが、今手に持っている『ドSエルフと麗しの兎』という題名の本だった。

 その本の内容はフレイヤファミリアに所属するベルが、最近師匠(マスター)がお疲れだからとヘイズに相談し、ならばと満たす煤者達(アンドフリームニル)が全力でベルを女装させてヘディンにアタックさせるという頭の悪い内容だった。

 

 まず、タイトルの時点でヘディンの眼鏡はパリンとショックで割れ、その時点で少し足元がふらついていたように思える。

 なんなら、周りで見ていた男性団員たちはえげつねぇな……と、ヘイズのやり口にドン引きしている。逆に、女性団員の何人かは後でその本を見せてもらおうと目を光らせていた。

 そして、朗読が始まってからが酷かった。

 

『どうした?私に対してこんな挑戦的な格好で出向いてきたんだ。食われてしまっても文句は言えんな?』

『ほぉ、ウチの女共よりもよっぽど女らしいじゃないか、麗しの女神には劣るが、俺をその気にさせるぐらいにはそそるじゃないか』

『この馬鹿弟子が、どれだけ俺を夢中にさせる気だ。言っておくが、もう俺はお前を逃がす気はなくなったぞ!』

 

「いっそ……殺せ……」

「しっかりしろ、ヘディン!!」

「あーっはっはっは!愉快痛快とはまさにこの事ね!」

 

 もはや虐殺レベルでヘディンを痛めつけるヘイズの容赦ない所業に、これまでヘディンに怒りを向けていた男性団員たちも、思わず憐れみの視線を送るほどだった。

 一方で、女性団員たちは別の意味を含んだ視線をヘディンに向けていたが、その詳細は語らないでおこう。

 

 数分後、もはや立つことすらできず土下座のように倒れ伏すヘディンと、腹を抱えて笑うヘイズの姿があった。

 本の中のヘディンの台詞を一つ口にするだけで、純潔を尊ぶエルフのヘディンは派手なリアクションでぶっ倒れ、彼に恨みつらみを抱いていたヘイズも愉快ではあるが、薄い本であるゆえに、その時間も終わる時が早くも来た。

 ふらふらとゾンビのように立ち上がったヘディンに向け、残りラストの台詞であるそれを、今まで以上にヘディンの声色に真似て朗読する。

 

『本当に、貴様は女神にしか許されない俺の心の奥底までズカズカと踏み荒らしてきよって、貴様は一生俺という檻に閉じ込めてやる。覚悟はいいな、ベル?』

 

「────」

「ヘディンが死んだ!!この人でなし!」

 

 精神的に追い詰められすぎたヘディンは、立ったまま死んだように気絶していた。あまりにも非人道的な行為に、雑魚精神なヘグニも思わず叫んでしまったのも無理はなかった。

 

 そうして、戦争遊戯での落とし前をつけ終わったヘディンだったが、しばらくは精神的ショックでベットの上から動けなかったそうだ。

 ちなみに、後日ヘディ×ベルの本が満たす煤者達(アンドフリームニル)内で流行し、ヘディンのメンタルがさらに削られたのは別の話である。

 




これからも感想&高評価お願いします。
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