ベル君のエロ本を書くのは間違っているだろうか? 作:リーグロード
冒険者は冒険してはいけない。一見矛盾しているようだが、それは冒険者を守るための格言だ。つまり、命を落とすような無茶はするなという意味であり、アイズはその言葉が好きではなかった。
一刻も早く強くなりたいアイズにとって、その言葉は自らを縛る鎖であり、足枷のように思っていた。
だが、最近は仲間と心の底から思える者が増え、悲しませたくない人たちがいる今、ふと、この格言も悪くないと思う自分がいることをアイズは自覚した。
だけど、今日はその格言に背いてまで、アイズは冒険することを決意した。
「リヴェリアは……いない」
日が沈み、夜の帳が降りたオラリオへ、アイズはホームを飛び出した。
別にこれが冒険という訳ではない。確かに、夜の街は治安が悪くなるが、第一級冒険者となっているアイズにとっては、特に危険はない。
では、何が冒険なのか?それは──
「ついた。ここが歓楽街……」
歓楽街──オラリオの中でも、特に女性が足を踏み入れるには勇気がいる場所だ。
子供の頃、古参の冒険者であるノワールさんから「大人の階段を登る場所」だと聞かされ、それを「強くなれる場所」と勘違いして乗り込もうとしたら、リヴェリアに怒られた思い出がある。
今では、ここがどういった場所なのか理解しており、自分には関係のない場所だと思っていたが、一つ気になる物がここで売りに出されていると知って、今日はここに足を運ぶことにしたのだ。
私にとっての未知であり、リヴェリアとの約束を破ることになる場所に足を踏み入れる。
それこそが、今日、私がしようとする冒険!!
そうして覚悟を決めて歓楽街に足を踏み入れると、そこは私にとってまるで別世界だった。
以前、クノッソスの鍵を探しに来たときとは違い、女性が男性に媚びるような、男性が女性に出会いを求めるような光景に思わず目を奪われる。
ちょっと……知らない世界すぎて正直怖い。でも、ここには……ベルのあの本が売られている。
リヴェリアに「そういうのはお前にはまだ早い」と言われ、関わることを許されなかったのだ。
でも、私だってもう大人の女。少しくらい、冒険したっていいはず!そうアイズの中のリトルアイズが奮起する。
そうして、コソコソとレベル6の敏捷性をフルに生かし、一人で誰にも気づかれることなく行動を開始する。
以前ロキに教えてもらったスパイのようだと若干心をウキウキさせながら歓楽街を探索していると、お目当ての簡易的な屋台を見つけた。
ここにベルの本が売られている。少し緊張しつつ、店員と思われる女性に声をかけた。
「あの……すみません……」
「ん、お客さん?って、剣姫!?」
私の顔を見るなり、驚いて逃げようとする。というか、逃げた。
フィン達が逃がしたっていうから、逃げ足が速いのは知ってたけれど、油断した隙に一瞬で見えない場所まで逃げられるのは予想外だった。
「本……買いたかったのに……」
思わずそう呟くと、ふと視界の端に売り物として並べられている本が目に入る。
新刊と書かれて並べられているのはフレイヤファミリアのヘルンさんと、首に鎖を繋げられたベルの本だった。
他にも何冊か置いてあったので、とりあえず、テーブルにお金を置いて何冊か持ち帰る。
ホームの誰にも見つからないように自室に戻る。もしリヴェリアにこれが見つかれば没収された後に、長時間のお説教が待っているだろう。
それでも、アイズの好奇心は止められず、新刊と書かれて置いてあったヘルンさんが表紙に描かれていた本を手に取って読む。
『あれ……ここは……?』
開幕1ページ目から、全裸にひん剝かれたベルが壁に両手両足を鎖で繋がれていた。
当然、その状態ではベルのベル君が隠せられる筈もなく、ブランとぶら下がっているブツがアイズの目に留まる。
「──っ、ベルのおち○ち○」
これで二度目になるそれに目が奪われる。アイズは無意識に喉を鳴らし、そっと指で描かれたそれに当てる。
なぜそんなことをしたのか、アイズ自身にもわからない。ただ、そのページを開いたまま固定し、アイズはベルのアソコをじっと見つめ続けていた。
そして、しばらくしてようやく指を離し、次のページへと進めた。
『あら、目が覚めたんですね』
『──ヘルンさん!?って、なんですかその格好は!!?』
暗闇から姿を現したのは、いつも通りに見えながらも太ももやへそ、腋が大胆に露出した衣装をまとったヘルンだった。いつもの黒いドレスを改造し、アマゾネス風に仕上げたその姿にベルは顔を真っ赤にして反応し、それを見たアイズは自分でも理由の分からないモヤモヤが胸に広がり、頬をぷくっと膨らませた。
『っていうか、僕のこれ外してもらってもいいですか?』
『嫌です』
『ありが──嫌っ!?』
「……なんで外してあげないんだろう?」
アイズの中でヘルンは優しい人という印象があった。だから、ベルの鎖を外してあげるものだと思っていたのだが、ヘルンはそれを拒否して妖艶に微笑むと、ゆっくりとベルへと近づいていく。
やっぱり外してあげるんだと思って読み進めていくと、アイズの予想に反してヘルンはベルの丸出しとなっているアソコを鷲掴みする。
『ちょっ──、ヘルンさん!?どこ触って!!?』
『やはり、女性と見るや、こんな風に固くして、この性獣!!』
「ええっ!!?」
ヤンデレという存在を初めて目にして、それも知っている人がそんな行動に出るなんてアイズは思いもしなかった。
そして、ベルのアソコがヘルンの手によって大きくなる様子に衝撃を受ける。
アイズが目にした自分との本では最初からその状態だったが、男の人がその状態に至るまでの過程を目の当たりにしたのもまた初めてだった。
『そんなとこ、触っちゃ──!?』
『うるさい口──ッ♡』
「あっ、キス……」
騒ぎ出そうとしたベルの口を、ヘルンが無理やりキスで塞いだ。
それは、キスは男女の愛情表現と理解しているアイズにとって、まったく未知の行為だった。
どうしてベルの拘束を解いてあげないのか、わざわざキスで口を塞ぐ意味は何なのか──そんな疑問も、すべてが未知の大人の男女の関係に押し流されていった。
そうしてページを黙々と読み進めていく。その姿は思春期を迎え、初めてのエロ本を読む男子中学生のようであった。
濃密なキスシーンから切り替わって、次はベルのアソコを触るヘルンの手元が描かれる。乱暴に、それでも気持ちいいのか、ベルのアソコは元気一杯の状態になって、先っぽから我慢した結果出る液体がヘルンの手を汚す。
『んッ♡ヘルンさん──僕……もう……』
『ダメよ。こんな程度で楽にさせるわけないじゃない!』
唇を離して、今にも限界を迎えそうになっていたベルのアソコを力強く握ってヘルンがそう告げると、ベルは涙目になってプルプルと震える。
その反応に満足したのか、ヘルンは妖艶で嗜虐的な笑みを浮かべる。
『そうやって!女の庇護欲を搔き立てる顔をすれば!!誰も彼もが言うことを聞いてくれるとでも!!?』
『でも、僕もう限界で……♡』
『いいえ、ダメよ。貴方は罪人♡た~っぷり苦しまなきゃいけないの♡』
荒い息を吐きながら、ヘルンの手はより激しく、そして繊細にベルのアソコの先端部分を扱う。
その度に、ベルの口から苦しそうに♡マークのついた喘ぎ声が漏れる。
その姿にアイズは思わず、ゴクリと息を呑み、視線が我慢のし過ぎで無意識に腰を振るベルから離れなかった。
その姿はまさに、まな板の上に縛り付けられた兎のようであり、アイズの中に眠っていたSの扉の鍵がガチャリと開けられる。
じんわりと股の間から知らない何かが垂れ出してくるのも構わずに、アイズは涙目で楽にして欲しいと懇願するベルをウットリと見つめる。
『ヘルンひゃん♡ぼきゅ……もう……♡』
『この程度でもう呂律が回らなくなってきたのですか?まあ、いいでしょう。そんなに出したいのなら、今まで我慢した分、たっぷり出させてあげるわ。ただし、──私の中でね♡』
ベルのアソコから手を離して、一歩距離を置いた状態で、両手で改造されたドレスのスカート部分をたくし上げると、そこには履いていない状態のすっぽんぽんなヘルンのアソコが姿を現す。
たくし上げたスカートの端を口にくわえて、落ちないようにしている状態でベルに近付くと、期待したようにベルのアソコが犬の尻尾のように上下に振れる。
そのまま、ヘルンはベルの上半身を抱きしめにかかり、互いに自身の液体で濡れたアソコ同士を合体させる。
その瞬間、ベルの今まで見たことのないような蕩けた顔が、アイズの視界に焼き付いた。
「やっぱり、これって……気持ちいいんだ?♡」
その行為が大人の男女がする、性愛の行動ということはアイズも知識として知っていた。
自分をモデルにされて描かれたあの本でも、ベルが気持ち良さそうにしていたのを思い出しながら、凶悪なモンスターと対峙した時とは違う、胸のドキドキを覚えていた。
ヘルンが腰を動かすたびに、ベルは体全体をビクンと跳ね上げる。そして、その度に透視化されたヘルンのお腹の中の赤ちゃん部屋にベルの真っ白ミルクが注ぎ込まれていく描写がされる。
最初は限界を迎えているにも関わらず、何度も刺激を与えられることを嫌がるように首を左右に振っていたベルもやがては諦めて快楽に浸るように、涎を垂らしながらパクパクと口を開閉するだけとなった。
『どうしましたか?もう限界?違うでしょ、だって貴方のはまだ私の中で元気一杯なんですもの!!♡さあ、私と貴方の家族を作りましょう?いっぱい、いっぱい、い~っぱい♡♡♡』
「っダメ!ベルは──!!?」
咄嗟にヘルンの家族発言にアイズが叫ぶ。それが本に描かれているだけの誰かの妄想だと分かっていても、なぜか胸がザワつき、これ以上見続けると何かを失ってしまいそうで不安になったからだ。
それでも、アイズはどうしても続きが気になってしまい読み進めてしまう。そして──鎖を外されて自由にされた状態で尚も貪られるベル。
体位を変え、腕を回し、何度もキスを繰り返す。最初はその行為に軽い拒否を口にしていたベルも調教の末に、自らの意思でヘルンに絡みつきにいく。
何度も、何度も、達していく。そして、既に許容量を超えたミルクを注がれたヘルンが先に限界を迎えた。
『っ、そろそろ限か──♡』
『嫌です。そう言って、可愛い顔で言えば僕が許すと思ってましたか?♡』
「っ、ベル?」
自業自得と言うべきか、ヘルンの体力が切れたことで主導権がベルへと移る。
そうして、ベルは今度は自分が責める側に回ると、足を抱えて持ち上げる。通称、駅弁を売るスタイル。
逃げようにも抱えられて身動きの取れないヘルンを、今度は逆にベルがイジメ返していく。
『死ぬ♡死んじゃう♡』
『ごめんなさい♡でも、ヘルンさんが悪いんですからね!♡僕をこんなにイライラさせるから!!♡』
「──っ、いつものベルじゃない?」
泣きながら死ぬと懇願するヘルンの声を無視してスクワットの要領で何度も腰を振るベル。
その姿は、普段の優しいベルとはかけ離れており、アイズは初めて見るその姿に思わず息を呑みながら、目が離せなかった。
そして、ついに限界を迎えたヘルンがだらしない顔を晒しながら意識を失った。
だが、それでもまだベルの興奮は収まらないらしく、気絶したヘルンの首筋に嚙みつくようにキスをしてそれから──。
コンコン
「──っ!!!?」
部屋の扉をノックする音を聞いて僅か0.3秒で本を閉じて、買ってきた他の本と纏めてベッドの中にしまい込む。
「アイズ、起きているのか?」
「な、な、なに、リヴェリア!?」
「?どうした、アイズ。汗だくじゃないか」
「ちょ、ちょっと運動を……。それよりも、リヴェリアはどうして?」
「ああ、いや、なに、お前の部屋から明かりが漏れているから、まだ起きているのかと思ってな。もう夜も遅い。夜更かしせずに早く寝なさ──」
そこでリヴェリアが言葉を止める。その視線はアイズではなく、ベッドの中へと向けられる。
リヴェリアの視線につられるようにそちらを見ると、慌てて本をしまい込んだせいで布団がこんもりと山になっており、それがリヴェリアの目に留まったのだ。
「先程からのお前の妙な態度といい、あの布団の膨らみといい……。アイズ、悪いが開けさせてもらうぞ?」
「ダメッ!」
リヴェリアの腕を掴んでベッドから遠ざけようとするも、レベル6のステイタスに加えて、オカンの言外の圧力によるデバフ効果で抵抗むなしく布団は取り払われる。
「……なんだこれは?ドSヘルンさんのウサギの調理法」
「あの、リヴェリア?……気絶している」
恐る恐るリヴェリアの様子を覗き込むと、まるで石のように固まっていた。
何度か顔の前で手を振ってみても反応はなく、これをチャンスと見たアイズは本をすべて別の場所に隠し、気を失ったリヴェリアを誰にも見つからないようホームのリビングへ運び出した。
「んぅ……?ここは……?」
「あっ、リヴェリア起きた」
目を覚ましたリヴェリアの視界に、まずアイズの姿が映り込む。次に見えたのは見覚えのあるリビングだった。ここは確か……と考えを巡らせていると、アイズが早口で、ここで寝ていたら風邪をひくんじゃないかと心配していたと告げる。
眠る前の記憶がどうしても思い出せず、アイズの言葉にも深入りせず、疲れているんだと納得して自室へ戻っていった。
その背中を見送りながら、アイズは心の中で両手を大きく広げて「セーフ!」と叫んだ。
これからあの本の続きを読むのもいいが、流石に今のでどっと疲れた。
リヴェリアにも心配されている以上、今日は大人しく寝て明日にまた続きを読もうと決めて、アイズは自室に戻って眠りについた。
ちなみに、この本を手にしたヘルンは、最後まで読み終えた途端、狂ったように発狂し、包丁を片手に歓楽街を駆け回ったという噂もあったそうだ。
ごめんなさい、ヘルンさんを完璧に理解して描くことが不可能だったので、急遽として読み手をアイズに変更。
水と光のフルランドで、ヘルンの闇にドン引きするアイズの反応から、今回の話になりました。
ヘルンさんの反応を楽しみにしていた読者には申し訳ないですが、作者にはこれが限界でした。
あと、次回はローリエの本作りたいので、彼女が登場する本とか小冊子の名前とか教えてください。