ベル君のエロ本を書くのは間違っているだろうか?   作:リーグロード

29 / 44
ごめんなさい。前回のローリエ・スワルの純愛英雄譚で燃え尽きてしまい、中々続きが書けませんでした。
あれが、俗に言う燃え尽き症候群ってやつだね。


ワイルドベル君とサポーター

 

 オラリオの暇神のみならず、多くの者の手に取られたローリエとベルの純愛本。

 これから先、純愛本に路線変更されるのではないかと、一部の変態神や拗らせ童貞は、心配の声を上げた。

 

「私も、もしかしたら、ベル様と純粋なイチャイチャラブラブな本が売られると思ったのに……!」

「これは……。間違いなく春本ですね」

 

 新刊として発売されたリリルカ・アーデの本の表紙には、いつもの兎を思わせる真っ白なライト・アーマーではなく、アウトローな装備をしているベルが描かれており。

 そんなベルに下顎を掴まれ、強引に唇を奪われる5秒前シーン。

 

「ひとまずは読んでみましょう。もしかすれば、あのにっくきローリエ・スワル様よりもはるかに過激でラブラブなリリとベル様の本かもしれませんし!」

(本の厚さ的に、流石にそれはないのでは……)

「今何か余計なことを考えましたか?」

「い……いえ、別にそのようなことは!?」

 

『ほら、モンスター倒したんだから、早く魔石を拾って』

『は、はい……』

 

 落ちた魔石を拾おうとしたリリだったが、慌てていたせいか、その魔石をうっかり落としてしまった。

 

『ねえ、何やってるの、リリ?』

『あっ、ごめんなさい、ベル様』

 

 足元まで転がってきた魔石を拾い上げ、ベルは鋭い視線でリリを見つめた。

 

『地上に戻ったらお仕置き決定ね』

『は……はい……』

 

「こ……これは、ベル様らしくないというか、酷い扱いでございます」

「そうでしょうか。確かに、ベル様らしくはないですが、これぐらいのワイルドさは新鮮味があってリリは好きですよ。なにせ、冒険者様の中には落とした魔石を拾おうとしたリリの手をわざと踏みつける最低な奴らもいるんですから、代わりに拾ってくれるなら、まだ優しい部類ですよ」

「リリ様のサポーター時代の闇が深い……」

 

 さらりと垣間見えたリリの過去の闇に春姫は戦慄する。

 

 そして、漫画内でベルとリリがダンジョンから帰還し、魔石を換金し終えると、ホームではなく宿屋に真っ直ぐ向かう。

 そのまま一室を借りると、ベルはある装備をリリに手渡す。

 

『こ……これでいいですか、ベル様?』

『うん、とてもよく似合っているよ』

 

 黒色のあぶない水着を着たリリは、恥ずかしそうに頬を赤らめていた。

 彼女の周囲にはスタイル抜群の女性ばかりで目立たないが、パルゥムの中では彼女もかなりのスタイルの持ち主で、よく見れば魅力的なラインがしっかりとある。

 

『それじゃ、こっちに来て』

『はい……』

 

 ベッドで仰向けになるベルの元にリリが近寄る。未だに脱いでいないベルの装備を丁寧に外していきながら、素っ裸にさせたベルにローションを塗りたくったリリが癒しのマッサージという名目で、ベルの全身をくまなく愛撫する。

 

「ミコココ──ン!!?これが、マッサージでございますか!?」

「春姫様、うるさい!ですが、なるほど、今度ダンジョン探索でお疲れになったベル様にやって差し上げましょう」

「リリ様ぁ!?」

 

 リアルでエロ漫画の所行をやらかそうとするリリに春姫は驚きの声を上げ、どうにかこうにか考え直すように説得した。

 

『もういいよ、リリ。それじゃ、ダンジョンで大した役に立たなかった分、ちゃ~んと体でお仕事してもらおうか♡』

『了解しました。ベル様』

 

 ベルの息子が戦闘状態になり、そこにリリが水着の一部をズラしてドッキングする。

 今じゃ、都市中の誰もが知る、ベル・クラネルの凶暴な魔剣はパルゥムの肉体には酷であり、意味深な繋がりをしたリリのお腹は妊婦のように膨らんでしまっている。

 

『流石にリリの小さな体じゃキツイよね。馴染むまでゆっくりほぐしていこうか』

『ふぁい……♡』

 

 ふやけた表情でおもむろにベルにしなだれかかりながら、キス待ち顔のリリに応えるように、ベルはリリの顎を掴むと、そのまま唇を奪う。

 

「キャー!なんですか、このワイルド過ぎるベル様はご馳走です!!」

「──キュウ~」

 

 リリは鼻息を荒くしながら、いつもより悪っぽくなったワイルドなベルに興奮し、春姫はそのワイルドさに当てられて目を回し、そのまま倒れてしまった。

 

「ああもう、本当にこのむっつり狐は……」

 

 世話の焼ける気絶した春姫をレベル2の腕力でベッドに引きずって寝かしつける。

 その後、リリは一人でワイルド過ぎて兎から、どこぞの狼を彷彿とさせる態度のベルと自身の熱い一夜の運動を黙々と読みふける。

 やがて、ベッドの上での三回戦を終えてダンジョン探索後の慰安という名の運動を終えた漫画内のベルとリリは、裸で抱き合いながら深い眠りに落ちていく。

 ただ、途中でリリは目を開けると、もう既に寝ているベルの胸元に移動し、そのままベルの腕をちょっと持ち上げて抱きしめられるようにすると、そのままベルの胸板に顔を埋める。

 

『えへへ、ベル様ぁ……♡』

 

 幸せそうな顔でベルの胸元に頭を擦りつけながら、とても幸せな笑みで漫画内のリリは眠りについた。

 

「むふぅ~、最初はワイルドなベル様とのただのご奉仕S○Xなだけの内容の本かと思いましたが、最後の最後で純愛!悪くはない、悪くは無いのですが……っ!!」

 

 インパクトが弱いとどうしても思ってしまう。最後の最後でベルに自分からであるが、抱きしめられる形で終わるのは、正直物足りないとリリは感じてしまっていた。

 なにせ、この本が出される前に出た、にっくき恋敵のローリエ・スワルの本は、肉体関係こそなかったものの、その甘々な純愛英雄譚は『ハイパーダンジョンサンド・タピオカデラックス』に匹敵するほどだった。

 腕に抱きしめられる程度では、あの本の後にギルドに掲示された『白兎の脚(ラビット・フット)に一番お似合いな女冒険者』ランキングで1位を取るのは無理だとリリは考えた。

 ではどうする?あのローリエ・スワルに並ぶには、このエロ漫画の作者を捕まえて無理矢理にでもアレに並び立つ純愛本を描かせるしかないのか。

 だとしたら、やはり春姫様の魔法でレベル3になって捕まえるべきか……いや、あの戦争遊戯で女神の戦車(ヴァナ・フレイア)から囮役で逃げ切った彼女を捕まえるには、一手どころか二手も三手も足りないだろう。

 

「ああ、もう!一体リリはどうすればぁぁぁ!!!?」

 

 頭を抱えてリリが叫ぶ。

 いつか、必ずこのエロ漫画の作者を捕まえて、絶対に自分とベルの超絶甘々で感動と興奮の純愛英雄譚を作らせると覚悟を改めて決める。

 

 




リリの2冊目を書いたけど、前回の本の後だと、役不足感が否めない。
もっとリアクションをさせたいけど、パワーが足りねえ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。