ベル君のエロ本を書くのは間違っているだろうか?   作:リーグロード

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サポーターの場合

 

 その日、イレギュラーだらけの遠征から帰還し、ランクアップを果たしたリリに今世紀最大の衝撃が走った。

 

「げっ!お、お前はリリルカ・アーデ!?」

「おや、貴方は……ルアン様?」

 

 元アポロンファミリアの団員であり同胞でもあるルアン・エスペルは、リリの姿を見た瞬間、持っていた何かをさっと背後に隠した。

 普段なら、ちょっとした違法品や面倒事になりそうな物事には関わろうとしないのだが、ルアンのこちらを見つめる表情と、ランクアップで得たちょっとした全能感に酔った勢いで、隠した物を無理矢理に奪い取ろうと近づいた。

 

「一体何を隠したんですか!?」

「ちょっ、おま……やめろ!!」

 

 そして、リリはルアンが隠し持っていた物の正体に驚愕した。

 それは、小悪魔チックに舌を出すリリと、涙目になりながら上半身を晒したベル様の絵が表紙になっている薄い本だった。

 

「な、なんですかこれはぁぁぁ!!?」

「え~っと……」

 

 リリが奪い取った本に驚愕している隙に、こっそりと逃げ出そうとしたルアンをレベル2になった俊敏さで捕まえると、人通りの少ない裏道に無理矢理に連行して洗いざらい吐かせる。

 

「つまり、今歓楽街でベル様が色んな女性とえっちな事をしている本が売られているんですね」

「そうだよ……」

 

ウォーゲームでの恨みがある相手とは言え、女性にこんな質問をされ、ルアンは少し答えにくそうに頷いた。

 

「それで、ルアン様はリリとベル様がしている本を買ったと……」

「いや、売れ残ってるのがそれしかなかったから、しょうがなく買っただけで、お前が描かれてるから買ったという訳じゃ!?」

「ええい!言い訳無用!!人様の許可なく、こんなえっちなのを描かれたものを購入した時点で、ルアン様は立派な変態です!!」

「げふっ!!!」

 

 リリの怒りの鉄拳を喰らったルアンは、そのまま地面に倒れ伏した。

 そして、そんなルアンを放置してリリは急いでホームへと帰って奪い取った本を確認という名目で拝読する。

 

「にしても、まるで鏡に映ったのを切り抜いたかのような精巧な絵ですね。普通の本と違って妙に薄いですし、こ…今後の為に確認はしておかなくては」

 

『ベル様、ダンジョン探索でお疲れでしょうし、サポーターであるリリがしっかり労をねぎらいますね♡』

 

 ダンジョン探索からホームへと帰ってきたベルを労いの名目で下半身に手を当てて、男の人のアレを大きくするリリの姿は、神様が言うところの小悪魔女子といった雰囲気を醸し出していた。

 更にページをめくっていくと、時折発情した春姫様が口にする妄想を体現したかのような行為の数々をリリが積極的にベル様にしていた。

 

『ふふ……ベル様の大きいのを入れたら、リリは壊れちゃうかもしれませんね♡』

 

「あわわわ……!!?」

 

 あまりの恥ずかしさで声が震えたが、本をめくる手は止まらず、そのまま最後まで夢中で読み進めてしまった。

 

『心配しないでください。こう見えても、リリの方がベル様よりもお姉さんですからね♡』

 

「こんなセリフ言ったことありますけど、リリはこんなにえっちな風には言ってません!!」

 

『ヘスティア様ほどではありませんが、パルゥムの中では大きい方なんですよ』

 

「本の中でもアレと比べられるなんて!けれど、ベル様も喜んで……」

 

『もしベル様の子供が出来たら、しっかり責任は取ってもらいますよ。パパ……♡』

 

「自分から迫っている癖に、責任とか何言っちゃってんですか本の中の私はぁぁぁあああ!!?」

 

 最後のページではいやしい女と化した自分に、リリは本を投げ捨てながら絶叫した。

 

「ううぅ……、まさかベル様とリリがこんな風に描かれている本が売られているだなんて。まあ、悪くはありませんでしたが」

 

 そうして、本の中とはいえ、想い人と体を重ねた羞恥心やら嬉しさやらで茹で上がる頭と心を落ち着かせて現状の不味さを確認する。

 

「今も歓楽街の何処かで、リリ以外にも不特定多数の女性とベル様がモデルのえっちな事をしている本が売られている」

 

 いや、これ本格的にヤバくない?そんな思いが頭をぐるぐる回る。

 ベル様はとてもモテる方だ。だからこそ、こういう本のモデルになるのも分かる。でも、もしこれをリリ以外でベル様に好意を持つ女性が見たらどうなる?

 嫉妬でおかしくなるかもしれないし、リリみたいに自分をモデルにされた本を見たせいで理性が吹っ飛び、本の内容そのままの行動を取られたらどうする!?

 

「いけません!こうなれば、このような本が更に出回らないうちに、リリがこの本の作者を捕まえねば!!!」

 

 もし捕まえたら、稼いだお金はもちろん没収して、これからはベル様とリリだけの本を描いてもらおう。あーでも、知らない誰かに読まれるのは嫌だから、自分の趣味用にしましょう。

 そう決意したリリは誰にも見つからないように、自身とベルのえっちな本をベッドの下に隠して、ホームを飛び出して歓楽街へと走った。

 

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