ベル君のエロ本を書くのは間違っているだろうか?   作:リーグロード

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迷宮は危険がいっぱい♡

 神時代が始まる千年前、下界に降臨した最初の神の一柱ウラノスに仕える私兵の魔術師フェルズは、一冊の本を机に置いた。

 その表紙には半裸にされたベル・クラネルと、醜悪なモンスターではなく美しい女性として描かれたセイレーンとラミアが映っていた。

 

「これは、どこからどう見てもレイとラウラだが。まさか、ベル・クラネルとゼノスの関係がバレたというのか?」

 

 焦りつつも、その本を開いて確かめる気にはなれなかった。

 何しろ、それは今や歓楽街どころか、市民の間でも有名になった卑猥な本だ。別にそういう本に嫌悪感を抱く年齢でも性格でもないが、知り合い同士が表紙に描かれてるような、あんな関係にされている本を読むのは、やはり抵抗がある。

 

「とはいえ、見ないことには始まらないか。どれ……」

 

 嫌々ながらに本の端っこを持ってページをめくる。

 

『どうしよう。リリとヴェルフ、命さんに春姫さんともはぐれちゃった』

 

 どうやらダンジョン内ではぐれて単独行動をしてしまっているようだ。

 これは不幸だが、ダンジョン内ではよく聞く話。物語のスタートとしては無い。それに、話には聞いていたが、中々に精巧な絵で描かれている。

 正直に言って、この絵の技術だけで食っていけるだろうと思いつつも、ページをめくる。

 そして、物語は進む。ダンジョン内をさまよい歩くベルの前に2体のモンスターであるセイレーンとラミアが現れる。

 

『ぐっ!このモンスター……強い!?』

『────』

『■■■■』

 

 セイレーンとラミアの連携攻撃に単独のベルは防戦一方の展開を繰り広げる。

 上空からセイレーンのレイが、地上からはラミアのラウラが、ベルを追い詰めていく。

 レイの羽による空からの連続攻撃と、ラウラの尾による肉弾戦。それを捌くベルは、徐々にだが確実に傷を増やしていく。

 そして、とうとうラウラの尻尾がベルの足を絡め取り、レイがその隙をついてベルに組み付く。

 そのまま押し倒されたベルは2体に四肢の動きを封じられてしまう。

 

『────』

『■■■■』

 

 モンスターであるため言葉を発することはなかったが、様子からして殺意はなさそうだ。あるのはベルへの好奇心と性的な欲望。ラウラが舌なめずりをしながらベルの服を脱がそうとすると、レイは慌てて声を上げるが、上半身の装備を脱がされ、露わになったベルの素肌を見た瞬間、唾を飲み込んで動きを止める。

 

「言葉を話すモンスターという描写はないが、反応はまさにレイとラウラそのものだな」

 

 ゼノスの存在を軽々しく世間に広めないことは分かったが、この作者がゼノスの存在を知っているという事実は、この本に登場する彼女らを知るフェルズにとってほぼ確信に近いものだった。

 少なくとも、レイとラウラの容姿を利用するつもりはあっても、ゼノスの情報を利用する意図はなさそうだ。そこで、これ以上読むのはやめて本を閉じる。

 

 残された本はそのまま燃えるゴミに投げ捨てるか、ゼノス達の隠里に持って行くか一瞬だけ考えてしまったが、余計な騒動の火種になりそうだと判断してゴミ箱に捨てた。

 

 

 

 


 

 

 

 ゼノスのレイとラウラのエロ本が発売されてから、さまざまな噂が広まった。ベル・クラネルの怪物趣味は、昔セイレーンやラミアに襲われたことが原因だとか、ダンジョン内には今も顔立ちや体付きの良いモンスターがいるとか、性欲に駆られた冒険者がダンジョンに突っ込んでセイレーンやラミアに返り討ちにあったなんて話まで飛び出した。

 実際、ディアンケヒトファミリアに入院する男性冒険者がそこそこいたというのは事実らしい。

 そんな噂になる本が前々から知っている者が買わない筈もなく。

 

「ねえ、このセイレーンって、絶対にゼノスのレイって子よね?」

「ええ、まさか、ラビットフットと……その、そういう関係になる本になるなんて驚きですけれども」

 

 興味半分、調査目的半分でベル・クラネルのエロ本を手に入れて見聞していたティオネとアリシアは、今回の女性ゲストであるレイの登場に驚きを隠せなかった。

 現状、ゼノスの存在を知っているのは、ギルド、ガネーシャファミリア、ヘルメスファミリア、そして前の騒動で偶然知ったヘスティアファミリアと、自分たちロキファミリアくらいのものだ。

 それなのに、なぜこの作者はゼノスの存在や、レイの容姿・性格まで知っているのか、疑問は尽きない。もし考えられるとすれば──。

 

「まさか、あの女って実は闇派閥の生き残りってことかしら?」

「だとしても、もう穢れた精霊もクリーチャーもいない現状で、自分の欲望を満たすためだけにこんなことをするなんて、浅はかです」

 

 アリシアの言うように、闇派閥で満足に戦える戦力はもう存在しない。そんな現状で自分の素性をほのめかすような本を売りに出すなど、本当に浅はかな行為だ。

 まあ、よくよく考えてみれば、許可もなく高レベルの冒険者を勝手にエロ本の登場人物として描いている人物だ。浅はかな考えの持ち主であったことなど、今更な話だ。

 そんな浅はかで馬鹿な女が描いた本の続きを読む。

 

 仰向けで寝転がるベルに馬乗りになるラミアのラウラ。そんな2人に対してベルは目を逸らし、羞恥に耐えていた。

 

『離っ──むぅ!?♡』

 

 服を脱がされそうになって抵抗するベルの顔にラウラが胸を押し当てて無理矢理に騒ぐ口を塞がせる。

 モンスターといえど、人と変わらぬ女性の胸の中に埋められれば、当然男として反応する部位がある。未だに剝ぎ取れていないズボンの辺りにテントが張られると、ラウラが口の端から涎を垂らし、レイが顔を真っ赤にしながら近くに寄って確認する。

 言葉を発せないのと、体の造りが違うことを除けば、どこにでもいる人間の女性のような行動だ。

 

『■■■■♡』

『────?!』

 

 ラウラが尾で器用にベルのズボンをズラそうとすると、レイが止めるかのような声を上げるが、そんなこともお構いなしにベルのズボンはパンツごと脱ぎ捨てられ、立派に硬くなったゼウス棒が2匹の視界に飛び込んだ。

 そして、レイが慌ててラウラの尾を掴んで止めようとするも、腕のないレイではどうすることもできず、初心なレイをからかうように、いたずらっぽく微笑んだラウラの尾がベルのゼウス棒に伸びていき、絡めとるように尾の先端を巻きつかせて刺激を与える。

 

『ひゃっ──な、なにしてぇっ??♡』

 

 さらに追撃とばかりに、ヘビの尾という人の手では味わえない未知の感覚に戸惑うベルの顔を、ラウラのヘビ特有の長い舌が舐めた。

 そのまま舌は頬をなぞり、敏感な耳の中へと侵入していく。チロチロとラウラの舌が耳の中で動くたびに、ベルの口から甘い声が漏れ出ていき、尾に巻かれたゼウス棒がビクビクと反応する。

 

 そんなベルとラウラの様子を目を見開いて驚くように見つめていたレイは、意を決したように行動を始めた。

 

『──―?──♡』

『ちょっ、待って!やめぇ──むぐっ??♡』

 

 レイは雛鳥のようにぎこちないキスを手探りで始め、やがておでこから頬へ、頬から唇へと移り、抵抗するベルの口元を自分の唇で塞いだ。

 ベルとレイの絡み合う唾液による水音がダンジョン内に響く、その音に引き寄せられてモンスターたちが集まってくるが、レイとラウラの鋭い一睨みで、近づいてきたモンスターは蜘蛛の子を散らすように一目散に逃げていく。

 

「あら、レイったらいい顔するじゃない」

「あの、これってそういう顔でしょうか?まあ、普段の団長を狙うティオネに似てはいるけれども……」

 

 アリシアにあるロキファミリアに保護された時のモンスターとは思えない落ち着いた淑女のような印象だったレイのイメージが、少しずつ変わっていく。

 紙に描かれた姿とはいえ、好いた雄を狙うアマゾネスを思わせるレイの表情に、ティオナは好印象を抱き、アリシアは若干引いていた。

 

『■■■♡』

『うそっ!?やめっ──♡』

 

 これ以上の他のモンスターの横やりを嫌ったのか、ラウラが普段隠している女性の秘部を顕わにして、ベルのゼウス棒をゆっくりと吞み込んでいき、人では真似出来ない下半身を巻きつかせる体位で。

 

『────!!』

『■■■■』

 

 ラウラの抜け駆けに怒るレイだが、余裕綽々なラウラはレイを挑発するように、ベルに抱きしめる。

 そしてそのままヘビ特有のクネクネとした動きで腰を動かして、ベルのゼウス棒を刺激していくと、次第にベルの口から嬌声が上がり始める。

 その声をもっと聞きたいとばかりにラウラも腰を振り続ければ、やがてベルの限界が訪れる。

 

『もうっ、ダメぇッ──♡♡♡』

『■■■■♡♡』

 

 ベルの限界を迎えて発射された白い濁液を受け止めると、余裕を浮かべていたラウラ顔が一瞬で幸悦とした表情へと様変わりする。

 そのまま、ベルを拘束するかのように巻かれていた尾も力なく垂れていき、ベルは自由の身になる。

 けれど、ベルの方も一度果てて力尽きたかのように、大の字になって地面に寝転んだまま動けないでいる。

 それに不満そうな顔をしたレイがしおれているベルのゼウス棒を足で踏みつける。

 

『────!!』

『ちょちょ、ちょっと待って!?うっ♡』

『────?♡』

 

 レイの踏みつけは攻撃ではなくちょっかいの領域、そんなちょっかいを出したレイの素足の下でムクムクと元の大きさに戻っていく。それを不思議そうにしながらも、ふみふみと踏みつけながら、足裏から感じるゼウス棒の熱さと硬さ、それとベルの表情に頬を染めていく。

 このままじゃマズイと感じたベルはレイの足から脱出し、慌てて脱ぎ捨てられたパンツとズボンを取りに行こうとすると、その進路を阻むようにレイが立ちふさがる。

 

『────』

『あっ、あっ、あぁ……』

 

 ラウラのような獲物を狙う捕食者の目とは違う。どこか酔っているような虚ろな瞳でベルを見下ろすレイには怪しい色気があった。

 一歩踏み出すと同時に、モンスターらしからぬ胸がプルンと揺れてベルの目がそれを追いかける。怯えながらも、男としてこの後の展開に期待しているのが分かるぐらい、ベルのゼウス棒がレイにビンビンに反応していた。

 

 そこから先はレイの蹂躙ともいえる逆レイプ染みたS○Xが始まった。

 もしアマゾネスの性行為を知っている者がいれば、まさにそれだと答えるような激しいものだった。

 

『──―!……っ』

『はあぁっ♡はあぁっ?♡ううぅ……!!♡♡』

『──~~っっ♡♡』

 

 ベルとのまぐわいに満足しながら、手を伸ばしかけたレイの姿にベルは一瞬疑問に思いながら、それが抱きしめようとしていたことに気が付くと、最後に果てるその瞬間にベルは力いっぱいレイを抱擁する。

 それはベルの生来の優しさからか、それとも体を重ねた情欲による一時の気の迷いからかは分からないが、ともかくレイはベルに抱きしめられた。

 そして、そのままの流れでベルとレイの唇が重なる。それは、先ほどの一方的なものとは違い、まるで恋人同士が交わすようなキスだった。

 人とモンスターの愛のあるまぐわいを、その過程から結果までしっかりと描いたこの本はゼノスにとっては一縷の希望ともいえる可能性を秘めている。

 まあ、最初にレイプしようと襲い掛かったのに目を潰れば、ほとんどアマゾネスの性行為となんら変わらない内容だ。

 

「そういえば、前にレイって狙ってる雄がいるって言ってたけど」

「まさか、ラビットフット?いえ、そう考えてみれば、以前に彼女が言っていた特徴に全て当てはまるというか。……怪物、いいえゼノスにすら惚れられているあの殿方は一体どういう星の元で生まれてきたのでしょうか?」

 

 アリシアの疑問にティオネは「そういえばウチの妹も最近は……」と、自分の妹も最近ベル・クラネルに恋愛的な意味での熱を上げ始めていることを思い出しながら、本を閉じるのだった。

 その閉ざされた本の裏表紙には、巣の中に2つの卵が置かれた絵が描かれており、それが何を意味するのかは読む人の想像に委ねられる。ただ一つ言えるのは、この絵を描いた作家としては面白そうだから描き足しただけであり、この2つの卵に特別な意味は込められていなかったということだ。




ゼノスの本を描いて欲しい要望があったので、自分が納得できる内容で書きました。
もしかしたら、もっとパニックになるような内容の本を描いて欲しかったかもしれませんが、あまりにも過激過ぎると書きにくくなるのでこの程度にしました。

ネタや感想でオラリオメリーの話を希望する人が多かったので、次回は多分オラリオメリーの話を書きます。
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