ベル君のエロ本を書くのは間違っているだろうか?   作:リーグロード

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ヘルメスファミリアのアマゾネスの場合

 

 歓楽街の主だったイシュタル様が天界に送還されてから、治安が悪化したと聞く。統率する者がいなくなれば、その後の後釜を巡って争いが起こるのは当然だ。元イシュタルファミリアとして思うところはあるが、わざわざ首を突っ込むつもりはない。自分の身は自分で守るべきで、「女だから守られて当然」なんて甘い考えではここでは生き残れない。

 だから静観を決め込んでいたが、最近どうにも気になる噂を耳にした。

 

『ベル・クラネルが何人もの女に手籠めにされる本が歓楽街で売りに出されている』

 

 最初は、手籠めにしているの間違いではないかと疑ったが、あの坊やならむしろ女に迫られるくらいでないと、そんな展開にはならないだろうと妙に納得した。そこで、レナにその本を買ってきてくれと頼んだら、何冊も抱えて帰ってきた。私の聞いた話では売られているのは4冊だけのはずだったが、新刊が出ていたらしい。

 

 いくつか読んでみるが、中々のクオリティだった。まるで本当にあった出来事を絵にしてくり抜いたかのような、そんな錯覚さえ覚える。

 特に痛快だったのは、貞潔と潔癖の意味を履き違えているレベルのエルフがアマゾネスでさえ着ないようなウェディングドレスでベル・クラネルに迫ったシーンだった。

 

 最初はらしからぬエルフの行動に笑ったものだったが、ページをめくる度に濡場で狂おしいほどに乱れるエルフに、次第に笑いは消えていき、最後にはエルフの奴に感情移入してしまっていた。

 惚れたオスにまぐわう幸福を味わえば、いかにお堅いエルフでも、自らに芽生えた恋心とメスの本能に翻弄される。

 

「なるほど、こりゃ噂にもなるわけだね」

 

 シチュエーション、絵、表情、モデルの性格を理解した話の構成。

 これをたった1人で書いたとしたら、それはもう天賦の才だ。そう認めるしかない出来栄えの本を置いて、私はようやく自分の姿が描かれた本を手に取った。

 

「エルフで散々滾らせてくれたんだ、私をモデルにしたのが下手な出来栄えじゃタダじゃおかないよ」

 

 期待と興奮に本を読み出すと、瞬く間に本の世界に引き込まれた。

 

『ダンジョン帰りで滾ってるんだろ、ベル・クラネル?いっちょ私と遊んでいかないかい?』

 

 それはベル・クラネルと時々出会った際に、私が言いそうな台詞だった。

 大抵、この後は逃げられるか、お堅いエルフに邪魔されるかのどちらかばかりだったが、本の中のベル・クラネルはその誘いにしどろもどろになっており、私はその隙をついて宿屋に強引に連れ込むことに成功している。

 そして、そのままベル・クラネルを部屋の中に押し込むと、部屋の扉を塞ぐように仁王立ちし、逃げ道を塞げば、後はオスとメスの時間が始まる。

 

 未だに戸惑うベル・クラネルの顔を無理矢理掴んで、無防備な唇を貪り食らう。

 

『おや、その反応。アンタもしかして、キスも初めてなのかい?』

 

「なんだい、ウブな坊やだとは思ってたけれど、キスもまだなのかい?」

 

 いくら処女神の眷族とはいえ、そこまで束縛しているのかと呆れてしまう。

 だが同時に、だからこそ見れる初々しい少年の性に対する反応に興奮を覚える。

 まさか、自身にショタ好きの卦があったことに驚きながらも、ページを読み進めていく。

 

『おや、なんだい。リトル・ルーキーなんて二つ名の癖に、随分と立派なモノを持ってるじゃないか!』

 

 ほんの僅かばかりの前座を終わらせて、抱き付きながらベッドへと押し倒す。

 暴れて抵抗しようとするベル・クラネルに更に強引にキスを交わして、ふやけたところを乱暴にズボンを剥ぎ取ると、確かにご立派なモノが現れる。

 

「へぇ、こいつはまたなんとも……」

 

 創作物の中とはいえ、もし現実もこのサイズなら十分に楽しめそうだと無意識に舌舐めずりしてしまう。

 

『キスが初めてってんなら、こっちを(しご)かれんのも初めてだろう?』

 

 本の中の私が慣れた手つきでソレに優しく触ると、ベル・クラネルからの返事は可愛らしい女みたいな声での「ふぁい」が限界だった。

 

「まったく、戦う時はどうしてあんなにもオスとしての顔をするってのに、女との事になるとこんな風な顔になっちまうんだろうね?」

 

 とはいえ、それが嫌いなわけではなかった。

 これが神様達が口にするギャップ萌えというやつなのだろう。オスとしての顔も、兎のような可愛らしい顔も、どちらも好きになるのは、惚れた弱みというやつなのかもしれないね。

 

『ほらどうした、ベル・クラネル?アンタも男なら、女を満足させてみな!!!♡』

 

 そこからはひたすらに、私がベッドの上で馬乗りになってオスとメスの関係を交わすばかりだった。

 そこには、愛だの恋だのというような清廉なものはなく、ひたすらに獣に成り下がったかのような快楽の奴隷でしかなかった。

 だが決して醜いだけじゃない。人としての幸福。子孫を残すという行為の尊さすら感じられる。

 

「────♡」

 

 もう言葉は要らない。ひたすらに腹の奥底に溜まる情欲に支配されるまま、いつぶりかの一人遊びに興じる。

 やがて全てを読み終えて満足すると、遊びでかいた汗を流すためにシャワーを浴びる。

 

「ふう、本当にいつぶりだろうかね?私がおぼこい娘みたいに、オスにではなく、本気で自分で自分を慰めるなんざ」

 

 シャワーを浴びてさっぱりしたアイシャが部屋へと戻り、オカズにした自分とベル・クラネルの本をチラリと視界に収める。

 

「こいつは劇薬だね。下手すりゃあの堅物エルフを発情させちまいそうだ」

 

 いや、エルフだけじゃない。他にも本のモデルとなったベル・クラネルに恋慕を抱く連中が本格的に動き出すやもしれない。

 

「あのエロ狐の尻を蹴飛ばす意味も込めて、コイツを渡してやろうかね」

 

 未だに手の掛かる妹分に危機感を覚えさす意味でも、男への免疫をつけさせる意味でも、これを渡してやるかと、春姫とベル・クラネルの表紙の本を手に取って部屋を出ていった。




今回はアイシャがターゲットなので、今までよりもエロい内容になってるけど、肝心なとこはボカして書いてるし、R18になってないよね?
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