The Royal Bastard~LostTechnology the after   作:アツ氏

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3.クレアの場合

 ノイエンライナルト州リビュア地区にて開業二十周年を迎えるメグナード商店は、食品、日用品、骨董品、市販薬、衣類や旅行用品、工具、楽器、タバコや酒などの嗜好品、とにかく売れるものは何でも売る節操の無さが強みである。頬に浮かべる笑みは少々軽薄だが、年配らしく口ひげを生やしたダンディな店主に言いつければ、店を切り盛りしながら開拓した広大な流通網を駆使して、たいていのものは一週間以内に仕入れてくれる。さらに持ち込み品の買取も承っており、どんな些細な物にでも値段をつけるので、老若男女問わず、目先の金の必要な人間は、まず彼の元を訪れる。キャッチフレーズは『困ったときのメグナード商店! 人間以外なんでも取り扱います』で通している。実際にはどうかというと、当たらずとも遠からずというところで、表向きには品物が豊富なだけの小売店に過ぎないが、裏では一般には出回らない珍品や危険物の取引も請け負っているという。政府では認可していない銃火器や違法物品をならず者に流しているという噂もあるが、その真相は馴染みのごく一部の顧客しか知らず、一介のアルバイト店員に過ぎないクレアには、いかにも好々爺然とした店主のメグナードに、そんな裏の顔があるようには到底思えなかった。

 クレアは、淡月を思い起こさせるはかなげな面差しをした二十歳前後の若い女性であり、顔や背格好は人間と変わらぬものの、白くつややかな毛並みのたてがみと尾とを持つ獣人だった。数年前、故郷のスカンディア自治区から、大学進学のためノイエンライナルト州に上京してきた。彼女について語りはじめる前に、まず獣人という種族の遍歴を、過去にさかのぼってある程度説明しておく必要がある。

 大陸の最南西に位置するスカンディア島は、現在FSR政府より特別行政区として認定されているが、古くは原住民である獣人部族リオンが、文明的ではないながらも、平和に暮らす辺境の地だった。しかし戦乱時に、同島の東部にあるパンカイア地区に移住した人間族からの侵略を受け、一時は滅亡寸前にまで追い込まれた。成年に達していた獣人たちが集落を守るために剣を取って応戦したが、卑劣な策略によってそのことごとくが虐殺されたのである。戦士の亡骸は毛皮をはぎとられ、あるいは剥製となって敵の戦利品とされたが、死者を冒涜するこの行為のせいで、のちに人間の住居を強襲した少年兵が、物言わぬ飾り物と化した親の姿と対面して悲痛な慟哭をあげるという、無惨な事態が引き起こされたりもした。かつて獣人族の命がいかに卑しめられ、軽んじられていたかを、つぶさに反映した出来事である。

 主戦力を失い、あとに残されたのは老人や女子供ばかりという状況下において、獣人族の命運はもはや絶望的といえた。しかし、人狼の血を引くシェイズという名の少年兵が新たにリーダーとして名乗りを上げ、侵略の脅威におびえる群集を鼓舞したのである。彼と志を共にする少年たちは団結してリオンの名を受け継ぎ、人間族の横暴に対抗すべく立ち上がった。戦意をそがれていた老人や女性からは降伏の提案もなされたが、すでに殺害された戦士たちの受けた仕打ちから鑑みれば、投降してまともな扱いを受けられる可能性は皆無といってよかった。獣人族生残の希望を見出すまでは、戦いつづけることをシェイズは主張し、最終的には部族全体がそれに同調した。

 とはいえ、数少ない残存兵力では、せいぜい散発的な奇襲やゲリラ戦法を展開するのが精一杯で、祖先の土地から人間族を駆逐するどころか、逆に追い詰められる一方であった。経験の少ない少年兵たちの作戦は容易に看破され、日に日に通用しなくなってゆく。もはや部族の力だけで戦況を好転させることは不可能だと判断したシェイズたちは、人間族と敵対する他の勢力への支援要請を検討した。その筆頭に挙がったのは、現在では凶悪なテロリストとして知られるヒッサーが、かつて率いていた勢力マカンである。彼らは、スカンディア島からさほど遠からぬ東に位置する、大陸南西部のケブレニア湿原を生息地としていた。

 獰猛な沼地の捕食者であるリザードマンに宗教や倫理道徳は無いが、それに取って代わる至上の掟があった。すなわち自然の摂理、食物連鎖の理を侵さぬこと。マカンは私利私欲、あるいは思想や自己顕示といった下らぬ目的のために、一種族の分際を乗り越えて、大陸統一に打って出た人間族を敵対視していた。比類なき戦闘力を有するだけに、敵に回せば恐ろしいが、味方につければ心強い。ただ、取り立てて友好的な種族でもないリザードマンからすれば、獣人もまた捕食対象でしかなく、共闘に応じる可能性は五分五分というところであった。

 さらに、この計画には大きな問題があった。もともと海を渡る備えのない獣人たちが、スカンディア島から大陸のケブレニア湿原に迅速に到達するためには、途上にある人間族の入植地、パンカイアの港町を突貫しつつ、船を強奪しなければならない。どう見積もっても、犠牲なしには完遂しえない作戦だ。しかし、それを恐れて手をこまねいていても状況は悪化の一途をたどるのみ。シェイズは少年兵を中心に呼びかけ、ケブレニア湿原へ向かう決死隊を募った。危険な任務であったが、十代の少年ながら勇敢かつ人望の厚いシェイズの元には続々と志願者が集い、最終的な部隊規模は民全体の約半数にまで上った。残された兵と、老人や多数の女子供は集落の守備についた。もしパンカイアで決死隊が全滅し、返す刀で人間族が総攻撃を仕掛けてくれば、リオンの滅亡は免れないだろう。誰もが戦う覚悟を決めなければならないほど状況は切迫していた。部族の民すべてが、生きるか死ぬかの瀬戸際にさらされていた。

 決死隊は出発後、本拠地スカンディア山のふもとまで降りたところで、奇妙な二人連れと遭遇する。両者ともシェイズよりも幼い容姿をしているが、かたや空飛ぶほうきにまたがり、頭につば広帽をかぶる耳のとがった少女、かたや小柄な体に黒いローブと皮のマントを身につけ、頼りない見た目にそぐわぬ禍々しい二本の角を頭に生やした少年である。少なくとも人間でも獣人でも無い。戦争が始まるまで他種族と関わりを持つことのほとんど無かった獣人たちは、その姿に驚き、とっさに警戒態勢を取った。

 旅行者と称する二人の異種族もまた、突如現れた獣人の群れに面食らったようだが、それでも少女は平静を装いつつ、シェイズに尋ねた。この少年兵ばかりの物々しい行軍の目的について。旅行者が敵軍の人間族とおそらく無関係だろうと判断して、シェイズはありのままを伝えた。リザードマンに援護を要請しにケブレニア湿原へ向かっていること、そのためにこれから起こされる戦闘のこと。巻き込まれたくなければ速やかに島を後にするよう、警告を付け加えて。

 しかし少女は話を聞くなり、彼らの作戦を一笑に付してしまった。まるであざけるような反応に、決死隊の副長を務めていたクロウという名の少年が、怒りをあらわにして食って掛かったが、それを涼しげに聞き流しつつ、少女はつぎつぎと大言壮語を並べ立てた。気まぐれなリザードマンに救援を求めるなど自殺行為で、脆弱な少年兵がいくら雁首そろえたところで、わざわざ餌になりにゆくようなものだ。その代わり自分を仲間に加えれば、パンカイアの人間族を追い払うことなど朝飯前。なぜならシェイズたちの目の前にいるのは、エルフ族はじまって以来の大魔道士だからだ、などと。まだ年端も行かぬ少女に過ぎないその容姿を見る限り、にわかには信じがたい話であるが、エルフは獣人族よりずっと長命な種族だし、見た目によらず高い能力を持つ者がいてもおかしくない。高慢な態度は鼻持ちならないが、あえて危険を冒さずに戦力を獲得できるのなら、一人の兵も惜しいリオンにとっては願っても無いことだった。

 エルフの少女はミーサと名乗り、強大な魔力を持つ者の証明として、気弱そうに彼女に付き従っている少年を指し示した。金色の髪の間から羊に似た螺旋形の角を生やしたその姿を見て、シェイズの幼馴染で地の術に長けた女魔道士レインディアが、少年が悪魔族であることを理解する。悪魔を召還し、従僕としうるのは、高位の魔道士のみがなせる業である。また、悪魔という種族自体がエルフ以上に長命かつ高い魔力を誇るので、この少年もまた、見た目の印象よりもずっと強いのかも知れなかった。

 傲然たるミーサの振る舞いとは正反対に、謙虚な態度でヨクトと名乗った悪魔族の少年は、生命を司る光術の使い手であった。これは奇異なことで、悪魔族が使う魔術といえば破壊を司る闇術と相場が決まっているのだが、それを使うのは主人であるミーサのほうであった。つまり、闇術を使うエルフと光術を使う悪魔。素性を知れば知るほど珍奇な二人組みであったのだが、どちらにしても獣人族には扱えぬ力で、もし仲間に加われば、これまで奇襲一辺倒だったリオンの作戦に幅を持たせることができる。もちろん相手にも何か思惑があってのことだろうが、それはお互い様である。シェイズはミーサの申し出を受け入れ、あらためて策を講じるためいったん決死行軍を中止し、二人を伴って集落へと引き返した。

 期待の戦力としてリオンの民から歓迎され、すっかり救世主気取りのミーサに、シェイズは戦況を詳しく説明した。先の大規模な戦闘で大人の兵士はほとんど戦死してしまったこと、現在は集落に接近する敵部隊を対象にゲリラ戦を展開しているが、それも通用しなくなりつつあること、シェイズたち少年兵以外には戦力とするには頼りない女子供と、老人しか残されていないこと。それを聞いてミーサの表情には焦りが浮かんだが、すぐに打ち消して次のような作戦を提案した。

 小規模なゲリラ戦を何度繰り返しても、敵軍に決定的な打撃を与えることは難しい。ここはあえて総力戦を仕掛けるべきである。といってもただ正面からぶつかっていっても勝ち目は無い。そこで部隊を三つに分け、シェイズたち主力部隊が正面でひきつけている間、残り二つの別働隊で両脇を攻め、かく乱しつつ敵軍を制圧する、というものだった。

 一応体裁は整っているが、ひねりの無い、正直に言って稚拙な作戦であった。まず戦力差を視野に入れていない。シェイズたちを主力にするといっても、ただでさえ数が少なく、経験の浅い少年兵中心の部隊では、別働隊が強襲を仕掛ける前に全滅してしまう。そうなれば敗北は確定したようなもので、残りの兵を各個撃破されて終わりである。副長のクロウとレインディアは言うまでも無く難色を示したが、意外にも隊長のシェイズが並々ならぬ関心を持った。その場にいた誰もが驚き、どういうわけか発案者のミーサまでもが呆気にとられた。シェイズはさんざん作戦を誉めそやしたあと、さっさとそれを採用してしまい、軍議はあっけなくお開きとなってしまった。クロウがのちに語るには、頼みの綱のミーサが思ったより役に立たなかったことにシェイズが頭にきてしまって、とうとう玉砕を決め込んでしまったのだと、誰もが思ったという。しかし、そうではなかった。ミーサの作戦そのもの以上に、それをヒントにした秘策がシェイズ自身にはあったのである。

 作戦当日、リオンの部族は総力を結集してパンカイアへと進軍した。魔法の素養のある老人や女性は杖を携え、剣を使えない子供は石を持ち、すべての民が戦士と化した。隊長のシェイズはというと、副長のクロウに指揮権をゆだね、彼自身は本隊と別行動をとり、開戦までには戦場となるパンカイア地区郊外で落ち合うこととなっていた。クロウは訝しく思いながらもシェイズを信じ、初めて戦に赴く民がはぐれることの無いよう、慎重に部隊を先導した。

 目的地に到達して、そこで見た光景にクロウは己の目を疑った。

 別行動をとっていたシェイズは、本隊より先にたどり着いていたが、その場にいたのは彼一人ではなかった。数にして、およそ数千という夥しいほどの狼の群れが小高い丘の斜面に詰め寄せていた。その最前に立ち、パンカイアの街を泰然と見渡すシェイズ。牙をむき出し、怒りに満ちたうなり声を上げながらも、賢しげに鬨の声を待つ狼たちは、獰猛な獣であると同時に頼もしい兵士の風格をまとっていた。シェイズは本隊が到着したのをさとると、その先頭にいるクロウに向かって一瞬得意げに微笑み、おごそかに腰の鞘から剣を抜いて、頭上高く掲げた。

 彼は狼の遠吠えのごとく、荒々しくも格調高い声音で、狼を含めたリオン全軍に呼びかけた。

 みんな、俺について来い。遅れをとるな!

 その声を合図に、軍狼たちはいっせいに土を蹴った。群れを成した狼たちの灰色の疾風が、猛烈な速さでパンカイアの街に迫る。異変に気づいたパンカイア自警団の兵士が詰所から姿を現したが、濛々と土煙を上げ、涎を飛ばしながら牙をむき襲い来る獣たちの大群に戦慄した。ある者は応戦する間もなく喉ぶえに食いつかれ、それに乗じて飛び掛ってきた数匹の狼に、あっという間にぼろ布のように噛み散らかされてしまった。またある者は応戦したものの、群れの突進に足元をすくわれて倒れ、牙の餌食となった。母なる地であるスカンディアを守らんとする想いは、野生の狼もまた同じであった。獣人族は亜人に類するとはいえ獣の血を受け継ぐ種族であるので、野生の動物とある程度意思を通わせる能力を持っている。隊長のシェイズは特にその力が強かった。彼が本隊と別行動をとった理由は、スカンディア山を奔走し、この膨大な軍狼隊を組織するためだったのである。

 先陣を切って戦う狼たちに、後続の少年兵たちが加わり、敵兵と剣を交えはじめる。その後ろから、老人や女性は魔法を放ち、子供は石を投げて、各々の方法で攻撃する。そして誰よりも、隊長のシェイズが野生の獣以上に獰猛に牙をむき、剣と鋭い爪とで何人もの人間と切り結んだ。とはいえ、先手を取って慌てさせはしたが、プロの軍隊と野生の狼とでは根本的に強さが違う。敵軍に態勢を整えられれば、押し返される可能性があった。

 もしミーサの作戦通りなら、シェイズたちが交戦している間に、別働隊が動いているはずである。新たに奇襲を成功させるためには、本隊はなんとしてでも敵をひきつけ、耐えなければならなかった。混乱から立ち直ったパンカイア兵たちは徐々に隊列を組み、押し寄せる狼の群れを受け止め、一匹一匹確実に仕留め始めた。首筋に剣を受け、あるいは腹を切り裂かれて、悲鳴を上げる軍狼たち。いまは数で押しているとはいえ、少年兵たちも苦戦している。

 そのときシェイズたちの背後から、いく筋ものまばゆい光が放たれ、傷ついたリオン兵の体へと吸い込まれた。敵の剣や矢を受けて流れていた血が止まり、裂けた皮膚がみるみるうちに再生される。悪魔族のヨクトが放った即効性の治癒魔法である。これこそが、此度の戦でのリオンの勝算のひとつ。ヨクトの光術があれば、作戦上問題のあった本隊の耐久性が向上し、別働隊が奇襲をかけるまで持ちこたえることが可能となる。また、一度倒れた軍狼や少年兵が再び起き上がるのを見て、パンカイア兵が動揺していた。倒しても倒してもきりが無いと思わせることによって、敵兵は肉体的にも心理的にも疲弊し、弱っていくだろう。そこを一気にたたけば、必ず勝機は見えるはずだ。これがシェイズの立てた秘策のあらましである。そして、もうひとつの勝算が、今まさに戦場に達しようとしていた。

 突如、港の方角から黒色の波動が押し寄せ、敵軍の後方部隊がそれに巻き込まれる。闇術によって与えられる激痛のために、悲鳴を上げるパンカイア兵たち。また反対側からは、荒れ狂った地脈のエネルギーが無数に迫り、つぎつぎと兵がなぎ倒されてゆく。北東の港方面からは、魔法のほうきの力で一部隊丸ごと飛翔させ、海を越えてきたミーサ、そして南東の平地方面からは地術師を率いたレインディアが、挟み撃ちを行ったのである。完全にシェイズの本隊に気をとられていたパンカイア兵たちは浮き足立ち、攻撃目標を絞れないまま堅固な隊列を一気に崩れさせた。

 いまだ! シェイズが叫んだ。リオンの民も狼たちも雄たけびを上げ、皆一様にそれに応えた。

 そこからの戦いは圧倒的であった。勢いづいたリオン兵たちに四方を攻められ、剣、牙、突進、魔法、投石、あらゆる戦法の波状攻撃を受けて、パンカイア兵団は大混乱に陥った。中には逃走するものも出始めたが、シェイズは深追いすることを禁じた。リオンの民の目的は殺戮ではなく、スカンディア島から人間族を追い払うことである。シェイズたちはパンカイア兵たちをじりじりと港方面へ追い詰め、海以外に退路を残さぬよう進撃した。殺す必要も、捕虜にする必要も無い。

 俺たちの島から出て行け! 黄金の瞳をぎらつかせ、とどめとばかりに吼えるシェイズ。獣と人間、二つの響きを併せ持つ声の波に、大気が震える。

 そして剣戟は止んだ。

 シェイズの咆哮を受けて、パンカイア兵団は完全に戦意を喪失し、リオン兵に背を向けて我先にと埠頭に停泊した帆船へなだれ込み始めた。助かりたいがために醜い小競り合いが起こり、鎧を着たまま海に突き落とされた兵が、何人も溺れていた。シェイズは敵が武器を捨てさえすれば危害を加えるつもりは無かったが、人間族からすれば、獣人に残虐非道な行いをしてきたがために、降伏して無事で済まされると思わなかったのだろう。因果応報。逃亡兵を詰められるだけ詰め込んだ数隻の帆船は、町に残された女子供たちさえも顧みず出航し、やがて水平線のかなたへと消えていった。シェイズはそれを見送ったあと剣を地面に落とし、両こぶしを握り締め、空を仰いだ。その口が開き、人狼らしい鋭い牙が顔を覗かせる。

 次の瞬間、パンカイアの町に響き渡る遠吠え。勇壮だが、どこか哀しげな音色をしている。戦いを終えたあとの昂奮と、今日までに失われた命によせる嘆きとが、絡み合いながら天へと立ち上っていった。それが勝利の証となった。他のリオンの民も同じように武器を捨て、シェイズの遠吠えに応えた。笑顔で歓声を上げるものなど一人もいなかった。ただただ哀しげに獣人たちは声を重ね、そこにやがて軍狼たちも加わり、遠吠えはいつしか大合唱となった。それはいわば人間族に無残に殺された戦士たちのための、鎮魂歌なのであった。

 同じく戦いから解き放たれたミーサとヨクトは、シェイズたち獣人族の習性を見て呆気にとられつつも、その荘厳ともいえる光景に胸を打たれ、しばしのあいだ立ち尽くしていた。

 パンカイアを制圧したリオンは、町に残された人間族の民を保護し、その後は徹底してスカンディア島の防衛に努めた。結局はスキアパレリ国家統一を標榜するクーニッツ騎士団から占領されることにはなったが、パンカイア戦後に群長となったシェイズが交渉に当たり、スカンディアにおける獣人族の人権と自治権を保障することを降伏条件として提示したのだった。時のクーニッツ騎士団長ジギスヴァルトがそれに応じたため、リオンは戦わずして傘下に降り、一人の民の血も流されることは無かった。戦後、獣人族代表の座を副長のクロウに託してからは、シェイズは幼馴染のレインディアを伴侶として穏やかに愛を育み、新たにFSRの国土となったスカンディア自治区にて、群長の責任から開放されて平穏に暮らしている。

 ここでようやく冒頭の話に戻ることが出来る。スカンディア出身の若き人狼クレアは、ほかならぬ獣人族の英雄、シェイズの娘なのであった。彼女は獣人族にはまだ数少ない医者を目指して猛勉強し、オルテュギア国立大学へ入学した。外科治療を行う分には古くから伝わる光術で充分対応できるが、疾病などの内科治療には、れっきとした医術を学ぶ必要があった。

 FSR成立後、あらゆる学問がロストテクノロジーの研究によって日進月歩しているが、特に旧大陸時代の世界的犯罪組織、アルカトラズのマッドサイエンティストだった女科学者ディーナが、戦犯としての刑期を終えて程なく発表した論文によって、医学はさらに二十年は進んだといわれていた。その内容はアルカトラズ時代に行った人体実験の臨床データを下地にしており、人道的な面での問題はあったが、病理学、薬理学、解剖学などの多角的見地に立ち、さらには種族差に応じた肉体の特質や、遺伝子構成にまで言及した画期的なものだった。彗星のごとく現れた天才医学者ディーナを、熱心な研究者は諸手を挙げて賞賛し、人権団体は激しく糾弾した。この出来事は物議をかもし、社会現象にまで発展したが、服役中の態度が模範的であったことに加え、今後一切の研究を病に苦しむ人民の救済のために捧げると公衆の場で表明したことにより、最終的に学会はディーナの論文を好意的に受理した。ディーナは現在では犯罪者という過去を払拭するがごとく、警察の麻薬捜査に積極的に協力し、大陸最先端の設備を誇るオルテュギア国立大学では、教授として後進の指導に当たっている。

 クレアは天才というほどではないものの、努力家であり、大学三回生にして難解なディーナの論文の概要を読み解き、日々その実践に努めていた。さしずめ医学部期待のホープというところで、獣人族でそのような扱いを受ける学生は、彼女が初めてであった。しかしクレアはうれしい反面、やるせない思いを抱いてもいた。

 FSR初代大統領ジギスヴァルト・クーニッツは民主主義の原則として万民平等主義を提唱したが、それでも獣人族は辺境の地の原住民というレッテルを張られ、軽んじられることが多かった。獣と人、両方の特徴を持つ彼らを忌諱し、己の意志と関係なく凶暴化するなどという迷信を盾に、獣人族の立ち入りを禁ずる建物もあった。実際には獣人族は争いを好まず、知的ではないまでも理性的な種族であった。それにれっきとした学問を積めば、クレアのように優秀な人材が現れることも証明されていた。かつてリオンの副長を務めていたクロウにしても現在は政治家であり、獣人族中心の野党、リオン労働党の党首として手腕を発揮している。

 クレアは思う。獣人族は今もなおいわれの無い差別を受けるが、それを口にする人間族のほうがよほど好戦的で凶暴ではなかったかと。それはスカンディア島の歴史を振り返れば明白である。たとえ大陸が統一され、世界が平和になったのだとしても、かつてパンカイアの兵たちに虐殺され、人ではなく、単なる物資として皮を剥ぎ取られた戦士たちは戻ってこないのだ。しかし、父のシェイズは抵抗することはあっても、人間族への復讐を企てはしなかった。そして、深い哀しみを背負いながらも、愛すべき妻レインディアと、新たに生まれたクレアという小さな命を守ることに幸せを見出し、笑顔を絶やさなかった。シェイズはスカンディアに学制が敷かれる以前の育ちなので、字を読むことすら出来なかったが、その娘は勇敢で高潔な精神を持つ父を心から尊敬していた。父がいればこそ、クレアは差別におびえることなく、獣人族としての誇りを胸に抱きながら生きることが出来た。

 それに、獣人に対して分け隔てなく接する人間族もいないわけではなかった。メグナード商店の店主メグナードがその好例で、アルバイトの面接を受けに来たクレアを一目見るなり、

「採用」

 と言っていきなり即決してしまった。驚いて目を丸くするクレアに対し、メグナードは、

「知り合いに、君みたいな賢い獣人族の女の子がいるんだ。なんだか他人だと思えなくてな」

 と言って照れくさそうに笑った。

 確かにあらかじめ送付しておいた履歴書にはオルテュギア国立大学医学部所属という華々しい経歴がしるしてあったし、父親から人狼としての白銀の毛並みを受け継いでいるものの、顔立ちは母親に似てやさしげな美人であったので、悪意あるレッテルを張られなければ、クレアはどこへ出ても恥ずかしくない立派な女性であった。しかし、メグナードには明らかにそれ以上の、親愛の感情があることが見て取れた。クレアは喜ぶよりも、むしろ戸惑った。獣人族は差別を受けやすいのと同時に、そのエキゾチックな容貌から、独特の性癖を持つ他種族から強く好まれることもあったのである。とりわけクレアは美しかったので、上京してから街と大学とを問わず、好ましくない相手に下品な言い寄られ方をして、いやな思いをすることが多々あった。もしやメグナードもその手合いなのではないかと疑ったのである。

 しかし採用されてから二ヶ月、メグナードの態度はまるで孫に接するかのようにただやさしく、店の商品や設備の取り扱い、接客のノウハウについて懇切丁寧に教えてくれた。心の奥底では人間族に対する不信感を捨てきれずにいるものの、メグナードに限っては、そうした想いを忘れさせるほどの親切さがあった。彼の親愛の情には掛け値がなかった。だからこそ、クレアは気が重かった。優秀な医学生である彼女が、こんな下町のいかがわしい商店をアルバイト先に選んだのは理由がある。否、選ばされたといったほうが正しかった。彼女はメグナードが肌身離さず持っている、秘密の顧客名簿を狙っていた。しかし、戦時には歴戦の傭兵だったというメグナードは、それを奪いうるような隙をクレアにも決して見せなかった。気を許さないというのではなく、物騒な世の中を生き抜く中で自然と身に着けた業といったほうが正しかろう。そして習慣は往々にして感情を超越するものだ。

 クレアは今日は一人で店番をまかされていた。メグナードは取引先と商談をまとめるために外出していた。カウンターに肘をつき、雑多な人々の行き交う窓の外を漫然と眺めるうち、いつしか日は傾き、街並みは夕闇に赤く染められた。客は少なかった。洗濯用の粉石鹸を買いに来た主婦と、タバコをまとめ買いしていった馴染みの中年、そして小遣い稼ぎにくず鉄を売りにきた三人組の小学生。それだけだった。繁盛するときは繁盛するが、暇なときは暇。商売なんてそんなものである。

 クレアはすっかり時間をもてあましており、このままカウンターに腰掛けているうちに、うとうとと眠ってしまいそうであった。本来なら店内の秘密を探る絶好のチャンスなのだが、店番を任されたのは今日が初めてというわけでもない。やれることは、すでにやりつくしてしまっていた。店舗の地下に鋼鉄製の扉の怪しい部屋があるのは知っているが、特殊な鍵が施されていて、ピッキング程度では開けようがなかった。扉の破壊はおそらく不可能だし、鍵を奪うか、メグナード自身に開けさせるかしか方法は無いが、店主に隙が無いのは先ほども述べたとおりである。だから、こうしてぼんやりとメグナードの帰りを待つほか無いのである。クレアは無意識のうちに犬が毛づくろいをするように手の甲をなめ、そんな自分の振る舞いに気づいて、人知れず赤面した。母親のレインディアから、みっともないから直しなさいと散々言われてきた癖だったが、成長した今でも、手持ち無沙汰になるとついついやってしまうのである。クレアはなめていた手をひざの上に置きながら、人のように振舞う自分と、獣のように振舞う自分と、果たしてどちらが自然なのだろうと、ふと考えるのだった。

 しばらくして、ドアベルを鳴らしながら店舗に入ってくる人物があった。クレアはてっきりメグナードが帰ってきたのだと思い、頭の上の三角の耳をぴこぴこ立てながら、ドアのほうを見た。そして表情を少し硬くする。現れたのは、かなり大柄な若い男で、深く切れ込んだシャツの襟元から毛深く筋肉質な胸板を覗かせ、頭の両側から鋭い角と筒型の耳とを生やしていた。角が生えているからといって、悪魔というわけではない。彼はトロという名の牛型の獣人で、クレアの知り合いだった。

「いらっしゃいませ。何かお探しでしょうか」

 のしのしとカウンターに近づいてくるトロに、クレアは白々しい店員口調で言う。トロは方頬をゆがめて笑い、カウンターに方肘をつきながら、少しかすれた低い声で、

「かわいい獣人族の女を一人、所望しようか」

 と答えた。クレアは、

「あいにくですが、当店では人身売買は行っておりません」

 と言って彼をにらんだ。

 見た目は男らしいが、粗暴で威圧感のあるトロのことがクレアは苦手だった。彼と知り合ってまだ日は浅い。出会ったのは、クロウを支持するリオン労働党員の集会である。クレアは党首が親の友人ということもあって、労働党の支持者ではあったが、それほど政治活動に興味はなく、単なる付き合いで参加したに過ぎなかった。集会所に集ったメンバーのほとんどが労働者階級の獣人だった。トロは若いながらもその中心人物であり、人間族から受ける差別や、都市圏での獣人族に対する労働条件の改善を求めて、徹底して抗議活動を行っていた。首相官邸への上申書の送付、デモ行進、ビラ配りによるプロパガンダ。その一連の運動を行う際に必ず、万民平等主義にあてつけた「ブルシット!(嘘つき)」という文句を挿入するため、それがそのままトロの率いる政治結社の呼称となっていた。

 トロは、一部の資本家や知識階級が有力者となっているFSRを、旧大陸時代の専制国家ライナルト帝国にたとえ、このままでは政治は腐敗の一途をたどると主張していた。しかしそれはほとんど言いがかりのようなもので、規定の給料や休日を保障しない企業や法人を政府は厳しく取り締まっていたし、現首相のアグネスは、種族間の差別や軋轢を無くすための方策に苦心しつつも真摯に取り組んでいた。ただ、上に立つものに理由をつけて反発するのは、民衆の性のようなものであり、トロの言動はまさしくその典型であった。メンバーの先頭に立って、今こそ労働者の精神を重んじる社会を創生するための革命が必要だ云々と、もっともらしい演説をぶつが、要は退屈な平和を破壊したい衝動に駆られているだけであり、その理由付けに『労働者の観点に立った国政を目指す』というクロウのスローガンを利用しているに過ぎなかった。

 クレアはブルシットの活動に深入りするつもりは毛頭なかった。しかし、集会で自己紹介した際に、経歴について根掘り葉掘り聞かれるうち、労働党党首クロウの知己で、そのうえ獣人族の英雄シェイズの娘ということが知れてしまい、リーダーであるトロの並々ならぬ興味を引いてしまったのである。彼はブルシットの活動に積極的に参加するよう、クレアに執拗に働きかけてきた。ついには大学の研究室にまで押しかけてきて勧誘するのだから、さすがに閉口して、時と場所を問わず追い回すのをやめることを条件に、ブルシットに協力することを承諾した。思えばこれが間違いの始まりだったと、振り返るたびに後悔せずにはいられない。しかし、過激なトロの性格を思えば、いまさら組織を脱退したいと言ったところで、どんな脅迫行動に出るかわからなかった。父の友人のクロウに助けを求めることも考えたが、政治的スキャンダルにも発展しかねないデリケートな問題であるだけに、なかなか踏み切ることが出来ずにいた。そして、そのまま今日までずるずると、トロの言いなりになっていたのである。

「では、女の代わりに、良い報告でも聞かせてもらおう」

 トロの口元から笑みが消え、その黒目がちの視線が、目前の金色の瞳を見据える。クレアは思わず恐れを感じて、そっぽを向いた。有無を言わせぬトロの態度には、いつも萎縮させられてしまう。英雄シェイズの娘といえど、平和な時代に一身に愛を注がれて育ったクレアは、勇気よりも優しさが勝る性格をしていた。そのせいかトロの放つ抜き身の攻撃性には、いつまでも慣れることが出来なかった。クレアは目を合わせないまま、おずおずとトロに向かって言った。

「報告といっても、これといった収穫は無いわ」

 トロは姿勢も表情も変えないまま、しばらくクレアの顔を見据えていたが、やがてうなだれてため息をついた。

「革命を成功させるためには、国家権力と闘争するだけの戦力が必要だ。君をここに送り込んだのは、メグナード商店の裏を探って、武器の流通網を把握するためだということを忘れていないだろうな」

「……わかっているわ。店主が隙を見せるまで、もう少し時間が欲しいの」

 クレアは不本意ながらも、そう返事をした。 

 ブルシットは、上申書にも、デモ行進にも、プロパガンダにも動じない政府に対して業を煮やし、本格的な武力蜂起を計画していた。精鋭のFSR公安部隊は自然保護団体ワイルドレイジのテロ活動の鎮圧にかかりっきりで、革命を起こすには今を置いて他に無いと、トロはメンバーを扇動していた。軍人さながらに戦闘訓練を行い、資金調達のために、近年勢力を強めている犯罪組織、ネオ・アルカトラズの片棒すら担いでいる。客観的に見れば賊党以外の何物でもないのだが、理想という名の酒に酔ったブルシットのメンバーたちは、それに気づくことが出来ないのだった。そしてクレア自身も、仲間が道理に反することを行っていると分かっていながら、それを止める方法を講じることが出来ずにいた。

 トロは肘を突いていたカウンターから身を起こしながら、厳然と言った。

「こちらの準備は着実に進んでいる。君もしっかり自分の務めを果たすことだ」

 クレアは思わず、心配げな口調で反論する。

「……ねえ、やめましょうよ。刑務所を襲撃するなんて。そんな大それたことしたら、私たちに正義は無いと見なされてしまうわ」

 しかし、トロはクレアの言葉を鼻で笑って退けた。

「腐った社会が主張する正義なんてくそくらえさ。今は協力者が必要なんだ。それが誰であれ共闘して現政府を転覆させ、俺たちが新しいスキアパレリをつくる。そのとき、正義もおまけみたいに一緒についてくる。いいか、同志クレア。必ずしも正義が勝つわけじゃない。むしろ勝った者が正義となるのさ」

 クレアはトロの展開する持論を聞きながらも、政治結社と犯罪組織が手を取り合ったところで革命が成功するはずはないし、よしんば成功したとしても、平和な現代よりも良い社会をトロごときに創ることは出来ないだろうと考えていた。いつかはブルシットの活動にほつれが生じ、崩壊していくのは目に見えていたが、それが分かっていながら、どうすることも出来ない自分の無力さをクレアはひそかに嘆いた。警察にたれこむべきなのだろうか。しかし、自分もブルシットの協力者として名を連ねている以上、刑事責任を問われるかもしれない。もちろんその報せはスカンディアに暮らす家族にも及ぶだろう。娘が優れた医者になって帰ってくることを待ち望んでいる両親を、クレアは失望させたくなかった。

「まあ、いい。武器はネオ・アルカトラズの連中からでも手に入れることができる。しかし戦力が増えるにこしたことは無いから、君はこれまでどおり、この店の実態を調査し続けるんだ。いいな」

 クレアは肯うほかなかった。

「……了解」

「結構。それでこそ英雄シェイズの娘だ」

 こんなときばかり父の名前を口にしないで欲しい、とクレアは内心憤ったが、彼女の想いをよそにトロは鷹揚に頷いてきびすを返し、大またで歩いて店を出て行った。クレアは嵐の過ぎ去ったあとのように緊張を解き、喉に詰まっていた息を一度に吐き出した。こんなことを繰り返していると、寿命が縮んでしまう。トロと顔を合わせるたびに、もう二度と会いたくないとクレアは思うのだが、そういうわけにもいかない現状に、気が滅入るばかりだった。

 トロが出て行ったのとほとんど入れ替わりに、またしてもドアベルが鳴り、オリーブ色の猫っ毛の髪を無造作に生やし、口ひげを蓄えた中年の男が店の中に姿を現した。その口元には年にそぐわぬ、いささか子供っぽく、軽薄な笑みが浮かんでいる。今度こそ、店主のメグナードだった。クレアは顔を上げ、

「お帰りなさい。メグナードさん」

 と言いながら、カウンターの下でひそかに尻尾を振った。

「ただいま、クレア。商談、少々もめたが、おおむね上手くまとまった。来週から新商品を仕入れるぞ。儲けが出ること間違いなしだ」

「よかったですね。私もがんばりますから、いっぱい売りましょう」

 クレアは無邪気に報告するメグナードを出迎えながら、ほっと安心するとともに、後ろめたい気持ちも抱いていた。私はこの人をだましている。過激派の一員として武器を調達するため、この店を利用しようとしている。もしそれを正直に打ち明けたとしたら、メグナードは果たして自分を責めるだろうか。彼は怒って、自分をきっとくびにしてしまうだろう。それはブルシットのメンバーとして以上に、クレア自身の本心がいやだと言っていた。今日までに受けた店主の掛け値の無い親切を大切にしたいという思いもあったし、単純に嫌われたくないという思いもあった。クレアの胸のうちには、あまりにも多くの葛藤が秘められていた。言葉に出せぬことの苦しみ。しかし、いまは自分が耐えることですべて丸く収まるのだ。

 ただそう決め込んで気を取り直し、クレアはメグナードに向かって、やさしく微笑むのだった。

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