皆様お久しぶりでございます。またこりずにアビスの小説を書いてしまいました。活動報告には次回作のプロットなどと言うものも投稿しているのに、です。さて、では説明をば。

この小説は、バンダイナムコゲームズから2005年に発売されたPS2用TVゲーム
「テイルズ オブ ジ アビス」の二次創作小説となっております。

 タイトルにあるとおり、原作登場人物が誰も死なないとてもストレスフリーなお気楽小説となっております。原作をプレイした事がある人、あるいは前作「臆病な~」を読まれた方ならば本編を読む前から分かってしまうでしょう。どういう事をしたから誰も死なないのかを。

 なお、小説の特性として原作ゲームのネタバレが多分に含まれますので、まだゲームをプレイされていない方はご注意願います。

 また、この作品はアンチ・ヘイトタグが付いております。ですが一般的に言われているアンチ・ヘイトは全く存在してません。登場人物も誰も死なないですしね。本当の意味で原作をブッ壊しているので、このタグをつけさせて頂きました。原作のシビアなストーリーが好きな方はご注意を。

 作者に文章力などと言うものは欠片も存在しません。駄文ですがそれでも良いという方だけ見てやって下さい。

 この小説は短編です。一話の内容それだけで完結します。そう言った意味でもストレスフリーですね。おお、なんと読者の心に優しい小説だろう(自画自賛)。

 さて、前置きが長くなりましたが本編を開幕させて頂きます。どうか皆様に一時のやすらぎを
提供できれば幸いです。



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 序盤の数十行の文章は、アレ? これどこかで見たよーな? と思わるでしょう。
はい。「臆病な~」からのコピペです。で、でも大丈夫。その数十行の後はちゃんと独自の文章
ですから!


誰も死なないお気楽なテイルズ・オブ・ジ・アビス

 初めて周囲の世界を知覚したのは、自分の屋敷だった。……それさえも自分にとってはよくわからない場所だったが。

 

 

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 「ルーク、おおルーク。安心しなさい。母はここにいますよ」

 

 始めに聞いた時、何を言っているか分からなかった。いや、言葉の意味は分かった。けれど俺にはその人が何を言っているか本当に分からなかったのだ。少し時間がたってようやく、自分こそが「ルーク」と呼ばれているのだと気づいた。

 

 ルーク、バチカル、屋敷、公爵家……始めは意味が分からなかった。いや、意味は分かっていた。ただ理解が追いつかなかったのだ。まさか自分が、「テイルズ オブ ジ アビス」の

主人公、ルークに転生したなど誰が理解できるというのだ。

 

 それから1ヶ月ほど時間が過ぎた。と言ってもこの世界、オールドラントと呼ばれるこの世界では1ヶ月は約58日存在するがな!!

 

 ああそうだよ! 1ヶ月58日かけてようやっと認識できたんだよ! 自分がルークで、この世界はオールドラントなんだってな!

 

 そこから先の数日間の事は思い出したくない。何故かって? 「テイルズ オブ ジ アビス」この原作ゲームの主人公ルークには凄まじい数の死亡フラグが立っているんだよ!

詳しく話すと長くなるので割愛するが、ルークは生まれた時から数々の死亡フラグが立っている人物なのだ。

 

 ……こんな人物に転生してしまったら、それから数日間ただひたすら自分の境遇を嘆いていたとしても誰も文句は言えまい。

 

 死にたく、ない。……俺は死にたくない。俺は転生する前に一度死んだのだ。なまじ一度“それ”を体験してしまったからこそ、なおさら強く思う。死にたくないと。陳腐な表現だが死んだ後の意識は暗く、静かで何も無い所を漂っているような感覚だった。あんな状態には2度となりたくない。そりゃあもう一度生まれてしまったのだからいつかは死ななきゃならないのだろう。それでも! 俺は死にたくない!!

 

 そこから二週間くらいの時間をかけて、俺は考えた。「どうすれば生きられるのか」と。

 

 現実世界の経験を持つ俺だが、この世界のレプリカ・ルークは生まれたばかりだ。その為いろんなことが出来そうで出来ない。例えば体を動かす事だ。

 原作ゲームを元にしたTVアニメ版だっただろうか、確か生まれたばかりのルークが赤ん坊がする様にハイハイから歩こうと訓練していて、使用人のガイに助けられていたのは。まだ俺には

上手くこの体を動かす事ができない。少しずつ慣れていくしかないか。

 

 次にまず始めにやりたいと思った原作知識の蓄積……メモ取りだ。確かルークは記憶障害の治療として日記を書く事を医者に勧められていたはずだ。それが出来るようになれば今覚えている原作知識を忘れない様にため込む事が出来るんだが。

 

 

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 生きる事を決意してから、約2ヶ月が過ぎた。あーあ。まだたったの2ヶ月か、なんか……過ごしている時は長く感じたが、振り返ると一瞬だな。そしてその2ヶ月の生活だが……驚く程疲れなかった。ストレスフリーで過ごせた。というのも俺に会う人物が極端に制限されているのだ。原作知識の通りなら、ナタリアとかすぐにでも飛んできそうなもんだが、ついぞ姿を見せなかった。その他には、不思議な事に医者にかかっていないのだ。「記憶喪失になったルーク・フォン・ファブレ」なら医者にかかるのが普通ではないか? だというのに俺は医者にかからせてもらっていないのだ。これはとても不思議な事だった。

 

 その他には、とりあえず言葉は現実世界と同じ様なので話せるのだが、今の俺は「話してはいけない」立場なので言葉を発する事が出来ないのだ。原作知識ではこの時点のルークは満足に言葉を話せなかった。それを知っているから俺は話せるのに話せないフリをしていなければならない。

 

 そして何より困惑したのが文字だ。この世界ではフォニック文字という文字が一般的に使われているが、その文字は当然ながら日本語ではなかった。……言葉は日本語と同じなのに。これでは人の目を盗んで原作知識をメモしようにも出来ないじゃないか。原作知識のメモは日本語で書けばいいのだが、その前にフォニック文字を習得していないと日記を書く様に指示されないのだ。あーもー大変だぜ畜生だ。

 

 

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 生まれてから3ヶ月……59日×3ヶ月が過ぎた。元の世界で言えば半年が経過した事になる。気ばかりが焦る。全然前に進めていない気がして。

 

 言葉が話せるようになって、というか少しずつ話せる様に偽装して少しして、体もちゃんと

動かせる様になった俺は屋敷の中だけだが自由に歩ける様になった。なので屋敷の中を歩いて

やっと自分の世話をしてくれる以外のメイドや執事、警備を担当する白光騎士団の面々と顔を

合わせて会話する様にした。彼らとはある程度親密になっておかないといけないので、ちょっとした言葉の端々にも気をつける様にしている。

 

 そんなこんなで今日は初めての来客がある日だ。1週間前から、今日という日に来客がありますからね。と両親に言われていた。なーんか怪しいんだよねー。つーか原作知識だと父親はルークと触れあうのを苦手にしていなかったっけ? 何か凄い人懐こい人だったんだけど!?

 

 そうして、俺は「その人」に出会ったのだ。

 

 

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「ルーク、おお、ルークだな。大きな混乱もなく生活できていると聞く。まずは良かったと言っておこうかな?」

 

 その人物は、俺が原作で知る通りの外見をしていた。ヴァン・グランツ!! なんだってこの男がここに来るんだよ。様子見にしたって早すぎだろ!? まだ医者にもかかっていないんだぞ!

 

「ルーク、この世界に「生まれた」君は大変混乱しただろうな。でももう大丈夫だ。今日全て説明するからな」

 

 は? え? ほ? 何ですと?

 

「ルーク、君は自分がテイルズ・オブ・ジ・アビスの世界に転生したと思っているだろう。

実はな、私もなんだよ。私も転生者なんだ」

 

「は? ふへ? へほ?」

 

 な、なーにを言ってるだー?

 

「私だけじゃない、ファブレ公爵、君の父親だな、それにシュザンヌ様も、そしてナタリア殿下とガイラルディア・ガラン・ガルディオス様も全員転生者だ」

 

「は、はぁー? ふ、ふほ~?」

 

「私達は皆、転生したのだよ」

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 『また退屈な一日が始まった』小さな帳面(ノート)にさらさらとペンを走らせると、ページはそれだけ黒く染まった。そうして書き終えた帳面をズボンのポケットにしまうと、部屋を出た。

部屋を出ると中庭では今日もペールが土いじりをしているのが目に入る。

 

「おはよう。ペール」

 

「これはルーク様。おはようございます。いい天気でございますな」

 

 簡単な朝の挨拶を交わすと、ペールは黙った。土いじりの仕事に黙々と精を出す。……この人も転生者なんだよな。俺は朝食をとりに応接室へ向かった。朝食を食べた後は昼までぼーっとする

時間がまっている。暇だ。ここに居ても俺にはすることがない。ヴァンの声を思い出す。

 

「究極的に、君は存在してくれるだけでいいんだ」

 

 あのヴァンの告白から3日経っていた。その間に俺は現状認識を正しく行える状態になっていたが。ヴァンからの告白、それは原作の主立った人物は全て原作知識持ちの転生者という事実だった。

 

 なんじゃそりゃ。

 

 そう思うだろ? 俺だってそんな気持ちだよ。でもそれが真実なのだから仕方ない。そして主要登場人物が全て転生者のこの世界は酷く穏やかだった。

 

 まずジェイドが転生者であった事で、ゲルダ・ネビリムさんは死なずに済んだらしい。後これは

ほんの些細な事だがディスト――本名サフィール・ワイヨン・ネイスもいじめられずにすんだ

らしい。ほんとに些細な事だな、おい。そして、原作においてレプリカの存在がこの世界に存在

する預言(スコア)を狂わせる効果があると「知っている」人々は素早く動いた。まずジェイド専用の研究室が立ち上げられ、そこでフォミクリー、レプリカについて好きなだけ研究させてくれる事になったらしい。だからと言ってブラックな職場じゃないぞ。「ジェイド」の精神状態は世界にとっても重要な事なので細心のケアを施されたらしい。仕事は9時5時、福利厚生もちゃんとしていたらしい。なんじゃそりゃ。

 

 そして、レプリカの研究については非人道的な行為は一切排除されたらしい。研究は本当に細心の注意を持って行われ、一人の死者も障害が残る者なども出なかったらしい。転生者のディストも譜業面で活躍したとかしないとか。

 

 そんで、今から約20年前に大量のレプリカ人間が生み出され。その人物たちに手厚い保護と

最新の教育が施され、そのレプリカ達はホド諸島に渡ったのだとか。

 

 次はホドの崩落だ。原作では「栄光を掴む者」ヴァンデスデルカ――ヴァンの本名だ――が

フォミクリーの装置と繋がれて疑似超振動を発生させ(恐らく)ホドのパッセージリングを破壊

した事で崩落が起きた。だがヴァンも転生者、マルクト国内のレプリカ研究を進めるマルクト皇帝や上層部の人達もみーんな軒並み転生者のこの世界では、ヴァンのレプリカが超安全に作られ。

レプリカによって預言は回避されたらしい。具体的に言うと、ユリアの預言、惑星預言(プラネットスコア)は凄い

強制力を持ってる。そしてホドだけでなく、世界中のパッセージリングが2000年という膨大な耐用年数に耐えかねて崩落するのだ。それは避けられない事として、マルクト・キムラスカ・

ダアト・ケセドニア世界全てでホドの崩落が決定されたとの事。具体的にはレプリカのヴァンが

音素(フォニム)爆弾や譜術を使ってホドのパッセージリングを壊したのだ。ヴァンのレプリカにやらせたのは、少しでも世界が消滅預言(ラストジャッジメントスコア)から脱却してくれるように、との願いを込めてらしい。そしてあらかじめ崩落する事が分かっているのだから既に移住していたホドの住人、レプリカを含むその人達は一斉にパッセージリング破壊前にマルクト領土内の他の場所に避難できたらしい。これでホドは安全に崩落したって訳だ。

 

 次に行われるのがアクゼリュス崩落の預言だ。ND2000年に生まれる赤い髪の男児、

ルーク、つまり原作で言う所のアッシュだな、は祝福を持ってこの世界に生まれてきたらしい。

転生者の皆はアッシュのレプリカ、レプリカ・ルークこそが消滅預言を覆す人物と分かっていた

かららしい。そのオリジナル・ルーク、ええいややこしい、アッシュでいいだろう、は生まれた時からレプリカが作られる事が決定されていたとの事。ただその時期については転生者達の間でも

一揉めあったらしい。レプリカを一つの命として見るなら、アッシュが生まれた直後にレプリカを作成すべきではないか、と言ってな。だが結局はできうる限り原作知識通りにしようと言う決定で、アッシュが10歳の時、つまり今だな、にレプリカを作ったという事だ。

 

「そうして俺がここにいる、と」

 

「ん? どうしたルーク。何ひとりごと言ってるんだ?」

 

 ヴァンとの会見の後に引き合わされたガイ、ガイラルディアああもう長いからガイでよし! 

はそんな事を言ってきた。

 

「いや、今の自分の状況を再確認していたとこ」

 

「なーんだ。そっか。混乱しているんだよな。分かるよ。俺も生まれた直後はそうだったからな。でも父親のガルディオス伯爵が俺に全て説明してくれたんだ。君も転生したんだろうが心配

いらない。「我々も転生者だ!」って言ってな」

 

 ハハハ、とそう言って笑うガイが何だか遠くに感じられた。ええー。俺はまだ状況について

いけてないんだよ。

 

 そんで、話の続きに戻る。アクゼリュスのパッセージリングが耐用限界にきているのは原作知識の通りだ。だが原作ではND2018年に大地から障気が漏れ出て僅かに崩落が始まる。まだ7年も先だからどーんと構えていて良い、との事だ。そんでヴァンが言うには、やっぱり原作通り

アクゼリュスのパッセージリングは俺――というか俺の超振動――で破壊するのが一番望ましいと思われているようだ。その時にはホドと同じく、周辺の大地から全ての住民を退去させ、その頃には発掘も終わって復元されている浮遊機関を使ったアルビオールで空を飛んで崩落させる人間、

つまり俺だな、まあ実際には何十人という人間が介添えとしてつくらしいけど、それを回収して

犠牲者ゼロでアクゼリュスの崩落を乗り越えようと言う話らしい。

 

 そしてその後は、ホドとアクゼリュスのパッセージリングが破壊された事で、アルバート式封咒も解けるだろうから、全世界のパッセージリングに第七音素(セブンスフォニム)を使える人間でちゃんと正規のルートで暗号を解き操作し、安全に全世界を魔界(クリフォト)に降下させようと言う計画らしい。原作通りアクゼ

リュスが崩落した事でセントビナー周辺の、シュレーの丘近辺の大地が崩落を始めるだろうから、まずはそこだけ先に安全に降下させて、次にザオ遺跡のパッセージリングも操作して安全に降下

させる。

 

 そしたら後は全世界の残り6つのパッセージリングに降下の前段間、準備の文言をうまーく操作して打ち込んで、ラジエイトゲートから第七音素を照射する事で全世界を安全に降下させるとの事。

 

 そして魔界に下りた後の魔界の液状化と障気の問題だ。液状化の原因は魔界の地核が振動して

いる事が原因なのはダアトにある禁書(もちろん転生者の人が見つけ出した)で分かっているので、その地核の振動を測定する装置も、地核の揺れを抑える為に地核の圧力に負けず振動を生み

出す装置も、360度全方位に振動を発生させる精密な演算器も既に開発済みとの事。更に油断しない為に、それらの装置は1年に一回ごとバージョンアップさせるとの事。

 

 更に更に障気の問題だ。これは地核が発生源だと原作知識で判明しているので(原作にめちゃ

詳しい設定マニアの人が何人か、というか何十人か転生者の中に居たらしい)障気は星の圧力を

利用すれば何とかなる。具体的に言うと中和ではなく隔離するのだ。空に浮いてる外殻大地、そこと魔界の間にはディバイディングラインという力場が存在する。正確にはディバイディングラインの浮力が、星の引力との均衡を生み、外殻大地は浮いている。外殻大地が降下すると引力との均衡が崩れる。降下が始まるとディバイディングラインは下方向への圧力を生む。それが膜になって

障気を覆い、大地の下、つまり地核に押し戻す。障気が地核で発生してるなら、魔界に障気が

溢れるのはセフィロトが開いているからだ。外殻大地降下後、パッセージリングを全停止すれば

……セフィロトが閉じて、障気は外に出てこなくなる。障気の問題はこれで解決だ。

 

 こうやって列挙すると世界の全ての問題はほぼ解決済みなのだ。ヴァンに3日前言われた俺の

役目、絶対に俺がやらなければならない事はローレライの解放だけ、らしい。それもオリジナルで年上のアッシュが主にやってくれるから。俺はローレライから7年後に地核の辺りで受け取る

ローレライの宝珠をコンタミネーションで体の外に出すだけだと言われた。

 

 ……何ともはや、つまらないものである。あんなに俺は生きてやる、人を殺してでも生きてやるとか格好つけちゃったのに。格好つかないなぁ。

 

「ルーク、今お前が何を思っているか手に取るように分かるぞ。でもやめとけ。そういう事を

考えても全然生産的じゃないぞ」

 

「いや、まあ、うん。分かってはいるんだけどさぁ」

 

 こうも自分が生まれる前から全ての状況に先手を打たれていると、こう、ね。自分が生まれた

意味はあるのかなんて事も考えちゃうのだ。あ、生まれた意味を知るRPG。繋がったな。

 

 さて、ここまでは世界全体の事を言ってきた。ここからは個々の事象を見ていこう。

まずジェイド。ネビリム先生を殺してない。第七音素にもこだわりを持っていない。人が死ぬ事にもちゃんと意識を持ってる。はい終了。ディストは……まあいいや。

 

 次、ティア。ホド諸島から避難した母親から安全に生まれました。今はダアトで安全に暮らしているそうです。軍人なんてまっぴらごめん、という性格の女性だったらしく、神託の盾(オラクル)騎士団には入っていないとの事。ダアトで自給自足の生活をして慎ましく生活しているとの事。ヴァンから

可愛い妹だと自慢された。

 

 次、ガイ、ホド諸島で生まれた後、キムラスカのファブレ公爵に襲撃されるなどと言う事も無く、健やかに成長したらしい。成人したらガルディオス伯爵家を継ぐのだとか。ファブレ公爵家に来ているのは原作通りにするという以外にも10歳までこの屋敷で生活するアッシュの相手や、今

生まれた俺の相手をするためだとか。転生者の中にも色々な思惑があるらしく、それに巻き込まれるのも嫌なので大人しくガイはウチの使用人になったのだとか。ガイは成人までの生活をここで

満喫しているらしい。何とも緊張感のない奴だ。

 

 次、アニス。両親が借金まみれになる事もない。何故なら両親も転生者だから。だからアニスも若くして神託の盾騎士団にも所属していない。ヴァンの話によるとティアと同じくダアトで

「ちゃんと」生活しているらしい。何しろあのモースも転生者なのだ。こりゃダアトで問題が

起きる訳がない。

 

 次、ナタリア、原作ナタリア、本名メリルはちゃんと生まれてラルゴとシルヴィアさんの両親の元で生活している。彼女も転生者だしな。シルヴィアさんも原作で赤子の入れ替えをやる乳母も

転生者なので入れ替えは起こらない。父親のラルゴも戦争とか傭兵とかマジ勘弁、という人だった

らしく、キムラスカでお店を開いて生活しているらしい。店子のラルゴ……プププ。わ、笑っちゃダメだよな。

 

 イオン。原作のイオンはやはり病によって亡くなって……いないらしい。何でも普通に最高の

医者達に見せて治療したら助かったのだとか。一応イオンレプリカも7体作られて、原作のイオンもシンクもフローリアンも転生者がその座に生まれたらしい。今ではダアトにいると混乱するから、という理由で世界中に散っているのだとか。

 

 ミュウ。こいつはこれから未来の世界だ。ミュウも転生者……なのか。なんか凄い恐ろしいな。だがこれは未来に起こる事なので対処可能だ。まずチーグルの森に行って、ソーサラーリングを

しっかり管理するように言いつける。ユリアと行動を共にしたチーグルなら預言の事も知ってる

だろうから、預言で子供が火事を起こすと詠まれた、と言って厳重に管理させればいい。これで北の森での火事も起きない。ライガの群れも火事の被害を受けない。ライガクィーンも子供の卵を

潰されない。

 

 ギンジ、ノエル。職人達の元で子供のうちからパイロットとして教育を受けてるらしい。いやぁそれはどうなのよ。子供の将来を縛るのは……とか言い出そうとしたら、本人達が希望する職種があるのならパイロットの任務をこなしたND2018年の後に最大の便宜が図られるらしい。

 

 セシル、フリングス。二人は預言で結婚する事が詠まれたカップル同士だ。そのせいか会う前から相手の事を意識していて、今ではもうお見合いも済ませたのだとか。……リア充爆発しろ!

 

 ヴァン、自分のレプリカが自分の故郷であるホドを崩落させるのは大変心苦しかったらしいが、世界全体を救う為にホドのパッセージリングは壊さなきゃならない。使命感をもってリングの破壊を見守ったんだと。そして今は父親と母親、愛すべき妹に囲まれて神託の盾騎士団の主席総長に

収まっているらしい。現代日本人だったこの人も戦争は嫌という性格らしかったが、そもそもこの世界では転生者の為政者のおかげで戦争なんてここ数十年起きていないらしいので、意外と快適だと言っていた。俺に転生の事を話したヴァンは、重厚な人生を歩んできた「重み」を感じた。

 

 リグレット、この人も現代日本人なので神託の盾騎士団には入っていないらしい。そして原作ではケセドニア北部戦で亡くなったという弟も、騎士団には入っていない。弟は死なないし、

リグレット――本名ジゼル・オスローもダアトで清く正しく生活しているらしい。

 

 アリエッタ、ホド諸島のフェレス島がホドの崩落で沈むこの娘も、島全体が避難したので事なきを得たらしい。ライガクィーンに育てられる事もなくエンゲーブで暮らしているのだとか。良かった……のかな。

 

 キムラスカ国内。インゴベルト陛下は大変機嫌良く過ごせているらしい。というのも王妃様が

死ななかったのだ。お産の時に危険な状態に鳴るのはお産の前から分かってたから、最高の医療

チームを組んで対応したらしい。そして原作で死産だった。本当のナタリアもちゃんと生まれて

家族楽しく過ごしている。

 

 マルクト国内。現在はもうピオニー陛下に皇位を譲られたんだとか。そしてピオニー陛下は

幼なじみのネフリーさんともう無事に結婚したらしい。リア充爆発しろ! その2ぃ!

 あ、原作でネフリーさんがくっつく筈だったオズボーン子爵もネフリーさんとは結ばれなかったがもう結婚しているらしい。つーかヴァンさんの情報網はどこまで網羅してんだよ!

 

 ダアト国内、導師イオンが健在で大詠師モースも大変健やかな精神を持って統治してるとか。

 

 ケセドニア。アスターさんは転生前も商売人だったらしく、原作のアスターに追いつけ追い越せで頑張っているらしい。

 

 これが原作の主立った登場人物の現在だ。そして我がファブレ公爵家。シュザンヌ様も最高の

医療チームが側についている。環境に良い状態で毎日を過ごしているしな。

 ファブレ公爵は子煩悩な人だった。アッシュもレプリカである俺も変わらずに子供と思ってくれているらしい。昨日なんか頬ずりされちゃったよ。

 ペール。原作でガルディオス家を支える役目だったこの人も転生者として、使用人になる為にファブレ家に来てくれた。本人はやはり日本人なので、剣を振り回すより今の土いじりをしている方が幸せで良いとか。

 執事のラムダス。家を切り盛りしてくれている。

 山ほどいるメイドと白光騎士団。原作で知ってたファブレ公爵家で働く事ができて幸せ。しかも最近になったら原作主人公のルーク(俺だ!)まで現れるので結構のんきに暮らしてるとか。

 

 そして、アッシュ。生まれた時からアクゼリュスを崩落させる事を詠まれていた子供。現在10歳。だがアッシュと名前を変え、ルークの預言に詠まれないダアトに住居を移すことで預言を欺くのだとか。家族と暮らせないのはやっぱり嫌だが、預言に従っているとアクゼリュスと共に消滅

してしまうので、今はこらえているとの事。その代わりND2018年の激動の年が終わったら

それまで以上に家族に甘えるのだとか。ND2018年になったら地核の辺りに行ってローレライの剣、鍵を受け取る作業とローレライを解放する作業が待っているがそれくらいヴァンや俺に比べたらなんてことないのだと。俺の事は、自分を生かす為に生まれさせてしまった事で若干の負い目があり、かつアクゼリュスの崩落、パッセージリングの破壊という大事が待っているので負い目は更に増え、応援することしかないけど頑張ってくれな、だとさ。

 

 さて、主要な登場人物の事も語り終えたな。俺は帳面に記した文字列を見てため息をついた。

 

「はあ……昼飯食ったら夜夕飯食って風呂入って寝るまでやる事ないんだよな……何しよ」

 

 俺はそういって、退屈な一日を過ごすのだった。

 

 




 原作終了のお知らせ。これも全て転生者って奴の仕業なんや!
 冗談はさておき、この世界はこれ以上ないという程に安全な世界ではありますが、それ以上に
恐ろしい世界だと思います。何が恐ろしいかって転生者じゃない人から見たら、ね。なんであの人達は俺達に分からない共通言語で動いてるのー? って感じです(笑) 転生者の為政者とか凄い怖いんだろうなぁ。
 これで、原作の問題や主要な登場人物語り終えたと思いますが、何か抜けている事があったら教えて下さい。あ、でもサブイベントで出会うだけの人とかはいらないですよ。さすがにそこまで
描写してられないっす。

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