リント・クライムロード。
精霊が身近にいたとされる古代より存在が希薄になったこの神時代において、高い親和性と融和性を持って産まれたこの世界の
リント本人はふよふよ光ってる虫が寄ってくるな、この世界の蛍かな?程度にしか精霊を知らないためこの才覚を知っているのは、背中に
彼の故郷には住み処である大聖樹がないため、純粋故に残酷な計画を企てた。
宿木という植物がいる。これらは他の樹木に張り付き、栄養や水分を吸収して成長する植物であり、一定の魔力が無ければ消滅を免れない精霊は
そのためにはまずは微精霊を用いてリントに近づき、親交を重ねて絆を育み、全幅の信頼を寄せさせる。そうすれば大聖樹に変わる木になってと
『は?嫌だが?』
『──』
断れた。
魅了!ピカッ!
『っ、立ち眩み?』
効かなかった!?
ええい、力ずく!やー!
『消えなさい』
異常だと判断した両親が知らせた、早馬で駆け付けた美神に阻まれた。
『精霊がこんなこと仕出かすなんて······。貴方、変な子ね』
美神──アフロディーテはリントに対して目を細める。精霊から力を授かるのではなく、大聖樹にされかけた少年。
それはそれとして、リントを数多の
そして
どの神も精霊に
彼こそが
「リント・クライムロード!お前がこの階層にいる理由を今は聞かん。しかし、あの戦いには参加しないでくれ!」
「了解です!周りの骨がアイズさんに向かないように殲滅します!」
「あの娘もこれくらい聞き分けがよかったらな······」
【王座の間】に転がりこんだリントは、骨の群れを蹂躙しながら全身を撫でる風に嫌な既視感を覚える。
「──はぁぁぁぁぁ!!」
『──ガアアアアア!!』
二度目の衝突。そして巻き起こる暴風。普通の魔法とは違う、アイズ・ヴァレンシュタインの"風"の魔法。
既視感。自分は以前、これに似た風を味わったことがある。
では、モンスターかと聞かれたら答えは違う。
この既視感はつまり、
「───」
答えに辿り着いた瞬間、リントの脳内に溢れる
『リント!リントみたいな強くて壊れない
「え?」
『キャハハハハハハ!行っくよ───!!』
「え、え?あっ、待っ、ぎゃああああああああ!!?」
じゃれてきた馬は周りの粒子を吸い込んだと思うと、一気に神々しい馬の姿になった。辺りに漂う微精霊から力を貰ったのだ。そして壊れないと見るや球状にまで圧縮した
あの日、なす術なく
ユーフィと呼ばれるデカ駄馬──じゃなくて精霊はなんかシュンとなって凹んでいたが、
その後の遊びは加減を覚えたのか死ぬまでとはいかずとも、中々に命懸けだった。いい
ユーフィからお詫びの印に貰った沢山の『雫』は普通の炉でも加工できるらしいが、精霊炉で加工するとかなりの効果を見込めるとのことで、【学区】から貰った
そんな昔話を思い出したリントは、そろそろ決着がつきそうなので、本気を出す。
「──【ディア・ミメシス】!!」
自傷しなくとも、この風をそのまま付与する。やはりと言うべきか、通常の魔法とは違い、
「やはりアイズの風を纏えるのか······」
アイズの同行者であるリヴェリアは、リントの
(面白いな、この子は······)
アイズやレフィーヤ、ベートですら
【ロキ・ファミリア】に入団していたら他の者も影響されるのだろうか?その前に誰がこの子を教育するかで揉めそうだな。主にアイズとベートが。
そんなあったかもしれない世界線を想像してふっと笑った。
「片付けました。あっちも丁度終わったみたいですね」
「そのようだな。待ってろ、お前にも
「あるんでいいですよ」
「どこから出した」
精霊の計画。
魔力を吸い取る宿木として、リントに寄生する恐ろしい計画。大聖樹に住みたい彼らはリントを人型の大聖樹に見立てていた。この精霊達に悪気は一切なく友達と一緒にいられるんだからいいよねの精神で行動していた。
リント
精霊に寄生されかける。厄介(ポンコツ)な美の女神の眷属にされる。そして数年後に精霊馬に殺されるという不運に襲われる主人公。
ユーフィ。
剣製都市の精霊馬。中位精霊だが、たくさんの微精霊達から力を貰って大精霊に片足突っ込んだ。古代の英雄は精霊によって強化したんだから、精霊も精霊から力を貰ったらそうなるよねって理屈。アストレアからのガチ説教の後、加減しながらリントと遊んだ。楽しかった。