個性:ドラえもん   作:心身新

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ドラえもん のび太と敵包囲網

最近忙しいヴィジランテ。

どうも、ぼくドラえもんです。

 

オールマイトが死んだと発表されてから、各地で(ヴィラン)が活発に動き出して、ヒーロー飽和社会とか言われていたのに人手が足りなくなってきて、非認可のヒーローもどきであるぼくにもこえがかかる始末。

 

この間なんか、現場のヒーローに指示を出してくれと頼まれてしまった。

 

ぼくはヒーロー免許持ってないんだよ?

頼りにするのはおかしいと思うんだ。

 

 

まぁ、理由は人手不足だけじゃないのは分かってるんだけどね。

 

 

 

 

先日、とある作戦に参加して欲しいとの要望があって、それを受けたんだよね。

死穢八斎會への襲撃作戦。

たくさんのヒーローと一部学生を動員した大規模な作戦だった。

 

なんで一般ヴィジランテ風情のぼくが名指しされたのか。

 

 

 

公安所属のヒーローに捕まったからですね。

 

 

 

タケコプターじゃ追い付かれそうになったからどこでもドアを開いたら、すごい勢いで閉じて危うく手を挟みそうになったよ。

赤っぽい羽が刺さってたから遠くから飛ばして刺したんだろうね。

 

まいったね。

 

 

そんなんで突入したらいいんだけど、建物がグニャグニャ変わるから走りずらいったらありゃしない。

 

最初は通りぬけフープを使って全員で移動してたけど、回収して、設置して、全員通ったらまた回収とかやってたら効率が悪いからって、ぼくとルミリオンが先に行くことになったんだ。

 

 

 

 

ま、何も出来なかったんだけどね!!

 

終始ルミリオンが前に出てぼくは飛んでくる瓦礫なんかを叩き落としてただけだったなぁ。

彼、個性が透過で身体的な特徴はないのに強いのなんのって。

 

個性が消されちゃったのが可哀想でしょうがない。

ぼくがいるのに咄嗟に庇っちゃってさ。

 

体が勝手に動いたとか言うもんだから、呆れちゃうよね。

 

 

 

 

 

ぼくが出来たのは、ナイトアイを治すことだけだったな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄英の文化祭は楽しかったな。

なんか招待くれたからお邪魔したけど、サポートアイテムやらを見れてとってもホクホク。

 

緑谷くん達のバンドも、ド派手な演出でとっても盛り上がった。

来年の文化祭も、行けたらいいなぁ。

 

 

 

 

 

エンデヴァーがめっちゃ強い(ヴィラン)と戦ってた。

No.2が苦戦する相手なんて、並のヒーローじゃ太刀打ちできないじゃないか、とんでもない時代になってきたもんだ。

 

羽根の人に「今は1ですよ?」って凄まれた。

ファンだったんだ、とても怖かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ヴィラン)連合と異能解放軍が手を組んだらしい。

 

正確に言うと合併して超常解放戦線とか名乗り出したみたい。

かなり大掛かりな……

 

いや、うん。

 

 

濁さずに言うか。

 

 

 

 

 

戦争が、始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒーロー 対 超常解放戦線。

ぼくが送られたのは群訝山荘、(ヴィラン)の本拠地になっているところだ。

 

蛇腔病院にも奇襲がかけられていて、そっちにはチャート上位のヒーロー達が派遣されている。

数の多い異能解放軍を取り込んだから、かなりの数の(ヴィラン)がいて、敵味方入り交じる混戦状態になるって言われてた。

 

この中に学生の姿もあって、サポートに徹して役目を終えたら撤収することになってるけど、正直不安は拭いきれない。

 

ぼくのひみつ道具は、こと戦闘になると使える物が限られてくる。

 

それこそ多人数を相手にした直接攻撃と言うなら空気砲か、空気ピストルくらい。

やれるだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

やれるやれない以前の大問題が発生した。

 

巨人が這い出て来やがった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

群訝山荘の地下神殿から、ギガントマキアが出現する。

死柄木の声に導かれ、群訝山荘から蛇腔病院へと直進を開始した。

 

間にある物全てを破壊しながら。

 

Mt.レディを筆頭に、様々なヒーローが対処に向かう。

 

「レディ!もう少し頑張れ」

 

「踏ん張って、ますって、ばぁぁぁあ!!」

 

直進する巨体を両の手で押し返そうとするも、止まることはなく。

シンリンカムイがその背にミッドナイトを乗せて追従する。

 

「力じゃ止まらない…!私をヤツの顔まで、連れて行って!」

 

個性:眠り香でマキアを昏睡させようと動き出したその瞬間に、背中から蒼い炎が吹き上がり、カムイたちを焼く。

 

「ほらな?気付いてなかったろ?」

 

しかし、木に守られたミッドナイトがその蒼炎を抜けて来たが。

 

 

「って!おい!」

 

咄嗟に投げつけられたコンプレスのビー玉が、瓦礫に変わりミッドナイトを巻き込んで落下した。

 

 

 

地上、森のどこかにて。

ミッドナイトは生徒に通信を繋いで指示を出す。

 

「力押しじゃ止められない……眠らせたい」

 

緊急事態につき法律違反には目を瞑って、動けない自分の代わりに目的を果たせと。

遠く、(ヴィラン)の足音が聞こえる。

近くに落ちていた黄色い刀身の刀を手に取り、構える。

 

「あなたの判断に、委ねます」

 

 

 

 

 

 

 

 

ミッドナイトから連絡を受け取った八百万は、自身の体から睡眠薬を生成。

その場にいた雄英生全員で、マキアを迎え撃つ態勢を取った。

 

 

骨抜 柔造の個性で地面を軟化し、峰田 実のモギモギで貼り付ける。

軟化下地面の中に爆薬を仕込んで追い打ちをかける準備。

 

 

程なくギガントマキアが到来。

 

軟化した地面に気付くことなく侵入し、足を取られて転倒する。

立ち上がろうとするのを、モギモギの着いたロープと茨、テープで無理矢理下ろし

 

 

 

 

きれない。

 

並外れたパワーで拘束を引きちぎってしまう。

 

背中に乗っていた連合メンバーが動き出す前に、強襲。

青山のレーザーで気を引いているうちに、ポインターをセット。

上鳴が全力の放電をする直前に、コンプレスの仕組んだ瓦礫が飛んでくる。

 

その間に決死の牽引でマキアの口が開き。

 

 

「皆さん!今ですわ!!」

 

 

雄英生が一斉に薬を投げ込む。

 

多数の瓶がマキアの口に入ろうとした、その時。

吸い込んだ息を全て吐き出した。

 

投げ込まれた薬剤は方々に霧散し、吐く息に合わせて蒼炎が走り、森一帯を燃やしていく。

 

邪魔がなくなり、立ち上がるマキア。

移動を再開せんと、1歩踏み出し。

 

「まだぁ!」

 

八百万が手元のスイッチを押す。

地面に仕込まれた爆弾が起爆し、巨人の体勢を崩す。

 

倒れた所に、ヒーローが駆けつける。

 

「付近の仲間はみんな捕えた!」

 

「大人しくしろ!(ヴィラン)連合!」

 

さらにMt.レディがのしかかり、マキアの口を無理矢理開かせる。

 

(コイツを止める方法が今、あるなら!)

 

蒼炎を抜けて、芦戸が跳ぶ。

 

(信じるよ、雄英のひよっこさんたち!)

 

「眠れぇ〜!!!!」

 

 

 

 

ハエに時間を割くなど寄り道(はなは)だしい 判断を誤った

 

 

 

(この声…)

 

 

フラッシュバックする、中学生時代のトラウマ。

溶かしきれない恐怖が、芦戸の動きを鈍らせた。

 

投げ飛ばされるMt.レディ、払われた手の先には芦戸が。

空中で逃げ場もなく、防御手段もなく。

ただ潰されるのを待つばかり。

 

「ううーっぁ!!!!」

 

飛び出してきたのは切島鋭児郎だった。

全身に硬化を施した切島は、芦戸を投げ飛ばした後マキアの掌撃を受けきってみせた。

 

そのまま身体を駆け上がり、マキアの口へと睡眠薬を放り込む。

 

「ハッ…んっ!」

 

それに気づいたトガヒミコが、ナイフを投げて破壊するも。

投げたそれとは別の瓶を取り出し投げた。

 

それは芦戸が落とした分。

 

見事、薬はマキアの口に放り込まれ、目的は達成。

 

 

 

しかしマキアは倒れなかった。

その形状を変化させ、援軍に来たヒーロー達に迫る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ころばし屋!ビッグライト〜!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

攻撃が通る前に、マキアは転んだ。

180cmほどの殺し屋じみた風貌の起き上がり小法師に、転ばされた。

 

「ちょっと遅くなっちゃったかなぁ!?レディ!起きてるかい!?」

 

「……ぉっきてます。いったいなぁもう!」

 

「これを使って!あいこグローブ!」

 

投げたグローブをビッグライトで巨大化させて、Mt.レディに渡す。

同時に、自分はもうひとつの道具を取り出した。

 

「あいてストッパー!」

 

あいこグローブは、着ければ相手と同じ強さで戦えるグローブ。

あいてストッパーは対象の動きを止める道具だ。

 

駆け付けてきたドラえもんのコスチュームはボロボロで、袖が無く、フードも取れて顔を隠していた仮面は左側の目元が割れて無くなっている。

 

 

胸元にはアンラッキー引き寄せバッジを着けており、手にはアンラッキーポイントカードを握っていた。

 

つい先程、溜まったアンラッキーポイントを使って名刀電光丸を放り投げたところだ。

 

 

 

 

マキアが立ち上がればころばし屋が転ばせて、這って進めばあいてストッパーで動きを止める。

抵抗を見せれば、あいこグローブをはめたMt.レディが抑え込む。

 

「こんだけやってんのになんで止まんないのコイツは!!」

 

「ストッパーが簡単に破られるんだけど…。とんでもないヤツだな」

 

「有効量の睡眠薬を飲ませたはずなのに…効いていないのですか?」

 

進行速度は落ちたものの、それでもギガントマキアは進んでいる。

地面の軟化も解け、仕込んだ爆弾も無くなり、モギモギの限界量も超えた。

 

生徒たちに出来ることは全てやって止まらない。

 

Mt.レディも気力だけで意識を保っている状態でいつ気絶してもおかしくはない。

それよりも先に戦線を離脱する者がいる。

 

 

「…っ!ころばし屋の弾が切れた!」

 

規定回数の3回を超えたため、ころばし屋が機能停止してしまった。

再起動をするには10円を入れなければならないが、10円を大きくして投入する隙がない。

 

自身を転ばせる存在が居なくなったことで、マキアが攻勢に出た。

AFOによって、継戦能力に振られた複数個性は、気力だけで立っていたレディを一撃で昏倒させ、蛇腔市へと猛進。

 

「させる訳ないだろ!!」

 

ドラえもんがあいてストッパーで食い止めるも。

 

主への最短距離。主の御本へと向かわん

 

「効かないのかよ……!」

 

あいてストッパーが火花を散らして壊れた。

迫る巨体に、動くこともできず跳ね飛ばされる。

 

カードにはポイントが溜まっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すまないね、ナイトアイ。人の未来を見るのは嫌だったろう」

 

「何、構いませんよ。それが私の仕事です」

 

 

公安が保有する施設内で、モニターを眺めながら2人は静かに会話する。

映し出されているのは被害の状況と犠牲者数。

 

群訝山荘から京都府蛇腔市までの直線距離約80km。

全てが更地に変えられていた。

ヒーローに死傷者多数。

 

一般市民には、ゼロ。

 

ヒーロー達の決死の遅延行為と、未来予知による事前避難の賜物だった。

同時期に、公安委員会会長がリ・デストロにより重傷を負い、後に死亡した。

 

公安はヴィジランテのドラえもんに助けを仰いだが、こちらもギガントマキア戦にて意識不明の重体。

蛇腔市も、覚醒した死柄木による大量破壊で被害甚大。

 

荼毘によるエンデヴァーの闇の公開もあって、ヒーローの信用が地に落ちることになる。

 

 

 

 

そんな混乱の中、緑谷出久:ヒーローデクが姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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