「寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い!!」
蒼炎くゆる廃墟の中を、青タヌキの着ぐるみを着た青年「タヌキじゃない!!!」が人を背負って駆けている。
患者は酷い火傷を負っていて、コスチュームは燃え落ち、肌は爛れて息も絶え絶えだ。
黒い渦から荼毘が現れて辺り一面に炎を撒き散らすものだから、AFOと一緒に送られてきた
「蒸し焼きになるよりはマシと思ってたあべこべクリームを塗ったけど、これじゃ逆に凍死しちゃうよ!」
言いながら安全圏に入るやいなや、どこでもドアを出して避難区域へ放り込む。
「ここら一帯は大丈夫かな?次はマキアのとこ?いやもう終わってるんだったか、じゃあ作戦決行場所のとこかな」
太い蔓に絡め取られたヒーローたちを、葉隠透と青山優雅が救助していた。
そこにドラえもんと、残ったヒーローも加わって次々と下ろされていく。
「通りぬけフープ!」
「わあ!便利だねぇ!」
「ウィ。これならヤケドの心配もなさそう」
セントラル病院では、ヒーローや
「ミニドラ〜!さあ、怪我人の皆を運ぶよ!」
「ドラドラ〜!!」
「これは助かる。運ぶのにも人手が足りなかったんだ」
倒れているインゲニウムを発見し、この先にショートと荼毘が居るはずだと聞き捜索へ。
「しかしボロボロだね、生身のまま音速で突っ切ったみたいじゃないか」
「どうでしょう...それくらい、出ていた気もします......」
「まったく無茶するね。君も、轟くんも」
全身、火傷やら凍傷やらで塗れた一家を見て、そう言った。
群訝山荘跡地には多数のヒーローが倒れ伏している。
とてもとても1人では手に負えない。
ミニドラは放出中、コピーロボットも在庫切れ。
なので、1番傷が酷い人から手を付けることにした。
「わぁこれは酷い、どっちも冷たいじゃないか」
「....ぇもん...さん......」
「お、意識はあるね?なんでもいいから、そのまま喋ってなよ」
「...たし、もっと......ぉはなし」
「うんうん。治ったら存分にするといいよ、やりたい事もたくさんね」
8箇所あった戦地は、ギガントマキアの暴走や黒霧のワープで掻き回され、今や3箇所に。
デクとダイナマイトが静岡県某所にて死柄木弔を食い止め、そこに向かうAFOをオールマイト改め
多古場競技場では、未だにヒーローと多数の
戦いが終わった戦地では、ドラえもんが走り回ってケガ人を保護し、救急箱ロボットを使って応急処置をし、どこでもドアで後方に送っている。
「全因解放 ︎︎オール・フォー・ワン」
ドラえもんが救助活動に勤しむその近くで声が聞こえた。
いい加減に焦れたAFOが、強硬手段に出る。
自分の中に取り込んだ個性因子を全て表出させ、推力に変えて無理やりにでも目的を達しようとする。
そこに立ちはだかるのは、UM。
コスチュームはボロボロで、マントは肩辺りで引きちぎれている。
「セーフティ解除、右腕エネルギー充填。コードAII MIGHT」
両脚、両腕、背中のスラスターとスーツ自体に回していたエネルギーを全て右腕のみに集約。
右腕ガントレットは展開し、余剰エネルギーが吹き出て、虹色の燐光を零している。
AFOが、全身から夥しいほどのエネルギーを放出し始める。
「すべては1つの目的のために!」
「気付いていたかい
最低限のエネルギーをスラスターに回し飛翔、拳を引き、虹色の跡を残してAFOへと突撃する。
「押し通る!!!」
「まだ、消えちゃいないぜ」
膨張したエネルギーが一気に収束し、醜く肥大した身体に、幾重にも光輪を纏う。
一瞬の溜めのち、押し出されるように前方へ発射されるAFO。
迎え撃つは、眼光鋭いUM。
「これは...」
「アーン...」
スラスターが切れる。しかし噴出する右腕のエネルギーだけで前へ。
AFOとぶつかる瞬間に、抑え込んでいた全てが爆発する。
「僕の物語だぁ!!」
他方、富士山付近では激しい空中戦が繰り広げられていた。
浮遊する人影。
爆破の音が連続で鳴り、黒い鞭が翻り、連なる掌が弾ける。
「かっちゃん、OFAをアイツに叩き付ける...!」
「あぁ!?んな事していいんか!?」
「うんっ!壊れるくらいに強く、それで壁を砕く!」
宙を掛けて死柄木に迫る。
その手に意志の欠片を握り締めて。
迫る掌を壊して、道を拓く。
「行けぇ!出久ぅ!!!」
「死柄木っ...弔ぁ!!!」
2つの拳が、2人のAFOに届く。
これまで繋ぎ、紡いできた全てが。
「あぁ、ついに本願果たせる」