敵に生まれ変わることを強いられているんだ   作:色々残念

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思い付いたので更新します
今回は本作主人公が死んだ後のヒロアカ世界で、分倍河原仁視点の話になりますね


その後の世界、ヒロアカ編

伸ばした手は届かない。

 

親友の分身に担がれて、本物の親友から引き離されていくオレの身体。

 

ひび割れた巨人の身体から漏れ出す赤い光は、完全に何かが起こる前兆だ。

 

「結!」

 

親友の名前を呼ぶことしかできないオレが、最後に見た親友の顔は、何処か満足気であった。

 

そして巻き起こった大爆発。

 

巨人の爆発に巻き込まれて死体すらも残らなかった親友の宝生結。

 

オレを庇ったせいで死んじまった親友に、何もできなかったオレは、個性2倍で増やした分身の親友が必死に逃がしてくれたことで今も生きている。

 

その親友の分身も、巨人の大爆発の爆風からオレを庇って消えちまった。

 

親友が死ぬ姿を見ちまってから、オレは個性2倍で親友の結の分身を作り出すことが出来なくなっちまう。

 

今はもう、2倍で増やせるのはオレだけで、親友には会えない。

 

オレと結を襲った巨人が「主の為に」と言っていたことは覚えているが、つまり、オレ達を襲わせた主とやらが、巨人には居たってことだ。

 

オレから大切な親友を奪った巨人の主。

 

そいつのことが思い浮かんだ瞬間、身体の奥底から熱が噴き出すように、凄まじい怒りで身体が震えた。

 

握り締めた手からは血が滲む。

 

治まることのない怒りだけではなく、とてつもない憎悪が芽生え、許すことの出来ない存在へと向ける負の感情は止まらない。

 

「絶対に許さねぇ」

 

オレにできることは限られてるのかもしれねぇが、何もしないままじゃあいられねぇな。

 

奪われた大切なものが、もう帰ってこねぇとしても、泣き寝入りするのだけは御免だ。

 

親友を奪われた復讐を果たす為に、動き出したオレに協力してくれたのは義爛で、オレと結に恩を感じてくれていたらしい。

 

「あんたらに稼がせて貰った礼ってとこだ」と様々な情報を提供してくれた義爛。

 

闇の大物ブローカーである義爛からの情報を頼りに、分身を活用して探った結果、オール・フォー・ワンとやらの情報を掴んだが、裏社会では伝説とも言えるオール・フォー・ワンにはオレだけじゃ勝てねぇと理解できる。

 

個性を奪い、与える力を持つオール・フォー・ワンは、あの巨人よりも間違いなく強い。

 

なら、どうすんだってところだが、オール・フォー・ワンに対抗できそうな存在には心当たりがあるオレは、オールマイトのサイドキックだったサー・ナイトアイに情報を流して、実際に接触。

 

サー・ナイトアイからオールマイトにも情報は伝わり、オール・フォー・ワンを倒す為のヒーローによる包囲網が徐々に出来上がっていく。

 

オレの個性2倍が有用であることを示し、協力者となることを許されたオレは、オールマイトや様々なプロヒーローを計測することに成功。

 

2倍で作り出した分身は、オレの思い通りに動いてくれる訳じゃねぇが、オール・フォー・ワンを倒す為であるなら、分身として増やしたヒーローも動いてくれる筈だ。

 

それから決戦の日取りが決まり、一斉に増やしたオレ自身の分身が、ヒーロー達の分身と共に日本全国各地にあるオール・フォー・ワンのアジトに待機し、現在オール・フォー・ワンが居るアジトへと突入していった分身のヒーロー達。

 

オールマイト、エンデヴァー、ベストジーニスト、エッジショット、クラスト、戦闘能力が上位なヒーロー達の分身数十名に加えて、個性を消せるイレイザーヘッドの分身も数名送り出してある。

 

個性を奪い、与えるオール・フォー・ワン対策となるイレイザーヘッドにより、個性を使えないオール・フォー・ワンを袋叩きにしたヒーロー達。

 

あっという間に倒されたオール・フォー・ワンとその配下。

 

サー・ナイトアイからの進言でオール・フォー・ワンを生かしておくことに問題があると判断し、死刑が執行されたオール・フォー・ワンは死んだ。

 

それから、オレも捕まりはしたが、時折ヒーロー達を増やすことを頼まれたりもしながら日々を過ごした。

 

囚われの身とはなっているが、ヒーローを増やせるオレをタルタロス送りにするには惜しいと考えてるやつが居るみてぇで、囚人にしては随分と厚待遇だ。

 

千を越えるオールマイトの分身によって、倒された数多のヴィラン達など、それから本当に様々なことがあったが長い時が過ぎて、今オレは親友の墓の前に居る。

 

オレに増やされたヒーロー達が金を出しあって、親友である宝生結の墓を作ってくれたことには感謝しかない。

 

付き添いというかオレの見張りなプロヒーロー達と一緒に墓を掃除して綺麗にしてから、親友への土産を取り出して、供えることにした。

 

「今日は酒持ってきたぜ結」

 

そう言って酒を墓に供えたオレは両手を合わせて、親友の冥福を祈っておく。

 

「オレが今も生きてるのは、お前のおかげだ。ずっと言えなかったけどよ、助けてくれてありがとな結」

 

親友との楽しかった思い出を思い出すと、いつも流れる涙を拭って、今まで言えなかったことを言ったオレは、親友の墓から立ち去り、空を見上げた。

 

輝く太陽を見て、そういえば太陽光を出せる水晶を結は作れていたなと思い出す。

 

親友との様々な思い出は、今も忘れることのないオレの大切な記憶だ。




分倍河原は定期的に親友の墓参りに行っているようです
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