敵に生まれ変わることを強いられているんだ   作:色々残念

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思い付いたので更新します
今回はダイの大冒険編で、大魔王バーン視点の話になります


その後の世界、ダイの大冒険編

ヴェルザーが治める領地にて黒の核晶による爆発があり、ガルヴァスがそれに巻き込まれたと、余の部下から報告が届く。

 

ガルヴァスは弱者ではないが、流石のガルヴァスでも黒の核晶の爆発に巻き込まれたとするなら生きてはおるまい。

 

黒の核晶を用いてガルヴァスを殺害するような愚か者は、ヴェルザーしかおらぬだろう。

 

魔界の住人に太陽の光という恵みを惜しみなく与えることに尽力していたガルヴァスを、唯一敵視しておったのは、自身の部下が奪われることを恐れていたヴェルザーだけだ。

 

魔界を地上以上に肥沃な土地に溢れた楽園に変えることを楽しんでいた余にとって、太陽の光を発する水晶を作成可能なガルヴァスは、何よりも得難い魔族であったのだがな。

 

ガルヴァスの命を奪ったヴェルザーの行いを何よりも不愉快に感じるとは、想像以上に余はガルヴァスを気に入っていたらしい。

 

魔界の全土に水晶の太陽を与えることを望んでおったガルヴァスは、変わり者ではあったが、つまらぬ男ではなかった。

 

自由である為に、余の部下となることを断ったガルヴァスは、魔界の為に誰よりも尽力した男であったと言えよう。

 

神々すらも見捨てた魔界の住人に、太陽の素晴らしさを教えた存在として、ほぼ全ての魔界の住人達に慕われていたガルヴァスは、他者の心を掴む男であったことは確かだ。

 

美しくも素晴らしい太陽の輝きを、魔界に作り出したガルヴァスを失ったことは、余の治める領地にとっても大きな損失となるのは間違いない。

 

そうであるとするなら、余の領地に多大な損失を与え、魔界の全てに太陽が与えられる機会を奪った愚か者のヴェルザーには、余が直々に報復しておかねばならぬな。

 

魔法で焼き尽くすだけでは余の気が済まぬ、直にヴェルザーの肉を裂き、叩き潰さねば、この怒りは治まらぬだろう。

 

凍れる時間の秘法が再び使える皆既日食が起こる時期は、近い。

 

ならば、多少の寿命が削れることを覚悟で、ヴェルザーを即時粉砕しておくとするか。

 

「ミストよ」

 

「はっ、バーン様」

 

「預けていたものを、僅かな間、返してもらおう」

 

「バーン様が、お望みとあれば、お預かりした肉体をお返しいたします」

 

暗黒闘気の集合体であるミストに預けておった若さと力に溢れた肉体と、魔力と叡智を宿したベースとなる余の肉体が、今1つとなった。

 

真の姿となった余は、正体を晒したミストを付き従え、ヴェルザーの領地へと向かう。

 

元部下の肉体に黒の核晶を埋め込むようなヴェルザーに従うような部下は居らず、余を素通りさせる程度には、部下から見放されておるようだ。

 

ヴェルザーの居城の奥底に踏み込んだ余とミストを、出迎えた冥竜王。

 

「何の用だ、バーン」

 

そう問い掛けてきたヴェルザーに対し、余が答える言葉は1つ。

 

「死ぬがよい」

 

余が放つ手刀、カラミティエンドにより斬り裂かれたヴェルザーの身体。

 

激しい怒りのままに肉と骨を裂き、ヴェルザーの鮮血を撒き散らした余は、冥竜王ヴェルザーを一方的に屠りさる。

 

不死身の魂を持つヴェルザーは、このまま何もせず時が経てば復活する存在であるが、死後に弱ったヴェルザーの魂を、余はミストに捕らえさせた。

 

魂に干渉する力を持つミストにより、逃さず捕らえたヴェルザーの魂。

 

いずれヴェルザーと戦う時の為に備えていた秘術を用いることに躊躇いはなく、余はヴェルザーの魂から不死身を消し去り、不滅であったヴェルザーへと、滅びを与えてゆく。

 

滅びゆく最中に断末魔の悲鳴を上げるヴェルザーの魂が「おれは冥竜王ヴェルザーだぞ」と喚く様を見た余は、ヴェルザーの魂を握り潰し「余は、大魔王バーンなり」と言い放った。

 

完全に滅びたヴェルザーの魂は消滅し、永久に蘇ることはない。

 

ヴェルザーの死後、魔界の全てを余が治めることになり、ガルヴァスの残した太陽光を発する水晶の欠片に禁呪法を用いた余は、太陽の光を放つことが可能なダーククリスタルを数多に作り出す。

 

魔界の全土に余が派遣したダーククリスタルにより、広まった太陽の光は、魔界の全てを照らしておるようだ。

 

水晶の太陽は、ガルヴァスがもたらした魔界の太陽。

 

その輝きは、ガルヴァスの死後も衰えてはおらぬ。

 

魔界に太陽を与えたガルヴァスの功績を、余が忘れることはない。

 

水晶の太陽が放つ素晴らしき陽光の輝きは、生命を育む光であると、余には理解できた。

 

太陽をその手に納めることを可能とするガルヴァスの水晶は、魔界の住人であれば誰もが欲してやまぬものではある。

 

長い時を生きる魔族は、生き方次第で腐るような生を送るものも少なくはないのだ。

 

魔界に水晶の太陽を与えてから散ったガルヴァスは、一瞬ではあったが、閃光のように眩く生きた男であったのかもしれぬな。

 

魔界に水晶のガルヴァスという男が居たことを、余は生涯忘れることはないだろう。

 

地上を吹き飛ばし、魔界に太陽を与えようと考えていた余が、その計画を取り止め、魔界を地上よりも優れた場所へと変えることを楽しむようになっていたのは、ガルヴァスが影響していたことは確かだ。

 

奪うことを選ばずに、与えることを選んだガルヴァスは、やはり魔族としては変わり者ではあったが、そんな男のことが嫌いではなかったのだろうな。




魔界の全てを治めるようになった大魔王バーンは、領地を改良することを楽しんでいたようです
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