敵に生まれ変わることを強いられているんだ   作:色々残念

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本日2回目の更新になります


9番目はゼロの使い魔

ドーナシークとして寿命の最期まで生き抜き、新たに「光力」の能力を引き継いだ俺は、次の世界でジュール・ド・モットとして生まれることになったようだ。

 

系統魔法という4属性の魔法が存在し、魔法が使える存在をメイジと呼ぶこの世界は、ゼロの使い魔の世界で間違いないだろう。

 

ジュール・ド・モットは原作では、魔法学院のメイドであるシエスタを自分のメイドにして手を付けようとしていた好色な伯爵であったが、水の系統魔法を使えるトライアングルメイジで、無駄に強かった存在ではあった。

 

最終的にはエロ本と引き換えにシエスタを解放したモット伯は、ゼロの使い魔の主人公である平賀才人にとっては敵キャラと言える存在だったかもしれない。

 

そんなジュール・ド・モットに転生した訳だが、好色になるつもりもないし、原作でモット伯が身に付けていたシャンプーハットのような首飾りを装着するつもりもない俺は、トリステインの貴族としての教育を受けて、水の系統魔法の使い手としても成長していく。

 

ガルヴァスだった頃に身に付けた「治療魔法」と、神谷実だった頃に得た「ドクター」の能力を持つ俺は、水の系統魔法による治療に凄まじく適性があり、どんな相手だろうと癒す凄腕の治療魔法の使い手としてトリステインでは有名になった。

 

順調に修行して水のトライアングルにまで到達してから特典の「能力進化」を用いてみると、スクエアどころかヘキサゴンにまで到達した水の系統魔法。

 

水の系統魔法の使い手としては、最も強力な使い手になったと言える俺は、公には水のスクエアとだけ伝えておき、ヘキサゴンまで到達していることは明らかにすることはない。

 

ジュール・ド・モットとして生きていく最中、治療魔法の使い手として有名になっていたせいか、ヴァリエール公爵からカトレアの治療を頼まれることになり、持てる全てを使ってカトレアを健康体にすることには成功。

 

魔法ではない方向から治療が可能な「ドクター」の能力がかなり役立ったことは確かだ。

 

魔法以外も使っていた此方のことを見抜いていたカトレアには口止めをしておき、元気になっても無理はしないようにとも言い含めておく。

 

カトレアが健康体となったことをヴァリエール公爵と公爵夫人からは物凄く感謝されて、公爵の長女であるエレオノールからも素直に感謝された。

 

病弱な妹を大切に思っていたエレオノールも、カトレアが健康になったことを姉として喜んでいたのは間違いない。

 

エレオノールと穏やかに会話していた俺を見ていたヴァリエール公爵から、エレオノールを嫁にどうかと言われることになり、エレオノールが「お父様!」と若干公爵に怒っていたりもしたが、俺のことを嫌がっている訳ではないようだ。

 

「エレオノールが嫌ではないなら、嫁になってもらえると嬉しくはありますな」

 

そう言ってみた俺に対し、顔を真っ赤にしていたエレオノール。

 

その後、モット伯爵家へのエレオノールの嫁入りが決まり、夫婦となった俺とエレオノールは貴族としての家庭を築いて、子どもにも恵まれた。

 

俺とエレオノールの間に生まれた長男のルイが、いずれヴァリエール公爵家の跡取りとなることは決まっていて、ヴァリエール公爵と公爵夫人もルイの教育には参加したが、初孫に凄まじくデレデレしていたヴァリエール公爵。

 

それから続けて生まれた次男のレアルが、モット伯爵家の跡継ぎとなる為、ある程度育ってきてからは、貴族として教育を施していった次男。

 

モット伯爵家の財源として「結晶」で作成した宝石なども売り捌いてみたが、見栄を張りたがる貴族に飛ぶように売れた宝石達。

 

潤沢な資金で領地を改善していき、エレオノールとも夫婦の付き合いをして、子ども達とも親として触れ合ったりもしながら、生きてきた日々。

 

エレオノールの妹であるルイズが使い魔を召喚してから巻き起こる騒動には、特に俺が関わることはなく、治療魔法の使い手として怪我人を治療しながらトリステインの貴族として生きた俺は、大切な家族に囲まれた状態で最期を迎えることになる。

 

エレオノールと何度も愛し合った結果、子どもが5人も生まれたが、全員が成人して立派になるところを見たので、子ども達は問題ない筈だ。

 

妻のエレオノールは1年前に俺が最期を看取ったので、この場に居るのは息子達だけとなるな。

 

俺がもう長くはないと知り、全員が泣くのを堪えているような顔をしているが、そういう意地っ張りなところはエレオノールに似ている息子達。

 

腕を上げるにも一苦労するような老いた身体を動かして、子ども達全員の頭を撫でてやると、ついに我慢できなくなったのか泣き出してしまったが、ここまで大切に思われていたなら悪くはない。

 

「大切な家族に最期を看取られるというのは良いものだな」

 

しわくちゃな顔で笑みを浮かべて「お前達と生きた幸せな日々を、俺は忘れない」と伝えて瞼を閉じた俺は、そのまま息を引き取った。

 

ジュール・ド・モットとして寿命の終わりまで生きたことに悔いはない。

 

意地っ張りな可愛らしい妻と過ごした日々を忘れることもないだろう。

 

水の系統魔法が「能力引き継ぎ」で引き継がれることは確実だが、どんな世界でも役立つ魔法にはなりそうだ。




ヴァリエール公爵は、初孫をメチャクチャ可愛がっていたみたいです
ヴァリエール公爵夫人は、厳しく鍛えすぎて初孫には怖がられていて、夫人本人は結構落ち込んでいました
夫に最期を看取ってもらえたエレオノールの顔には嬉しそうな笑みが浮かんでいたようです

今回の転生先
ゼロの使い魔、に登場した敵キャラであるジュール・ド・モット
好色な伯爵でシエスタを魔法学院から連れ去ったことで、平賀才人と戦うことになった水のトライアングルメイジな敵キャラ

今回ジュール・ド・モットに転生したことで「能力引き継ぎ」で引き継がれる能力
「水の系統魔法」
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