どうやらうちの学園はレベルが高い〜異能至上主義の0.001%の天才の達が集まる学園で異世界帰りの俺は物理で渡り合う〜   作:畑山

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第4話 "結果"

 学園都市内、ホテルの一室。

 その一室にて、俺はベッドに寝転がったまま上機嫌で鼻歌を口ずさんでいた。

 

「ふふーん♪」

 

 試験について──結局は一時中断。

 そりゃあれ並の事件が起きれば、妥当な判断であろう。

 しかし復旧については早かった。学園側の声明としては外部攻撃の痕跡は確認されなかった、結界の局所破損エラーによる異常エネルギー現象が起こっただけとの説明が行われた。

 それとその事象による負傷者はいなかったことを含め、特に取り沙汰される事案にもならず一次試験は午前から午後へスライドとなっただけだった。

 

「いやー、気分がいいな!。」

 

 俺的には結果オーライ、いや考え得る最高の結末だったかもしれない。午後の試験になったら適当にシールドを割るなり、いくらでも不合格になるのは簡単だと分かったのは大きな収穫だった。

 

 

 ……なんて思考を巡らせていると、けたたましくスマホが震えた。

 

 

「……ちっ、」

 

 

 思わず舌打ちが出る、気分はいきなり暗転した。

 横を向くと、画面には登録名すらされていない番号。

 嫌な気分にはなるが、まあ……出るしかない。

 

「あー、もしもし?」

 

『あー、やっと出た〜。で……どうだったのさ、試験』

 

 電話越しからは現状、俺を悩ませることしかしない"ガキ"がでた。

 

「あ?」

 

 軽薄で馴れ馴れしくて、いつ聞いもイラッとする声をである。

 

『試験、どうだった? 手応えは?』

 

「残念、思い通りならなくて悪いが落ちたぜ?」

 

 電話越し、したり顔で俺はそう告げる。

 

『えー? 嘘だー!そんなわけないでしょ〜〜。タスク君、嘘はだめだよー?』

 

「あんな、元はと言えばお前が無理矢理だな……」

 

 頭が痛くなる相手だ。

 この学園の試験を俺が受けることになったのも全ての元凶は電話越しのこいつ。

 異世界帰りのアドバンテージがこの世界では相当でかいのは"第一次試験"でも痛感する次第だが、どうしても俺的には乗る気になれなかった。

 実際は俺のは"異能力"じゃない、シンプルな物理での強行突破。

 評価軸に則していない。どうしてもズルしてると言う後ろ目たさが勝つし……。

 こっちが本命だが……あの学園なんかに入ったら絶対に厄介ごとに巻き込まれる。

 

 ……実際それは今日一日でも実感できるものだった。

 

『まあまあ、結果きたら教えてよ。どーせ受かってるって!』

 

 電話越しの"ガキ"は軽く言うがこいつを知っているが故に背筋が凍りつく。

 

 ——いやいや、流石に……。

 

 しかしそもそも落ちる気100%で受験するんだから、俺の采配で合否は決まるはずだ。

 俺は午後へ向け、落ちる気持ちへのボルテージをさらに上げる。

 

『大丈夫ー!タスクならできる!やればできる!』

 

 

「いやだからな、俺はそもそも受かる気なんて──」

 

 

 言い終わる前に、スマホが震えた。

 通話とは別の、メール通知。

 

 画面に浮かんだ件名を見た瞬間、肺が止まる。

 

【究導学園:一次試験合格のお知らせ】

 

「──は?」

 

 指が勝手に震えて詳細を開く。

 

 そこには簡潔な文章。

 淡々と、「あなたは一次試験を通過しました」とだけ記されている。

 

『え〜〜!まさかぁ!?』

 

「………………いやいやいや待てよ」

 

 俺は頭を抱えた。

 

(……なんで受かってんだよ……)

 

 通話の相手の"ガキ"は上機嫌で話し続けていたが、俺の意識は半分以上飛んでいた。

 

 

◆──時間は少し遡る

 

 第一試験Aグループ──中断。

 

 受験生はメディカルケアを受け一時ホテルへ帰宅。

 会場の空気は、張り詰めた冷気と研究員の緊張感による熱気に満ちていた。

 

 崩落した結界の破片はすでに処理され、事件追及のため研究員達が忙しく歩き回っていた。

 

 凛と立つホーネット・リ・アストネインは、表情を消していた。

 

「……いったいあれは……?とてもない負のエネルギー波が一瞬にして出現消滅?」

 

 事件の状況を整理し、脳を回す。

 続けて不意に目を向け、白衣の研究員に話しかける。

 

「……なにか情報はありましたか?」

 

「ホーネット様、申し訳ないのですが発動源、原因にて未だに特定が出来ておりません。ただ分かるのは"第一界以上"の異能力者の関与は確実かと……」

 

「……そう、でしょうね……。それもかなり熟練の……。」

 

 グッと組んだ腕を震えるように強く握る。

 ホーネットの腕を超えたものの関与は確実、するとなると"第一界"クラスのテロ犯罪者が学園にいるかもしれない。しかも思惑も反抗動機も不明。

 冷や汗が垂れる……。

 

「ですが……奇跡でしたな、怪我人どころか会場に関して結界の一部破損のみ……。」

 

「奇跡……そうですね。"奇跡"……。」

 

 

 ホーネットの視線は、崩れた一角へ向いていた。

 

 

 そこに放心状態の──銀髪の少女がいた。

 “異彩組”のひとりであり、そしてホーネットの──

 

「ミレア、大丈夫……?」

 

「……お、お姉ちゃん、う、うん……大丈夫…大丈夫だったみたい」

 

 ミレア・リ・アストネイン、ホーネットの実の妹だった。

 しかしながら様子はおかしかった。

 

「……?」

 

 ホーネットは不思議と状態のミレアに疑問を抱く。

 

 

「……あ、あの、お姉ちゃん……。」

 

 

 すると、ミレアはおずおずと言葉を紡ぐ。

 

 

「……運命の出逢いがありました。」

 

 

「ほぇ?」

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